【試合レビュー】VONDS市原FCレディースは増原遥花の反撃弾も及ばず 愛媛FCレディースが走力と決定力で勝点3|2026プレナスなでしこリーグ1部 第6節

試合レビュー

開幕から勝利のないVONDS市原FCレディースが、ホームで待望のなでしこリーグ1部初勝利を目指して愛媛FCレディースを迎えた。試合は市原が好機を作る時間帯もあったが、愛媛が近藤彩優子と黒岩沙羽の得点でリードを広げ、増原遥花の反撃弾を1点に抑えて2-1で勝利。市原は攻撃に見どころを見せながらも、守備の整理や交代策に課題を残す一戦となった。

注目ポイント

  • 開幕からここまで勝利がない市原。ホームゲームでなでしこリーグ1部初勝利を挙げる事ができるか
  • 前節4失点で敗戦の愛媛。今シーズン2勝目を挙げて中位浮上できるか

試合情報

VONDS市原FCレディース愛媛FCレディース
12
73分 増原 遥花42分 近藤 彩優子
50分 黒岩 沙羽
会場ゼットエーオリプリスタジアム
観客数237人

スターティングラインナップ・登録メンバー

VONDS市原FCレディース

PosNo.氏名交代
GK1山田 二千華
DF2小堀 菜緒
DF11村上 賀梨 (Cap.)
DF3多崎 真琴64▼
DF13玉田 愛理HT▼
MF24増原 遥花
MF10櫻庭 琴乃
MF5小田川 真奈
MF9宮本 春花88▼
FW18増田 沙美亜
FW28中村 円香75▼
控え
GK31佐藤 瑠美奈
DF17板倉 瑞穂64▲
DF22鈴木 菜々海88▲
MF8石井 彩千香HT▲
MF14齊藤 綾音75▲
MF27木須 みそら
FW20高山 杏々葉
監督: 落合 恵

愛媛FCレディース

PosNo.氏名交代
GK21小松 里弥
DF16野口 珠里
DF5西村 紀音 (Cap.)
DF24前田 花依
DF13丸山 ちさと
MF19黒岩 沙羽
MF15榎谷 岬
MF11小島 和希子
MF26桜井 由衣香90+4▼
FW8深澤 里沙90+1▼
FW14近藤 彩優子75▼
控え
GK33山内 れな
DF2松村 菜美
DF25足立 寧々
MF6兵頭 來良90+4▲
MF20川崎 和奏
FW9谷口 清夏75▲
FW18髙尾 真莉奈90+1▲
監督: 長谷川 歩

試合展開

序盤は互角、市原は櫻庭琴乃を軸に前進

立ち上がりは両チームとも積極的に前進し、互角の展開となった。
市原は比較的ポゼッション志向でボールを動かし、愛媛はシンプルにサイドや前線へボールを送り込んでいく。

中盤の強度では愛媛がやや上回った。市原はこの試合でも、ボランチがコースを切る動きは見せる一方、相手の前進に対して強く出て奪い切る場面は多くなかった。
それでも、#10櫻庭琴乃は前線から中盤底まで幅広く顔を出し、守備、組み立て、フィニッシュのすべてに関わって存在感を発揮。市原の攻撃にリズムを生み、相手に怖さを与える存在となっていた。

市原が先に好機を作るも、愛媛がワイドな攻撃から先制

最初の決定機は市原だった。30分、#24増原遥花が前線へ飛び出してスルーパスを受け、ペナルティエリア深くまで進入して折り返す。ここで#28中村円香が合わせられればゴールの可能性は高かったが、体勢を崩してうまくミートできなかった。

一方の愛媛は、市原の左サイドの背後を使ってチャンスを作っていく。市原の#13玉田愛理は高い位置を取って攻撃参加する意識が強く、その背後のスペースを愛媛が狙っていたように見えた。
その玉田自身も36分にフリーでボールを受けると、得意の左足でゴールを狙ったが、愛媛GK#21小松里弥が好セーブで阻んだ。

ここまでの決定機では市原が上回っていた印象もあったが、先制したのは愛媛だった。42分、市原のバックパスに#19黒岩沙羽が素早く反応してマイボールにすると、逆サイドの#26桜井由衣香へ展開。桜井の折り返しを#14近藤彩優子が左足で決め、愛媛が先手を取った。

市原としては、桜井にも近藤にも自由を与えてしまった形であり、押し気味に進めていた時間帯だけに、守備の整理不足が悔やまれる失点だった。

追う市原に痛い追加点、黒岩沙羽が存在感

追いつきたい市原は前半終盤、#10櫻庭が中盤底でボールを受けて見事なターンから前進の起点を作る。そこからサイドの攻撃参加でチャンスを広げ、最後は#9宮本春花が押し込む場面もあったが、シュートは浮いてしまった。市原は1点ビハインドで前半を終える。

