リソース
LIVE配信(Youtube)
公式記録

公式ガイドブック
要約
前節は一転して守備に奔走するオルカ鴨川FC。オルカをしっかり研究してきた名古屋に、好きなように試合を運ばれた。
オルカは#4松尾選手・#3月東選手、そして#5浅野選手を中心に最後まで守り抜き0-0。しかし攻撃は不発でシュート本数ゼロに抑え込まれたしまった。
試合内容をオルカ視点で振り返る。
注目ポイント
- 2試合連続のクリーンシートを達成した#4松尾選手・#3月東選手の高い守備力
- #22北村選手・#10アルマ選手の強フィジカルを活かしたポストプレー、プレスバック
- #11河野選手の突破力、#8新田選手の落ち着き
試合情報
- 会場:豊橋市民球技場(朝日インテック・ラブリッジ名古屋ホームスタジアム)
- 観客数:400名
フォーメーション・スターティングラインナップ

前節から1人入れ替え。今シーズンから加入した#10 FWアルマ・デービス選手が初スタメン。スウェーデンから来た期待の新戦力が、なでしこリーグ1部・日本女子サッカーリーグ初出場。
試合展開
前半
序盤、お互いに主導権を握るために早い展開が続くが、次第に名古屋ペースに。
- オルカは守備が嵌まらず、名古屋の素早いボール回しに後手対応。
- 名古屋はラインを高く保ち、コンパクトな陣形を維持。
この日の名古屋はまるで第1節のオルカ鴨川FCのよう。大してこの日のオルカは第1節で対戦した日体大SMG横浜のようだった。
そんな展開でも、オルカFWの2人である北村・アルマのフィジカルに優れた再前線は攻守に効いていた。
- 北村ほのか選手は前節に続き守備時は積極的にプレス・プレスバックを行い、攻撃時はポストとしてタメを作る。その間にオルカが全体的に押し上げる事ができていた。
- アルマ・デービス選手は運動量もスピードもあり、そして強度が高い。コミュニケーションの問題か戦術理解度の問題か、周囲の選手との連携がいまひとつの印象だが、相手からすると脅威になっていた印象。
名古屋は徹底的にオルカの左サイドを狙っていた印象。
- オルカの攻撃をけん引する右SH・#8河野有希選手がいるサイドを、名古屋は明らかに避けていた。
- 前線でプレスをする左SH上田麻莉選手の守備サポートに左SB越路萌永選手が上がると、その背後を狙って名古屋が縦パス。オルカDF月東優季乃選手が体を張った守備でなんとか凌ぐ展開が繰り返される。
- 第1節でもオルカの左サイドは前線に上がったSBの後ろに広大なスペースができており、そこを日体大SMG横浜に狙われていた。
- 攻守両面で戦力的に優位な名古屋は、オルカの戦術的な弱点をしっかり突いてきていた。
左サイドからスローインをする際の北村選手 ー 上田選手 ー 越路選手の決め事が曖昧な様子。
- 越路選手はFW北村選手に当てる意図のように見えたが、小柄な左SHの上田選手がハイボールを収めようとして失敗するシーンが散見。
その後も左サイドからの攻撃を受け続けるオルカだが、この日キャプテンマークを巻くMF浅野綾花選手のカバーリングとDF月東選手による最後の守備で耐える。
戦力的にも戦術的にも名古屋に上をいかれてしまった前半。よく無失点で耐え凌いだ。シュート本数はゼロ。
- オルカは攻撃時のテンポが悪く、ダイレクトプレーが少ない。そこに名古屋がしっかり寄せてくるため、挟まれてボールを失うか、スペースが無い方にボールを運ばされてしまう展開が続いた。
- オルカの両サイドバックからの展開が単調に感じた。カウンター狙い故だと思うが、FWへのロングパスを多用するが精度が今ひとつで、期待値が低かった。DMF・SHを経由したビルドアップ以外の戦術はあるのだろうか。
- 中盤の守備の要である#5浅野選手のパフォーマンスに比べて、前節に続き攻守への貢献が少ない#7齊藤綾音選手に明確な指示が必要であると感じた。
ハーフタイムに戦術の修正と選手交代で流れを変えたいところ。
ハーフタイム明けの選手交代
オルカ鴨川FC

