【試合レビュー】黒岩沙羽が同点弾も愛媛はホーム初勝利ならず ASハリマアルビオンも開幕節以来の白星逃す|2026プレナスなでしこリーグ1部 第8節

試合レビュー

前節、伊賀FCくノ一三重に敗れた愛媛FCレディースが、今節もホームゲームに臨んだ。対するASハリマアルビオンも、前節は朝日インテック・ラブリッジ名古屋に敗戦。ともに下位から中位へ浮上するために、勝ち点3が欲しい一戦だった。

試合は、アウェーのASハリマアルビオンが35分に小池快のゴールで先制。しかし、愛媛FCレディースも64分に黒岩沙羽が同点弾を決め、1-1のドローに終わった。愛媛はホーム初勝利を逃し、ハリマも開幕節以来の勝利には届かなかった。

注目ポイント

  • 愛媛FCレディースは、ホーム初勝利を挙げることができるか
  • 開幕節以来の勝利を目指すASハリマアルビオンは、下位対決を制して浮上のきっかけをつかめるか

試合情報

2026プレナスなでしこリーグ1部 第8節

愛媛FCレディースASハリマアルビオン
11
64分 黒岩沙羽35分 小池快
会場愛媛県総合運動公園球技場
観客数228人

スターティングラインナップ・登録メンバー

愛媛FCレディース

PosNo.氏名交代
GK21小松 里弥
DF16野口 珠里
DF5西村 紀音 (Cap.)
DF24前田 花依
DF13丸山 ちさと
MF19黒岩 沙羽89▼
MF6兵頭 來良70▼
MF11小島 和希子
MF26桜井 由衣香
FW8深澤 里沙89▼
FW14近藤 彩優子76▼
控え
GK33山内 れな
DF2松村 菜美
DF25足立 寧々89▲
MF15榎谷 岬70▲
MF20川崎 和奏76▲
MF32平塚 万貴
FW18髙尾 真莉奈89▲
監督: 長谷川 歩

ASハリマアルビオン

PosNo.氏名交代
GK41小暮 千晶
DF4阪中 澪85▼
DF5小島 美玖 (Cap.)
DF6佐々木 美悠
DF2児玉 耀85▼
MF8小池 快
MF14正野 可菜子HT▼
MF17唐橋 万結
FW9川﨑 咲耶
FW10千葉 園子
FW33椎野 彩香73▼
控え
GK1原田 実歩
DF19高松 芹羽85▲
DF20山口 歌子85▲
MF18阿部 文音HT▲
MF25鷹野 あかり
FW13今蔵 綾乃73▲
FW23井上 麗叶
監督: 菅野 将晃

試合展開

愛媛が前線から圧力をかける立ち上がり

立ち上がりから愛媛は、#14近藤彩優子、#8深澤里沙、#19黒岩沙羽、#26桜井由衣香ら前線の選手がエネルギッシュに動き、積極的なプレスとドリブルでハリマに圧力をかけた。

対するハリマは後方からのビルドアップを試みるものの、愛媛の前線からのプレスをうまく剥がしきれず、前線までスムーズにボールを届ける場面は限られた。

一方の愛媛も、ボールを前進させる勢いはあったものの、ハリマ守備陣の粘りもあり、最後のフィニッシュの精度を欠いた。試合は序盤から拮抗した展開となった。

小池快が先制弾 ハリマが劣勢の中でワンチャンスを生かす

均衡を破ったのはハリマだった。

35分、愛媛最終ラインのクリアが中途半端になったところを、#8小池快が見逃さなかった。こぼれ球に反応し、競り合いを制してそのまま右足を振り抜く。トラップからシュートまでの動作が速く、愛媛ゴールを揺らす見事な先制点だった。

小池は序盤から積極的な攻撃参加が目立っており、この場面でもしっかりとペナルティエリア内へ入り込んでいた。チームが押し込まれる時間帯もある中で、少ない好機をゴールにつなげた点は大きかった。

前半は0-1。アウェーのASハリマアルビオンがリードして折り返した。

黒岩沙羽が同点弾 愛媛が前への推進力を結果につなげる

後半も一進一退の展開が続く中、愛媛が同点に追いつく。

64分、ゴールキックを受けた#19黒岩沙羽がフリーの状態からドリブルで持ち上がり、#14近藤彩優子のシュートをお膳立てする。これはハリマの守備に阻まれたものの、近藤から深澤、さらに兵頭へとつなぎ、最後は黒岩が右足で狙いすましたシュート。自ら攻撃の起点となった黒岩が、最後はフィニッシャーとしてゴールを決め切った。

