3連勝中で首位を走る静岡SSUボニータを、ニッパツ横浜FCシーガルズがホームに迎えた一戦。順位表のうえでは静岡SSUボニータが優位に立つ構図だったが、リーグ序盤戦ほど簡単には勝ち切れなくなっていることも確かだった。
試合は静岡SSUボニータが主導権を握り先制する展開。しかし、ニッパツ横浜FCシーガルズはすぐに追いつくと、前半終了間際に逆転。後半に静岡SSUボニータが追いつき、2-2のドローに終わった。
首位チームの実力と、ホームチームの粘りがぶつかった一戦を振り返ります。
注目ポイント
- ニッパツ横浜FCシーガルズは、現在首位で連勝中の静岡SSUボニータに対して、どのような戦い方で挑むのか。
- 2位のヴィアマテラス宮崎を引き離したい静岡SSUボニータは、アウェーでも勝ち点3を積み上げ、首位の勢いを維持できるのか。
試合情報
| ニッパツ横浜FCシーガルズ | 静岡SSUボニータ |
|---|---|
| 2 | 2 |
| 39分 權野 貴子 45+2分 浦島 里紗 | 37分 三輪 玲奈 60分 上西 可奈子 |
| 会場 | ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県) |
| 観客数 | 791人 |
スターティングラインナップ・登録メンバー
ニッパツ横浜FCシーガルズ
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 21 | 大久保 つくし | |
| DF | 31 | 俣野 佑果 | |
| DF | 17 | 新井 純奈 | |
| DF | 4 | 中居 未来 (Cap.) | |
| DF | 25 | 松尾 由帆 | |
| MF | 11 | 岡 百々花 | 84▼ |
| MF | 5 | 吉田 凪沙 | |
| MF | 14 | 田村 かのん | 73▼ |
| MF | 7 | 浦島 里紗 | |
| FW | 6 | 權野 貴子 | 60▼ |
| FW | 10 | 室井 胡心 | |
| 控え | |||
| GK | 19 | 松井 里央 | |
| DF | 2 | 本多 実夏子 | |
| DF | 15 | 渋谷 巴菜 | 84▲ |
| MF | 9 | 矢野 梨紗 | |
| MF | 27 | 神立 美百合 | 73▲ |
| MF | 33 | 市野 瑛瑠奈 | |
| FW | 32 | 内田 光 | 60▲ |
| 監督: 山本 絵美 | |||
静岡SSUボニータ
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 21 | 田谷 春海 | |
| DF | 3 | 彦坂 桃花 | |
| DF | 4 | 青葉 結衣 | |
| DF | 5 | 服部 花音 | |
| DF | 22 | 上西 可奈子 | |
| MF | 6 | 万力 安純 | |
| MF | 7 | 高島 絢音 | |
| MF | 8 | 三輪 玲奈 | 90▼ |
| MF | 11 | 大曽根 由乃 | |
| MF | 15 | 岸野 早奈 | HT▼ |
| FW | 10 | 横山 久美 (Cap.) | |
| 控え | |||
| GK | 1 | 水口 茉優 | |
| DF | 2 | 白井 未来 | |
| DF | 17 | 櫻田 彩乃 | |
| MF | 9 | 中島 咲友菜 | HT▲ |
| MF | 14 | 渡邉 琉那 | 90▲ |
| MF | 23 | 山本 香月 | |
| FW | 16 | 藤田 桃加 | |
| 監督: 本田 美登里 | |||
試合展開
静岡SSUボニータが主導権を握る立ち上がり
序盤から試合の主導権を握ったのは静岡SSUボニータだった。
ボールを奪うと攻撃陣が一気に前進し、多少距離があっても積極的にシュートを狙う。中盤でのプレスも強く、ニッパツ横浜FCシーガルズに自由な前進を許さない。
また、右サイドバックの#22上西可奈子の攻撃参加も目立った。高い位置まで出てクロスを供給し、静岡SSUボニータの右サイド攻撃に厚みを加えていた。
