【試合レビュー】太田凪砂2得点、北村ほのか初ゴール、蔵田あかりも続く オルカ鴨川FCが日体大SMG横浜を4-0撃破|2026プレナスなでしこリーグ1部 第4節

試合レビュー

前節で今季初黒星を喫したオルカ鴨川FCが、前節に今季初勝利を挙げた日体大SMG横浜をホームに迎えた一戦。
試合は、日体大のビルドアップ対策を徹底したオルカが主導権を握り、4得点を奪って快勝した。

注目ポイント

  • オルカ鴨川FCは前節の敗戦で出た課題を修正し、ホーム初勝利を挙げられるか
  • 静岡SSUボニータに9失点で大敗したあと、前節はASハリマアルビオンに1-0で勝利した日体大SMG横浜が連勝を果たせるか

試合情報

オルカ鴨川FC日体大SMG横浜
4
18分 太田 凪砂
23分 北村 ほのか
50分 蔵田 あかり
80分 太田 凪砂
会場ワタレイスタジアム(鴨川市陸上競技場)(千葉県)
観客数838人

スターティングラインナップ・登録メンバー

オルカ鴨川

CBは#4松尾菜月と#3月東優季乃のコンビ。月東は今季初めてCBで起用された。左サイドバックには、ドリブル突破と攻撃参加が持ち味の#20上田麻莉。FW#22北村ほのかは今季初スタメンとなった。さらに#5浅野綾花が今季初めてキャプテンマークを巻き、#13浅坂真桜、#27今田紗良が今季初のベンチ入りを果たした。

PosNo.氏名交代
GK1米澤 萌香
DF23安東 美那
DF4松尾 菜月
DF3月東 優季乃
DF20上田 麻莉48▼
MF24江藤 里桜奈90+1▼
MF5浅野 綾花 (Cap.)
MF25齊藤 桃花90+1▼
MF14蔵田 あかり90+1▼
FW22北村 ほのか59▼
FW19太田 凪砂
控え
GK26力丸 里保
DF2吉田 紫穂
DF17越路 萌永48▲
MF7並木 千夏59▲
MF13浅坂 真桜90+1▲
MF29中西 茉里奈90+1▲
FW27今田 紗良90+1▲
監督: 石田 学

日体大SMG横浜

PosNo.氏名交代
GK12長谷川 想
DF28岡 千尋
DF3内村 心優
DF23笠井 寧々
DF25中野 梨緒
MF22留木 未々HT▼
MF4菅原 眞名 (Cap.)
MF20枚田 乙愛HT▼
MF2藤澤 和心
FW9柴原 希保
FW16鬼頭 こはな87▼
控え
GK1福田 はな
DF15大矢 さくら
MF26今野 真帆HT▲
MF29横濱 桃杏HT▲80▼
MF14本城 茉弥佳
FW18中村 柚仁87▲
FW24安部 美琴80▲
監督: 嶋田 千秋

試合展開

オルカが狙った日体大のビルドアップ封じ

オルカの狙いは明確だった。日体大が志向しながらも、ここまで相手に狙われ続け、失点の要因になっていた低い位置からのビルドアップを徹底して封じることだ。
FWの#22北村ほのか、#19太田凪砂が相手最終ラインにファーストプレスをかけ、相手が外へ逃がしたところに、サイドハーフの#14蔵田あかり、#24江藤里桜奈、さらにボランチの#5浅野綾花、#25齊藤桃花、サイドバックの#20上田麻莉、#23安東美那が追撃する。陣形をコンパクトに保ちながら前へ圧力をかける、整理された守備だった。

日体大もその狙いを警戒していたようで、前節のASハリマアルビオン戦と同様、後方から丁寧につなぐよりもロングボールを選択する場面が多かった。もっとも、プレスがかからない局面では最終ラインから縦パスを差し込む一方、圧力を受けると狭い場所でのパス交換に戻る傾向があり、そこでボールを失うか、苦し紛れのクリアを回収される展開が続いた。

また、この日のオルカは前線の高さも武器になった。特に173cmの#22北村ほのかはゴールキックのターゲットとして有効で、通常なら頭で競るようなボールも胸で収めて起点になる。オルカが試合を優位に進めるうえで大きな役割を果たしていた。

セットプレーから太田凪砂が先制

そして18分、オルカに待望の先制点が生まれる。日体大の低い位置でのビルドアップを狙ったプレスからコーナーキックを獲得。左からのCKはいったん跳ね返されたが、#23安東美那が再びクロスを送り、#5浅野綾花が頭でつなぐ。最後は#19太田凪砂がヘディングで押し込み、オルカが先手を取った。太田にとっては、これがなでしこリーグ初ゴールとなった。

北村ほのかの追加点と、前半の主導権

先制を許した日体大は、落ち着きを取り戻す意図もあったのか、再び自分たちのビルドアップを試みるようになる。しかし、これは結果的にオルカにとって好都合だった。プレスがさらに機能し、日体大は前進の糸口を見いだせない。

23分、オルカに追加点。再び左から#23安東美那のCKが入り、今度は#22北村ほのかが頭で合わせてネットを揺らした。今季初先発に応えた北村に、待望のなでしこリーグ初ゴールが生まれた。なでしこリーグデビューを果たした昨季、序盤に故障し長期離脱を強いられながらも腐らずに復帰してきた選手だけに、本人にとっても大きな一撃だったはずだ。

この場面では日体大の選手も北村に体を寄せていたが、それでも北村の高さが上回った。頭ひとつ抜けた制空権が、そのままゴールにつながった格好だった。

2点を追う日体大は、その後も基本的な方向性を大きくは変えず、低い位置からの組み立てを続ける。しかし、オルカの整理されたプレスの前に何度も危険な場面を招く。時折#9柴原希保へのロングボールが通って怖さを見せたものの、攻撃の糸口は限られていた。