愛媛にとっては、前線の推進力と連動性が実を結んだ同点弾だった。

終盤はハリマが押し返すも、勝ち越し点は奪えず

同点後は、両チームとも選手交代を使いながら運動量と強度を維持し、勝ち越し点を狙った。

ホームでの初勝利を目指す愛媛だったが、終盤はハリマがボールを保持し、試合の主導権を握る時間も増えた。愛媛の勢いを受け止めたうえで、ハリマが押し返す展開となった。

しかし、ハリマも決定機を生み出すまでには至らず、愛媛も逆転ゴールまでは届かなかった。試合はそのまま1-1で終了。両チームが勝ち点1を分け合う結果となった。

総括

愛媛FCレディース

愛媛は、前線の運動量とスピードがやはり魅力的なチームだと感じた。近藤、深澤、黒岩、桜井を中心に、相手の最終ラインへ積極的にプレッシャーをかけるだけでなく、相手FWに対するプレスバックも怠らない。走れる選手が多く、試合全体にエネルギーをもたらしていた。

一方で、惜しいのは細部のクオリティである。中盤での守備時の寄せ、横パスの精度、トラップの安定感など、ちょっとしたミスが攻守の流れを途切れさせてしまう場面があった。ここの質が上がれば、守備の安定感も増し、勝利に近づいていくはずだ。

また、この試合ではシュート数の少なさも気になった。特にリードされて迎えた後半、公式記録上のシュートは同点ゴールを決めた黒岩の1本のみ。追いついたことは素晴らしいが、そこから逆転まで持っていくためには、もう少し相手ゴールへ迫る回数を増やしたい。

今シーズンここまで、相手に先制された試合をひっくり返す力はまだ十分とは言えない。技術面だけでなく、劣勢時に試合を動かし切る粘り強さも、今後の課題になりそうだ。

ASハリマアルビオン

ASハリマアルビオンは開幕節以来の勝利を目指したが、今回も勝ち点1にとどまった。これで7試合連続で勝利なし。チーム状態を考えると、勝ち点を持ち帰ったことは最低限の成果ではあるが、浮上のきっかけをつかむには勝ち切りたかった試合でもある。

課題はやはり得点力だ。失点数だけを見ればリーグ全体の中で極端に悪いわけではないが、得点数はリーグでも下位に沈んでいる。3トップの川﨑咲耶、千葉園子、椎野彩香はいずれも低い位置まで戻って守備タスクをこなしており、その分チーム全体の重心が後ろにかかっているように見える。

そのため、ボールを奪った後の速攻が効きづらく、ビルドアップも遅攻になりやすい。特に愛媛のように前線から激しくプレスをかけてくる相手に対して、最終ラインで相手を剥がしながら前進する部分には、まだ改善の余地があると感じた。

その中でも、千葉園子はここまで4ゴールを挙げており、得点力不足のチームを牽引している存在だ。ただ、以前から感じているとおり、ハリマがさらに浮上するためには、川﨑咲耶の攻撃参加、そしてゴールが必要になるのではないか。3トップが高い位置で前を向けた時の迫力はあるだけに、その回数をどれだけ増やせるかが鍵になる。

チーム状態は決して良いとは言えないかもしれない。それでも、三冨りりか、南條里緒といった昨シーズンの中心選手が戻ってきた時に前向きな状態で戦えるよう、今は少しずつでも勝ち点を積み上げていきたい。

順位表

第8節終了時点で、愛媛FCレディースは9位、ASハリマアルビオンは11位となっている。

順位チーム名勝点試合数得点失点得失点
1静岡SSUボニータ208620253+22
2ヴィアマテラス宮崎178521179+8
3岡山湯郷Belle14842213130
4朝日インテック・ラブリッジ名古屋1383411411+3
5オルカ鴨川FC128332136+7
6伊賀FCくノ一三重12833298+1
7ニッパツ横浜FCシーガルズ11832314140
8スフィーダ世田谷FC10831417170
9愛媛FCレディース982331015-5
10日体大SMG横浜782151226-14
11ASハリマアルビオン68134912-3
12VONDS市原FCレディース08008322-19

次節に向けて

次節、愛媛FCレディースはアウェーで現在リーグ2位のヴィアマテラス宮崎と対戦する。ASハリマアルビオンはホームで現在6位の伊賀FCくノ一三重を迎える。

どちらも順位では上の相手との対戦になる。ただ、中位グループとの勝ち点差はまだ大きく開いていない。愛媛はホーム初勝利こそ逃したものの、前線の推進力には見どころがある。ハリマも勝ち切れない試合が続くが、粘り強く勝ち点を拾えていることは前向きに捉えたい。

次節こそ、勝ち点3をつかみ、中位浮上への足がかりを作りたい。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

第8節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

なでしこリーグ公式ガイドブック

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