第6節終了時点で9位の日体大SMG横浜が、11位のスフィーダ世田谷FCをホームに迎えた一戦。ともに失点数が多く、守備面に課題を抱える両チームの対戦は、スフィーダ世田谷FCが3-2で競り勝ち、アウェーで大きな勝ち点3を手にした。
日体大SMG横浜は一度逆転に成功したものの、直後に追いつかれ、終盤に決勝点を許す苦しい展開。対するスフィーダ世田谷FCは、ここまで試合終盤の失点で勝ち点を取りこぼす試合が続いていたが、この日は最後に勝ち切り、第3節以来の勝利を収めた。
注目ポイント
- ここまでリーグ最多失点の日体大SMG横浜は、守備の修正から勝ち点を積み上げるホーム戦にできるか
- 試合終盤の失点で3連敗中のスフィーダ世田谷FCは、悪い流れを断ち切ることができるか
試合情報
| 日体大SMG横浜 | スフィーダ世田谷FC |
|---|---|
| 2 | 3 |
| 41分 山本 葉桜 61分 安部 美琴 | 4分 内田 美鈴 63分 内田 美鈴 82分 北川 心子 |
| 会場 | ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県) |
| 観客数 | 455人 |
スターティングラインナップ・登録メンバー
日体大SMG横浜
並行して他大会にも出場しながらのリーグ戦となる日体大SMG横浜。今節はホームで勝ち点を積み上げたい一戦だった。
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 1 | 福田 はな | |
| DF | 3 | 内村 心優 | |
| DF | 4 | 菅原 眞名 (Cap.) | |
| DF | 17 | 鈴木 温子 | |
| DF | 25 | 中野 梨緒 | |
| MF | 9 | 柴原 希保 | |
| MF | 10 | 本田 悠良 | |
| MF | 16 | 鬼頭 こはな | HT▼ |
| MF | 29 | 横濱 桃杏 | 63▼ |
| FW | 13 | 山本 葉桜 | 85▼ |
| FW | 24 | 安部 美琴 | 63▼ |
| 控え | |||
| GK | 19 | 林 心春 | |
| DF | 2 | 藤澤 和心 | 85▲ |
| DF | 27 | 杉本 光羽 | |
| MF | 7 | 髙橋 光莉 | 63▲ |
| MF | 20 | 枚田 乙愛 | 63▲ |
| MF | 31 | 山田 仁菜 | |
| FW | 11 | 浅香 美結 | HT▲ |
| 監督: 嶋田 千秋 | |||
スフィーダ世田谷FC
終盤の失点による敗戦が続いていたスフィーダ世田谷FC。下位から抜け出すためにも、勝ち点3が欲しい一戦だった。
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 1 | 大塚 美緒 | |
| DF | 2 | 根本 彩夏 | |
| DF | 5 | 宇内 彩来 | 72▼ |
| DF | 7 | 渡邊 那奈 | |
| DF | 15 | 篠原 沙耶 | |
| MF | 3 | 柏原 美羽 (Cap.) | |
| MF | 10 | 田口 茉亜紗 | |
| MF | 11 | 粟田 桃子 | 32▼ |
| MF | 16 | 北川 心子 | |
| FW | 9 | 堀江 美月 | 72▼ |
| FW | 13 | 内田 美鈴 | |
| 控え | |||
| GK | 22 | 山内 夏実 | |
| DF | 6 | 黒川 愛奈 | 72▲ |
| DF | 23 | 荒川 結乃花 | 32▲ |
| MF | 8 | 加藤 沙彩 | 72▲ |
| MF | 18 | 佐藤 李那 | |
| MF | 20 | 石浦 和歌 | |
| FW | 14 | 松原 萌乃 | |
| 監督: 濱田 堯 | |||
試合展開
4分、内田美鈴が先制 世田谷が理想的な入りを見せる
試合はいきなり動いた。
4分、アウェーのスフィーダ世田谷FCが先制する。日体大SMG横浜のスローインに対し、世田谷が積極的なプレスバックでボールを奪取。左サイドから#15篠原沙耶がクロスを送ると、#13内田美鈴が頭で押し込んだ。
内田は相手DFの背後を取る動き、コンタクトに負けない強さ、そして最後に決め切る決定力を見せた。世田谷にとっては、狙いどおりの守備からゴールまでつなげた理想的な先制点だった。