後半開始から市原は選手交代で流れを変えにいったが、先に追加点を奪ったのは愛媛だった。50分、右CKの流れから低い位置でフリーになった#19黒岩沙羽が右足ダイレクトで鋭いシュートを突き刺し、愛媛が2-0とした。

この追加点で試合は愛媛優位に傾く。苦しくなった市原は両サイドバックを高い位置に押し上げて反撃を試みたが、その背後を愛媛が突く展開となった。
特に#19黒岩は右サイドで躍動し、後半開始から投入された市原#8石井彩千香に対しても個で優位に立ち、何度もサイドを打開した。

増原遥花が1点を返すも、市原はあと一歩届かず

それでも市原は73分、前線からの圧力で1点を返す。
愛媛が自陣ペナルティエリア内で精度を欠いたパスを出したところを、#24増原遥花がインターセプト。そのまま左足で押し込み、1-2とした。公式記録でも「相手FPのミス」から増原が決めた形で整理されている。

ルーキー増原にとっては、なでしこリーグ初ゴール。チームに再び勢いを呼び込む大きな一撃だった。

終盤、市原はDFながら攻撃性能の高い#11村上賀梨が高い位置で関わり、#10櫻庭琴乃がボールを持つたびに可能性を感じさせた。
しかし、最後のところで2点目が遠い。愛媛は粘り強く耐え切り、1-2で試合終了。愛媛が今季2勝目を挙げ、市原はまたしても勝点獲得に届かなかった。

総括

両チームとも守備の完成度にはなお課題を残している印象だったが、その中で愛媛はピッチを広く使い、少ない好機を確実に仕留めた。
走力を生かして局面で上回り、ワイドな攻撃で相手の守備のズレを突いたことが、勝利につながった。

VONDS市原FCレディースは攻撃に光、守備整理が急務

市原はやはり中盤、とりわけボランチの守備のかけ方に整理不足が見える。
コースを切りながら味方のプレスバックや最終ラインの寄せを待つ傾向が強い一方、誰がどこで奪い切るのかが曖昧なまま終わる場面が少なくなかった。この試合でも、最後まで守備がはまり切らなかった印象である。

また、ゴール前の対応や、サイドバックが攻撃参加した際の背後の消し方にも課題が見えた。
一方で、攻撃では#10櫻庭琴乃が違いを作り、#24増原遥花も結果を残した。前向きな材料があるからこそ、守備面の整備が急がれる。

加えて、市原は交代策の面でも課題を残したように見える。
中盤の入れ替えで流れを動かそうとした意図はうかがえたが、結果として試合のテンポや守備の安定感を大きく改善するには至らなかった。

愛媛FCレディースは守備の粗さを減らせればさらに上向く

愛媛は「よく走って勝つ」という自分たちの強みをしっかり出した。
今季加入の#14近藤彩優子が先制点を奪い、90分を通してサイドで脅威となった#19黒岩沙羽が追加点。決めるべき選手が決めて、勝点3を持ち帰った。

一方で、課題はやはり守備だろう。最終ラインがプレスを受けた場面では慌ててしまい判断を誤るシーンもあり、実際に1失点は自陣でのミスから生まれている。
ここで無理につなぐのか、外へ逃がして流れを切るのか、その判断精度が高まれば、持ち前の運動量とワイドな攻撃はさらに生きてくるはずだ。

順位表

第6節を終えて、未だ勝点0のVONDS市原FCレディースは12位、愛媛FCレディースは7位へと浮上した。

順位チーム名勝点試合数得点失点得失点
1静岡SSUボニータ16651022121
2ヴィアマテラス宮崎1464201477
3岡山湯郷Belle1163211091
4朝日インテック・ラブリッジ名古屋962311192
5伊賀FCくノ一三重96231761
6オルカ鴨川FC86222853
7愛媛FCレディース86222913-4
8ニッパツ横浜FCシーガルズ76213911-2
9日体大SMG横浜76213920-11
10ASハリマアルビオン5612379-2
11スフィーダ世田谷FC461141215-3
12VONDS市原FCレディース06006316-13

次節、VONDS市原FCレディースはアウェーで、同じ千葉県のクラブであるオルカ鴨川FCとの房総ダービーに臨む。愛媛FCレディースはホームで伊賀FCくノ一三重を迎え撃つ。

オルカ鴨川FCサポーターの筆者としては、もちろんオルカに勝利してほしい一戦である。一方で、市原にも初勝点、初勝利へ向けた粘りを期待したい。愛媛は、上り調子の伊賀を相手に守備を整理したうえで臨み、見応えある試合を見せられるか注目したい。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

第6節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

なでしこリーグ公式ガイドブック

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