- OUT #10 アルマ・デービス、 IN #9 齊藤彩花
- 前節、コンディションが良くなさそうだったのでこの交代が効果的か不安が残る。
- コミュニケーションかコンディションの問題で#10アルマ選手を交代させるのであれば、スピードのある#11河野選手をFWに上げて、北村選手がポスト、河野選手がフィニッシャーとなる形も見てみたい。
朝日インテック・ラブリッジ名古屋
- なし
後半
オルカはラインを高めに敷いて主導権を握りたい姿勢を見せるが、やはり流れは名古屋のまま。
- 松尾と月東の身体を張った守備で高いラインを保とうとする。
- しかしやはり自陣左サイド側を名古屋に攻められ、徐々にラインの高さを保てなくなる。
- ハーフタイムに監督からこの部分の修正が無かったと見受けられる。
57分、オルカの前線の選手たちが連動した守備を見せてボールを奪うも簡単に失ってしまう。
- やはり右サイドからチャンスが生まれる。
- 右SH#11河野選手の猛然としたプレスから#9齊藤選手が追って、北村選手と河野選手で相手を挟んでボールを奪う。
- ボール奪取後すぐに#9齊藤選手が走り出していればという場面だったがそうはいかず、#7齊藤綾音選手から右SH河野選手へのパスは読まれておりカットされた。
- #9齊藤選手はやはり身体が重そうでコンディションが悪そう。守備に関しても強度が低く思える
オルカ鴨川FCの#22 FW北村ほのか選手は、この日も良いパフォーマンス。
- 押し込まれる展開が続く中、久しぶりに前線でボールを持つが奪われる。しかし素早く切り替えてプレス。カウンターの芽を摘んだ。
- 左SH・左SBのサポートが欲しいところだが、そうすると左SBの後ろに空くスペースを狙われてしまう…。
65分、オルカ鴨川FCは選手交代。

- OUT #20 上田麻莉、 IN #8 新田琴瑞
- 新田選手は右SH、右SHだった#11河野選手は左SHに入る。左FW北村選手のサポートを左SH河野選手が担うか。
オルカはフリーキックから#3月東選手がヘディング、少しコースが逸れたところに#11河野選手が詰めており押し込み、ゴール!かと思われたが、月東選手がオフサイド。ノーゴール。この試合通して明確に名古屋のゴールを脅かしたのはこのシーンだけだったのでは。
オルカは#8新田選手が入ったことによって、右サイドの強度が高まった印象。
- 交代した#20上田選手も悪くはなかった
- 高卒ルーキーでがむしゃらな上田選手とベテランの域になりつつある新田選手の、読みや落ち着きといった経験の差が出ているように感じた。
- コーナーキックのセカンドボールを#8新田選手がキープ、#17越路選手が前を走る#11河野選手にロングパスを送り、これが通る。ペナルティエリア内には#9齊藤選手のみ。河野選手のクロスは流れるが、やはり河野選手の縦への突破は強力で、このチームの攻撃の核だろう。
82分、オルカはさらに選手交代。

- OUT #22 北村ほのか、 IN #23 安東美那
- 安東選手は右SH、新田選手は右FW、齊藤彩花選手が左FWにポジションを変える。
- 北村選手は70分頃から疲労が見えていた。残り時間も少なく、遅すぎる交代の印象。
オルカはラインを上げて攻勢を見せる名古屋は強度高く守備を崩さず、カウンターを仕掛ける。
- 名古屋の攻撃を松尾選手と月東選手がはじき返す。この両CBは本当に鉄壁。
後半AT、オルカ鴨川FCにラストチャンスが到来。
- #11河野選手→#8新田選手→#9齊藤選手→#23安東選手→#14菅原選手と、素早いパス回しで相手ペナルティエリア手前に迫る。
- しかし菅原選手がクロスかシュートか打ち損じてボールはゴールラインを越えてしまう。
- 名古屋は守備の人数が揃っていたものの、オルカ#8新田選手がボールを要求し、#9齊藤選手もペナルティエリア内に走り込んでいたので、せめてシュートで終わりたかった。
そして最後までお互いにゴールを奪えずに0-0で試合終了。オルカ鴨川FCは2試合連続クリーンシートの引き分け。シュート本数ゼロでアウェイ戦を終えた。
総括
オルカ鴨川FC
左SBの後ろのスペースを執拗に使われて再三のピンチ。最後まで修正されたようには見えず、また交代策も遅かった。チームを指揮するのは監督であり、若手の経験のためという側面もあると思うが、90分を通して相手に狙われ続けていたり、修正指示が与えられないままだったであろう選手本人たちが自信を失わないか心配である。見ていて気の毒になった…。
戦力は名古屋が有利だが、オルカの選手クオリティも低くはない。采配と戦術の問題のように思える。
次節に向けて采配と戦術の見直しが必要である感じた。
朝日インテック・ラブリッジ名古屋
オルカの戦術をしっかりと研究し、そこを突けていた印象。思い通りの試合運びだったと思うが、オルカ#4松尾選手・#3月東選手の両CBを最後まで破れなかったのと、#5浅野選手の危機察知能力によってラストパスの精度がなかなか上がらなかったところか。