【試合レビュー】内田美鈴2得点のスフィーダ世田谷FC、またも終盤失点で惜敗 朝日インテック・ラブリッジ名古屋が後半AT決勝弾|2026プレナスなでしこリーグ1部 第6節

試合レビュー

スフィーダ世田谷FCが2度のリードを奪いながら、最後は朝日インテック・ラブリッジ名古屋に逆転を許した。世田谷は内田美鈴の2得点で主導権を握る時間帯もあったが、名古屋は高いチーム完成度と交代策で終盤に押し返し、後半アディショナルタイムに角田菜々子が決勝弾。最後まで目を離せなかった一戦を振り返ります。

注目ポイント

  • 2試合連続で後半アディショナルタイムに失点し、2連敗中のスフィーダ世田谷FC。今節はホームで連敗を止め、浮上のきっかけをつかめるか。
  • 前年王者の朝日インテック・ラブリッジ名古屋は、上位争いに食い込むためにも勝点3を得ることができるか

試合情報

スフィーダ世田谷FC朝日インテック・ラブリッジ名古屋
23
6分 内田 美鈴
43分 内田 美鈴
14分 上田 真子
62分 橘 麗衣
90+4分 角田 菜々子
会場AGFフィールド(東京都)
観客数549人

スターティングラインナップ・登録メンバー

スフィーダ世田谷FC

PosNo.氏名交代
GK1大塚 美緒
DF2根本 彩夏
DF5宇内 彩来
DF7渡邊 那奈
DF15篠原 沙耶
MF8加藤 沙彩70▼
MF3柏原 美羽 (Cap.)83▼
MF10田口 茉亜紗
FW16北川 心子
FW9堀江 美月
FW13内田 美鈴
控え
GK21石川 愛紘
DF6黒川 愛奈
DF23荒川 結乃花
MF18佐藤 李那
MF20石浦 和歌
FW11粟田 桃子70▲
FW14松原 萌乃83▲
監督: 濱田 堯

朝日インテック・ラブリッジ名古屋

PosNo.氏名交代
GK16流川 桐佳
DF24角田 菜々子
DF10橘 麗衣 (Cap.)
DF17堀内 意
DF2夏目 歩実
MF14上田 真子84▼
MF5安部 由希子71▼
MF4逸見 桃子
MF8渕上 野乃佳67▼
FW9水野 亜美67▼
FW28永田 晶子HT▼
控え
GK1横山 野ノ香
DF25河合 野乃子
MF11藤原 愛里67▲
MF15中村 友香67▲
MF20増永 朱里HT▲
MF21大場 柚季71▲
FW13仁木 愛実84▲
監督: 磯村 健

試合展開

世田谷が名古屋のハイラインの背後を突いて先制

開始6分、ホームの世田谷が幸先よく先制する。
ラインを高く押し上げ、両サイドバックも高い位置を取る名古屋に対し、世田谷はその背後を狙った。右サイドを#8加藤沙彩が抜け出して折り返すと、#13内田美鈴が押し込み、世田谷が1-0とした。

この場面では、名古屋はサイドバックとセンターバックの帰陣がやや遅れた。もっとも、失点後も名古屋はハイラインを維持する。世田谷は背後を狙う意図が明確だったが、名古屋は極端に高くコンパクトな陣形によって中盤の強度を保ち、ボールを失っても素早く回収する場面が多かった。
おそらく名古屋としては、背後のリスクもオフサイドトラップを含めたライン設定で管理する狙いだったのだろう。

上田真子のミドルで名古屋がすぐに追いつく

14分、名古屋が早い時間帯に同点へ追いつく。
世田谷のクリアでルーズになったボールを#14上田真子が回収すると、鮮やかなターンで相手を外し、そのままミドルシュート。これがゴールに突き刺さり、試合は1-1となった。

以降は、ハイライン・ハイプレスとビルドアップで押し込む名古屋、低い位置からパスをつなぎつつ背後を狙う世田谷、という構図が続く。
世田谷は#13内田美鈴と#9堀江美月の2枚がやはり大きな存在感を放つ。ポストプレーでもフィニッシュ局面でも顔を出し、さらに左ウイングの#16北川心子のドリブルも効果的で、名古屋の最終ラインを下げさせる場面があった。

ただ、チーム全体の完成度では名古屋が一歩上回った印象だ。最終ラインと中盤がやや間延びしやすい世田谷に対し、#8渕上野乃佳と#14上田真子が間のスペースを使い、#4逸見桃子と#5安部由希子がそこへ配球する。さらにFWとサイドバックも前進し、厚みのある攻撃を繰り出していった。

前半終了間際、再び内田美鈴。世田谷が勝ち越して前半終了

押し込む時間は名古屋のほうが長かったが、次の1点を奪ったのは世田谷だった。
43分、カウンターから再びハイラインの背後を突くパスが通る。反応した#13内田美鈴がドリブルで運び、最後は左足を一閃。鋭いシュートがゴールに突き刺さり、世田谷が2-1と勝ち越した。

スピードとアジリティに優れる#2夏目歩実をフェイントで外してからの一撃は見事だった。名古屋としては押し込みながらも失点し、やや嫌な流れで前半を終えることになった。