一方のニッパツは、なかなかフィニッシュまで持ち込めない。ビルドアップを試みる場面はあったものの、基本的には前線へのロングボールや、静岡SSUボニータのミスを起点に攻撃へ転じる形が中心だった。
37分、静岡SSUボニータ・三輪玲奈が先制点
試合が動いたのは37分。
#11大曽根由乃が高い位置で相手との競り合いに勝つと、#7高島絢音が左サイドへ運び、#10横山久美とのパス交換からペナルティエリア角付近でシュート。GKが弾いたボールを#8三輪玲奈が押し込み、静岡SSUボニータが先制した。
ボールを奪ってから前へ出る速さ、ゴール前に人数をかける意識、そしてこぼれ球への反応。静岡SSUボニータらしい積極性が得点に結びついた場面だった。
ニッパツがすぐに反撃、權野貴子の同点弾
しかし、その2分後の39分、ニッパツがすぐさま同点に追いつく。
右サイドから#31俣野佑果が上げたクロスに、#6權野貴子が頭で合わせて1-1。静岡SSUボニータが先制直後に試合を落ち着かせる前に、ニッパツが少ないチャンスを確実にものにした。
この場面では、静岡SSUボニータの守備対応がやや曖昧になっていた。ニッパツとしては、プレッシャーが弱まった瞬間を見逃さず、シンプルなクロスから得点に結びつけた形だった。
前半終了間際、浦島里紗が押し込みニッパツが逆転
同点に追いついたニッパツは、そこから勢いを増した。
中盤の選手たちが迷いなく前へ出るようになり、攻撃に厚みが生まれる。静岡SSUボニータがボールを持つ時間は長かったものの、ニッパツも前線への推進力で相手を押し返す場面を増やしていった。
そして前半アディショナルタイム。コーナーキックのこぼれ球に#7浦島里紗が反応し、ゴールへ押し込む。前半ラストプレーでニッパツが2-1と逆転に成功した。
後半開始から静岡SSUボニータが修正
前半、静岡SSUボニータは自陣右サイドを起点に攻め込まれる場面が目立った。後半開始からは#15岸野早奈に代えて#9中島咲友菜を投入し、攻撃と守備のバランスを修正する。
後半も基本的には静岡SSUボニータが攻める展開となった。ボールを保持しながら押し込み、サイドを使ってニッパツの守備を揺さぶる。
60分、上西可奈子が同点弾
60分、静岡SSUボニータが同点に追いつく。
右サイドからのロングスローを、#22上西可奈子がニアサイドで頭ですらしてゴール。前半から何度も攻撃参加し、鋭いクロスを供給していた上西が、自ら得点という形で試合を振り出しに戻した。
サイドバックでありながら攻撃面で大きな存在感を示していた上西の特徴が、得点にも表れた場面だった。
終盤は互いに勝ち越しを狙うも決め切れず
その後も、基本的には静岡SSUボニータがボールを保持し、ニッパツがカウンターで応戦する構図が続いた。
静岡SSUボニータは押し込みながら勝ち越しを狙い、ニッパツは前がかりになる相手の背後を突いて決定機をうかがう。どちらにも勝ち越しのチャンスはあったが、最後の局面で決め切ることはできなかった。
試合は2-2で終了。静岡SSUボニータの連勝は止まり、ニッパツ横浜FCシーガルズは首位相手に貴重な勝ち点1を手にした。
総括
ニッパツ横浜FCシーガルズ
現時点でリーグ最上位にいる静岡SSUボニータを相手に勝ち点1を得た、非常に大きな一戦だった。
チャンスの数は決して多くなかった。しかし、限られた機会を得点につなげ、守備でも最後まで集中を切らさなかった。前がかりになる静岡SSUボニータの背後を狙い続けたことで、相手にとっても厄介な存在になっていた。
一方で、攻撃のバリエーションにはまだ物足りなさも残る。
中盤でのボール回しや縦パスの精度を考えると、無理にビルドアップでつなぐよりも、最終ラインから前線へロングフィードを入れ、スピードのある選手を走らせる攻撃の方が、相手にとっては怖いのではないかと感じた。
もちろん、毎回ロングボールだけでは単調になる。しかし、この試合のように強い相手と対戦する場合、割り切って前線に起点を作る戦い方は十分に効果的だった。
球際の強さとラフプレーの境界線
一方で、対人プレーの強度については気になる場面もあった。
球際の強さはニッパツの武器でもある。ただ、この試合でも相手の足元へのタックルや、相手を掴んで倒すような場面が見られた。強度の高い守備とラフプレーは紙一重であり、そこをどう整理するかは根深い課題になりそうだ。
