2026プレナスなでしこリーグ1部は、第11節をもってシーズン前半戦を終了した。
上位4チームは、静岡SSUボニータ、ヴィアマテラス宮崎、朝日インテック・ラブリッジ名古屋、伊賀FCくノ一三重が形成した。
一方で、そのすぐ下に位置する5位〜9位の中位グループも、前半戦を通じて大きく順位が動いた。
5位オルカが勝ち点18で上位を追い、6位から9位までは勝ち点2差にひしめいている。
中位グループは、上位に迫る可能性を見せたチームがある一方で、勝ち切れない試合や連敗によって順位を伸ばし切れなかったチームもある。
この記事では、2026プレナスなでしこリーグ1部の第1節から第11節までを、5位から9位までのチームの動きに絞って振り返る。
上位・下位グループの動きについては、別記事で取り扱う。

第11節終了時点の中位グループ
第11節終了時点の中位グループは、次のような並びになっている。
5位 オルカ鴨川FC 勝ち点18
6位 ニッパツ横浜FCシーガルズ 勝ち点14
7位 岡山湯郷Belle 勝ち点14
8位 愛媛FCレディース 勝ち点13
9位 スフィーダ世田谷FC 勝ち点12
このグループは、5位オルカと6位以下で少し見え方が分かれる。
オルカは勝ち点18で、上位4チームを追う位置につけた。
一方で、6位ニッパツから9位世田谷までは勝ち点2差。1試合の結果で順位が入れ替わる接戦になっている。
もうひとつ注目したいのは得失点差だ。
5位オルカは得失点差をプラスで保っているが、6位以下は得失点差が0以下になる。
順位表の上では5位〜9位を中位グループとしてまとめられるが、前半戦の安定感という点では、5位オルカと6位以下の間に少し差があった。
| 順位 | チーム | 勝ち点 | 第1節 | 第2節 | 第3節 | 第4節 | 第5節 | 第6節 | 第7節 | 第8節 | 第9節 | 第10節 | 第11節 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡SSUボニータ | 26 | 8 | 2 | 1 | 34 | 7 | +27 | |||||||||||
| 2 | ヴィアマテラス宮崎 | 24 | 7 | 3 | 1 | 23 | 10 | +13 | |||||||||||
| 3 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 22 | 6 | 4 | 1 | 27 | 11 | +16 | |||||||||||
| 4 | 伊賀FCくノ一三重 | 21 | 6 | 3 | 2 | 15 | 9 | +6 | |||||||||||
| 5 | オルカ鴨川FC | 18 | 5 | 3 | 3 | 15 | 8 | +7 | |||||||||||
| 6 | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 14 | 4 | 2 | 5 | 19 | 19 | 0 | |||||||||||
| 7 | 岡山湯郷Belle | 14 | 4 | 2 | 5 | 13 | 20 | -7 | |||||||||||
| 8 | 愛媛FCレディース | 13 | 3 | 4 | 4 | 13 | 19 | -6 | |||||||||||
| 9 | スフィーダ世田谷FC | 12 | 3 | 3 | 5 | 18 | 19 | -1 | |||||||||||
| 10 | 日体大SMG横浜 | 10 | 3 | 1 | 7 | 13 | 37 | -24 | |||||||||||
| 11 | ASハリマアルビオン | 9 | 2 | 3 | 6 | 11 | 14 | -3 | |||||||||||
| 12 | VONDS市原FCレディース | 0 | 0 | 0 | 11 | 5 | 33 | -28 |
順位推移
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オルカ鴨川FCは昨季から大きく前進し、5位で折り返し
中位グループの中で最上位となったのが、オルカ鴨川FCだ。
第11節終了時点で5勝3分3敗、勝ち点18。
順位は5位だが、前半戦のオルカは一時3位まで浮上し、上位争いに十分絡んでいた。

オルカの前半戦を語るうえで見逃せないのは、昨シーズンからの変化だ。
2025シーズンのオルカは、1年間を通じて5勝、総得点15にとどまった。
しかし2026シーズンは、第11節終了時点ですでに5勝、15得点。前半戦だけで昨シーズン通算の勝利数と得点数に並んでいる。
昨シーズンは、序盤から勝利をつかめず、監督交代もあった苦しいシーズンだった。
そこから比べると、今シーズンの前半戦は明らかに勝ち切れる試合が増えている。
スタイル面では、静岡に次ぐ失点数の少なさが示すように、守備の堅さが土台にある。
そのうえで、奪ったボールを丁寧につなぎながら前進し、サイド攻撃やセットプレーで得点につなげる形も増えている。

