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要約
オルカ鴨川FCは#10アルマ・デービスがスピードと球際の強さを見せるも押し込まれる展開が続き、開幕から3戦連続の0-0。スフィーダ世田谷FCは#9堀江美月を中心とした3トップ、高めのライン設定と寄せの速さで終始オルカを押し込むも、オルカの固い守備の前に無得点に終わった。
試合内容をオルカ視点で振り返る。
注目ポイント
- #10アルマ・デービスが強靭なフィジカルで左サイドを制圧
- #8新田琴瑞のテクニックとポジショニング。攻守に貢献。
- #9齊藤彩花のコンディションが上がってきて、攻守に貢献。
試合情報
- 会場:鴨川市陸上競技場(オルカ鴨川FCホームスタジアム)
- 観客数:355名
フォーメーション・スターティングラインナップ

- 前節からスタメンを4人交代。
- スペランツァ大阪から加入した#24谷口愛奈選手が今シーズン初スタメン・初出場。前節まで左サイドバックを担っていた#17越路萌永選手はベンチスタート。
- #23安東美那選手が今シーズン初スタメン。
- #10ALMA DAVIS選手は左SH。#11河野有希選手はベンチスタート。
- #8新田琴瑞選手が今シーズン初スタメン。#22北村ほのかはベンチスタート。
試合展開
前半
序盤からスフィーダ世田谷FCは長身で得点力のあるFW #9堀江美月にロングボールを当てて前線でタメを作り攻める。スフィーダはラインを高く保つ。
オルカは第1節と2節で見せたような左SBの積極的な上がりは控えめで、#24谷口は守備重視の印象。#5浅野との連携もスムーズで守備戦術面での改善が見受けられた。スフィーダは#9堀江が楔のターゲットとしてもフィニッシャーとしても躍動。ミドルシュートも積極的に打つスフィーダ世田谷FCがペースを握る。
ラインを下げるオルカ鴨川FCは#10アルマが強力なフィジカルで球際を制する。
- 4分、#9齊藤彩花が#23安東とのコンビネーションで右サイドを突破。相手ペナルティエリア内で#9齊藤から#8新田へのラストパスは合わずにシュートならず。
- 13分、オーバーラップした#24谷口を目掛けて#4松尾がフィード。これを谷口が#10アルマに渡す。アルマがキープして#9齊藤にクロスを送るが、齊藤はダイレクトシュートではなく胸トラップを選択、つめていたスフィーダDF陣にボールを奪われてしまう。
- 14分、スフィーダの右SB#2根本がボールを運ぶも、オルカ#10アルマが素早く体を寄せてボールを奪ってカウンターのチャンスを作る。根本選手はアルマ・デービス選手のフィジカルに全く対抗できておらず、ここまでの競り合いはアルマの全勝ではないだろうか。
前節でも途中出場で右サイドに強度と落ち着きを生んでいた#8 FW新田は今日もポジショニングが良く、カウンター主体のオルカのターゲットになる。味方からのロングボールを収めて攻撃と起点となり、フィニッシュにも顔を出す。
17分、オルカは自陣ペナルティエリア内で#8新田がクリアではなく#7斎藤彩音へのパスを選択。これがずれてしまいスフィーダ#6金子ゆい選手がカットしそのままシュート。これはGK#16大原がキャッチ。
24分に#10アルマが相手DF間の横パスをカット、そのままゴール前まで持ち込むと相手に潰されながらもラストパス。これを受けた#9齊藤彩花がシュートを放つもゴール右に逸れる。この日の#9齊藤には効果的なプレスやボールを引き出す動きが見られた。#8新田がフリーで横に走りこんでいたので、新田へのパスを選択しても良かったかもしれない。
26分にスフィーダ#15FW篠原沙耶選手がスローインで受けたボールを遠目から素早くシュートするも、オルカGK大原がキャッチ。
スフィーダがDF同士で横パスを選択するとオルカ#9齊藤、#新田、#10アルマ、#23安東がプレスをかけ、DFラインも上げる連動を見せる。
30分、#7齊藤彩音からのパスを#8新田が潰されながらも#9齊藤彩花に繋ぎ、齊藤がドリブルで持ち上がり#10アルマへ。アルマは相手ペナルティエリア内に侵入し#8新田へのクロス。新田のヘディングシュートは外れた。
38分、中盤でボールを奪ったスフィーダは#8望月が運び、#15篠原がペナルティエリア付近からシュートもゴール左に外れる。篠原にはオルカ右SB#14菅原が体を寄せてプレッシャーをかけていた。
41分、スフィーダ#13FW内田美鈴がペナルティエリア内から左足を振りぬくもオルカGK大原が横っ飛びでセーブ。続くコーナーキックをオルカ全員が一丸となって守り切る。すると44分にゴールキックを競り勝った#8新田のヘディングを#23安東が持ち込み、アルマのお年を#5浅野綾花がシュート。鋭く枠内に飛んでいたが、これをスフィーダGK石野がナイスキャッチ。
綾かその後もスフィーダはFW#9堀江を中心とした攻撃で押し込むが、オルカ守備陣が奮闘し前半を0-0で終える。
スフィーダは#9堀江・#13内田・#15篠原の3トップが強力。遠い位置からでも積極的にシュートを打ってくるため、オルカはDFラインをあげれない。対するオルカはカウンター主体ながらも基本は丁寧にビルドアップするスタイルなので、完全に相手を崩さなければ得点への期待値が低い展開だが、#10アルマ・#8新田・#9齊藤彩花が攻撃をけん引し何度かスフィーダゴールを脅かした。
後半
後半開始時点でスフィーダ世田谷FCは選手交代。#8望月麻央に代わって、昨シーズン終了後にオルカ鴨川FCからスフィーダ世田谷FCに移籍した#18近藤彩優子を投入。一方オルカの選手交代は無し。
後半、スフィーダ世田谷のペースで試合は進む。
53分、スフィーダ#13内田美鈴とオルカ#4松尾の見ごたえのある攻防がオルカ左サイドで繰り広げられる。オルカ#24菅原、#7齊藤綾音、#23安東がサポートに入りながらなんとか耐える。
スフィーダはオルカの#10アルマがいるサイドでは分が悪いと判断したのか明らかに避け始め、#23安東と#24菅原の右サイドから攻め立てる。
59分、オルカ鴨川FCが選手交代。#23安東美那に代わって#11河野有希が右SHに入る。押し込まれていた左サイドを河野のスピードと推進力で活性化させる狙いだろう。

