シーズン前半戦の最終節。9位のスフィーダ世田谷FCが、8位の愛媛FCレディースをホーム・味の素フィールド西が丘に迎えた。
試合前の勝ち点差はわずか1。世田谷は勝利すれば愛媛を上回り、前半戦をひとつ上の順位で終えることができる一戦だった。
前節、ヴィアマテラス宮崎を相手にハードワークとハイプレスで勝ち点1をつかんだ世田谷。対する愛媛は、ニッパツ横浜FCシーガルズに3-1で勝利した勢いを持ってこの試合に臨んだ。
試合は、序盤こそ拮抗した展開となったが、時間の経過とともに愛媛がボールを握る時間を増やしていく。ビルドアップとセカンドボール回収で世田谷を押し込み、何度もゴール前に迫った。
それでも、世田谷はGK大塚美緒を中心に守備陣が粘り強く対応。愛媛も最後の精度を欠き、ゴールを奪い切ることはできなかった。
前半戦の順位を左右する直接対決は、互いに譲らず0-0の引き分けに終わった。
この記事の要点
- 愛媛FCレディースがボール保持とセカンドボール回収で試合の主導権を握った
- スフィーダ世田谷FCは押し込まれる時間が長かったが、GK大塚美緒を中心に無失点で耐えた
- 愛媛は内容面で優勢だった一方、ラストパス・クロス・シュートの精度に課題を残した
試合情報
2026プレナスなでしこリーグ1部 第11節
| スフィーダ世田谷FC | 愛媛FCレディース |
|---|---|
| 0 | 0 |
| 会場 | 味の素フィールド西が丘(東京都) |
| 観客数 | 869人 |
スフィーダ世田谷FC
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 1 | 大塚 美緒 | |
| DF | 2 | 根本 彩夏 | |
| DF | 6 | 黒川 愛奈 | |
| DF | 7 | 渡邊 那奈 | |
| DF | 15 | 篠原 沙耶 | |
| MF | 3 | 柏原 美羽 (Cap.) | |
| MF | 10 | 田口 茉亜紗 | |
| FW | 14 | 松原 萌乃 | HT▼ |
| FW | 9 | 堀江 美月 | 73▼ |
| FW | 13 | 内田 美鈴 | |
| FW | 16 | 北川 心子 | |
| 控え | |||
| GK | 22 | 山内 夏実 | |
| DF | 4 | 小泉 柚紀 | |
| DF | 23 | 荒川 結乃花 | |
| MF | 8 | 加藤 沙彩 | HT▲ |
| MF | 18 | 佐藤 李那 | 73▲ |
| MF | 20 | 石浦 和歌 | |
| FW | 17 | 青木 菜羽 | |
| 監督: 濱田 堯 | |||
愛媛FCレディース
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 21 | 小松 里弥 | |
| DF | 16 | 野口 珠里 | |
| DF | 5 | 西村 紀音 (Cap.) | |
| DF | 24 | 前田 花依 | |
| DF | 2 | 松村 菜美 | |
| MF | 19 | 黒岩 沙羽 | |
| MF | 32 | 平塚 万貴 | |
| MF | 15 | 榎谷 岬 | |
| MF | 6 | 兵頭 來良 | 77▼ |
| FW | 20 | 川崎 和奏 | 86▼ |
| FW | 8 | 深澤 里沙 | 70▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 藤田 萌歌 | |
| DF | 4 | 毛利 美佑 | |
| DF | 13 | 丸山 ちさと | |
| MF | 11 | 小島 和希子 | |
| MF | 30 | 田上 歩実 | 86▲ |
| FW | 9 | 谷口 清夏 | 70▲ |
| FW | 26 | 桜井 由衣香 | 77▲ |
| 監督: 長谷川 歩 | |||
試合展開
愛媛が右サイドから前進、世田谷は前線の迫力を生かし切れず
立ち上がりは、互いにビルドアップから前進を試みる展開となった。
愛媛は後方でパスをつなぎながら、タイミングを見て前線やサイドの背後へ長いボールを入れる。特に右サイドでは、MF#19黒岩沙羽のスピードと、FW#8深澤里沙の運動量が世田谷にとって厄介な存在になっていた。
一方の世田谷は、よりシンプルにサイドへ展開し、縦への意識を強く持って攻撃を進めようとしたように見えた。
前線には#9堀江美月、#13内田美鈴、#16北川心子が並ぶ。高さ、強さ、推進力を持つ堀江と内田に加え、北川が豊富な運動量で前線から中盤まで顔を出す形は、相手にとって大きな脅威になる。
特に内田が前を向いてボールを持った場面では、1歩目の速さで相手守備を後退させる力があった。
決定機を作った愛媛、世田谷GK大塚美緒が序盤のピンチを救う
試合の流れを先につかみかけたのは愛媛だった。
愛媛は開始直後から出足が速く、ボールを奪ったあとの切り替えも鋭かった。深澤が斜めに走って守備を引きつけると、その空いたスペースへ川崎和奏が走り込む。
#20川崎和奏がGKと1対1になる大きな決定機を迎えたが、ここは世田谷GK#1大塚美緒が好セーブ。序盤の失点を防ぎ、チームを救った。
この場面をきっかけに、愛媛はさらにリズムをつかむ。多少角度や距離が厳しい位置からでもシュートで終える形を作り、世田谷を押し込んでいった。
世田谷は次第に両サイドバックが高い位置を取りづらくなり、耐える時間が増えていく。攻撃に出ても、ラインが下がっているために前線へのサポートが足りず、相手陣内の深い位置まで運ぶ前に愛媛の守備網にかかる場面が目立った。
愛媛が押し込むも、世田谷の中盤と最終ラインが粘る
前半中盤以降、試合の主導権は愛媛に傾いていった。
愛媛はセカンドボールの回収で優位に立ち、そこから再びビルドアップを組み直して世田谷ゴールへ迫る。中盤の距離感も良く、ボールを失ってもすぐに回収できる位置を保っていた。