ただし、今シーズンは守って耐えるだけではない。
ボールを奪った後の前進、サイドを使った攻撃、セットプレーなど、得点につながる形も増えている。
昨シーズンは粘っても勝ち切れない試合が多かったが、今シーズンは接戦を勝ち点3につなげる場面が明らかに増えた。
一方で、第11節ではヴィアマテラス宮崎に0-2で敗戦。
宮崎の強度と運動量に押し込まれ、トップ4との差も見えた試合になった。
オルカにとって前半戦は、昨シーズンからの確かな前進を示した11試合だった。
後半戦は、守備の安定感を土台にしながら、上位相手に勝ち点を奪えるか。そこが、5位からさらに上を狙うためのポイントになる。
ニッパツ横浜FCシーガルズは武器を広げる途中で、安定感に課題
ニッパツ横浜FCシーガルズは、第11節終了時点で4勝2分5敗、勝ち点14。
6位で前半戦を終えた。

ニッパツの大きな武器は、前線の裏抜けやスピードを生かした攻撃にある。
相手の背後を突く動き、縦への速い展開、切り替えの速さが出た試合では、上位相手にも脅威を与えた。
そこに今季は、後方から丁寧にボールを動かしながら前進するビルドアップを加えようとしている。
単に背後へ速く出すだけでなく、センターバックやボランチを経由して相手のプレスを外し、サイドや前線へボールを届ける形を増やしている。
うまく前進できたときは、もともとのスピードをより効果的に生かせる。
相手を引き出してから背後を狙う形が出れば、ニッパツの攻撃にはさらに厚みが出る。

ただし、その取り組みはまだ発展途上のようだ。
相手のプレスを受けたときに前進が詰まり、ボールの失い方が悪くなる場面があった。
自陣で奪われると守備対応が難しくなり、試合の流れを相手に渡してしまう時間帯もあった。
第7節の静岡SSUボニータ戦では、首位チーム相手に2-2で引き分け、攻撃面の可能性を示した。
一方で、第10節の愛媛FCレディース戦では、ビルドアップが思うように機能せず、相手の強度にも苦しむ場面があり、1-3で敗戦。第11節ではASハリマアルビオンに0-2で敗れ、前半戦の最後を連敗で終えることになった。
ニッパツは、前線のスピードという明確な武器を持つチームだ。
後半戦は、そこにビルドアップの安定感をどこまで上積みできるかがポイントになる。
相手のプレスを外して前進し、最後はスピードを生かしてゴールへ迫る。
その形を安定して出せれば、中位グループから上を狙う力は十分にある。
岡山湯郷Belleは序盤に上位と拮抗も、終盤の失速で7位に
岡山湯郷Belleは、第11節終了時点で4勝2分5敗、勝ち点14。
ニッパツと同勝ち点ながら、得失点差で7位となっている。

湯郷は、前半戦の中でもっとも順位の浮き沈みが大きかったチームの一つだった。
開幕から勝ち点を積み上げ、2位発進。第8節までは上位と拮抗した争いを見せていた。
湯郷のサッカーは、後方から丁寧にボールを動かし、相手のプレスを外しながら前進していく形が特徴だ。
単純に前へ蹴るのではなく、ビルドアップで相手を動かしながら、サイドや中盤の選手を使って攻撃を組み立てようとする場面が多かった。

ボールを持てる時間が長い試合では、相手を押し込みながら主導権を握ることができる。
その一方で、ビルドアップを軸にするチームだからこそ、相手のプレスに苦しんだときや、前進が詰まったときに試合の流れを変え切れない場面もあった。
前半戦終盤は苦しい流れになった。
第9節では静岡SSUボニータとの上位対決に敗れ、第10節では日体大SMG横浜に痛い敗戦。
第11節では朝日インテック・ラブリッジ名古屋に0-2で敗れ、3連敗で前半戦を終えることになった。
湯郷の前半戦は、上位に食い込む可能性を見せた一方で、上位対決や流れを失った試合で踏みとどまれなかったことが順位に表れた。
後半戦は、ビルドアップの質を保ちながら、相手に対策されたときの前進方法を増やせるか。
前半戦序盤から中盤に見せた勢いを取り戻すためには、ボール保持を結果につなげ直すことが焦点になる。
愛媛FCレディースは内容面の手応えを勝ち点につなげ切れるか
愛媛FCレディースは、第11節終了時点で3勝4分4敗、勝ち点13。
8位で前半戦を折り返した。6位ニッパツ、7位湯郷との勝ち点差はわずか1である。

