監督交代後の初陣でスタメンを大幅変更も実らず オルカは伊賀に敗れて今季未勝利継続|2025プレナスなでしこリーグ1部 第5節

2025プレナスなでしこリーグ1部 第5節、オルカ鴨川FCはホームの鴨川市陸上競技場で伊賀FCくノ一三重と対戦し、0-1で敗れた。

辛島啓珠前監督の解任を受け、百武江梨監督代行体制で迎えた初戦。オルカはスタメンを大きく入れ替え、前線からの守備や選手配置に変化を加えた。内容面では前節までより改善が見えたものの、84分に神谷千菜に決勝点を許し、今季初勝利はまたもお預けとなった。

試合情報

大会2025プレナスなでしこリーグ1部 第5節
日時2025年4月13日(日)12:00キックオフ
対戦カード・結果オルカ鴨川FC 0-1 伊賀FCくノ一三重
会場鴨川市陸上競技場
観客数199人
得点84分 神谷千菜

この記事の要点

  • オルカ鴨川FCは百武江梨監督代行体制の初戦を0-1で落とした
  • 田谷春海が今季初出場ながら好セーブを連発し、チームを支えた
  • 前線守備の連動には改善が見えた一方、得点力不足は解消できなかった
  • 伊賀FCくノ一三重は84分に神谷千菜が決勝点を決め、アウェイで勝ち点3を獲得した

フォーメーション・スターティングラインナップ

オルカ鴨川FC

百武監督代行は、前節からスターティングメンバーを大きく入れ替えた。


GKには昨季出場機会の多かった田谷春海選手を起用。前節ベンチ外だった松尾菜月選手がセンターバックで先発に復帰し、右サイドバックには本来MF登録の安東美那選手を配置した。さらに、浦部美月選手を守備的MFで先発起用し、今季加入の齊藤桃花選手がリーグ初出場・初先発。河野有希選手、大原もも選手はともにベンチ外となった。

伊賀FCくノ一三重

伊賀は3-4-3、もしくは3-4-2-1気味の可変システムを採用。守備時には両ウイングが下がって5バック化し、前線では神谷千菜選手を軸に攻撃を組み立てる。

FW#30神谷選手は2023シーズンまで朝日インテック・ラブリッジ名古屋のエースFWとして活躍し、2024シーズンにWEリーグの日テレ東京ベレーザに移籍後、2024シーズン中に伊賀FCに移籍した攻撃の核。ターゲットとしてもポストプレイヤーとしても、そしてストライカーとしても高い能力を持っている。この日も最も警戒すべき存在だった。

試合展開

前半序盤:田谷春海が好セーブで流れを渡さない

雨の中で行われた一戦は、立ち上がりから伊賀FCくノ一三重が鋭くゴールへ迫った。5分、正野瑠菜が遠い位置から強烈なミドルシュートを放つと、GK田谷春海がパンチングで対応。今季初出場の田谷が、いきなりチームを救った。

8分にも伊賀が決定機を作る。並木千夏が低い位置でボールを奪い、正野瑠菜へ展開。左足のシュートはポストを直撃し、オルカは序盤から大きなピンチを迎えた。

前半中盤:オルカも反撃。前線守備に改善の兆し

押し込まれたオルカも、すぐに反撃へ転じた。ALMA DAVISのスルーパスから上田麻莉が抜け出し、こぼれ球を浦部美月が狙う場面を作る。さらに右サイドでは安東美那、齊藤彩花を経由して前進し、中央のALMA DAVISへつなぐ形も見せた。

百武江梨監督代行体制で見えた変化は、前線からの守備である。上田麻莉がプレスのスイッチを入れ、齊藤彩花、齊藤桃花、ALMA DAVISが連動して相手のビルドアップに圧力をかけた。前節までよりも、どこで追い込み、どこで奪いに行くかが整理されていたように見えた。

前半終盤:伊賀が右サイドを起点に押し返す

伊賀はコンパクトな陣形を保ちながら、奪った後に前線へ素早く展開した。25分には右サイドのスローインから正野瑠菜、増田玲那とつなぎ、最後は並木千夏がヘディングで狙う。これは田谷春海が正面で防いだ。

