直近3試合無敗の朝日インテック・ラブリッジ名古屋が、直近5試合勝利のないASハリマアルビオンをホームに迎えた一戦。試合は、地力で上回る名古屋がボールを握って押し込む時間を増やしながらも、ハリマも鋭いカウンターとセットプレーで応戦するタフな展開となった。
結果は2-1で、ホームの朝日インテック・ラブリッジ名古屋が勝利。昨季王者が勝点を積み上げ、上位争いに踏みとどまった一戦を振り返ります。
注目ポイント
- 開幕ダッシュとはいかなかった昨シーズン王者の朝日インテック・ラブリッジ名古屋は、今節も勝利を収め、連覇に向けて上位陣に食い込むことができるか
- 開幕節を白星で飾ったものの、その後は勝利から遠ざかっているASハリマアルビオンは、浮上のきっかけをつかむことができるか
試合情報
| 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | ASハリマアルビオン |
|---|---|
| 2 | 1 |
| 35分 藤原 愛里 78分 中村 友香 | 73分 千葉 園子 |
| 会場 | CSアセット港サッカー場(愛知県) |
| 観客数 | 368人 |
スターティングラインナップ・登録メンバー
朝日インテック・ラブリッジ名古屋
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 16 | 流川 桐佳 | |
| DF | 24 | 角田 菜々子 | 75▼ |
| DF | 10 | 橘 麗衣 (Cap.) | |
| DF | 17 | 堀内 意 | |
| DF | 2 | 夏目 歩実 | |
| MF | 14 | 上田 真子 | 63▼ |
| MF | 5 | 安部 由希子 | 90▼ |
| MF | 4 | 逸見 桃子 | |
| MF | 8 | 渕上 野乃佳 | |
| FW | 11 | 藤原 愛里 | 63▼ |
| FW | 9 | 水野 亜美 | 75▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 横山 野ノ香 | |
| DF | 25 | 河合 野乃子 | 75▲ |
| MF | 15 | 中村 友香 | 75▲ |
| MF | 20 | 増永 朱里 | 63▲ |
| MF | 21 | 大場 柚季 | 90▲ |
| FW | 13 | 仁木 愛実 | 63▲ |
| FW | 35 | 田中 亜依 | |
| 監督: 磯村 健 | |||
ASハリマアルビオン
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 41 | 小暮 千晶 | |
| DF | 4 | 阪中 澪 | 82▼ |
| DF | 5 | 小島 美玖 (Cap.) | |
| DF | 6 | 佐々木 美悠 | |
| DF | 2 | 児玉 耀 | 82▼ |
| MF | 8 | 小池 快 | |
| MF | 14 | 正野 可菜子 | |
| MF | 17 | 唐橋 万結 | |
| FW | 9 | 川﨑 咲耶 | |
| FW | 10 | 千葉 園子 | |
| FW | 33 | 椎野 彩香 | 82▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 原田 実歩 | |
| DF | 19 | 高松 芹羽 | 82▲ |
| DF | 20 | 山口 歌子 | 82▲ |
| MF | 18 | 阿部 文音 | |
| MF | 25 | 鷹野 あかり | |
| FW | 13 | 今蔵 綾乃 | 82▲ |
| FW | 23 | 井上 麗叶 | |
| 監督: 菅野 将晃 | |||
試合展開
名古屋が主導権を握り、ハリマはカウンターで対抗
主導権を握ったのはホームの名古屋だった。コンパクトな陣形と高い最終ラインを保ちながら前進し、パスワークと個人技で相手の守備を剥がしていく。ボールを失っても、前後から挟み込むように即時奪回を狙い、押し込む時間を増やした。
対するハリマは、なかなか安定した攻撃の形を作れなかった。それでも、名古屋のビルドアップに対して前線から圧力をかけ、ボールを奪って一気にフィニッシュまで持ち込む鋭さを見せる。名古屋が試合を支配しながらも、ハリマにも一発で流れを変える迫力があった。
藤原愛里がPKを獲得し、自ら決めて名古屋が先制
先制点を挙げたのは名古屋だった。
35分、#11藤原愛里がペナルティエリア内で倒され、名古屋がPKを獲得する。これを藤原自ら落ち着いて決め、名古屋が1-0とリードを奪った。
失点後、ハリマの攻撃にはスイッチが入った。前線の選手たちはよりアグレッシブに動き、チーム全体としても遠めの位置から積極的にシュートを放つようになる。守備面でも強度を上げ、ハイプレスを仕掛ける場面が増えた。
それでも、この日の名古屋にはハリマの勢いを受け止め、押し返す落ち着きと力強さがあった。選手たちが動きながら相手を剥がし、鋭い縦パスや連携でハリマゴールに迫る。前半は名古屋が1点をリードして折り返した。
ハリマがセットプレーから同点 千葉園子が押し込む
後半に入っても、名古屋はパスワークと個々の技術を生かして主導権を握った。相手ゴール前まで迫る場面は多かったが、追加点が遠い。名古屋は前線の選手を入れ替え、攻撃の活性化と運動量のテコ入れを図った。
しかし、次に得点を奪ったのはハリマだった。
前線からの守備とプレスバックで名古屋の前進を止め、徐々に流れを引き寄せていく。#9川﨑咲耶の惜しいヘディングなどで名古屋ゴールに迫ると、73分、コーナーキックから#10千葉園子が頭で押し込む。一度は止められたものの、こぼれ球に反応して自ら押し込み、ハリマが1-1の同点に追いついた。
途中出場の中村友香が決勝点 名古屋が勝ち越し
