開幕節で勝利を挙げたものの、その後は白星から遠ざかり、第9節終了時点で11位に沈むASハリマアルビオン。前節も伊賀FCくノ一三重を相手に押し込む時間帯を作りながら、0-1で敗れた。
対するオルカ鴨川FCは、前節にスフィーダ世田谷FCを1-0で下してアウェー戦に臨む。
試合は、ハリマがボールを持つ時間を長く作った一方で、決定機の数では伸び切れず。オルカは20分に蔵田あかりが先制点を奪い、その1点を守り抜いた。
ASハリマアルビオン 0-1 オルカ鴨川FC。
オルカが粘り強い守備と勝負強さで、今季初の2連勝を飾った。
この記事の要点
- ハリマはボール保持で上回る時間を作ったが、ゴール前の崩しとシュートまで持ち込む力に課題を残した
- オルカは20分の好連係から蔵田あかりが先制点を奪い、少ない決定機を確実に得点へ結びつけた
- オルカは松尾菜月、月東優季乃を中心とした守備で最後まで耐え、前節に続く1-0勝利で今季初の2連勝を達成した
試合情報
2026プレナスなでしこリーグ1部 第10節
| ASハリマアルビオン | オルカ鴨川FC |
|---|---|
| 0 | 1 |
| 20分 蔵田 あかり |
| 会場 | 兵庫県立三木総合防災公園陸上競技場 |
| 観客数 | 435人 |
ASハリマアルビオン
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 41 | 小暮 千晶 | |
| DF | 4 | 阪中 澪 | |
| DF | 5 | 小島 美玖 (Cap.) | |
| DF | 6 | 佐々木 美悠 | |
| DF | 2 | 児玉 耀 | |
| MF | 8 | 小池 快 | |
| MF | 17 | 唐橋 万結 | |
| MF | 18 | 阿部 文音 | |
| FW | 9 | 川﨑 咲耶 | |
| FW | 10 | 千葉 園子 | |
| FW | 33 | 椎野 彩香 | |
| 控え | |||
| GK | 1 | 原田 実歩 | |
| DF | 19 | 高松 芹羽 | |
| DF | 20 | 山口 歌子 | |
| DF | 24 | 村田 かえで | |
| MF | 25 | 鷹野 あかり | |
| FW | 13 | 今蔵 綾乃 | |
| FW | 23 | 井上 麗叶 | |
| 監督: 菅野 将晃 | |||
オルカ鴨川FC
#5浅野綾花は、今節でなでしこリーグ通算50試合出場を達成した。
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 1 | 米澤 萌香 | |
| DF | 23 | 安東 美那 | |
| DF | 4 | 松尾 菜月 | |
| DF | 3 | 月東 優季乃 | |
| DF | 6 | 浦部 美月 | |
| MF | 19 | 太田 凪砂 | |
| MF | 5 | 浅野 綾花 | |
| MF | 8 | 金子 ゆい (Cap.) | |
| MF | 14 | 蔵田 あかり | |
| FW | 11 | 河野 有希 | |
| FW | 25 | 齊藤 桃花 | |
| 控え | |||
| GK | 26 | 力丸 里保 | |
| DF | 2 | 吉田 紫穂 | |
| DF | 29 | 中西 茉里奈 | |
| MF | 7 | 並木 千夏 | |
| FW | 10 | アルマ デービス | |
| FW | 22 | 北村 ほのか | |
| FW | 24 | 江藤 里桜奈 | |
| 監督: 石田 学 | |||
試合展開
ハリマが前進する序盤、オルカは中央を締めて対応
立ち上がりから主導権を握ったのはハリマだった。
