2026プレナスなでしこリーグ1部第3節は、ここまでの流れを大きく揺さぶる結果が相次いだ。
開幕2試合で2連勝・15得点を記録していた静岡SSUボニータは、伊賀FCくノ一三重と0-0で引き分けて初めて足踏み。一方で、朝日インテック・ラブリッジ名古屋と愛媛FCレディースの一戦は4-5という壮絶な打ち合いとなり、愛媛が今季初勝利をつかんだ。さらにスフィーダ世田谷FCは岡山湯郷Belleに5-0で大勝し、前節までの空気を一変させる白星を挙げている。
また、ニッパツ横浜FCシーガルズはオルカ鴨川FCを3-1で下して今季初勝利。ヴィアマテラス宮崎はVONDS市原FCレディースに逆転勝ちし、日体大SMG横浜もASハリマアルビオンを破って初白星を手にした。第3節は、開幕からここまで苦戦していたチームが修正力と反発力を示したラウンドでもあった。
第3節の結果とレビュー記事一覧
まずは、第3節6試合の結果と詳細レビューを整理します。
個別の試合内容を深く知りたい方は、各レビュー記事もあわせてご覧ください。
- 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 4-5 愛媛FCレディース
→ 詳細レビューはこちら - ニッパツ横浜FCシーガルズ 3-1 オルカ鴨川FC
→ 詳細レビューはこちら - 伊賀FCくノ一三重 0-0 静岡SSUボニータ
→ 詳細レビューはこちら - VONDS市原FCレディース 1-3 ヴィアマテラス宮崎
→ 詳細レビューはこちら - スフィーダ世田谷FC 5-0 岡山湯郷Belle
→ 詳細レビューはこちら - 日体大SMG横浜 1-0 ASハリマアルビオン
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第3節最大の衝撃は、愛媛FCレディースが名古屋との乱打戦を制したこと
第3節で最も強いインパクトを残したのは、朝日インテック・ラブリッジ名古屋と愛媛FCレディースの一戦だろう。
試合は4-5。愛媛は開始1分に黒岩沙羽、7分に近藤彩優子が決めるなど、立ち上がりから名古屋のビルドアップに強い圧力をかけ、主導権を握った。愛媛が前線からの連動した守備で名古屋の低い位置からの組み立てを寸断し、その設計が見事にはまった試合だった。
名古屋も終盤にかけて粘りを見せて4得点を奪ったが、愛媛はその反撃を上回る5点目を奪い切った。
昨季王者の名古屋にとっては2分1敗と苦しい立ち上がりとなり、愛媛にとってはスタイルの明確さと実行力が実を結んだ今季初勝利になった。第3節全体を振り返るうえで、この試合は「対策されたビルドアップ」と「強度ある前線守備」の関係を象徴する一戦だったといえる。詳しくは、名古屋 vs 愛媛の詳細レビューをご覧いただきたい。
静岡SSUボニータの連勝を止めた伊賀FCくノ一三重。0-0でも濃密な90分だった
開幕2試合で15得点という圧倒的な破壊力を見せていた静岡SSUボニータは、第3節で伊賀FCくノ一三重と0-0。
結果だけを見ればスコアレスドローだが、内容は非常に濃い。伊賀の堅守と静岡の鋭い攻撃が正面からぶつかった見応えのある90分だった。伊賀は開幕から3試合連続ドローではあるものの、静岡の攻撃力を無失点で封じたこと自体が大きな価値を持つ。
静岡にとっては初めて得点を奪えなかった試合となったが、同時にリーグ戦の難しさも浮き彫りになった。
圧倒的な攻撃力を持つチームであっても、守備の整理された相手に対しては簡単には崩せない。その意味でこの試合は、静岡の勢いに陰りが見えたというより、伊賀の完成度の高さを改めて示した一戦と捉えるべきだろう。詳細は、伊賀FCくノ一三重 vs 静岡SSUボニータのレビューにまとまっている。
世田谷が5発快勝。湯郷の連勝を止めて流れを変えた
第3節で最も流れを変えた勝利だったのは、スフィーダ世田谷FCの5-0勝利かもしれない。
開幕節で静岡に1-6と大敗し、第2節は引き分け。それでも第3節では、開幕2連勝・無失点と好調だった岡山湯郷Belleに対して、ハイプレスと縦に速い攻撃で主導権を握り続けた。堀江美月の2得点、内田美鈴の2得点など、攻撃陣がしっかり結果を出したことも大きい。