日体大は柴原希保を起点に反撃 41分に山本葉桜が同点弾
先制後は、どちらかといえば世田谷が優位に試合を進めた。日体大はなかなかフィニッシュまで持ち込めない時間が続いたが、左サイドの#9柴原希保を起点にチャンスの糸口を探っていく。
すると41分、日体大がセットプレーから追いつく。コーナーキックの流れから、ファーサイドにいた#13山本葉桜がヘディングで合わせ、同点ゴールを決めた。
流れを握っていた世田谷としては、山本をフリーにしてしまったことが悔やまれる失点だった。試合は1-1で前半を終える。
61分、安部美琴が逆転弾 日体大が試合をひっくり返す
後半、日体大が逆転に成功する。
61分、世田谷のDFが日体大の前線に食いついて前へ出たところを剥がされると、世田谷は一気に数的不利な状態に陥る。日体大はドリブルとパスで前進し、最後は#24安部美琴が左足でゴールネットを揺らした。
世田谷はCBが前に出た背後のスペースを埋め切れず、守備のバランスを崩された。日体大にとっては、相手の守備のズレを突いた見事な逆転ゴールだった。
直後に世田谷が反撃 内田美鈴がこぼれ球を押し込み同点
しかし、日体大のリードは長く続かなかった。
直後、世田谷はビルドアップでもたつき、自陣の最終ライン付近でボールを奪われてしまう。ここはDF陣が懸命に戻って守り、間一髪で追加点を許さなかった。
すると、その流れから世田谷がカウンターに転じる。#16北川心子が左サイドをドリブルで駆け上がり、クロスを供給。日体大GKと世田谷の選手が交錯してこぼれたボールに、またも#13内田美鈴が素早く反応した。
内田が押し込み、世田谷がすぐさま2-2の同点に追いつく。逆転を許した直後に取り返したこのゴールは、試合の流れを大きく引き戻す一撃だった。
終盤の運動量で世田谷が上回る 82分、北川心子が決勝点
後半の苦しくなってくる時間帯、両チームの交代策にも違いが出た。
世田谷はDFとFWを入れ替え、前後の運動量と強度を維持。一方の日体大は前線の選手を入れ替えたものの、中盤と最終ラインは大きく変えずに試合を進めた。
時間の経過とともに、日体大の最終ラインは運動量が落ち、世田谷の選手に振り切られる場面が増えていく。
そして82分、世田谷がついに逆転する。
ゴールキックから素早くボールをつなぎ、右サイドバックの#23荒川結乃花がオーバーラップ。思い切りよく放った強烈なミドルシュートはクロスバーを叩いたが、そのこぼれ球に#16北川心子が反応した。
北川は序盤からスピードを生かしたアグレッシブなプレーを続けていた選手。その北川が最後に押し込み、世田谷が3-2と勝ち越した。
日体大は反撃及ばず 世田谷が第3節以来の勝利
その後、日体大は前線の選手を入れ替えながら同点を狙ったが、最後までゴールは生まれなかった。
試合は日体大SMG横浜 2-3 スフィーダ世田谷FCで終了。世田谷がアウェーで第3節以来の勝利を収めた。
総括
お互いに中盤が間延びしがちで、サイド攻撃が主体となる展開だった。
ホームの日体大SMG横浜は、一度逆転に成功したものの、直後に追いつかれ、終盤に決勝点を許した。中盤での強度、前線の高さと強さ、そして終盤の運動量という部分で、世田谷に上回られた印象が残る。
一方のスフィーダ世田谷FCは、試合終盤の失点による3連敗から、ようやく勝利をつかんだ。守備面には依然として課題が残るものの、内田美鈴、堀江美月、北川心子ら攻撃陣の力を生かし、最後に勝ち切ったことは大きい。
日体大SMG横浜
#9柴原希保は、簡単には止められない選手になっている。日体大のチャンスの多くは、左サイドの柴原から生まれていた。スピードに乗ったドリブル、積極的にシュートを狙う姿勢は、下位に沈むチームにとって希望の光だろう。
一方で、今節も低い位置からのビルドアップには課題が見えた。世田谷のプレスを受け、自陣でボールを失って危険な場面を迎えるシーンがあった。志向するサッカーは理解できるが、毎試合同じような形で自ら危機的な局面を招いている印象は否めない。
シーズン序盤のようなビルドアップ一辺倒の戦い方からは修正が見られる。ただし、今度は両サイドハーフ、両サイドバックが積極的に上がることで、背後に広大なスペースが生まれている。そのスペースへのケアが不足し、相手に突かれる場面が目立った。