首位チーム相手に勝ち点1を得たことは大きな成果である。ただし、強度を保ちながらもクリーンに戦う精度を高めることができれば、チームとしてさらに評価を高められるはずだ。
静岡SSUボニータ
リーグが進むにつれて相手チームから研究される段階に入ってきた印象がある。
序盤戦のように大量得点で押し切る試合ばかりではなくなってきた。特にこの試合では、サイドバックの攻撃参加によって生まれる背後のスペースや守備のズレを、ニッパツに狙われる場面が目立った。
それでも、負けない強さは本物である。2点を奪われながらも崩れず、後半に追いついて勝ち点1を持ち帰った。最大の強みは攻撃力だが、決して攻撃だけのチームではない。守備の組織力、個々の対人能力、そして全員がハードワークする姿勢は、首位にふさわしいものだった。
今シーズン初の複数失点となったが、守備全体が大きく崩されたというより、クロス対応やセットプレー周辺の局面でのみニッパツに上回られた印象が強い。今後、相手に研究された中でどのように勝ち切るかが、優勝争いに向けたポイントになりそうだ。
横山久美の存在感
この試合でも、#10横山久美の存在感は際立っていた。
ゴール前での落ち着き、身体の使い方、技術、視野の広さ。どれを取っても、今なおリーグの中で一段上のものを感じる。相手に身体を当てられても簡単には倒れず、複数人に囲まれても前進し、決定機を作り出す。
自ら放つシュートも、振りが小さく速い。相手守備陣にとっては、常に警戒し続けなければならない存在だった。
ニッパツの#4中居未来から厳しいマークを受ける場面も多かったが、それでもチーム全体を前進させるために身体を張り続けた。得点こそなかったものの、キャプテンとしての存在感は非常に大きかった。
順位表
第7節終了時点で、ニッパツ横浜FCシーガルズは7位、静岡SSUボニータは1位となっている。静岡SSUボニータは勝ち点17で首位を維持。
| 順位 | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡SSUボニータ | 17 | 7 | 5 | 2 | 0 | 24 | 3 | +21 |
| 2 | ヴィアマテラス宮崎 | 17 | 7 | 5 | 2 | 0 | 17 | 8 | +9 |
| 3 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 13 | 10 | +3 |
| 4 | 伊賀FCくノ一三重 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 8 | 6 | +2 |
| 5 | オルカ鴨川FC | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 12 | 5 | +7 |
| 6 | 岡山湯郷Belle | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 11 | 12 | -1 |
| 7 | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 8 | 7 | 2 | 2 | 3 | 11 | 13 | -2 |
| 8 | 愛媛FCレディース | 8 | 7 | 2 | 2 | 3 | 9 | 14 | -5 |
| 9 | スフィーダ世田谷FC | 7 | 7 | 2 | 1 | 4 | 15 | 17 | -2 |
| 10 | 日体大SMG横浜 | 7 | 7 | 2 | 1 | 4 | 11 | 23 | -12 |
| 11 | ASハリマアルビオン | 5 | 7 | 1 | 2 | 4 | 8 | 11 | -3 |
| 12 | VONDS市原FCレディース | 0 | 7 | 0 | 0 | 7 | 3 | 20 | -17 |
次節、ニッパツ横浜FCシーガルズは再びホームで日体大SMG横浜を迎える。
一方の静岡SSUボニータは、ホームで2位のヴィアマテラス宮崎と対戦する。勝ち点で並ぶ上位直接対決であり、優勝争いの流れを大きく左右する一戦となる。
第8節は、静岡SSUボニータとヴィアマテラス宮崎による天王山に大きな注目が集まる。
リソース
フルマッチLIVE配信(Youtube)
第7節全試合ハイライト動画
公式記録


