【試合レビュー】正野可菜子が記念試合で2得点も、ASハリマアルビオンは勝ち切れず 岡山湯郷Belleが3-4逆転勝利|2026プレナスなでしこリーグ1部 第6節

試合レビュー

ホーム2連戦となったASハリマアルビオンが、現在3位の岡山湯郷Belleを迎えた一戦。開幕節以来の勝利を目指すハリマと、上位争いに踏みとどまりたい湯郷による試合は、序盤から点が動く激しい打ち合いとなった。

試合はASハリマアルビオン 3-4 岡山湯郷Belle。ハリマが二度リードを奪いながらも、湯郷が終盤に追いつき、後半アディショナルタイムに逆転。アウェーの岡山湯郷Belleが劇的な勝ち点3を持ち帰った。

注目ポイント

  • 2連敗中のASハリマアルビオンは、ホームゲームで浮上のきっかけとなる勝利を挙げることができるか。
  • ここまでリーグ3位につける岡山湯郷Belleは、今節も勝ち点を積み上げ、上位争いに食い込み続けることができるか。

試合情報

ASハリマアルビオン岡山湯郷Belle
34
12分 千葉 園子
30分 正野 可菜子
58分 正野 可菜子
5分 岸波 美采
32分 岸波 優妃
74分 岸波 美采
90+1分 寺尾 星奈
会場ウインク陸上競技場(兵庫県)
観客数584人

スターティングラインナップ・登録メンバー

ASハリマアルビオン

試合前には、#14正野可菜子のリーグ通算150試合出場達成記念セレモニーが行われた。節目の一戦を勝利で飾れるかも、ハリマにとって大きな見どころとなった。

PosNo.氏名交代
GK41小暮 千晶
DF4阪中 澪61▼
DF5小島 美玖 (Cap.)90+3▼
DF6佐々木 美悠
DF2児玉 耀
MF8小池 快
MF14正野 可菜子
MF17唐橋 万結
FW9川﨑 咲耶
FW10千葉 園子
FW33椎野 彩香61▼
控え
GK1原田 実歩
DF19高松 芹羽90+3▲
DF20山口 歌子61▲
MF15大原 和夏
MF18阿部 文音
FW13今蔵 綾乃
FW23井上 麗叶61▲
監督: 菅野 将晃

岡山湯郷Belle

PosNo.氏名交代
GK34三田 一紗代 (Cap.)
DF19沖田 有由
DF20岸波 優妃
DF14塩谷 瑠南
DF18村上 夏奈瀬HT▼
MF3梶山 朋恵
MF2森 宙舞25▼
MF30松崎 こころ
MF26柏原 凪沙HT▼
FW25香椎 彩香88▼
FW24岸波 美采75▼
控え
GK1福元 美穂
MF8南山 千明
MF10中野 琴音HT▲
MF17新谷 楓華25▲
MF28雪山 琴未88▲
FW21寺尾 星奈HT▲
FW23国吉 花吏埜75▲
監督: 和多田 充寿

試合展開

立ち上がりから動いた試合、岸波美采のPKで湯郷が先制

序盤からいきなり試合が動く。

ハリマのゴール前で混戦となり、ハリマの選手が湯郷の選手を倒したとして主審はPKを指示。これを#24岸波美采が落ち着いて決め、前半5分で岡山湯郷Belleが先制した。

早い時間に追いつきたいハリマは、サイドを広く使いながら縦に速く攻める。失点後も受け身にならず、前線からの圧力と球際の強度を保ちながら攻勢を強めた。

12分、ハリマはコーナーキックの流れからゴール前でこぼれ球を拾うと、最後は#10千葉園子が押し込んで同点。千葉は2試合連続ゴールとなり、試合を1-1に戻した。

ハリマが主導権を握る展開、正野可菜子の一撃で逆転

同点後は、運動量のハリマ、ビルドアップの湯郷という構図がはっきりした。

ハリマは湯郷の最終ラインに対しても厳しくプレスをかけ、相手のビルドアップを前進させない。湯郷が後方から丁寧につなごうとする場面でも、ハリマは前から人数をかけて圧力をかけ、試合の流れを自分たちの方へ引き寄せていった。

30分、ハリマが逆転に成功する。右サイドで#10千葉園子から#33椎野彩香へとつなぎ、最後は#14正野可菜子。左足で放ったシュートがゴールネットを揺らし、ハリマが2-1とリードを奪った。150試合出場達成の節目を迎えた正野が、メモリアルゲームで大きな仕事を果たした。

湯郷もすぐに反撃、岸波優妃のゴールで前半は2-2

ホームのハリマがこのまま勢いに乗るかと思われたが、湯郷もすぐに試合を振り出しに戻す。

32分、右サイドからのクロスに対してハリマGK#41小暮千晶が飛び出す。しかしボールには触れず、中央に入っていた#20岸波優妃のもとへ。岸波優妃がワンタッチで合わせ、湯郷が2-2に追いついた。

同点となった後も、流れとしてはハリマが優勢だった。運動量と球際の強度で湯郷を上回り、相手のビルドアップを明確に潰すためのハイプレスを継続。湯郷に自由な前進を許さず、前半は2-2で終了した。

後半序盤にハリマが勝ち越し、正野可菜子が鮮やかなループシュート

前半はやや押し込まれる時間が長かった湯郷だが、後半に入ると積極性が増した。球際への寄せも厳しくなり、ハリマの推進力に対抗する姿勢を見せる。

それでも、ボールを握って主導権を取ったのはハリマだった。58分、ハリマが再び勝ち越す。最終ラインの#6佐々木美悠から始まったワンタッチパスの連続が、フィニッシュまでつながった。#6佐々木、#4阪中澪、#8小池快、#9川﨑咲耶、#10千葉園子、そして最後は#14正野可菜子。正野がワンタッチでループ気味に合わせると、ボールはGKの頭上を越えて湯郷ゴールへ吸い込まれた。

