【試合レビュー】名古屋、雨中の一戦でVONDSとスコアレス VONDSは今季初の勝点|2026プレナスなでしこリーグ1部 第15節

試合レビュー

2026プレナスなでしこリーグ1部 第15節。
第14節終了時点で首位に立った朝日インテック・ラブリッジ名古屋は、ホームの豊橋市民球技場にVONDS市原FCレディースを迎えた。

名古屋にとっては、首位を維持したまま中断期間に入りたい一戦。
一方のVONDSは、開幕から14連敗。12位に沈むなかで、まずは勝点をつかみたい試合だった。

前回対戦は第4節。
VONDS市原FCレディース 0-2 朝日インテック・ラブリッジ名古屋。
名古屋が終盤の2得点で勝ち切った試合である。

前回対戦の結果

第4節:VONDS市原FCレディース 0-2 朝日インテック・ラブリッジ名古屋

再戦となった今節は、台風接近の影響が残る雨の中での90分。
ボールを動かして崩したい名古屋と、粘り強く耐えながら前進の糸口を探すVONDSがぶつかり合った。

この記事の要点

  • 名古屋はボールを保持しながらも、雨で重くなったピッチとVONDSの粘り強い守備に苦しみ、最後までゴールを奪えなかった。
  • VONDSは守備の開始位置こそ低かったが、前線からの圧力、球際の強度、ゴール前の粘りを見せ、今季初の勝点1を手にした。
  • 第15節終了時点で名古屋は2位に後退。VONDSは最下位のままだが、中断期間前に大きな意味を持つ引き分けとなった。

試合情報

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試合展開

雨の中でボールを握る名古屋

序盤からボールを握ったのは名古屋だった。

最終ラインから丁寧にパスをつなぎ、長短のボールを使い分けながらVONDS陣内へ前進していく。
直線的に背後を突くというよりも、ビルドアップから相手の守備を動かし、空いたスペースを使おうとする意図が見えた。

ただし、この日のピッチは雨の影響を強く受けていた。
ボールの走り方、止まり方、バウンドが普段とは異なり、名古屋のパスワークにも細かなズレが出る。

それでも名古屋は、#8渕上野乃佳がゴールに迫る場面を作るなど、前半からVONDSの守備を押し下げた。

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耐えるVONDS、0-0で前半を折り返す

VONDSの中盤には、名古屋がパスを通す余地もあった。
しかし、最後の局面ではVONDSの最終ラインが粘る。

VONDSはただ引いて守るだけではなかった。
名古屋が低い位置でボールを持つと、前線から勢いよく寄せる。
奪い切れなくても、パスコースを限定し、名古屋に簡単な前進を許さない。

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名古屋が押し込む。
VONDSが耐える。
その構図のまま、前半は0-0で折り返した。

VONDSが球際で踏みとどまり、試合を壊させない

後半に入っても、名古屋がボールを持つ時間は長かった。

ただ、試合の流れは一方的にはならなかった。
VONDSは守備の開始位置こそ低かったが、これまでの試合で見られた「コースを切るだけ」の守備ではなく、身体を当て、複数人で挟み込み、球際で戦う姿勢を見せた。

名古屋が中央を使おうとすれば、VONDSは中盤で寄せる。
サイドに展開されても、最後はゴール前で身体を張る。
雨でボールコントロールが難しい状況も、VONDSにとっては集中を切らさず守るための材料になった。

VONDSは中盤で粘り、スローインを得ながら少しずつ前進した。
フィニッシュまで持ち込めない時間が続いても、名古屋に試合を完全に支配させなかった。

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終盤も崩し切れなかった名古屋

終盤、名古屋は選手交代を使いながら、ゴールへ直線的に向かう意識を強めた。

しかし、VONDSの守備は最後まで崩れなかった。
名古屋は押し込む時間を作りながらも、決定機の数を十分には増やせない。
VONDSもカウンターから大きなチャンスを作るところまでは届かなかったが、守備に回った時間帯で集中力を保ち続けた。

雨の中の90分。
最後までゴールは生まれず、試合は0-0で終了した。

総括

名古屋にとっては、勝点3を取り切れなかった試合である。
一方で、VONDSにとっては、今季初めて勝点を手にした試合である。

この一戦は、両チームにとって意味がまったく異なる。

名古屋は、ボールを保持しながらも相手を崩し切れなかった。
VONDSは、攻撃面に課題を残しながらも、守備の粘りで勝点1を持ち帰った。

試合内容だけを見れば、名古屋が主導権を握った時間は長い。
それでも、雨で難しくなったピッチコンディション、VONDSの前線からのプレス、ゴール前の粘りが重なり、名古屋は最後まで得点を奪えなかった。