ビルドアップにおいては、ボールの出しどころを探している間に、相手は守備陣形を整えている。そうなると、低い位置から丁寧につなぐ意図が薄れ、結果としてリスクだけが残ってしまう。何のためのビルドアップなのか。どこで相手を動かし、どこから前進したいのか。そこを改めて整理する必要があるだろう。
また、最終ラインの選手たちが相手をフリーにしてしまう場面も、この試合で見受けられた。82分の決勝点の場面は特に顕著だった。荒川のシュートがクロスバーを叩いた後、こぼれ球への反応で後手を踏み、北川に押し込まれてしまった。
理由はいろいろあるだろうが、リーグ開幕節から顕在化していた課題が、いまだに解消し切れていない。交代策も含め、戦い方そのものを見直す時期はそう遠くないのではないかと感じる。
スフィーダ世田谷FC
試合終盤に耐え切れず、中位から上位のチームを相手に3連敗を喫していた世田谷。嫌な流れが続いていたが、日体大との下位対決を制し、ようやく光が見える勝利となった。
やはり、内田美鈴と堀江美月の攻撃力は強力だ。特に内田はこの試合で2得点を加え、今季通算8得点。得点ランキングでも首位に立っている。さらに堀江も得点ランキング上位に名を連ねており、リーグ屈指の二枚看板と言ってよい。
これだけの得点力と決定力を持ちながら下位に沈んでいるのは、やはり守備面に課題があるということだろう。失点数の多さが、それを物語っている。
開幕節の静岡SSUボニータ戦から見受けられる、CBが相手CFに対してチャレンジした際に背後のスペースが空いてしまう課題は、今節も見られた。2失点目はまさにその形からの失点だった。
サイドバックも高い位置を取るため、中央の守備が剥がされると、一気に危険な状況へ陥ってしまう。リーグ有数の得点力を持つ攻撃陣がいる一方で、後方が安定しなければ、結果的に難しい試合は増えてしまう。
勝利は大きい。ただし、上位進出を目指すためには、攻撃陣の力に頼るだけではなく、守備の課題を整理し、継続的に修正していく必要があると感じた。
順位表
第7節終了時点で、日体大SMG横浜は1つ順位を落として10位、スフィーダ世田谷FCは2つ順位を上げて9位となっている。
| 順位 | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡SSUボニータ | 17 | 7 | 5 | 2 | 0 | 24 | 3 | +21 |
| 2 | ヴィアマテラス宮崎 | 17 | 7 | 5 | 2 | 0 | 17 | 8 | +9 |
| 3 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 13 | 10 | +3 |
| 4 | 伊賀FCくノ一三重 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 8 | 6 | +2 |
| 5 | オルカ鴨川FC | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 12 | 5 | +7 |
| 6 | 岡山湯郷Belle | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 11 | 12 | -1 |
| 7 | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 8 | 7 | 2 | 2 | 3 | 11 | 13 | -2 |
| 8 | 愛媛FCレディース | 8 | 7 | 2 | 2 | 3 | 9 | 14 | -5 |
| 9 | スフィーダ世田谷FC | 7 | 7 | 2 | 1 | 4 | 15 | 17 | -2 |
| 10 | 日体大SMG横浜 | 7 | 7 | 2 | 1 | 4 | 11 | 23 | -12 |
| 11 | ASハリマアルビオン | 5 | 7 | 1 | 2 | 4 | 8 | 11 | -3 |
| 12 | VONDS市原FCレディース | 0 | 7 | 0 | 0 | 7 | 3 | 20 | -17 |
次節、日体大SMG横浜はアウェーでニッパツ横浜FCシーガルズと対戦。スフィーダ世田谷FCはホームにVONDS市原FCレディースを迎える。
中位陣との勝ち点差は、まだ大きく開いていない。ともに下位から抜け出し、中位、そして上位を目指すうえで、ここからも負けられない戦いが続く。
リソース
フルマッチLIVE配信(Youtube)
第7節全試合ハイライト動画
公式記録