35分にも伊賀が左サイドからロングシュートを放ち、田谷が好セーブ。前半のシュート数はオルカ3本、伊賀6本。伊賀がやや優勢だったが、オルカも前線守備と切り替えで対抗し、0-0で前半を終えた。

後半序盤:伊賀の圧力が強まり、オルカは前進に苦しむ

後半開始時、オルカはALMA DAVISに代えて新田寿瑞を投入した。早いタイミングで前線に変化を加えた点は、新体制らしい動きだった。

一方で、後半は伊賀の守備圧がさらに強まった。ボールホルダーへの寄せが速く、オルカは中盤で前を向く回数を減らされた。新田寿瑞の競り合いから上田麻莉が前を向く場面もあったが、攻撃を継続するには至らなかった。

後半中盤:セットプレーからオルカが惜しい場面を作る

64分、オルカはCKからゴール前で混戦を作る。安東美那のキックに対し、伊賀GK後藤優香がパンチングで対応。こぼれ球を狙う形までは作ったが、ゴールには届かなかった。

77分には、FKから月東優季乃が落としたボールに齊藤彩花が反応。左足で合わせたが、伊賀守備陣にブロックされた。オルカにとっては、同点、あるいは先制に近づいた場面だった。

終盤:神谷千菜が決勝点。伊賀が勝ち切る

試合が動いたのは84分だった。伊賀はオルカのクリアボールを回収し、左サイドへ展開。増田玲那のクロスに対し、神谷千菜が守備の死角へ入り、ヘディングで合わせた。ループ気味のシュートがゴールへ吸い込まれ、伊賀が0-1と先制した。

86分、オルカは齊藤桃花に代えて松本はなを投入。長身DFを前線に上げ、パワープレーで同点を狙った。87分には越路萌永のFKが相手に当たってコースを変え、あわや同点という場面も作ったが、GK後藤優香が好反応で防いだ。

終盤は伊賀が時間を使いながら試合を締めた。オルカは最後までゴールを目指したが、スコアを動かすことはできず、0-1で敗れた。

総括

オルカ鴨川FCにとっては、新体制初戦で内容面の改善を示しながらも、結果につなげられなかった試合である。前線守備の連動、田谷春海の好守、松本はなを前線に上げる終盤のパワープレーなど、前向きな材料はあった。一方で、最後に勝敗を分けたのはゴール前の質だった。

オルカ鴨川FC

百武江梨監督代行の初戦で、オルカはスタメンを大きく変更した。田谷春海の起用、松尾菜月の復帰、浦部美月の中盤起用、齊藤桃花の先発など、チームに刺激を与える意図は明確だった。

守備面では、前線からのプレスに改善が見えた。上田麻莉を起点に前線が連動し、相手の前進を制限する場面もあった。田谷春海の安定感も大きく、序盤のピンチをしのいだことで試合を壊さずに進められた。

一方で、攻撃面では決定的な形がまだ少ない。ALMA DAVISや上田麻莉、新田寿瑞を起点に前進する場面はあったが、ゴール前で相手守備を崩し切るには至らなかった。終盤に松本はなを前線へ上げる形は可能性を感じさせたが、チームとして再現性のある得点パターンを作ることが次の課題である。

内容は前節までより前進した。しかし、5試合を終えて未勝利、無得点が続いている事実は重い。守備の改善を結果につなげるためにも、次に必要なのは得点を奪う形の明確化である。

伊賀FCくノ一三重

伊賀FCくノ一三重は、組織的な守備と前線の質で勝ち点3をつかんだ。コンパクトな陣形でオルカの前進を制限し、奪った後は正野瑠菜、並木千夏、神谷千菜らが素早くゴールへ向かった。

特に神谷千菜は、決めるべき場面で決め切った。84分の得点は、クロスに対する入り方、守備の背後を取る動き、ヘディングの技術がそろった見事なフィニッシュだった。

守備では後藤優香を中心に、終盤のオルカのパワープレーにも落ち着いて対応した。内容面で大きく圧倒したわけではないが、勝負どころでゴールを奪い、最後まで守り切る試合運びには上位を狙うチームらしさがあった。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

公式記録

日程・結果