【試合レビュー】横山久美4ゴール、静岡SSUボニータが9-0で快勝 日体大SMG横浜は守備に課題を残す|2026プレナスなでしこリーグ1部 第2節

試合レビュー

ヤマハスタジアム(磐田)で行われた2026プレナスなでしこリーグ1部第2節は、静岡SSUボニータが日体大SMG横浜に9-0で勝利した。前半だけで6得点、最終的には9得点を奪う圧勝劇。

開幕節で6得点を挙げた静岡SSUボニータが、今節もその破壊力を存分に発揮した。一方の日体大SMG横浜は、開幕節に続いて守備面とビルドアップの難しさが露呈する90分となった。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

第2節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

注目ポイント

  • 開幕戦で6得点を記録した静岡SSUボニータの攻撃陣が、今節も同じ迫力を出せるかどうか
  • 日体大SMG横浜が開幕節で見せた守備面の課題をどこまで修正できているか

試合情報

静岡SSUボニータ日体大SMG横浜
9
8分 横山久美
12分 横山久美
32分 三輪玲奈
35分 横山久美
42分 青葉結衣
45+2分 岸野早奈
68分 横山久美
76分 白井未来
82分 服部花音
会場ヤマハスタジアム(磐田)(静岡県)
観客数998人

スターティングラインナップ・登録メンバー

出典:https://www.nadeshikoleague.jp/2026/nadeshiko1/match_page.html?mno=9

静岡SSUボニータは、開幕節から先発・控えともに同じ顔ぶれで臨んだ。前節6得点の勢いをそのまま持ち込みたい一戦だったが、結果的にはそれ以上の破壊力を示すことになった。

試合展開

立ち上がりから静岡が主導権

序盤から静岡は前線からの圧力を強め、日体大の最終ラインに落ち着いて前進する時間を与えなかった。日体大は後方から丁寧につなごうとする意図が見えたものの、静岡のプレスを受けるなかで受け手と出し手の距離がかみ合わず、狭いエリアで苦しいパス交換を強いられる場面が目立った。

日体大はボールを前進させた場面では、サイドハーフやサイドバックが一気に駆け上がって厚みを出そうとしていたが、その反面、失ったあとの守備には不安が残る。静岡はその隙を逃さなかった。

早速8分に試合が動く。カウンターから三輪と横山の2人でゴール前まで運び、中央でボールを受けた横山が、持ち出しからDFを外しながら左足でフィニッシュ。静岡が早々に先制した。横山は開幕戦に続いて2試合連続ゴール。

静岡SSUボニータ#10横山久美のこの日1得点目

12分には、静岡の左サイドからのクロスが日体大のハンドを誘いPKを獲得。これを横山が決めて2-0。

まだ前半の早い時間帯だったが、試合の流れはこの2点で大きく静岡に傾いた。

日体大の反撃と、静岡の3点目・4点目

2点を追う形になった日体大も、ここから縦パスを増やし、サイドを起点に押し返そうとする。静岡のプレスを外して前進できた場面では、前向きな推進力も見せていた。

しかし日体大の勢いを消すように、32分に静岡が追加点を奪う。#9中島咲友菜、#10横山久美を経由し、最後は中島の左サイドからのクロスに#8三輪玲奈がヘディングで合わせ、3-0とした。

静岡SSUボニータ#8三輪玲奈が3点目を決める。開幕から2試合連続ゴール。

この場面でも日体大は、ゴールに近い位置に相手の人数が揃っているにもかかわらず、最終ラインでパスをつなごうとしていた。だが、静岡のプレスを受けるなかでボールコントロールを乱し、ロストから苦しい状況を招いてしまう。ここまでにも同じような場面は繰り返し見られており、静岡が低い位置でのパス回しを明確に狙っていたことは映像からも伝わってきた。修正の気配が見えないままプレーを続ければ、さらに失点を重ねても不思議ではない。そう感じさせる流れだった。

33分、日体大にもようやく見せ場が訪れる。#9柴原希保が高い位置でボールを奪い、そのままドリブルで持ち運んで右足を振り抜いた。シュートは惜しくも枠を外れたが、少ない攻撃機会のなかでは光る場面だった。

日体大SMG横浜#9柴原希保の単独突破と惜しいシュート

しかし、反撃ムードは長続きしない。34分、静岡は#6万力安純からのロングボールを#10横山久美が見事なトラップ。相手を引き付け、ゴール前に抜け出した#9中島咲友菜が横山からのスルーパスを1対1の状況でシュート。これを日体大GK福田はなが間一髪セーブ。

静岡SSUボニータの決定機とそれを防いだ日体大

なんとか凌いだ日体大だが、直後の35分に静岡#10横山久美にこの日3得点目を許す。これもやはり日体大の低い位置からのビルドアップを狙って前線の選手たちがプレス。横山がボールを奪取しそのままハットトリックを決めて4-0とした。

静岡SSUボニータ#10横山久美がハットトリック。ここでも日体大は低い位置のビルドアップを狙われた。

まずは1点を返したい日体大は、中盤にボールが入るとサイドを使い、前線の選手が背後へ抜け出す攻撃を見せる。狙いそのものは見えていたが、中盤での構成力や球際の強度、さらに前線の個の迫力を含め、現時点では静岡の方が一枚も二枚も上回っていた印象だ。守備の整理が追いつかないまま撃ち合いの構図に持ち込もうとしても、流れを引き戻すのは容易ではない。そう感じさせる時間帯だった。