61分、その河野が#7齊藤綾音のインターセプトから右サイドを突破してシュートを放つもスフィーダ#4湯江歩が体を張ったブロック。
69分、オルカ鴨川FCが選手交代。#10アルマ・デービスに代わって#20上田麻莉、#8新田琴瑞に代わって#22北村ほのかの新加入ルーキーコンビが導入される。個人的には#10アルマは存在するだけで相手の戦術に影響を与えていたので交代の必要性は感じなかったし、#8新田も随所で効いていたのでFWを変えるなら強いて言えば#9齊藤の方かなと感じた。

72分、変わったばかりのオルカ#22北村がスフィーダ#3柏原と交錯して右膝を抑えて倒れこむ。一度はてプレイに戻ったが、77分に#6浦部美月と交代となる。負傷した可能性が高い。身長が高く走って戦える貴重なFWなだけに心配だ。

オルカは#6浦部はSH、#20上田が右FWに入る。
#9齊藤彩花と#20上田で挟んで奪ったボールを、代わったばかりの#6浦部がドリブルで持ち込み#11河野にパス。河野は深くペナルティエリア内をえぐってクロスを上げるがその先には誰もおらず。
スフィーダはアルマが抜けて強度が下がったオルカ左サイドをゴールキックで狙うようになる。オルカ守備陣が跳ね返す。
81分、スフィーダ世田谷FCが選手交代。#15篠原沙耶に代わって#23荒川結乃花を投入。#13内田が左FW、#23荒川が右FWに入ってCFは#9堀江。
84分、ホームで勝利が欲しいオルカはハーフウェイよりも前まで最終ラインを上げて圧力を強めるがフィニッシュの精度がいまひとつ。
85分にスフィーダがフリーキックから#9堀江が頭ですらして最後は#23荒川がフリーでヘディングシュート。オルカ#16GK大原は届いていなかったが、ボールはクロスバーを叩いてゴールならず。この試合で一番の決定機だった。
89分、オルカは#11河野が#9齊藤彩花に極上のスルーパスを送り決定機を迎える。#9齊藤がシュートを放つもスフィーダ#4湯江が身を挺してブロック、こぼれ球をオルカ#20上田右#9齊藤彩花と繋ぎ最後は#7齊藤綾音が左足で低い弾道の強いシュートを放つがこれはスフィーダGK#1石野の正面に飛んでしまいキャッチングされた。
その後はスフィーダが3トップめがけてロングボールを多用してパワープレイを仕掛けるもオルカ守備陣が粘って0-0で試合終了。
総括
オルカ鴨川FC
開幕から3戦連続のクリーンシート。しかしこの日も無得点で終えた。前節攻め込まれた左サイドは#24谷口愛奈が攻守のバランスを見て戦えた印象。スピードと攻撃力は#17越路萌永が勝っていると感じるが、前節を受けてこの日の辛島監督は守備の安定を優先したか。攻撃においては得点力不足が深刻化していそうなので、監督としては攻撃陣に期待したいところだろうがゴール前でのサポートが足りていないのも見て取れた。ビルドアップが上手くいかない時の代替プランが欲しいところ。
#10アルマ・デービス選手の理不尽ともいえるフィジカルを存分に活かした戦いで、ゴールキックはほとんどアルマをターゲットにしていた。それを結構な確率で競り勝てているアルマはやはりなでしこリーグでは規格外。プレスもサボらず球際も強く、スピードもある。
#9齊藤彩花のコンディションが上向いてきたのか、第1節・第2節に比べて走力と球際の粘り、そして攻守に効いていた。
#8新田琴瑞は上手さとサイズもあり、#11河野とのコンビネーションは見ていて楽しかった。
#22北村ほのかの怪我の状況が気になるところ。
スフィーダ世田谷FC
とにかく3トップが強力。なかでも#9堀江美月は身長がある上に運動量も豊富。そしてチーム全体として前に行く意識が強く、遠目からでもシュートを打ってくる。守備においてもこの日は寄せが早く、オルカの前線を好きにさせなかった。