2025プレナスなでしこリーグ1部 第3節、オルカ鴨川FCはホームの鴨川市陸上競技場でスフィーダ世田谷FCと対戦し、0-0で引き分けた。
オルカは開幕から3試合連続のスコアレスドロー。守備では3試合連続クリーンシートを達成した一方で、この日もゴールを奪えず、攻撃面には課題が残る一戦となった。
スフィーダ世田谷FCは、堀江美月を中心とした前線の強度と高い守備ラインで試合を優位に進めた。それでもオルカは、アルマ・デービスの個の強さや守備陣の粘りを生かして最後まで耐え切り、勝ち点1を積み上げた。
この記事の要点
- オルカ鴨川FCはスフィーダ世田谷FCと0-0で引き分け、開幕から3試合連続ドロー
- アルマ・デービスが左サイドで強さと速さを発揮し、攻撃の起点となった
- 守備は3試合連続無失点も、攻撃は決定機を生かせず得点力に課題を残した
試合情報
| 大会 | 2025プレナスなでしこリーグ1部 第3節 |
|---|---|
| 対戦 | オルカ鴨川FC vs スフィーダ世田谷FC |
| 会場 | 鴨川市陸上競技場 |
| 観客数 | 355人 |
| 結果 | オルカ鴨川FC 0-0 スフィーダ世田谷FC |
フォーメーション・スターティングラインナップ

オルカは前節からスタメンを4人変更した。
スペランツァ大阪から加入した谷口愛奈選手が今季初スタメン・初出場。前節まで左サイドバックを務めた越路萌永選手はベンチスタートとなった。
また、安東美那選手、新田寿瑞選手も今季初先発。アルマ・デービス選手は左サイドハーフで先発し、河野有希選手と北村ほのか選手はベンチスタートとなった。
試合展開
試合は序盤からスフィーダ世田谷FCが前線の強さを生かして押し込む展開となった。堀江美月をターゲットにしたロングボール、内田美鈴や篠原沙耶を含めた3トップの推進力によって、オルカは自陣で守る時間が長くなった。
オルカはラインを下げながらも、アルマ・デービスを起点にカウンターを狙った。アルマは左サイドで球際の強さとスピードを見せ、相手DFとの競り合いで優位に立つ場面が多かった。
後半もスフィーダ世田谷FCが主導権を握ったが、オルカは最後の局面で粘り強く対応。終盤には互いに決定機を迎えたものの、ゴールは生まれず、試合は0-0で終了した。
前半:スフィーダが押し込み、オルカはカウンターで応戦
立ち上がりからスフィーダ世田谷FCは、堀江美月を前線の基準点にして攻撃を組み立てた。高いラインを保ち、セカンドボールへの反応も速く、オルカはなかなか自分たちのリズムでボールを動かせなかった。
オルカは第1節、第2節で見せていた左サイドバックの積極的な攻撃参加をやや抑え、守備の安定を重視した印象だった。谷口愛奈は攻守のバランスを意識し、浅野綾花との連携でも大きく崩される場面を減らしていた。
攻撃ではアルマ・デービスが大きな存在感を放った。相手の横パスを奪って一気に持ち上がる場面や、左サイドでボールを収めて味方を押し上げる場面があり、オルカの数少ない前進ルートとなっていた。
新田琴瑞も前線でボールを収め、カウンター時の起点として機能した。齊藤彩花も前節までより動きにキレがあり、プレスやボールを引き出す動きで攻撃に関わった。
ただし、スフィーダ世田谷FCも前線からの圧力を緩めなかった。41分には内田美鈴がペナルティエリア内から左足でシュートを放つが、GK大原萌が横っ飛びでセーブ。オルカは守備陣全体で耐え、前半を0-0で折り返した。
後半:スフィーダが主導権を握るも、オルカが耐え切る
後半も試合の流れは大きく変わらなかった。スフィーダ世田谷FCがボールを握り、オルカを自陣に押し込む時間が続いた。
スフィーダ世田谷FCは、アルマ・デービスがいるサイドでの競り合いを避けるように、オルカの右サイド側から攻撃を進める場面が増えた。オルカは松尾菜月、浅野綾花、菅原未歩らが粘り強く対応し、ゴール前で身体を張った。
59分、オルカは安東美那に代えて河野有希を投入した。河野は右サイドに入り、持ち前のスピードと推進力で攻撃を活性化。61分には齊藤綾音のインターセプトから河野が抜け出し、シュートまで持ち込む場面を作った。
69分にはアルマ・デービスと新田琴瑞を下げ、上田麻莉と北村ほのかを投入した。前線に新たな動きを加える狙いだったが、直後に北村が相手選手と交錯し、77分に浦部美月との交代を余儀なくされた。