日体大は41分に岡千尋を投入し、右サイドの修正を図る。

しかし、その直後の42分に静岡が5点目を奪う。左CKの流れからつなぎ、最後は青葉結衣が決めた。

前節の愛媛戦の失点場面と同様に、日体大はゾーンで対応していたものの、ペナルティエリア内の激しい局面では相手にしっかりついていけず、結果としてゴール前で自由を与えてしまった。人数は足りていても、誰が相手に寄せ、誰がこぼれ球に備えるのかが曖昧で、守備の受け渡しが機能していないように見えた。苦しい流れのなかで、セットプレー対応の不安まで露呈した失点だった。

静岡SSUボニータ#15岸野早奈の今季初ゴールはこの日チーム6点目。

更には前半アディショナルタイム。日体大のバックパスをカットした静岡は日体大のバイタルエリア内でパスを回し、最後は相手DFがボールコントロールを誤ったところに詰めていた#15岸野早奈が今季初ゴール挙げて6-0とする。

前半だけで6失点。静岡の決定力と連動性が際立った一方で、日体大は後方からのビルドアップと守備の整理に苦しみ続けた。

後半も構図は変わらず、静岡がさらに3点追加

後半、配信内では日体大SMG横浜の嶋田千秋監督のコメントが紹介され、選手たちがビルドアップをやりたいという意思を持っていること、その方向性を継続したい考えが示されていた。スタイルを貫く姿勢そのものは尊重されるべきだが、この試合に限って見れば、静岡のプレス強度と前向きの守備に対して、現実的な修正をどう加えるかも問われる展開だった。

後半はややスピードダウンした静岡に対し、日体大は左サイドを中心に反撃を試みた。ただ、基本的な構図は前半と大きく変わらない。低い位置からつなぎたい日体大に対し、そこを狙って奪いにいく静岡、という図式が続いた。

そして68分には横山久美がこの日4点目を決めて7-0。#6万力安純の浮き球パスを#11大曽根由乃が落とし、横山が左足で決めた。

静岡SSUボニータ#10横山久美がこの日4得点目の大活躍

11大曽根由乃の落とし、#10横山久美のシュートは見事だったが、ここでも日体大DFは横山に身体を寄せ切れず、ペナルティエリア内で比較的自由にシュートを打たせてしまった。崩しの質を称えるべき場面である一方、守備対応の甘さもまた見て取れる失点だった。

76分には途中出場の白井未来が決めて8-0、82分には服部花音がネットを揺らして9-0。静岡が最後まで集中を切らさずにゴールを狙い続けてプレーしていた。

76分には途中交代で入った静岡#2白井未来が見事なミドルシュートを決めて8-0。白井は今季初得点となった。

静岡SSUボニータ#2白井未来の今季初ゴールとなるミドルシュートが決まって8-0

そして82分に静岡は#5服部花音が今季初ゴールを決めて9-0。日体大は服部の侵入に対して十分に対応できず、比較的スムーズにフィニッシュまで持ち込まれてしまった。時間帯と点差を考えれば、守備陣に集中力の低下があった可能性も感じさせる場面だった。

静岡SSUボニータ#5服部花音の今季初ゴールで9-0

総括

この試合は、静岡SSUボニータの攻撃力がリーグ屈指であることを改めて示した一戦だった。9得点という結果も衝撃的だが、それ以上に印象的だったのは、前線からの守備、奪ってからの速さ、そして複数人が関わる崩しの質である。得点者は横山、三輪、青葉、岸野、白井、服部と分散しており、攻撃の厚みがうかがえる。

とりわけ#10横山久美は4得点に加え、ポストプレー、チャンスメイク、背後への抜け出しと、あらゆる局面で違いを生み出した。昨季のMVP・得点王・ベストイレブンにふさわしい存在感を、この試合でも見せつけたと言ってよいだろう。

一方の日体大SMG横浜は、自分たちの志向するサッカーを表現しようとする意思こそ見えたものの、この試合では静岡の圧力に対して後方でのリスク管理が追いつかなかった。相手の狙いを受けたうえで、どこでつなぎ、どこで割り切るのか。その使い分けも含めて、今後の修正が求められる内容だった。

映像を見ていて強く感じたのは、大量リードしている静岡の方が、終盤までよく走っていたことだ。スコアが開いても強度を落とさない姿勢が、この9-0という結果をより象徴的なものにしていた。

静岡SSUボニータ 公式マッチレポート(Instagram)

日体大SMG横浜 公式マッチレポート(Instagram)

順位表

この結果、静岡SSUボニータは開幕2連勝で首位、日体大SMG横浜は10位となった。静岡は第2節終了時点で15得点を記録しており、開幕直後から高い攻撃力を示している。

出典:https://www.nadeshikoleague.jp/2025/nadeshiko1/standings.html

次節、静岡は伊賀FCくノ一三重とのアウェー戦に臨む。ここまでの2試合以上に守備対応を問われる場面が増える可能性が高く、攻撃力に加えて守備面の安定感も試される一戦になりそうだ。

日体大SMG横浜はホームでASハリマアルビオンと対戦する。自分たちのやりたいサッカーをどう継続し、どこを修正していくのか。開幕からの2試合で見えた課題に、どのような答えを出すのかを注視したい。

タイトルとURLをコピーしました