両サイドを使いながら前進し、オルカ陣内へボールを運ぶ。サイドの選手が高い位置を取り、幅を使って攻撃の入口を作ろうとする意図が見えた。
一方のオルカは、押し込まれる時間帯でも慌てなかった。最終ラインでは松尾菜月と月東優季乃が中央を締め、ハリマのクロスや縦パスに対して粘り強く対応。完全に崩される前に、危険なエリアで跳ね返す形を作っていた。
攻撃では、#19太田凪砂と#14蔵田あかりの両サイドを使いながら前進を試みる。ハリマ守備陣も集中して対応し、序盤の主導権はハリマにありながら、試合は徐々に拮抗した展開へと移っていった。
20分、オルカが高い位置で奪い切り、蔵田あかりが先制
試合が動いたのは20分だった。
オルカは右サイドの相手陣内で、#19太田凪砂と#11河野有希が連動してプレスをかける。ハリマのビルドアップに圧力をかけ、こぼれ球を拾ったところから一気に攻撃へ転じた。
太田がボールに関わり、サポートに入った#5浅野綾花が前方へ展開。#25齊藤桃花は直接ボールに触れなかったものの、相手を引きつけるようにスクリーンし、攻撃の流れを止めずにスペースを作った。
その先で#8金子ゆいが受け、さらに蔵田あかりが走り込む。ハリマの守備は戻り切れず、蔵田の前には広いスペースが生まれていた。
蔵田はGKとの1対1を迎えると、落ち着いてGKの足の間を抜き、ゴールへ流し込んだ。高い位置での守備、サポートの連続、前線の動き出しが噛み合った、素晴らしい先制点だった。
ハリマは保持するが、テンポを上げ切れない前半
早い時間帯で追いかける展開となったハリマは、その後もボールを持つ時間を作った。
ただし、失点直後に一気にギアを上げて押し返すというより、改めて後方から丁寧にビルドアップし、相手の守備のズレを探りながら攻める形が中心だったように見えた。
そのため、ボールは持てる。サイドにも運べる。しかし、オルカの守備ブロックを完全に動かし切る場面は多くなかった。
オルカはリード後も無理に前へ出すぎず、中央を締めながら対応。ハリマが前進しても、最後の局面でシュートコースを消し、決定的な場面を作らせなかった。
前半は、オルカが1点をリードして折り返した。
後半もハリマが攻めるが、オルカ守備陣が最後まで崩れない
後半も、構図は大きく変わらなかった。
ハリマがボールを握り、オルカ陣内で攻撃を続ける。サイドからクロスを入れ、中央へ人数をかける場面もあった。しかし、クロスはオルカ守備陣に跳ね返され、シュートまで持ち込めても遠目からのものや、十分な体勢で打てない場面が多かった。
オルカはゴール前に人数を揃え、簡単にコースを空けない。#4松尾菜月、#3月東優季乃を中心とした最終ラインに加え、中盤の選手も戻って守備に加わり、ハリマの攻撃を受け止め、跳ね返し続けた。
80分を過ぎても、ハリマの選手たちはゴール前へ顔を出し、同点ゴールを狙った。ただ、時間の経過とともに運動量は落ち、最後の一歩、最後の精度が届かない。押し込んでいるように見えても、オルカの守備陣を慌てさせる決定機までは作り切れなかった。
試合はそのまま90分を経過。20分の蔵田あかりのゴールが決勝点となり、オルカが1-0で接戦を制した。
総括
試合全体では、ハリマがボールを持つ時間を長く作った。特に後半はオルカ陣内で攻撃を続け、同点ゴールを狙う展開になった。
しかし、ゴール前で決定的な場面を作り切れなかった。対するオルカは、20分に高い位置での守備からチャンスを作り、確実に仕留めた。
その後は最終ラインを中心に全員で耐え、1点を守り抜いた。ボール保持ではハリマ、試合運びと勝負強さではオルカ。接戦を制したのは、少ないチャンスを結果につなげたオルカだった。
ASハリマアルビオン
ハリマにとっては、前節の伊賀FCくノ一三重戦に続き、強固な守備を持つ相手との対戦となった。そしてこの日も、1点が遠かった。