勝ちたかった名古屋。
負けなかったVONDS。
同じ0-0でも、試合後に受け取る意味は大きく違う一戦だった。

朝日インテック・ラブリッジ名古屋

名古屋は、勝ち切りたい試合を落とした。

昨季王者として、そして第14節終了時点の首位として、最下位のVONDSをホームで迎えた一戦。
勝点3を積み上げ、首位を守ったまま中断期間へ入ることが理想だった。

しかし、この日の名古屋はボール保持の時間こそ長かったものの、縦に速く相手ゴールへ迫る場面は多くなかった。
ビルドアップから丁寧に前進する選択は名古屋の強みである一方、雨でボールが走りにくく、VONDSが前線から勢いよく寄せてくる状況では、背後やセカンドボールを使う判断がもう少しあってもよかった。

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名古屋には、ロングボール、縦パス、サイド攻撃、前線のスピードを使い分け、相手が嫌がる形を選べるだけの幅がある。
だからこそ、この引き分けは中断期間に向けた確認材料になる。

自分たちの得意なサッカーを貫くのか。
相手とピッチコンディションを見て、より勝つ確率の高い手段を選ぶのか。

優勝争いを続けるうえで、内容以上に結果が求められる試合は必ずある。
名古屋にとっては、勝点2を失っただけでなく、再開後に向けて戦い方の整理を迫られる90分だった。

VONDS市原FCレディース

VONDSは、ついに勝点をつかんだ。

第14節終了時点で勝点0。苦しいシーズンが続いていたが、今節は昨季王者であり今季も優勝争いを続ける名古屋を相手に、最後までゴールを割らせなかった。

もちろん課題は残る。
シュートは前半の3本のみで、後半は0本。攻撃に移ったときの迫力やカウンターの厚みは不足していた。警告も4枚あり、球際で戦う姿勢とリスク管理の両立は今後の課題になる。

それでも、この勝点1には大きな意味がある。
雨の中でも集中を切らさず、ゴール前で身体を張り、名古屋の攻撃を跳ね返し続けた。

攻撃面では櫻庭琴乃の存在が光った。
3人に囲まれながらもボールを失わず、身体の使い方と細かなタッチで前進する姿は、VONDSの中で違いを生み出せる選手であることを改めて示していた。

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再現性が高くない内容ではあった。
天候やピッチコンディションが相手との力の差を小さくし、VONDSに味方した面はある。
それでも、勝点1は勝点1である。

中断期間前に手にした「負けない試合」。
この0-0を、VONDSが底を打つきっかけにしたい。

順位表

第15節終了時点で、名古屋は2位に後退した。
勝点は首位・静岡SSUボニータと並んでいるが、得失点差で上回られた形である。

一方、VONDS市原FCレディースは勝点1を獲得したものの、順位は12位のまま。
ただし、開幕から続いていた勝点0の状態を抜け出したことは大きい。

順位
(前節)
チーム名勝点試合数得点失点得失点過去5試合
1(2)静岡SSUボニータ321510234510+35
2(1)朝日インテック・ラブリッジ名古屋32159513712+25
3(3)ヴィアマテラス宮崎29158522815+13
4(4)オルカ鴨川FC28158432010+10
5(5)伊賀FCくノ一三重26157431711+6
6(6)岡山湯郷Belle23157262223-1
7(9)愛媛FCレディース19155461728-11
8(8)スフィーダ世田谷FC16144462224-2
9(7)ASハリマアルビオン16154471521-6
10(10)ニッパツ横浜FCシーガルズ15144372327-4
11(11)日体大SMG横浜101531111345-32
12(12)VONDS市原FCレディース1150114639-33

次節に向けて

中断期間明けの第16節、朝日インテック・ラブリッジ名古屋はニッパツ横浜FCシーガルズとのアウェイ戦に臨む。

前回対戦時はセットプレーから失点したものの、後半早々に同点弾。
ニッパツは前線のスピードと勢いを持つチームであり、名古屋にとっては簡単な相手ではない。
優勝争いを続けるためにも、名古屋は中断明け初戦で勝ち切る必要がある。

VONDS市原FCレディースは、ホームで日体大SMG横浜を迎える。

前回対戦時、VONDSは一度追いつきながらも、終盤に立て続けに失点して敗れた。
再戦では、今節見せた守備の粘りを土台にしながら、攻撃面でどこまで前進できるかが問われる。

11位の日体大と12位のVONDS。
自動降格圏から抜け出すためにも、VONDSにとっては絶対に落とせない直接対決になる。

リソース

フルマッチLIVE配信

第15節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

なでしこリーグ公式ガイドブック