【試合レビュー】日体大SMG横浜が今季初勝利 GK長谷川想の好守と安部美琴の決勝弾でASハリマアルビオンを下す|2026プレナスなでしこリーグ1部 第3節

試合レビュー

前節の静岡SSUボニータ戦で9失点を喫した日体大SMG横浜は、今季ここまでビルドアップの局面で苦しみ、最終ラインのパス交換を狙われる場面や、ゴール前の守備対応に課題を残していた。そんな日体大SMG横浜が、ホームにASハリマアルビオンを迎えた一戦である。

今節も日体大SMG横浜がこれまで通り低い位置からのビルドアップにこだわるのであれば、前線の圧力と中盤の強度を備えるASハリマアルビオンが優位に立つのではないか――。試合前はそのように予想していた。ところが、実際のピッチで日体大が見せたのは、これまでとは異なるアプローチだった。終盤に1点をもぎ取り、日体大SMG横浜が今季初勝利。ASハリマアルビオンは今季初黒星を喫した。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

第3節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

注目ポイント

  • 前節、大量失点を喫した日体大SMG横浜が、ビルドアップと守備の両面でどのような修正を見せるか
  • 今季1勝1敗のASハリマアルビオンが、2勝目をつかめるか

試合情報

日体大SMG横浜ASハリマアルビオン
1
86分 安部 美琴
会場神奈川県立保土ケ谷公園サッカー場
観客数372人

スターティングラインナップ・登録メンバー

日体大SMG横浜

PosNo.氏名交代
GK12長谷川 想
DF3内村 心優
DF23笠井 寧々
DF25中野 梨緒
DF28岡 千尋
MF2藤澤 和心 (Cap.)
MF5藤谷 千里
MF9柴原 希保
MF20枚田 乙愛HT▼
FW11浅香 美結85▼
FW13山本 葉桜79▼
控え
GK1福田 はな
DF4菅原 眞名HT▲
DF27杉本 光羽
MF14本城 茉弥佳
MF16鬼頭 こはな79▲
FW18中村 柚仁
FW24安部 美琴85▲
監督: 嶋田 千秋

ASハリマアルビオン

PosNo.氏名交代
GK41小暮 千晶
DF4阪中 澪
DF5小島 美玖 (Cap.)
DF6佐々木 美悠
DF20山口 歌子70▼
MF8小池 快89▼
MF17唐橋 万結
MF23井上 麗叶
FW9川﨑 咲耶89▼
FW10千葉 園子
FW33椎野 彩香70▼
控え
GK1原田 実歩
DF2児玉 耀70▲
MF15大原 和夏
MF16左子 五月89▲
MF18阿部 文音
FW13今蔵 綾乃70▲
FW25鷹野 あかり89▲
監督: 菅野 将晃

試合展開

日体大が見せた序盤の修正と積極性

立ち上がりから、日体大SMG横浜は縦に速い攻撃を打ち出した。これまで目立っていた低い位置での細かなパス交換は抑えめで、#9柴原希保、#11浅香美結を中心に背後を狙う意識が強い。ドリブルで前進し、早いタイミングでシュートまで持ち込む場面も増えた。さらに、この日の日体大はハリマの最終ラインに対しても積極的に圧力をかける。前節までとは異なる色合いのサッカーを見せていた。

一方のハリマは、攻撃的に入った日体大にやや戸惑いながらも、球際の強さでは優位に立つ。#33椎野彩香が最終ライン付近まで下がって守備に加わり、#9川﨑咲耶も中盤に顔を出して組み立てに関与。ボールを持てば複数人が前向きに関わり、押し返していく。

15分前後には、日体大が前線からのプレスで相手のミスを誘発。ワンタッチでボールを前進させ、最後は左サイドから#2藤澤和心が強烈なミドルシュートを放つ。これはハリマGK小暮千晶が横っ飛びで防ぎ、先制点を許さなかった。

日体大SMG横浜が、まるで別チームのような守備と攻撃の切り替え、そして連携を見せる。

日体大は守備から攻撃への切り替えが速く、連動性も高い。ハリマの最終ラインに十分な時間を与えず、前線のスピードを生かして背後を狙う形が機能していた。ハリマはもともと前線から激しく奪いに行くタイプではないが、この試合ではその傾向が日体大にとって追い風になった印象がある。

ハリマが主導権を握るも、日体大GK長谷川想が阻む

しかし、20分を過ぎる頃からハリマが徐々に対応する。25分、セットプレーの流れからこぼれ球を#23井上麗叶が右足で捉えるが、シュートはクロスバーを直撃。決定機だった。

