第7節終了時点で9位のスフィーダ世田谷FCが、いまだ勝ち点を得られていない最下位のVONDS市原FCレディースをホームに迎えた一戦。
世田谷にとっては中位浮上へ向けて連勝を狙う試合。一方のVONDSにとっては、まず勝ち点1、そして初勝利へのきっかけをつかみたい重要なゲームだった。
試合は立ち上がりから互いに縦への意識が強く、主導権を握りきれない時間が続いた。その中で先に試合を動かしたのは世田谷。29分、相手のクリアがゴール前に詰めていた堀江美月に当たり、そのままゴールへ吸い込まれる形で先制した。
後半もVONDSが反撃の姿勢を見せたが、世田谷は守備陣が粘り強く対応。66分には左サイドからの展開を内田美鈴が仕留め、リードを2点に広げた。
結果は2-0。スフィーダ世田谷FCがホームでクリーンシート勝利を収め、3連敗後の2連勝を飾った。
この記事の要点
2026プレナスなでしこリーグ1部第8節、スフィーダ世田谷FCはVONDS市原FCレディースに2-0で勝利し、3連敗後の2連勝を飾った。
試合は序盤から拮抗した展開となったが、29分に堀江美月が先制点を奪い、世田谷が主導権を握った。後半序盤はVONDSも前に出て反撃し、玉田愛理が守備面でも奮闘したが、66分に内田美鈴が追加点を決めて勝負を決定づけた。
世田谷は前線の決定力と守備陣の粘りが光り、クリーンシートを達成。一方のVONDSはボールを前進させる場面はあったものの、シュート数が少なく、攻撃をゴールに結びつける課題が残った。
第8節終了時点で、世田谷は8位に浮上。VONDSは開幕から勝ち点を得られず、最下位の12位にとどまっている。
試合情報
2026プレナスなでしこリーグ1部 第8節
| スフィーダ世田谷FC | VONDS市原FCレディース |
|---|---|
| 2 | 0 |
| 29分 堀江 美月 66分 内田 美鈴 |
| 会場 | 味の素フィールド西が丘(東京都) |
| 観客数 | 532人 |
スフィーダ世田谷FC
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 1 | 大塚 美緒 | |
| DF | 2 | 根本 彩夏 | |
| DF | 6 | 黒川 愛奈 | |
| DF | 7 | 渡邊 那奈 | |
| DF | 15 | 篠原 沙耶 | 90+3▼ |
| MF | 8 | 加藤 沙彩 | 79▼ |
| MF | 3 | 柏原 美羽 (Cap.) | 85▼ |
| MF | 10 | 田口 茉亜紗 | |
| FW | 16 | 北川 心子 | |
| FW | 9 | 堀江 美月 | |
| FW | 13 | 内田 美鈴 | |
| 控え | |||
| GK | 22 | 山内 夏実 | |
| DF | 4 | 小泉 柚紀 | 90+3▲ |
| MF | 18 | 佐藤 李那 | |
| MF | 20 | 石浦 和歌 | 85▲ |
| FW | 11 | 粟田 桃子 | 79▲ |
| FW | 14 | 松原 萌乃 | |
| 監督: 濱田 堯 | |||
VONDS市原FCレディース
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 31 | 佐藤 瑠美奈 | |
| DF | 17 | 板倉 瑞穂 | |
| DF | 2 | 小堀 菜緒 | |
| DF | 11 | 村上 賀梨 (Cap.) | |
| DF | 13 | 玉田 愛理 | 69▼ |
| MF | 24 | 増原 遥花 | |
| MF | 10 | 櫻庭 琴乃 | |
| MF | 5 | 小田川 真奈 | |
| MF | 9 | 宮本 春花 | 75▼ |
| MF | 14 | 齊藤 綾音 | 86▼ |
| FW | 18 | 増田 沙美亜 | 69▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 山田 二千華 | |
| DF | 22 | 鈴木 菜々海 | |
| MF | 7 | 佐藤 寿音 | 69▲ |