後半、名古屋は交代と攻撃の変化で圧力を強める

後半開始から、名古屋は#28永田晶子に代えて#20増永朱里を投入した。
増永の持つ背後への飛び出しと運動量を前面に出し、同点、そして逆転を明確に狙う交代だった。後半の名古屋は、前半よりもさらに中盤のパスワークによる崩しよりも、FWの#20増永と#9水野亜美を走らせ、より縦に速くシンプルな攻撃を増やしていく。

前半以上に高い位置を取った名古屋は、センターバックの#10橘麗衣までもが相手陣深くへ進入。
その流れから62分、ペナルティーエリア内で#4逸見桃子が後方から倒され、主審はPKを宣告した。これを#10橘麗衣が冷静に決め、名古屋が2-2の同点に追いつく。

堀内意のスーパークリアが名古屋を救う

終盤の82分には、この試合の大きな分岐点となった場面があった。
名古屋GK流川桐佳のスローが相手に当たり、世田谷#3柏原美羽が回収。GKの位置を見て前方へ送ると、#9堀江美月が頭で合わせる。世田谷の3点目かと思われたが、ここで#17堀内意がゴール前まで戻り、スライディングでボールをかき出した。

相手と味方の位置関係を瞬時に把握し、ゴールマウスをカバーしていた点が素晴らしい。堀内の状況判断とカバーリング能力の高さが際立ったプレーだった。

名古屋は交代策が機能、90+4分に角田菜々子が決勝点

後半終盤に投入された#13仁木愛実も、名古屋に別の攻撃の形をもたらした。
仁木がポストプレーで相手センターバックを引き出し、その脇にできたスペースへ#20増永、#11藤原愛里、#15中村友香が入り込む。名古屋は終盤にかけて、前半とは異なる形でもゴールへ迫るようになる。

90分間際には両チームとも決定機を迎えたが、守備陣とGKが踏ん張り、スコアは動かない。
それでもアディショナルタイム4分、名古屋がついに試合をひっくり返す。コーナーキックからの混戦でこぼれたボールを、最後は#24角田菜々子が押し込み、名古屋が3-2と勝ち越した。

試合はそのまま、スフィーダ世田谷FC 2-3 朝日インテック・ラブリッジ名古屋で終了した。

総括

この試合は、中盤の構成力やパス技術、チームとしての完成度に加え、交代策によって生まれた終盤の走力差が名古屋に勝利をもたらした一戦だったように映った。

スフィーダ世田谷FC

少ないチャンスをしっかり決め、試合運びも決して悪くなかっただけに、勝ち切れなかったことが惜しまれる。
とりわけ後半途中からは、映像上でも前線と中盤の運動量に陰りが見えた。帰陣のスピードや対人時の踏ん張りがやや落ち、守備のバランスを崩す場面もあった。

これで3試合連続、後半アディショナルタイムでの失点による敗戦となる。もちろん不運な面もあるが、それだけで片づけず、交代策や試合終盤の締めくくり方は見直しが必要だろう。

それでも、#13内田美鈴と#9堀江美月という、ピッチに立つだけで相手に大きな脅威を与えられる存在がいるのは大きい。この2人が決定的な仕事をできるからこそ、どこかで流れを変える勝点獲得につなげたい。

朝日インテック・ラブリッジ名古屋

今季ここまでは、落ち着いて相手を崩す“横綱相撲”のような印象もあった名古屋だが、この日の名古屋は序盤から積極的だった。
単にボールを回すためのビルドアップではなく、シュートを打ち、ゴールを奪うための前進としてビルドアップを用い、局面によっては縦に速くシンプルな選択も取っていた。

開幕節のヴィアマテラス宮崎戦で見せたような、前方向への圧力を伴う攻撃的な守備も随所に見られた。交代枠を使い切り、終盤まで全員で走り切って逆転勝利をつかんだ点は高く評価できると感じる。

一方で、両サイドバックがかなり高い位置を取るぶん、背後のリスクは今後も焦点になる。上位勢との対戦でこの戦い方がどう機能するのか、引き続き注目したい。

順位表

第6節終了時点で、スフィーダ世田谷FCは11位、朝日インテック・ラブリッジ名古屋は4位となった。

順位チーム名勝点試合数得点失点得失点
1静岡SSUボニータ16651022121
2ヴィアマテラス宮崎1464201477
3岡山湯郷Belle1163211091
4朝日インテック・ラブリッジ名古屋962311192
5伊賀FCくノ一三重96231761
6オルカ鴨川FC86222853
7愛媛FCレディース86222913-4
8ニッパツ横浜FCシーガルズ76213911-2
9日体大SMG横浜76213920-11
10ASハリマアルビオン5612379-2
11スフィーダ世田谷FC461141215-3
12VONDS市原FCレディース06006316-13

次節、スフィーダ世田谷FCはアウェーで日体大SMG横浜と、朝日インテック・ラブリッジ名古屋はホームでASハリマアルビオンと対戦する。

世田谷にとっては、惜しい敗戦を次につなげる勝利がほしい。
名古屋にとっては、この逆転勝ちを上位追撃の流れに変えられるかが次節のポイントになりそうだ。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

第6節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

なでしこリーグ公式ガイドブック

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