ASハリマアルビオン#23井上麗叶のシュートはクロスバーを叩いた。

さらに28分、日体大は自陣の低い位置でリスクの高いパスを選択し、これを#9川﨑咲耶がカット。折り返しから#4阪中澪がDFとGKの間へ浮き球を送ると、走り込んだ#8小池快が左足で合わせる。これは日体大GK#12長谷川想が足を伸ばして好セーブ。今季初出場・初先発のGKが、チームを救う場面だった。

その後もハリマは左サイドからのクロスに#10千葉園子が頭で合わせるが、これもクロスバー。前半終盤にかけてはハリマが押し込む時間が増えたものの、日体大はGK長谷川の好守もあって0-0で前半を終える。

ハリマ優勢の後半、最後に日体大が勝負を決める

後半立ち上がりも、主導権を握ったのはハリマだった。FKの流れから相手DFに当たってこぼれたボールに#33椎野彩香が反応し、右足を振り抜くが、これは日体大DFが身体を張ってブロック。前半から続く「あと一歩」の場面が、ここでも得点にはつながらない。

ASハリマアルビオン#33椎野彩香のシュートは日体大DFがブロック

さらに、パスワークで日体大の守備を崩して#10千葉が放ったシュートもポストに嫌われる。

日体大の攻撃は、#9柴原と#11浅香のハードワークとスピードを生かした裏抜けが中心で、攻撃のバリエーションという点では限られていた。決定機の数、シュート数、ボール保持時の安定感ではハリマが上回っていたが、ゴールだけは生まれないまま時間が進んでいく。

そして85分、ついに試合が動く。先制したのは日体大SMG横浜だった。CKのこぼれ球を、途中出場の#24安部美琴がペナルティエリア外から右足一閃。鋭く振り抜いたシュートがゴールネットを揺らし、日体大が均衡を破った。公式記録上の得点時間は86分である。

追いつきたいハリマは前線の選手を入れ替えながら最後まで攻め続けたが、あと一歩が届かない。日体大SMG横浜が1-0で逃げ切り、今季初勝利を手にした。

総括

この試合で最も大きかったのは、日体大SMG横浜が前節から明確に戦い方を修正してきた点だろう。低い位置でのビルドアップに過度にこだわらず、縦への速さと前線からの守備を前面に押し出したことで、自分たちの持ち味をより出しやすい展開に持ち込んだ。途中からやや圧力が弱まったが、スピードのあるサイド攻撃と裏抜けは相手に脅威を与えた。

もちろん、内容面で優勢だったのはASハリマアルビオンだった。最終ラインの強さと安定感、中盤の構成力、攻撃の形の多さでは、ハリマが上回っていたように見える。クロスバーやポストに嫌われた場面も含めれば、得点していても不思議ではなかった。

日体大SMG横浜はGK長谷川想の大活躍に助けられた。ASハリマアルビオンは、前線のプレスを強めて最終ラインのゆったりとしたビルドアップを狙えば、さらに決定機が増えて得点する可能性も上がったのではないかと感じたが、各チームの戦術があるので一概には言えない。

それでも、サッカーは内容だけでは決まらない。日体大はGK長谷川想の好守に支えられながら守備で粘り、限られた攻撃の形を最後まで貫いた。そして訪れたワンチャンスを安部美琴が仕留めた。この「修正力」と「勝ち切る粘り」は、今後につながる勝利だったと言える。

日体大SMG横浜 公式マッチレポート(Instagram)

ASハリマアルビオン 公式マッチレポート (X)

順位表

第3節終了時点で、日体大SMG横浜は8位、ASハリマアルビオンは4位。両チームとも勝点4で並ぶ中、得失点差などで順位が分かれている。

順位チーム名勝点試合数得点失点得失点
1静岡SSUボニータ7321015114
2ヴィアマテラス宮崎73210624
3岡山湯郷Belle63201550
4ASハリマアルビオン43111321
5スフィーダ世田谷FC43111770
6オルカ鴨川FC43111330
7愛媛FCレディース4311178-1
8日体大SMG横浜43111311-8
9伊賀FCくノ一三重33030110
10ニッパツ横浜FCシーガルズ3310246-2
11朝日インテック・ラブリッジ名古屋2302156-1
12VONDS市原FCレディース0300318-7

次節、日体大SMG横浜はオルカ鴨川FCとのアウェー戦、ASハリマアルビオンは首位・静岡SSUボニータとのアウェー戦に臨む。日体大がこの試合で見せた修正を継続できるか、そしてハリマが内容優位を結果に結びつけられるか。ともに次節の戦いぶりが気になるところである。

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