順位だけを見ると8位だが、愛媛の前半戦には前向きな材料も多かった。
愛媛は、ハードワークをベースにしながら、サイド攻撃やセットプレーを絡めてゴールへ迫るチームだ。
前線からの守備、セカンドボールへの反応、球際の強さを出せた試合では、相手に簡単に主導権を渡さなかった。
象徴的だったのは、第3節の朝日インテック・ラブリッジ名古屋戦だ。
昨季王者の名古屋との打ち合いを制し、前半戦序盤に大きなインパクトを残した。
また、第10節ではニッパツ横浜FCシーガルズに3-1で勝利。
ハードワークと攻撃の迫力を結果につなげ、中位争いに踏みとどまった。

一方で、勝ち切れない試合もあった。
第11節のスフィーダ世田谷FC戦は0-0。
愛媛が主導権を握る時間もあったが、ゴールを奪い切れず、勝ち点1にとどまった。
愛媛にとって前半戦は、攻撃の形や試合内容には手応えがありながら、勝ち点3に結びつけ切れない試合もあった。
後半戦は、ハードワークを結果につなげるために、優勢な時間帯で得点を奪い切れるか。
そして、接戦を引き分けではなく勝利に変えられるかが順位上昇の鍵になる。
スフィーダ世田谷FCは得点力のある前線を持ちながら、勝ち切れない前半戦に
スフィーダ世田谷FCは、第11節終了時点で3勝3分5敗、勝ち点12。
順位は9位だが、8位愛媛とは勝ち点1差、6位ニッパツ・7位湯郷とも勝ち点2差にいる。

世田谷の前半戦は、序盤の大敗から始まった。
開幕節では静岡SSUボニータに1-6で敗れ、守備に課題が見えたスタートとなった。
ただ、攻撃面には明確な材料もある。
堀江美月、内田美鈴という得点ランキング上位に名を連ねる選手がおり、前線にゴールを奪える選手がいることは、世田谷にとって大きな強みである。
それでも、チームとして勝ち点3を積み上げるところまでは届かない試合があった。
特に苦しかったのは、試合終了間際の失点によって3連敗を喫した時期だ。
勝ち点を得られそうな試合で最後に耐え切れず、守備の不安定さや試合終盤の脆さが順位に響いた。

それでも、前半戦終盤には好材料も見えた。
第10節のヴィアマテラス宮崎戦では、チーム全体のハードワークで粘り強く戦い、上位相手に引き分けた。
第11節の愛媛FCレディース戦でも、押し込まれる時間がありながら無失点で耐え、勝ち点1を持ち帰った。
勝ち切れない課題は残る。
それでも、簡単には負けなくなったことは、後半戦に向けた前向きな材料だ。
後半戦は、堀江、内田を中心とした攻撃の強みを生かしながら、守備を安定させられるか。
勝ち点1で終わっていた試合を勝ち点3に変えられるかが、中位グループから抜け出すための鍵になる。
後半戦の注目ポイント
後半戦の中位グループで注目したいのは、それぞれのスタイルをどれだけ結果につなげ切れるかだ。
オルカは、守備の安定感を保ちながら、攻撃でどれだけ自分たちからチャンスを作れるか。
ニッパツは、アグレッシブさを出しながら、試合運びの波をどれだけ抑えられるか。
湯郷は、ビルドアップを軸にしながら、相手の対策を上回る前進方法を増やせるか。
愛媛は、ハードワークとセットプレーを勝ち点3に結びつけられるか。
世田谷は、前線の得点力を活かしつつ守備の強度を上げて、勝ち点をどこまで積み上げることができるか。
5位オルカは、トップ4に再び迫れる位置にいる。
一方で、6位から9位までは勝ち点2差。後半戦の入り方次第で、順位は大きく動く可能性がある。
中位グループの戦いは、優勝争いほど派手に見えないかもしれない。
それでも、ここで勝ち点を積み上げるチームが出てくれば、上位争いにも影響を与える。
前半戦で見えた課題を修正し、自分たちのスタイルを勝ち点3につなげられるか。
2026プレナスなでしこリーグ1部の後半戦は、この中位グループの動きも大きな見どころになりそうだ。