加えて、この日の日体大は、相手保持時の守備も整理し切れていないように映った。オルカもビルドアップをベースとするチームだが、そこに対する前線と中盤の連動が弱く、中盤の距離感が間延びする。オルカは比較的余裕を持ってプレスを外し、前へボールを運ぶことができていた。前半はオルカの2-0で終了する。

蔵田あかりのループ弾で試合の流れを決定づける

後半開始早々、オルカにアクシデントが起きる。左サイドバックで攻守に存在感を放っていた#20上田麻莉が転倒後に立ち上がれず、担架でピッチを後にした。#17越路萌永が緊急投入される。

日体大は後半も、前半序盤と同じく縦へのロングボールを使ってビルドアップへの圧力を回避しようとする。しかし、先に突き放したのはオルカだった。50分、日体大の縦パスを跳ね返した流れから、相手のバックパスに#19太田凪砂がプレッシャーをかけてGKのパスコースを限定。そこへ#14蔵田あかりが鋭く飛び出してインターセプトすると、そのまま左足でループシュートを放つ。美しい弧を描いたボールがゴールに吸い込まれ、オルカが3-0とした。

55分頃には、GKから始まったオルカのビルドアップが見事だった。戦術が機能し、結果も伴うなかで、日体大がやりたかったはずの形をオルカが体現しているような時間帯だった。

日体大の連動不足と、オルカの波状攻撃

日体大はオルカのビルドアップに対して前線から圧力をかけにいくが、2列目の連動が足りず、奪った後の切り替えも遅い。守備から攻撃へのつながりが薄く、押し返すところまでは持ち込めなかった。

63分には、#24江藤里桜奈のドリブル突破から#19太田凪砂が切り返しでDFを外してクロス。#14蔵田あかりがヘディングで合わせたがGKに防がれ、こぼれ球に途中出場の#7並木千夏が詰めたものの、あと一歩届かない。
この場面では、日体大はクロスを入れられた後の対応が後手に回り、ボールウォッチャーになる場面が見られた。開幕節から課題として見えていたクロス対応が、なお整理し切れていない印象を受けた。

日体大は最終ラインから#9柴原希保への斜めのロングボールを多用して前進を試みるが、オルカ守備陣が粘り強く、落ち着いて対応する。

太田凪砂のこの日2点目、そして終盤の交代策

そして80分、オルカが試合を決定づける4点目を奪う。日体大の低い位置でのビルドアップに対し、#25齊藤桃花と#14蔵田あかりがプレス。こぼれ球を#19太田凪砂が回収すると、飛び出してきたGKをかわして無人のゴールへ流し込んだ。太田はこの日2得点の活躍となった。

終盤にはオルカが一気に3枚替え。#13浅坂真桜、#27今田紗良が今季初出場を果たし、#29中西茉里奈はなでしこリーグ初出場。試合はそのまま4-0で終了し、オルカがホームで快勝した。

総括

しっかりと相手を研究し、プレスをかける位置と角度を整理し、日体大がやりたいサッカーをほとんど表現させなかったオルカ鴨川FC。セットプレーから2得点を奪えたことも大きかった。
開幕から先発を続けてきた#19太田凪砂が2得点を挙げ、今節初先発の#22北村ほのかも結果で応えたことは、前線にとって大きな収穫だろう。#14蔵田あかりも移籍後2得点目を記録し、守備面でのハードワークも含めてチームへのフィットが進んでいることを感じさせた。前節の敗戦からしっかり気持ちを切り替え、4-0のクリーンシートで勝ち切ったことは、昨季に課題だった得点力という面でも明るい材料になった。

一方の日体大SMG横浜は、4失点すべてが低い位置、あるいは後ろ向きのプレーを起点に生まれてしまった。後半はロングボールを増やす修正も見せたが、今回は#9柴原希保への依存度が高く、そこを抑えられると攻撃の突破口が見えにくかった。もともと堅守を持ち味とするオルカが相手だったとはいえ、準備や整理の不足は否めない。関東大学リーグや年代別代表活動による影響もあるのかもしれないが、戦力面・戦術面の両方で再整理が必要であり、このままでは苦しい戦いが続く可能性がある。

筆者としては、後半早々に負傷退場した#20上田麻莉の状態が気がかりである。第2節の愛媛FCレディース戦でのゴールをはじめ、ルーキーイヤーだった2025シーズンから、ボールを前へ運べてシュート意識も高い貴重な存在だ。加えて、試合終了時に担架でピッチを後にした#5浅野綾花の状態も気になる。おそらく足が攣った可能性が高いが、中盤の要であるだけに、次節のスカッドは注視したい。

順位表

第4節終了時点で、オルカ鴨川FCは3位、日体大SMG横浜は10位となった。

順位チーム名勝点試合数得点失点得失点
1静岡SSUボニータ104310171+16
2ヴィアマテラス宮崎10431094+5
3オルカ鴨川FC7421173+4
4岡山湯郷Belle74211550
5ニッパツ横浜FCシーガルズ6420278-1
6朝日インテック・ラブリッジ名古屋5412176+1
7愛媛FCレディース5412178-1
8スフィーダ世田谷FC44112910-1
9ASハリマアルビオン4411234-1
10日体大SMG横浜44112315-12
11伊賀FCくノ一三重3403134-1
12VONDS市原FCレディース04004110-9

次節、オルカ鴨川FCは再びホームで岡山湯郷Belleと対戦。日体大SMG横浜はホームで、なでしこリーグ1部初挑戦で未だ勝ちのないVONDS市原FCレディースと戦う。

オルカにはホーム2連勝を、日体大にはチームとしての方向性を整理したうえでの巻き返しを期待したい。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

第4節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

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