終盤、スフィーダ世田谷FCはセットプレーから最大の決定機を作る。85分、フリーキックから堀江美月が頭でそらし、荒川結乃花がフリーでヘディングシュート。しかし、ボールはクロスバーを直撃し、オルカは失点を免れた。
一方のオルカも89分に大きなチャンスを迎えた。河野有希のスルーパスから齊藤彩花が抜け出し、シュートまで持ち込む。その後のこぼれ球から齊藤綾音も左足で強いシュートを放ったが、GK石野妃芽佳の正面に飛び、得点には至らなかった。
総括
オルカ鴨川FCにとっては、守備の粘りと攻撃の課題がはっきり分かれた試合だった。
3試合連続クリーンシートは大きな成果である。押し込まれる時間が長くても崩れず、最後まで無失点で終えた点は大きい。
一方で、3試合連続無得点という事実も重い。アルマ・デービス、新田琴瑞、河野有希らが局面では良さを見せたが、チームとしてゴールへ迫る形はまだ十分ではないと感じた。
守備で勝ち点を拾える土台はできつつある。次に必要なのは、前進した後にどう人数をかけ、どう決定機を作り、どうゴールを奪うかである。開幕からの3試合で見えた課題を、次節以降の改善につなげたい。
オルカ鴨川FCの良かった点
アルマ・デービスが攻撃の基準点になった
この試合で最も目立ったのはアルマ・デービスだった。左サイドでの球際、スピード、身体の強さは大きな武器であり、オルカが押し込まれる展開でも前進できる数少ない出口になっていた。
相手DFとの競り合いで優位に立つ場面が多く、ゴールキックやロングボールのターゲットとしても機能した。得点にはつながらなかったが、相手の守備対応に影響を与える存在だったことは間違いない。
新田琴瑞が前線で起点を作った
新田琴瑞は、前線でボールを収める技術とポジショニングの良さを見せた。カウンター主体になったオルカにとって、前で時間を作れる選手の存在は重要だった。
攻撃だけでなく守備にも関わり、チーム全体が押し込まれる中で粘り強くプレーしていた。河野有希との組み合わせにも可能性を感じさせた。
守備陣が3試合連続クリーンシートを達成
オルカは開幕から3試合連続で無失点を継続した。内容面では押し込まれる時間が長かったが、最後の局面で身体を張り、決定的な失点を防いだ点は評価できる。
GK大原萌のセーブ、松尾菜月を中心とした最終ラインの粘り、浅野綾花の中盤での危機察知が、スコアレスドローを支えた。
オルカ鴨川FCの課題
ゴール前の人数とサポートが足りない
攻撃面では、アルマ・デービスや河野有希が個の力で局面を動かす場面はあった。しかし、ボールを前進させた後にゴール前へ入る人数が足りず、決定機を厚みのある攻撃に変え切れなかった。
カウンターの初速は出ても、最後の局面で孤立する場面が多い。前線の選手をサポートする距離感と、ペナルティエリア内へ入る人数を増やしたいところだ。
ビルドアップが詰まったときの代替策が必要
オルカは丁寧にボールをつなぐ姿勢を持つチームである。ただ、この試合のように相手の寄せが速く、前線から制限を受ける展開では、ビルドアップが停滞しやすい。
アルマ・デービスへのロングボールは有効だったが、それだけでは攻撃が単発になりやすい。相手に押し込まれたときに、サイドチェンジ、背後への抜け出し、セカンドボール回収まで含めた代替プランが必要である。
交代後の攻撃設計に課題が残った
69分のアルマ・デービスと新田琴瑞の交代は、前線にフレッシュな選手を入れる意図があった。一方で、相手にとって脅威となっていた2人を同時に下げたことで、攻撃の基準点が弱まった印象もある。
北村ほのかの負傷交代という不測の事態もあったが、終盤に勝ち切るためには、交代後にどの形でゴールを狙うのかをより明確にしたい。
スフィーダ世田谷FC
スフィーダ世田谷FCは、前線3枚の強度とチーム全体の前向きな守備が印象的だった。堀江美月は高さと運動量を兼ね備え、前線のターゲットとしても、フィニッシャーとしても存在感を示した。
内田美鈴、篠原沙耶も遠い位置から積極的にシュートを狙い、オルカの最終ラインを押し下げた。守備でも寄せが速く、オルカの前線に自由を与えなかった。
内容面ではスフィーダ世田谷FCが優勢だったが、最後の決定機を仕留め切れなかった。85分のヘディングがクロスバーを叩いた場面は、勝ち点3に最も近づいた瞬間だった。
リソース
LIVE配信(Youtube)
公式記録