| MF | 8 | 石井 彩千香 | |
| MF | 27 | 木須 みそら | 86▲ |
| FW | 20 | 高山 杏々葉 | 75▲ |
| FW | 28 | 中村 円香 | 69▲ |
| 監督: 落合 恵 | |||
試合展開
拮抗した序盤、均衡を破った堀江美月の先制点
試合序盤は、両チームともに縦へボールを運ぶ意識が強かった。世田谷は前線の#9堀江美月、#13内田美鈴、#16北川心子へ早めにボールを届けようとし、VONDSも中盤で奪ってから前線へ展開する狙いを見せた。
ただ、どちらも決定機を連続して作るところまでは至らず、試合はやや落ち着かない展開で進んだ。
その均衡を破ったのが29分の場面だった。世田谷がゴール前へ圧力をかけた流れから、VONDSのクリアが堀江美月に当たり、そのままゴールへ。堀江本人が明確に狙ったシュートというより、相手の処理が難しくなったこぼれ球に近い形だったが、重要なのは堀江がその位置に詰めていたことだ。
偶然性を含む得点であっても、ゴール前に入り続ける選手にしか生まれないゴールでもある。世田谷にとっては、流れを引き寄せる大きな先制点となった。
一方のVONDSにとっては痛い失点だった。前半の内容だけを見れば、極端に押し込まれていたわけではない。だからこそ、クリア対応から生まれた失点は試合の流れを大きく変えてしまった。
先制後に前へ出た世田谷、1点リードで前半を折り返す
先制後の世田谷は、両サイドを使った攻撃が活性化した。リードを得たことで前線の動き出しにも余裕が生まれ、攻撃をフィニッシュで終える場面が増えていく。
一方のVONDSも、前半の内容自体は大きく崩れていたわけではない。中盤でボールを奪い、前線へ運ぼうとする意図は見えた。ただ、最後の局面で世田谷の守備を崩し切れず、決定機までは持ち込めない。
前半は1-0で終了。スコア以上に拮抗した内容ではあったが、決定機を得点に変えた世田谷が一歩前に出る形となった。
後半序盤はVONDSが反撃、玉田愛理が守備でも奮闘
後半に入ると、VONDSはリスクを負って前に出る姿勢を強めた。中盤から前線へ人数をかけ、世田谷ゴール前へボールを運ぶ場面も増えていく。
その一方で、世田谷も右サイドから攻撃の糸口を探った。ここで目立ったのが、VONDSの#13玉田愛理だった。1対1の局面で簡単に突破を許さず、世田谷のサイド攻撃に粘り強く対応。後半序盤にVONDSが前へ出る流れを作るうえで、守備面でも重要な役割を果たしていた。
ただ、VONDSは押し込む時間を作りながらも、最後の局面で世田谷の守備を崩し切れなかった。クロスは最終ラインにはね返され、シュートも相手にブロックされるなど、同点ゴールは遠かった。
VONDSの反撃を受け止め、内田美鈴が追加点
その流れの中で、次の得点を奪ったのも世田谷だった。
66分、左サイドからのスローインを起点に、北川心子が相手をかわして低く速いクロスを供給。ゴール前に入った内田美鈴がスライディングで合わせ、世田谷が追加点を奪った。
この場面は、世田谷の攻撃の強みがよく出たゴールだった。北川がサイドで局面を打開し、内田がゴール前で仕留める。前線の個の力と、ボックス内に入る迫力が結びついた得点だった。
内田美鈴はこれで今季9得点目。得点ランキング上位を走るストライカーらしく、限られたチャンスを確実にものにした。
終盤も集中を切らさなかった世田谷
2点を追うVONDSは、前線の選手を入れ替えながら何とか1点を奪いにいった。だが、世田谷は中盤と最終ラインが最後まで集中を保ち、無失点で試合を締めた。
結果は2-0。世田谷がホームで勝ち点3を積み上げ、2連勝を飾った。
総括
スフィーダ世田谷FC
世田谷にとっては、内容以上に大きな意味を持つ勝利だった。
開幕節で静岡SSUボニータに大敗した頃と比べると、守備面の整理は進んでいる。特にこの試合では、VONDSが前に出てきた後半の時間帯でも、最終ラインと中盤が粘り強く対応した。
攻撃面では、やはり堀江美月と内田美鈴の存在感が大きい。先制点は偶然性を含む形だったが、ゴール前に詰めていた堀江のポジショニングが生んだ得点だった。追加点も、北川心子の突破と内田のゴール前への入り方が噛み合った形であり、前線のタレント力を感じさせた。