世田谷は前線からプレスをかけようとしたが、愛媛のビルドアップに対してなかなかハマらない。うまく剥がされる場面もあり、北川が中盤から最終ラインまで下がって守備に関わる時間が増えた。
その影響で、世田谷は前線の堀江と内田が中盤から孤立しやすくなった。ボールを奪っても、すぐに前へ出る人数が足りず、カウンターの迫力を十分に出し切れなかった。
それでも、世田谷は中盤と最終ラインが粘り強く対応。押し込まれながらも最後のところで身体を張り、スコアレスのまま前半を終えた。
後半も愛媛ペース、ただし最後の精度を欠く
後半も、基本的な構図は変わらなかった。
愛媛がボールを保持し、世田谷陣内へ侵入する時間を増やしていく。右サイドからの前進、中央でのつなぎ直し、背後へのボールを織り交ぜながら、何度もゴール前に迫った。
しかし、ラストパス、クロス、シュートの精度があと一歩足りない。世田谷守備陣も集中を切らさず、ペナルティエリア内で懸命に身体を張った。
世田谷は劣勢の中でも、内田が相手GKに鋭くプレスをかけるなど、前線の怖さを完全には失っていなかった。ただ、チーム全体としてはラインを上げることが難しく、守備に追われる時間が長くなった。
愛媛も終盤まで運動量を落とさず、世田谷の右サイドからの突破を複数人で封じる。攻守の切り替えでも集中を保ち、試合を優勢に進めた。
終盤は黒岩沙羽が脅威に、それでも世田谷がゴールを死守
終盤、愛媛は黒岩沙羽の細かいドリブルを起点に、世田谷ゴール前へ迫る場面を作った。
黒岩が狭いエリアでもボールを動かし、相手守備をずらすことで、愛媛は何度もフィニッシュに近づいた。だが、世田谷はGK大塚を中心に最後までゴールを割らせなかった。
世田谷としては、後方の奮闘を得点に変えたい試合でもあった。しかし、終盤にかけて愛媛が前線の選手を入れ替えながら圧力を維持したことで、世田谷は跳ね返すことに集中せざるを得なかった。
試合はそのまま0-0で終了。
愛媛が内容面で優勢に進めた一方、世田谷が粘り強い守備で勝ち点1を持ち帰る形となった。
総括
愛媛FCレディースは、多くの時間で試合の主導権を握った。前節のニッパツ横浜FCシーガルズ戦に続き、終盤までコンパクトな陣形を保ち、ビルドアップとハードワークを両立できていた点は大きな収穫である。
一方で、勝ち切るためには最後の精度が足りなかった。崩しの形は作れていたが、決定機をゴールに結びつけることができなかった。
スフィーダ世田谷FCは、前半中盤以降は攻撃の機会が限られた。押し込まれる時間が長く、コーナーキックも少なかったが、それでも無失点で終えたことには価値がある。
攻撃面では課題を残したが、守備陣の粘りとGK大塚美緒の存在感によって、苦しい展開から勝ち点1を得た試合だった。
順位表
第11節終了時点で、前節から順位の変動はなかった。愛媛FCレディースは8位、スフィーダ世田谷FCは9位を維持し、シーズン前半戦を終えた。
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(1) | 静岡SSUボニータ | 26 | 11 | 7 | 2 | 1 | 34 | 7 | +27 | |
| 2(2) | ヴィアマテラス宮崎 | 24 | 11 | 7 | 3 | 1 | 23 | 10 | +13 | |
| 3(3) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 22 | 11 | 6 | 4 | 1 | 27 | 11 | +16 | |
| 4(5) | 伊賀FCくノ一三重 | 21 | 11 | 6 | 3 | 2 | 15 | 9 | +6 | |
| 5(4) | オルカ鴨川FC | 18 | 11 | 5 | 3 | 3 | 15 | 8 | +7 | |
| 6(6) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 14 | 11 | 4 | 2 | 5 | 19 | 19 | 0 | |
| 7(7) | 岡山湯郷Belle | 14 | 11 | 4 | 2 | 5 | 13 | 20 | -7 | |
| 8(8) | 愛媛FCレディース | 13 | 11 | 3 | 4 | 4 | 13 | 19 | -6 | |
| 9(9) | スフィーダ世田谷FC | 12 | 11 | 3 | 3 | 5 | 18 | 19 | -1 | |
| 10(10) | 日体大SMG横浜 | 10 | 10 | 3 | 1 | 7 | 13 | 37 | -24 | |
| 11(11) | ASハリマアルビオン | 9 | 11 | 2 | 3 | 6 | 11 | 14 | -3 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 0 | 11 | 0 | 0 | 11 | 5 | 33 | -28 |
次節に向けて
スフィーダ世田谷FCは次節、アウェーで首位・静岡SSUボニータと対戦する。
開幕節では1-6と大敗した相手であり、前半戦の成長を測る意味でも重要な一戦となる。守備の粘り強さを継続しながら、堀江美月、内田美鈴を中心とした攻撃の迫力をどこまで発揮できるか。
ここで互角以上の内容を見せることができれば、後半戦に向けて大きな自信になるはずだ。
愛媛FCレディースは次節、ホームに日体大SMG横浜を迎える。
ここ数試合ではハードワーク、コンパクトな陣形、ビルドアップの安定感は継続できている。あとは、作ったチャンスを確実に得点へ結びつけられるかどうか。
内容面での手応えを勝利に変え、後半戦へ弾みをつけたい一戦となる。
リソース
フルマッチLIVE配信
第11節全試合ハイライト動画
公式記録