一方の湯郷は、自分たちの持ち味であるビルドアップに対して世田谷の圧力を受け、うまく試合を運べなかった。
開幕から安定感を見せていたチームが一転して大敗したことで、第3節は上位争いの構図にも揺らぎを生む節となった。世田谷にとっては、守備の修正に続いて攻撃面でも一気に形が出た、価値の高い今季初勝利だったといえる。詳しくは、スフィーダ世田谷FC vs 岡山湯郷Belleのレビューをご覧いただきたい。
ニッパツ横浜FCシーガルズは今季初勝利。オルカ鴨川FCは無失点継続が途切れる
ニッパツ横浜FCシーガルズとオルカ鴨川FCの一戦は、ホームのニッパツが3-1で勝利した。
オルカは前節まで無失点を続けていたが、この試合では23分と37分に岡百々花が連続得点。さらに59分には室井胡心も加点し、ニッパツが自分たちの狙う形を表現してオルカを上回った。オルカも15分に安東美那が先制点を挙げたが、その後は流れを引き寄せ切れなかった。
ニッパツにとっては、開幕2連敗から立て直す意味でも大きな1勝だった。
一方のオルカは、守備の安定を土台に勝点を積み上げたい中で、今節はその土台が揺さぶられた形になった。ただし、リーグ序盤ではこうした揺り戻しも起こり得る。ここで修正力を見せられるかが、今後のポイントになりそうだ。詳しくは、ニッパツ横浜FCシーガルズ vs オルカ鴨川FCのレビューで確認していただきたい。
宮崎は逆転勝ちで上位キープ。市原は1部初得点を記録
VONDS市原FCレディースとヴィアマテラス宮崎の一戦は、宮崎が1-3で逆転勝利を収めた。
市原は27分に櫻庭琴乃が決め、クラブとして待望のなでしこリーグ1部初得点を記録した。これは敗戦の中でも大きな前進といえる。一方で試合全体では宮崎が主導権を握り、土屋佑津季の2得点、中野里乃の追加点で地力の差を示した。
市原にとっては、結果こそ3連敗だが、初得点という明確な成果を手にした節でもあった。
宮崎は開幕戦のドロー後、2連勝と着実に勝点を伸ばしており、今節も上位候補らしい試合運びを見せている。市原の前進と宮崎の安定感、その両方が見えた試合だった。詳細は、VONDS市原FCレディース vs ヴィアマテラス宮崎のレビューをご覧いただきたい。
日体大SMG横浜は今季初勝利。大敗後の修正が実を結んだ
日体大SMG横浜は、前節に静岡SSUボニータ相手に0-9の大敗を喫していた。
その直後の第3節でASハリマアルビオンを1-0で下し、今季初勝利を挙げたことは大きい。これまで低い位置からのビルドアップに苦しんでいた日体大が、今節は従来とは異なるアプローチを見せ、終盤に1点をもぎ取った。GK長谷川想の好守と安部美琴の決勝弾が勝利を支えた。
この勝利は、単に勝点3を得た以上の意味を持つ。
前節の大敗を引きずらず、課題に対して修正を試み、そのうえで結果まで結びつけたからだ。ハリマにとっては今季初黒星となり、日体大にとっては巻き返しの足がかりとなる1勝になった。詳しくは、日体大SMG横浜 vs ASハリマアルビオンのレビューをご覧いただきたい。
第3節で見えたのは、勢いの継続だけでは勝てないリーグの難しさ
第3節を振り返ると、ここまで好調だったチームが足踏みし、苦戦していたチームが巻き返す場面が目立った。
静岡は無得点で引き分け、湯郷は5失点で初黒星。一方で、愛媛、ニッパツ、日体大、世田谷はいずれもここまでの流れを変える結果を残した。つまり第3節は、序盤戦の勢いだけでなく、相手に応じた修正力や再現性が問われるリーグであることを改めて示した節だった。
また、愛媛の前線守備、伊賀の堅守、世田谷のハイプレス、宮崎の地力、日体大の修正力など、第3節では各チームの「勝ち筋」がより具体的に見えてきた。
その一方で、名古屋のビルドアップ、オルカの守備の安定性、湯郷の対プレス対応など、今後の課題も鮮明になっている。第4節以降は、この第3節で見えた強みと課題を各チームがどう扱うかが、大きな見どころになっていきそうだ。
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