同点に追いつかれた直後、名古屋は#15中村友香と#25河合野乃子を投入する。攻撃の最後の一歩と、守備強度の安定を図る交代だった。
その交代策が結果につながる。
78分、名古屋は左サイドから攻撃を仕掛ける。#2夏目歩実が一気にオーバーラップし、#20増永朱里が相手に寄せられながらもボールをつなぐ。最後は#15中村友香がダイレクトで右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。
ハリマも終盤に必死の反撃を見せたが、あと一歩のクオリティと名古屋の堅い守備に阻まれ、2点目を奪うことはできなかった。
試合は2-1で終了。朝日インテック・ラブリッジ名古屋が、うれしいホーム初勝利を収めた。
総括
チーム状態の差、そして試合運びの完成度の差が出た一戦だったように感じる。
ハリマは開幕節で勝利したものの、その後は苦しい試合が続いている。一方の名古屋も、リーグ序盤は決して順調ではなかった。しかし、第3節の愛媛FCレディース戦で4-5と撃ち合いの末に敗れたことを機に、戦い方に変化が見られるようになった。
朝日インテック・ラブリッジ名古屋
昨シーズンの優勝メンバーが多く残っていることもあり、チームとしての完成度の高さを見せた。
強みであるビルドアップに固執するというよりも、前進するためのパス、相手を押し込むためのポジショニング、そして奪われた後の即時奪回が整理されていた。そこにハードワークが加わり、チーム全体として力強さが戻ってきたように見える。
特に印象的だったのは、左サイドバックでフル出場した#2夏目歩実だ。守備もこなしつつ豊富な運動量で何度も高い位置を取り、攻撃参加を続けた。ハリマにとっては、常に警戒しなければならない存在だった。
また、交代策も的中した。途中出場の#15中村友香が決勝点を挙げ、#20増永朱里も得点に絡んだ。ベンチから出た選手が試合を動かしたことは、チーム状態が上向いていると感じる。
名古屋は、ここから上位争いに本格的に加わっていく可能性を感じさせる勝利だった。
ASハリマアルビオン
ハリマの攻撃の核は、やはり#9川﨑咲耶だ。そこに展開力のある#10千葉園子、推進力のある#33椎野彩香が絡むことで、少人数でも迫力のある攻撃を作ることができる。
ただし、今節はチームとしての戦力差に加え、完成度の差も出てしまったように感じた。
良い選手はいる。運動量もある。実際に、名古屋を相手にセットプレーから同点に追いつく力も見せた。しかし、勝ちきれない要因としては、決定力だけでなく、守備組織の整理にも課題があるように見える。
この日は押し込まれる時間帯が長く、中盤が前向きに圧力をかけきれない場面もあった。その分、#9川﨑が低い位置まで戻って守備に貢献するシーンが目立った。川﨑の献身性はチームにとって大きいが、本来であれば、彼女にはよりゴールに近い位置で攻撃に関わってほしい。
ハリマが勝利に近づくためには、守備時の役割整理と、奪った後に前線の選手をより良い状態で使う仕組みが必要ではないだろうか。攻撃陣には魅力があるだけに、チーム全体としてもう一段階整理されれば、勝点を積み上げる力は十分にあるはずだ。
順位表
第7節終了時点で、朝日インテック・ラブリッジ名古屋は3位に浮上。ASハリマアルビオンは11位へ順位を落とした。
| 順位 | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡SSUボニータ | 17 | 7 | 5 | 2 | 0 | 24 | 3 | +21 |
| 2 | ヴィアマテラス宮崎 | 17 | 7 | 5 | 2 | 0 | 17 | 8 | +9 |
| 3 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 13 | 10 | +3 |
| 4 | 伊賀FCくノ一三重 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 8 | 6 | +2 |
| 5 | オルカ鴨川FC | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 12 | 5 | +7 |
| 6 | 岡山湯郷Belle | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 11 | 12 | -1 |
| 7 | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 8 | 7 | 2 | 2 | 3 | 11 | 13 | -2 |
| 8 | 愛媛FCレディース | 8 | 7 | 2 | 2 | 3 | 9 | 14 | -5 |
| 9 | スフィーダ世田谷FC | 7 | 7 | 2 | 1 | 4 | 15 | 17 | -2 |
| 10 | 日体大SMG横浜 | 7 | 7 | 2 | 1 | 4 | 11 | 23 | -12 |
| 11 | ASハリマアルビオン | 5 | 7 | 1 | 2 | 4 | 8 | 11 | -3 |
| 12 | VONDS市原FCレディース | 0 | 7 | 0 | 0 | 7 | 3 | 20 | -17 |
次節、朝日インテック・ラブリッジ名古屋は再びホームでオルカ鴨川FCを迎える。ASハリマアルビオンはアウェーで愛媛FCレディースと対戦する。
オルカ鴨川FCサポーターの筆者としては、次節の対戦相手である名古屋を素直に応援できないのが心苦しいところだが、好ゲームを期待したい。ハリマは苦しい状況が続くが、内容には勝点につながる要素も見えている。次節こそ、引き分け以上の結果を持ち帰れるような戦いを期待したい。
リソース
フルマッチLIVE配信(Youtube)
第7節全試合ハイライト動画
公式記録