今シーズンのASハリマアルビオンを見ていて感じるのは、決して大きな穴があるチームではないということだ。守備が大崩れする試合は少なく、ボールをつなぐ力もある。相手陣内まで運ぶ形も作れている。
一方で、他チームと比べて明確に上回れる武器をどこに置くのか。その点では、まだ答えを探している段階に見える。
この試合でも、映像で見た印象では、ボール保持の時間はハリマの方が長かった。しかし、公式記録上のシュート数では、オルカ5本に対してハリマは3本。保持の時間を、決定機やシュート数に変換し切れていないことが、結果に直結した。
前線の選手が動き出すタイミング。そこへ出すラストパスのアイディアと精度。サイドから中央へ入るときの人数のかけ方。ひとつひとつは大きなズレではなくても、その小さなズレが積み重なることで、ゴール前で相手を崩し切れない状況につながっているように見えた。
個人的には、可能性が高くない場面でも、もう少しシュートで終える選択を増やしてもよいと感じた。シュートで終えることで、相手GKのこぼれ球、CK、守備陣のクリアミスなど、二次的なチャンスが生まれる可能性もある。
開幕節にVONDS市原FCレディースを破って以降、勝利から遠ざかっている。内容がまったく伴っていないわけではないだけに、まずはひとつの勝利で流れを変えたい。
オルカ鴨川FC
オルカ鴨川FCは、今シーズン初の2連勝を飾った。
前節に続く1-0勝利。大量得点ではなく、先制点を奪い、全員で守り切る。オルカらしい勝ち方で手にした、価値ある勝ち点3だった。
この試合でも、守備の堅さは健在だった。相手にボールを持たれる時間は長かったが、ゴール前では松尾菜月、月東優季乃を中心に粘り強く対応。クロスを入れられても中央で跳ね返し、決定機を多く作らせなかった。
攻撃面では、20分の先制点が大きかった。太田凪砂と河野有希のプレスから高い位置でボールを奪い、浅野綾花、金子ゆい、蔵田あかりへとつないで得点。守備から攻撃への切り替えが、そのまま決勝点につながった。
特に蔵田あかりは、得点だけでなく守備面でも存在感を示した。中途半端な横パスやバックパスには素早く詰め、奪えば一気に前へ運ぶ。少ないチャンスを得点に変える力と、前線からの守備強度を両立できる点は、今のオルカにとって大きな武器になっている。
一方で、今後に向けた注目点を挙げるなら、拮抗した展開での交代策だろう。
前節のスフィーダ世田谷FC戦では交代が2枚、今節は1枚のみだった。試合の流れを崩したくない意図もあったはずで、実際にその判断で勝ち切っている以上、結果としては正解だったと言える。
ただ、上位陣との対戦を考えると、交代選手が入った後にどれだけ強度や攻撃の質を維持しつつ局面を打開できるかは重要になる。昨シーズンに比べれば、オルカのサブメンバーの層は厚くなっている印象がある。だからこそ、競った展開で石田学監督がどのようにベンチを動かすのかは、今後さらに注目したいポイントだ。
順位表
第10節の全試合終了待ち
次節に向けて
ASハリマアルビオンは次節、アウェーでニッパツ横浜FCシーガルズと対戦する。
内容を勝ち点につなげられない試合が続いているだけに、まずはゴール前でどれだけ相手を慌てさせられるかが重要になる。ボールを持つ時間を作るだけでなく、シュートで終える場面を増やし、流れを変えるきっかけをつかみたい。
オルカ鴨川FCは、ホームにヴィアマテラス宮崎を迎える。
今季初の2連勝で勢いをつかんだが、次節は上位を追走するうえで、そして今季ここまで積み上げてきた守備と勝負強さがどこまで通用するかを測る重要な一戦となる。
前節、今節と続けて1-0で勝ち切ったオルカ。次節は、その粘り強さの真価が問われる試合になりそうだ。
リソース
フルマッチLIVE配信
第10節全試合ハイライト動画
公式記録