ハリマの鮮やかな連係がホームスタジアムを沸かせる。正野はこの日2ゴール目。記念試合にふさわしい存在感を示した。

湯郷が再び追いつく、岸波美采がこの日2点目

前半からハイペースで飛ばしていたハリマは、61分に最終ラインと前線を同時に入れ替える。#4阪中澪に代えて#20山口歌子、#33椎野彩香に代えて#23井上麗叶を投入し、運動量と強度の維持を図った。

しかし、湯郷も粘る。74分、湯郷が再び同点に追いつく。映像ではプレーの一部が見切れていたが、公式記録上は右サイドのスローインを起点に、湯郷がサイドから中央へボールを運んで仕留めた形だった。#24岸波美采はこの日2得点。早い時間のPKに続き、終盤の重要な時間帯でも結果を残した。

後半AT、湯郷・寺尾星奈が劇的な逆転弾

再び同点となり、試合は完全に打ち合いの様相を呈した。

後半終盤には、湯郷のカウンターから#23国吉花吏埜が自陣からドリブルで一気に駆け上がる場面があった。これを追うハリマ#9川﨑咲耶とのスピード勝負は見応えがあり、両者の走力と執念がぶつかる場面だった。

その流れから湯郷はコーナーキックを獲得。そして後半アディショナルタイム、湯郷がついに試合をひっくり返す。

90+1分、湯郷は左サイドから#10中野琴音がボールを運び、中央へクロス。#21寺尾星奈のヘディングシュートはクロスバーに当たったが、その跳ね返りに自ら反応し、右足で押し込んだ。

土壇場で湯郷が3-4と逆転。試合はそのまま終了し、アウェーの岡山湯郷Belleが今季3勝目を挙げた。

総括

内容面では、ハリマが主導権を握る時間が長かった試合だった。湯郷は終始楽な試合ではなかった。それでも最終的に湯郷が勝利したのは、今季ここまで湯郷がリーグ上位に位置しているだけの理由があった。

ASハリマアルビオン

立ち上がりにPKで失点しながらも、攻める姿勢を崩さず、前線からのプレスと球際の強度で湯郷のビルドアップを苦しめた。特に前半は、どちらが上位チームかわからないほど、ハリマの運動量と前向きな守備が目立っていた。

攻撃面でも、千葉園子の2試合連続ゴール、正野可菜子の2得点と、チームとして良い形は作れていた。58分の勝ち越しゴールは、後方からのつなぎ、テンポの良いパス交換、最後のループシュートまで含めて非常に見応えがあった。

それだけに、3得点を挙げながら勝ち切れなかったことは痛い。多くのチャンスを作りながら追加点を奪い切れず、逆に湯郷には限られた好機を確実に得点へつなげられた。

湯郷の決定力を称えるべき試合であると同時に、ハリマとしては、試合を優勢に進めた時間帯でどれだけ突き放せるか、終盤の守備強度をどれだけ保てるかが今後の課題となる。

岡山湯郷Belle

前半だけを見れば、ハリマのプレスと運動量に苦しみ、得意とするビルドアップを十分に出せない時間が長かった。後方から丁寧につなごうとしても、ハリマの圧力を受け、思うように前進できない場面が目立った。

それでも、湯郷は崩れなかった。前半のうちに2-2へ戻し、後半もリードを許しながら74分に同点。そして後半アディショナルタイムに寺尾星奈が逆転弾を決めた。

今季ここまで3勝2分1敗。得点力で圧倒しているわけでも、守備が特別に堅いわけでもない。それでも敗戦はわずか1つにとどめている。前節のオルカ鴨川FC戦でも後半アディショナルタイムに同点ゴールを挙げ、アウェーで貴重な勝ち点1を持ち帰った。今節も終盤に試合を動かし、今度は勝ち点3をつかみ取った。

シーズン序盤に機能していたビルドアップは、相手チームから対策されつつある。それでも、試合ごとに整理と修正を重ねながら勝ち点を拾えている点は、湯郷の強みと言える。内容で苦しむ試合でも結果を持ち帰れる粘り強さは、上位争いを続けていくうえで大きな武器になるはずだ。

順位表

第6節終了時点で、ASハリマアルビオンは10位。一方の岡山湯郷Belleは3位につけている。。

順位チーム名勝点試合数得点失点得失点
1静岡SSUボニータ16651022121
2ヴィアマテラス宮崎1464201477
3岡山湯郷Belle1163211091
4朝日インテック・ラブリッジ名古屋962311192
5伊賀FCくノ一三重96231761
6オルカ鴨川FC86222853
7愛媛FCレディース86222913-4
8ニッパツ横浜FCシーガルズ76213911-2
9日体大SMG横浜76213920-11
10ASハリマアルビオン5612379-2
11スフィーダ世田谷FC461141215-3
12VONDS市原FCレディース06006316-13

次節、ASハリマアルビオンは朝日インテック・ラブリッジ名古屋とのアウェー戦に臨む。今節、内容面では前向きな材料が多かっただけに、次こそ勝ち点につなげたい。

岡山湯郷Belleは、ホームに2位のヴィアマテラス宮崎を迎える。上位直接対決となるだけに、ここで勝ち点を積み上げられれば、リーグ序盤の主役の一角として存在感はさらに高まる。

ハリマには浮上のきっかけとなる1勝を、湯郷にはリーグをさらに面白くする上位対決での好ゲームを期待したい。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

第6節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

なでしこリーグ公式ガイドブック

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