静岡県磐田市を活動拠点とする静岡SSUボニータは、なでしこリーグ1部に所属する女子サッカークラブです。
2022シーズンになでしこリーグ2部で初優勝を果たし、2023シーズンからなでしこリーグ1部へ昇格しました。1部昇格後は苦しい時期もありましたが、2024シーズン以降は攻撃力を高め、2026シーズンは第15節終了時点で首位に立っています。
大きな特徴は、横山久美を軸とした攻撃力です。横山が前線や中盤でボールを受け、そこから周囲の選手が背後へ走る。個の力と連動性を組み合わせ、リーグ屈指の得点力を発揮しています。
本ページでは、静岡SSUボニータのチームとしての特徴、注目選手、関連する試合レビュー記事をまとめて紹介します。
チームの特徴
2部優勝から1部上位へ
静岡SSUボニータは、2022シーズンになでしこリーグ2部で初優勝を果たし、2023シーズンからなでしこリーグ1部へ戦いの場を移しました。
1部昇格初年度の2023シーズンは11位。2024シーズンは7位へ順位を上げると、2025シーズンは3位に浮上。2026シーズンは第15節終了時点で10勝2分3敗、勝点32。名古屋と勝点で並びながら、得失点差で上回って首位に立っています。
| シーズン | 最終順位 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 得点順位 | 全チーム平均得点 | 全チーム中央値 | 失点 | 失点順位 | 全チーム平均失点 | 全チーム中央値 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2023 | 11位 | 4 | 5 | 13 | 23 | 11位 | 32.0 | 33.5 | 35 | 8位 | 32.0 | 31.5 |
| 2024 | 7位 | 9 | 5 | 8 | 48 | 2位 | 30.9 | 31.5 | 34 | 9位 | 30.9 | 26.5 |
| 2025 | 3位 | 12 | 2 | 8 | 48 | 1位 | 28.2 | 28.0 | 29 | 7位 | 28.2 | 28.0 |
※得点順位は得点数の多い順、失点順位は失点数の少ない順で算出。
※「全チーム平均」「全チーム中央値」は、その年のリーグ全体の得点・失点分布を把握するための参考値です。
※静岡SSUボニータは2023シーズンからなでしこリーグ1部に参戦しているため、ここでは1部昇格後の成績を掲載しています。
数字を見ると、静岡の変化ははっきりしています。
2023シーズンは23得点にとどまりましたが、2024シーズン、2025シーズンはいずれも48得点。2025シーズンはリーグ最多得点を記録し、2026シーズンも第15節終了時点で45得点と、攻撃力はリーグ上位の水準にあります。
一方で、2024・2025シーズンは失点数がリーグ中位以下にとどまっていました。2026シーズンは第15節終了時点で10失点。攻撃力を維持しながら失点を抑えられていることが、首位に立つ大きな要因です。
横山久美を軸とした攻撃
静岡の攻撃を語るうえで、横山久美の存在は外せません。
横山が前線にとどまるだけでなく、中盤へ下りてボールを受ける。そこで相手を引きつけ、前を向いた瞬間に周囲の選手が背後を狙う。静岡は、横山の判断力と技術を起点に、複数の選手がゴールへ向かう形を作ります。
第15節のASハリマアルビオン戦では、その特徴が分かりやすく表れました。横山が前線・中盤に広く顔を出し、先制点ではスルーで中島咲友菜の抜け出しを引き出しました。終盤には自らもゴールを決め、なでしこリーグ通算183得点を達成。リーグ歴代最多得点記録を更新しています。
横山が良い状態でボールを受けられたとき、静岡の攻撃は一気に怖さを増します。
ただし、横山に自由を与えない相手に対しては、攻撃のリズムを作れない試合もあります。名古屋、世田谷、伊賀に敗れた試合では、いずれも相手が強度高く対応し、横山をゴールから遠ざける時間を作りました。
静岡がさらに勝点を積み重ねるには、横山を軸にしながらも、相手に封じられたときに別の形でゴールへ迫れるかが大きなポイントになります。
攻撃力を支える守備の安定
静岡は攻撃力が目立つチームですが、2026シーズンは守備面の安定も見逃せません。
第15節終了時点で45得点はリーグ最多、10失点はオルカ鴨川FCと並ぶリーグ最少です。攻撃力で相手を押し切るだけでなく、失点を抑えながら勝点を積み上げていることが、首位に立つ理由です。
静岡は前線に強力な選手を抱える一方で、相手にボールを握られる時間やカウンター対応も避けられません。その中で最終ラインが大きく崩れず、攻撃へつなげ直せることが、2026シーズンの安定につながっています。
