【試合レビュー】ニッパツ横浜FCシーガルズが今季初勝利 蔵田あかりは移籍後初の古巣戦、岡百々花2発などでオルカ鴨川FCを下す|2026プレナスなでしこリーグ1部 第3節

試合レビュー

前節に今季初勝利を挙げ、ここまで無失点を続けていたオルカ鴨川FCが、アウェーでニッパツ横浜FCシーガルズと対戦した。ニッパツは開幕から2連敗で、ホームで今季初白星を狙う一戦でもあった。

結果は、ニッパツ横浜FCシーガルズ 3-1 オルカ鴨川FC。ホームのニッパツが、自分たちの狙う形をピッチ上で表現し、オルカを上回った。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

第3節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

注目ポイント

  • オルカ鴨川FCは2連勝なるか
  • ニッパツ横浜FCシーガルズは今季初勝利なるか

試合情報

ニッパツ横浜FCシーガルズオルカ鴨川FC
31
23分 岡 百々花
37分 岡 百々花
59分 室井 胡心
15分 安東 美那
会場ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県)
観客数598人

スターティングラインナップ・登録メンバー

ニッパツ横浜FCシーガルズ

Pos No. 氏名 交代
GK19松井 里央
DF31俣野 佑果
DF17新井 純奈
DF4中居 未来 (Cap.)
DF25松尾 由帆
MF11岡 百々花90+2▼
MF5吉田 凪沙
MF14田村 かのん60▼
MF7浦島 里紗
FW6權野 貴子60▼
FW10室井 胡心86▼
Pos No. 氏名 交代
GK1田中 翠
DF15渋谷 巴菜
DF23金成 瑠那
MF9矢野 梨紗90+2▲
MF27神立 美百合60▲
MF13村上 真生60▲
FW30錦織 美紀86▲
監督: 山本 絵美

オルカ鴨川FC

Pos No. 氏名 交代
GK1米澤 萌香
DF23安東 美那
DF4松尾 菜月
DF2吉田 紫穂 (Cap.)
DF17越路 萌永62▼
MF14蔵田 あかり62▼
MF5浅野 綾花
MF7並木 千夏86▼
MF20上田 麻莉
FW19太田 凪砂
FW25齊藤 桃花
Pos No. 氏名 交代
GK26力丸 里保
DF3月東 優季乃
MF6浦部 美月
MF18松本 はな86▲
MF24江藤 里桜奈62▲
FW29中西 茉里奈
FW22北村 ほのか62▲
監督: 石田 学

なお、今季ニッパツ横浜FCシーガルズからオルカ鴨川FCへ加入した蔵田あかりにとっては、これが移籍後初の古巣戦となった。

試合展開

オルカ先制も、ニッパツが背後攻略で流れを引き寄せる

開幕からの2試合、ビルドアップを志向しながらも相手の前線守備に苦しみ、攻撃が停滞していたニッパツ。しかしこの日は、オルカの前線からの圧力がそれほど強くなく、最終ラインで比較的余裕を持ってボールを動かすことができていた。そこから岡百々花、室井胡心を目がけたシンプルな縦の配球を織り交ぜ、ニッパツは自分たちのリズムを作っていく。

一方のオルカは、左サイドで#20上田麻莉が高い位置を取り、その背後を#17越路萌永が追い越す形を持っていたが、ニッパツはその空いたスペースを#11岡が執拗に狙った。また、前線では#19太田凪砂のポストプレーに対し、#14田村かのんと#5吉田凪沙が強く寄せ、前を向かせない守備を徹底していた。

そんな中でも、先に試合を動かしたのはオルカだった。15分、最終ラインの横パスに対して#14蔵田あかりが一気にプレッシャーをかけ、ボールコントロールのミスを誘う。こぼれ球を回収した蔵田は太田に預け、そのまま全力で前進。太田は中央ではなく、右サイドをフリーで駆け上がっていた安東美那を選択した。安東がペナルティエリア右角付近から右足で放ったシュートは、GKが処理し切れず、そのままゴールへ吸い込まれた。劣勢の時間帯に、オルカが鋭いカウンターで先制点を奪った。

オルカ鴨川FC#14蔵田あかりのプレスからボールを奪い、最後は#23安東美那がシュートを突き刺してオルカが先制点。

しかし23分、ニッパツがすぐさま同点に追いつく。得点後、やや前がかりになっていたオルカに対し、#10室井が左サイドから一気に前進。最後は中央へ折り返し、走り込んだ岡が押し込んだ。さらに37分には、田村の浮き球パスに抜け出した岡がスピードを生かして再びネットを揺らし、ニッパツが逆転に成功する。前線のスピードと背後を狙う意識が、得点に直結した格好だった。

ニッパツ横浜FCシーガルズ#10室井の抜け出しから#11岡が同点ゴールを決める。
ニッパツ横浜FCシーガルズ#11岡の逆転ゴール。

ニッパツの整理された攻撃に対し、オルカは反撃の糸口を見いだせず

この日のニッパツは、開幕から模索していたビルドアップにこだわりすぎず、中盤を細かく経由する形をやや省略し、前線の岡と室井のスピードと裏抜けいう特長をより素直に生かした印象がある。最終ラインで時間を持てたこともあり、狙いどころが明確だった。オルカとしては、本来もう少し制限をかけたかった相手の組み立てに、十分な圧力をかけ切れなかった。