一方で、課題が完全に解消されたわけではない。両サイドの攻撃参加は世田谷の強みだが、その分、背後のスペースをどう管理するかは今後も重要になる。守備強度の高い相手や、カウンターの鋭いチームに対しては、攻撃時のリスク管理がより問われるだろう。
それでも、3連敗後の2連勝は大きい。得点力のある前線を生かしながら、守備の安定感をさらに高められれば、中位以上への浮上も十分に見えてくると感じさせた。
VONDS市原FCレディース
VONDSにとっては、下位対決を落とした痛い敗戦となった。
前半の入りは決して悪くなかった。世田谷に一方的に押し込まれたわけではなく、ボールを前進させる場面もあった。しかし、失点後に試合の流れを引き戻す力が足りなかった。
最大の課題は、攻撃をシュートで終えられないことだ。櫻庭琴乃が高い位置で前を向いたときには可能性を感じさせるが、この試合でも守備の負担が大きく、ゴールに直結するプレーは限定的だった。前線で起点を作る、または相手最終ラインを押し下げる存在感がもう少し欲しい。
守備面では、村上賀梨を中心に粘る場面もあった。ただし、中盤でのセカンドボールへの反応や球際の強度では、世田谷に上回られる時間があった。相手の攻撃を遅らせるだけでなく、奪い切って自分たちの攻撃につなげる守備を増やせるかが、今後の浮上に向けたポイントになる。
苦しい状況は続いているが、攻撃には櫻庭琴乃、守備には村上賀梨というチームの軸になれる選手がいる。まずは失点を減らし、試合の中で勝ち点を拾える時間帯を長くする。そこから初勝利への道筋を作っていければと思う。
順位表
第8節を終えて、スフィーダ世田谷FCは8位に浮上。VONDS市原FCレディースは最下位の12位から変わらずとなった。
| 順位 | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡SSUボニータ | 20 | 8 | 6 | 2 | 0 | 25 | 3 | +22 |
| 2 | ヴィアマテラス宮崎 | 17 | 8 | 5 | 2 | 1 | 17 | 9 | +8 |
| 3 | 岡山湯郷Belle | 14 | 8 | 4 | 2 | 2 | 13 | 13 | 0 |
| 4 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 13 | 8 | 3 | 4 | 1 | 14 | 11 | +3 |
| 5 | オルカ鴨川FC | 12 | 8 | 3 | 3 | 2 | 13 | 6 | +7 |
| 6 | 伊賀FCくノ一三重 | 12 | 8 | 3 | 3 | 2 | 9 | 8 | +1 |
| 7 | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 11 | 8 | 3 | 2 | 3 | 14 | 14 | 0 |
| 8 | スフィーダ世田谷FC | 10 | 8 | 3 | 1 | 4 | 17 | 17 | 0 |
| 9 | 愛媛FCレディース | 9 | 8 | 2 | 3 | 3 | 10 | 15 | -5 |
| 10 | 日体大SMG横浜 | 7 | 8 | 2 | 1 | 5 | 12 | 26 | -14 |
| 11 | ASハリマアルビオン | 6 | 8 | 1 | 3 | 4 | 9 | 12 | -3 |
| 12 | VONDS市原FCレディース | 0 | 8 | 0 | 0 | 8 | 3 | 22 | -19 |
次節に向けて
次節、スフィーダ世田谷FCはアウェーでオルカ鴨川FCと対戦する。2連勝で勢いに乗る世田谷に対し、オルカがどのように前線の迫力を抑えるかが注目点になる。
一方のVONDS市原FCレディースは、ホームでニッパツ横浜FCシーガルズと対戦する。まずは無失点の時間を長くし、勝ち点につながる試合運びを見せられるか。苦しい状況ではあるが、なでしこリーグ1部で浮上するきっかけをつかみたい一戦となる。
リソース
フルマッチLIVE配信
第8節全試合ハイライト動画
公式記録

