2026プレナスなでしこリーグ1部第7節は、首位争いと中位争いの両方で大きな動きが出たラウンドとなった。首位・静岡SSUボニータはニッパツ横浜FCシーガルズと2-2で引き分け、連勝がストップ。一方、ヴィアマテラス宮崎は岡山湯郷Belleとの上位直接対決を3-1で制し、勝点17で静岡に並んだ。得失点差で静岡が首位を守ったものの、優勝争いは一気に圧縮された。
その背後では、朝日インテック・ラブリッジ名古屋がASハリマアルビオンに2-1で勝って3位へ浮上し、伊賀FCくノ一三重も愛媛FCレディースとの接戦を制して4位へ上がった。オルカ鴨川FCはVONDS市原FCレディースとの初の千葉ダービーを4-0で制して5位へ浮上。スフィーダ世田谷FCも日体大SMG横浜との打ち合いを3-2で制し、苦しい流れを断ち切る勝利を手にしている。
第7節の結果とレビュー記事一覧
まずは第7節6試合の結果を整理しておきます。気になる試合は、各詳細レビューでより深く振り返ることができます。
- オルカ鴨川FC 4-0 VONDS市原FCレディース
→試合レビューはこちら - ニッパツ横浜FCシーガルズ 2-2 静岡SSUボニータ
→試合レビューはこちら - 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 2-1 ASハリマアルビオン
→試合レビューはこちら - 岡山湯郷Belle 1-3 ヴィアマテラス宮崎
→試合レビューはこちら - 愛媛FCレディース 0-1 伊賀FCくノ一三重
→試合レビューはこちら - 日体大SMG横浜 2-3 スフィーダ世田谷FC
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第7節最大のポイントは、宮崎が静岡に勝点で並んだこと
今節の最大のトピックは、静岡SSUボニータが勝ち切れず、ヴィアマテラス宮崎がその隙を逃さなかった点だろう。静岡はニッパツ横浜FCシーガルズ戦で先制しながらも追いつかれ、さらに前半終了間際には逆転を許した。それでも後半に上西可奈子のゴールで追いついて2-2としたが、首位チームとしては連勝を伸ばせなかった。ニッパツが2度リードを奪ったこと自体、静岡が序盤戦ほど簡単には勝ち切れなくなっていることを示している。

一方の宮崎は、3位湯郷との直接対決で3-1勝利。湯郷のビルドアップ志向に対して宮崎のハイプレスが機能し、スコア以上に宮崎の強度と完成度が際立った試合だった。土屋佑津季の先制点に加え、前線からの圧力、切り替えの速さ、連動した攻撃で湯郷を押し込み、勝点17で静岡に並んだ。第7節は、静岡がこれまでのようには勝ち切れなかったことと、宮崎の追い上げの本気度が同時に見えた節だった。

オルカ鴨川FCは千葉ダービーで快勝。序盤の決定力が試合を決めた
オルカ鴨川FCは、なでしこリーグ1部で初めて実現した千葉ダービーでVONDS市原FCレディースに4-0で快勝した。開始2分に北村ほのか、9分に中西茉里奈が決め、立ち上がりの9分で2点を奪って一気に主導権を握ったことが大きかった。後半にも太田凪砂、蔵田あかりが加点し、オルカはホームで理想的な試合運びを見せている。
内容面でも、オルカの前線と両サイドの噛み合わせが良かった。河野有希の裏抜け、太田のポストプレー、北村と蔵田の運動量が市原の守備を押し下げ、序盤から優位を築いた。終盤には市原にも決定機があったが、GK米澤萌香がゴールを守り切ってクリーンシートを達成した。下位相手の勝利ではあるものの、4得点以上に無失点で締めたことは大きな収穫であり、オルカが5位へ浮上した結果にもつながっている。

名古屋は踏みとどまり、伊賀は3連勝で4位浮上
朝日インテック・ラブリッジ名古屋は、ASハリマアルビオンに2-1で勝利した。ボールを握って押し込む時間を作りながらも、ハリマの鋭いカウンターやセットプレーに苦しめられるタフな展開だったが、35分の藤原愛里、78分の中村友香のゴールで振り切った。昨季王者らしく、簡単ではない試合をしっかり勝点3につなげた意味は大きい。

伊賀FCくノ一三重もまた、愛媛FCレディースとの接戦を0-1で制した。88分、途中出場の上田彩葉が決勝点を決め、伊賀は3連勝で4位に浮上している。運動量と強度を前面に出す伊賀が試合の主導権を握りながら、愛媛が粘り強い守備とカウンターで応戦したタフな試合だった。華やかな大量得点ではなくても、競った試合をものにできることが今の伊賀の強みになりつつある。