それでもオルカは、安東と蔵田の右サイドを軸にいくつか好機を作った。ただ、フィニッシュやラストパスの精度がもう一歩足りず、前半は2-1でニッパツがリードして折り返した。

追う展開で問われた攻撃の引き出し

今季初めて追う展開となったオルカは、前節の愛媛FCレディース戦で見せた「太田が前線で起点を作り、両サイドが仕留める」という形を再現したかったはずだ。しかしこの試合では太田が抑え込まれ気味であり、その形を継続的には出せなかった。リードされた状況で、別の攻撃手段をどこまで示せるかが問われる後半となった。

後半も、オルカが得点するイメージを持ちにくい時間が続いた。横浜のダブルボランチ、田村と吉田の強度は高く、オルカは前線にボールを収めるところで苦戦。太田のポストプレーも思うように機能せず、上田が低い位置から単独で打開を試みる場面も見られたが、囲まれて失う場面も少なくなかった。

室井の追加点で勝負あり オルカの交代策も実らず

その中でニッパツは、縦の関係を使った崩しからチャンスを重ねる。59分にはその流れが追加点につながった。
オルカ#25齊藤桃花がボールを奪ったものの、出しどころを探している間に相手に倒される。それでもプレーは止まらず、ニッパツが中盤でボールをつなぎ、#5吉田凪沙から#10室井胡心へ縦パスが入る。#10室井はそのまま抜け出してゴールに流し込み、3-1。試合の流れは大きくホームチームへ傾いた。

ニッパツ横浜FCシーガルズ#10室井のゴールで3-1。

1点を返したいオルカは、62分に#22北村ほのかと#24江藤里桜奈を投入して流れを変えにいく。ただ、前線の組み合わせや立ち位置を変えながらも、決定的に相手を崩すところまでは至らなかった。終盤には#18松本はなを前線に上げるパワープレーも見せたが、ニッパツ守備陣を脅かすには至らず、そのまま試合終了。オルカは今季初失点・初黒星、ニッパツは今季初勝利を挙げた。

総括

相手にやりたいサッカーを表現させてしまったオルカに対し、ニッパツは試行錯誤を続けてきたビルドアップと、前線のスピードを生かす形をうまく結びつけて勝利をつかんだ。

オルカの石田学監督は、試合中を通して選手の立ち位置や走る方向、守備時の距離感などを細かく指示していた。プレスの開始位置や限定のかけ方、スペースの消し方といった部分を整理しようとしている段階なのだろう。裏を返せば、それだけピッチ内での共有はまだ発展途上とも言える。監督の声が飛ぶ回数が減っていくことが、戦術浸透の一つの目安になっていきそうだ。

また、オルカは追う展開になったときの攻撃の選択肢にも課題を残した。太田を起点にできない時間帯に、どこから前進し、誰がフィニッシュに入るのか。今後は相手や試合展開に応じた別パターンの構築も求められそうだ。

一方の横浜にとっては、自分たちがやりたかった形で得点を奪い、ホームで今季初勝利を挙げた意義は大きい。特に、最終ラインから落ち着いて配球し、岡と室井のスピードを前向きに使えたことは、今後への確かな手応えになったはずだ。オルカのように最終ラインへの圧力が極端に強くない相手に対しては、十分に主導権を握れることを示した一戦だった。

順位表

第3節終了時点で、オルカ鴨川FCは6位、ニッパツ横浜FCシーガルズは10位となっている。

順位 チーム名 勝点 試合数 得点 失点 得失点
1 静岡SSUボニータ 7 3 2 1 0 15 1 14
2 ヴィアマテラス宮崎 7 3 2 1 0 6 2 4
3 岡山湯郷Belle 6 3 2 0 1 5 5 0
4 ASハリマアルビオン 4 3 1 1 1 3 2 1
5 スフィーダ世田谷FC 4 3 1 1 1 7 7 0
6 オルカ鴨川FC 4 3 1 1 1 3 3 0
7 愛媛FCレディース 4 3 1 1 1 7 8 -1
8 日体大SMG横浜 4 3 1 1 1 3 11 -8
9 伊賀FCくノ一三重 3 3 0 3 0 1 1 0
10 ニッパツ横浜FCシーガルズ 3 3 1 0 2 4 6 -2
11 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 2 3 0 2 1 5 6 -1
12 VONDS市原FCレディース 0 3 0 0 3 1 8 -7

次節、オルカ鴨川FCはホームで日体大SMG横浜と対戦する。ニッパツ横浜FCシーガルズも引き続きホームで、スフィーダ世田谷FCを迎える。

オルカにはこの敗戦で見えた課題の修正を、横浜には今節の勝利を次につなげる連勝を期待したい。

タイトルとURLをコピーしました