首位で迎える中断期間
第15節終了時点で、静岡SSUボニータは10勝2分3敗、勝点32。名古屋と勝点で並びながら、得失点差で上回って首位に立っています。
第14節の伊賀FCくノ一三重戦では、横山久美に良い形でボールを入れられず、0-1で敗戦。しかし第15節のハリマ戦では、横山を起点に5得点を奪い、すぐに勝利で立て直しました。
リーグ屈指の攻撃力を持つ一方で、相手が横山を封じるプランを徹底したとき、どうやって別の形を作るのか。
首位で迎える2026シーズン後半。静岡にとっては、攻撃力をさらに安定した勝点へ結びつけられるかが、優勝争いの大きな焦点になりそうです。
注目選手
ここからは、筆者が2026シーズンの試合を追う中で特に印象に残った4選手を紹介します。
静岡には攻撃力のある選手が多くそろいますが、今回は横山久美、中島咲友菜という攻撃の中心に加え、攻撃を後方から支える上西可奈子、守備面で存在感を示す彦坂桃花を取り上げます。
FW 横山 久美(KUMI YOKOYAMA)
静岡SSUボニータの攻撃を動かす中心選手です。
横山選手の魅力は、得点力だけではありません。前線でボールを収める、相手を引きつける、中盤へ下りて味方を使う、そして最後は自らゴールを決める。静岡の攻撃は、横山選手がどこでボールを受け、どの向きで前を向けるかによって大きく変わります。
第8節の宮崎戦では、首位攻防戦で決勝点となるPKを獲得し、自ら決め切りました。第9節の湯郷戦ではFKで彦坂桃花の先制点を引き出し、自らも直接FKを決めて試合を動かしました。
さらに第15節のハリマ戦では、5-0快勝の中心となり、なでしこリーグ通算183得点を達成。リーグ歴代最多得点記録を更新しました。
当サイトの独自ベストイレブン選出:6回(第15節終了時点)
第8節 個人的ベストイレブン
第9節 個人的ベストイレブン
第11節 個人的ベストイレブン
第12節 個人的ベストイレブン
第13節 個人的ベストイレブン
第15節 個人的ベストイレブン
MF 中島 咲友菜(SAYUNA NAKAJIMA)
主に左サイドハーフとして静岡の攻撃にスピードと深さを加えるMFです。
中島選手の大きな魅力は、相手最終ラインの背後へ出ていく動きです。横山選手がボールを受けて相手を引きつけた瞬間、中島選手が背後へ走ることで、静岡の攻撃は一気にゴール方向へ加速します。
第11節のVONDS市原FCレディース戦ではハットトリックを記録し、5-0の勝利に大きく貢献。第15節のハリマ戦でも2得点を挙げ、静岡の5-0快勝に直結する結果を残しました。
横山選手の近くでプレーするだけでなく、背後へのランニング、ドリブル、フィニッシュで違いを作れる選手です。
DF 上西 可奈子(KANAKO UENISHI)
静岡の左サイドを支えるDFです。今シーズン、スペランツァ大阪から加入しました。
上西選手の魅力は、守備対応だけでなく、攻撃参加でチームの前進を助けられる点にあります。左サイドで高い位置を取り、タイミングよく前へ出ていくことで、静岡の攻撃に幅を加えます。
第8節の宮崎戦では、首位攻防戦という難しい試合の中で、左サイドの攻守に貢献。静岡が宮崎との直接対決を制するうえで、サイドでの安定感と前進への関与が大きな意味を持ちました。
横山久美、中島咲友菜ら前線の選手に注目が集まりやすい静岡ですが、サイドの守備、そしてそこから攻撃を支えられる上西選手の存在も欠かせません。
DF 彦坂 桃花(MOMOKA HIKOSAKA)
体を張った守備で静岡の最終ラインを支えるDFです。
彦坂選手は、相手FWへの対応やゴール前での守備に加え、セットプレーでも存在感を示せる選手です。
第9節の岡山湯郷Belle戦では、横山久美のFKに反応して先制ゴールを記録。静岡が湯郷の粘りをこじ開けるうえで、大きな一撃となりました。
2026シーズンの静岡は攻撃力が目立ちますが、首位に立てている背景には、失点を抑える守備の安定があります。その中で彦坂選手は、粘り強い対応とゴール前での強さで、チームを後方から支える存在です。
初のリーグ制覇に向けて
2022シーズンに2部優勝を果たし、2023シーズンからなでしこリーグ1部へ挑戦している静岡SSUボニータ。1部昇格直後は苦しみましたが、2024・2025シーズンに攻撃力を高め、2026シーズンは第15節終了時点で首位に立っています。
前線にリーグ屈指の攻撃力を備え、そこに守備の安定がかみ合っている今季。静岡は首位にふさわしい強さを発揮しています。
一方で、横山選手への供給を制限された試合では、攻撃のリズムを作れない時間もあります。
首位で迎える中断明け。静岡SSUボニータが、この快進撃を最後まで優勝争いにつなげられるのか。2026シーズン後半の戦いから目が離せません。