世田谷はようやく終盤の悪循環を断ち切った
日体大SMG横浜とスフィーダ世田谷FCの一戦は、守備に課題を抱える同士の対戦らしく、スコアが大きく動く試合となった。世田谷は内田美鈴が2得点を挙げ、さらに82分に北川心子が決勝点を決めて3-2で勝利。日体大は一度逆転に成功しながらも、直後に追いつかれ、最後は勝ち切れなかった。
世田谷にとってこの勝利が大きいのは、これまで続いていた「終盤失点で勝点を落とす流れ」をようやく断ち切れた点にある。前節までの悪い流れの中でも攻撃力は示していたが、この試合では最後に勝点3を手元に残した。順位も11位から9位へ浮上しており、第7節は世田谷にとって反転のきっかけになり得る一戦だった。
順位変動
順位の変動では、名古屋が4位から3位、伊賀が5位から4位、オルカが6位から5位、世田谷が11位から9位へ浮上した。一方、湯郷は3位から6位へ後退し、愛媛は7位から8位、日体大は9位から10位、ハリマは10位から11位へ下がった。静岡と宮崎は1位・2位を維持し、市原は12位のままだった。なお、静岡と宮崎はともに勝点17となったが、得失点差で静岡が首位を守っている。
その背後を名古屋と伊賀が勝点12で追う構図が明確になった。さらにオルカと湯郷が勝点11で続いており、上位6クラブの差はまだ十分に詰まっている。首位争いだけでなく、3位から6位までの並びも次節以降で大きく変わり得る位置関係だ。
また、中位以下では世田谷が反転の1勝を挙げ、ニッパツも首位静岡相手に勝点1を積んだ一方、ハリマは11位へ後退し、市原は開幕7連敗となった。上位争いの圧縮と同時に、中位から下位でも明暗が分かれ始めている。第7節は、シーズン序盤の勢いだけではなく、相手に応じた修正力と勝負所での遂行力が、順位によりはっきり反映されたラウンドだった。
順位表(第7節終了時点)
| 順位 | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡SSUボニータ | 17 | 7 | 5 | 2 | 0 | 24 | 3 | +21 |
| 2 | ヴィアマテラス宮崎 | 17 | 7 | 5 | 2 | 0 | 17 | 8 | +9 |
| 3 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 13 | 10 | +3 |
| 4 | 伊賀FCくノ一三重 | 12 | 7 | 3 | 3 | 1 | 8 | 6 | +2 |
| 5 | オルカ鴨川FC | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 12 | 5 | +7 |
| 6 | 岡山湯郷Belle | 11 | 7 | 3 | 2 | 2 | 11 | 12 | -1 |
| 7 | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 8 | 7 | 2 | 2 | 3 | 11 | 13 | -2 |
| 8 | 愛媛FCレディース | 8 | 7 | 2 | 2 | 3 | 9 | 14 | -5 |
| 9 | スフィーダ世田谷FC | 7 | 7 | 2 | 1 | 4 | 15 | 17 | -2 |
| 10 | 日体大SMG横浜 | 7 | 7 | 2 | 1 | 4 | 11 | 23 | -12 |
| 11 | ASハリマアルビオン | 5 | 7 | 1 | 2 | 4 | 8 | 11 | -3 |
| 12 | VONDS市原FCレディース | 0 | 7 | 0 | 0 | 7 | 3 | 20 | -17 |
得点ランキング(第7節終了時点)
| 順位 | 得点数 | 氏名 | チーム名 |
|---|---|---|---|
| 1 | 8 | 内田 美鈴 | スフィーダ世田谷FC |
| 2 | 6 | 横山 久美 | 静岡SSUボニータ |
| 3 | 5 | 堀江 美月 | スフィーダ世田谷FC |
| 3 | 5 | 三輪 玲奈 | 静岡SSUボニータ |
| 3 | 5 | 土屋 佑津季 | ヴィアマテラス宮崎 |
| 6 | 4 | 千葉 園子 | ASハリマアルビオン |
| 6 | 4 | 安部 美琴 | 日体大SMG横浜 |
| 8 | 3 | 蔵田 あかり | オルカ鴨川FC |
| 8 | 3 | 太田 凪砂 | オルカ鴨川FC |
| 8 | 3 | 山本 葉桜 | 日体大SMG横浜 |
| 8 | 3 | 岸野 早奈 | 静岡SSUボニータ |
| 8 | 3 | 国吉 花吏埜 | 岡山湯郷Belle |
| 8 | 3 | 近藤 彩優子 | 愛媛FCレディース |
| 8 | 3 | 松田 遥奈 | ヴィアマテラス宮崎 |
次節の注目
第7節を終えて、次節は上位争いの行方を左右する重要なカードが並ぶ。
最も注目されるのは、首位・静岡SSUボニータと2位・ヴィアマテラス宮崎の直接対決だ。ここで宮崎が勝てば順位逆転、静岡が勝てば再び差を広げることができる。優勝争いの序盤戦における大きな分岐点となる一戦と言ってよいだろう。
その背後では、オルカ鴨川FC vs 朝日インテック・ラブリッジ名古屋、伊賀FCくノ一三重 vs 岡山湯郷Belle と、上位追走組同士の対戦も控える。3位から6位までの差は小さく、ここで勝ったチームが上位戦線で一歩前に出る可能性が高い。
次節は、首位争いだけでなく、追走グループの序列にも大きな影響を与えるラウンドとなりそうだ。
