前節4失点で敗れた日体大SMG横浜と、なでしこリーグ1部初挑戦でここまで勝利がないVONDS市原FCレディースが対戦した、2026プレナスなでしこリーグ1部第5節。試合は、市原が前線からの積極的なプレスで日体大のビルドアップを苦しめ、一度は同点に追いつく粘りを見せた。しかし終盤、日体大が安部美琴の勝ち越し弾を皮切りに一気に突き放し、4-1で勝点3を手にした。両チームの狙いと課題が色濃く表れた一戦を振り返ります。
試合情報
| 日体大SMG横浜 | VONDS市原FCレディース |
|---|---|
| 4 | 1 |
| 49分 鬼頭 こはな 85分 安部 美琴 90+1分 山本 葉桜 90+3分 山本 葉桜 | 62分 中村 円香 |
| 会場 | ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県) |
| 観客数 | 448人 |
スターティングラインナップ・登録メンバー
日体大SMG横浜
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 1 | 福田 はな | |
| DF | 3 | 内村 心優 | |
| DF | 23 | 笠井 寧々 | |
| DF | 25 | 中野 梨緒 | |
| DF | 27 | 杉本 光羽 | |
| MF | 2 | 藤澤 和心 | |
| MF | 4 | 菅原 眞名 (Cap.) | |
| MF | 9 | 柴原 希保 | |
| MF | 29 | 横濱 桃杏 | |
| FW | 16 | 鬼頭 こはな | 68▼ |
| FW | 24 | 安部 美琴 | |
| 控え | |||
| GK | 12 | 長谷川 想 | |
| DF | 15 | 大矢 さくら | |
| MF | 14 | 本城 茉弥佳 | |
| MF | 22 | 留木 未々 | |
| MF | 26 | 今野 真帆 | |
| FW | 13 | 山本 葉桜 | 68▲ |
| FW | 18 | 中村 柚仁 | |
| 監督: 嶋田 千秋 | |||
VONDS市原FCレディース
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 1 | 山田 二千華 | |
| DF | 2 | 小堀 菜緒 | |
| DF | 3 | 多崎 真琴 | 90▼ |
| DF | 11 | 村上 賀梨 (Cap.) | |
| MF | 5 | 小田川 真奈 | |
| MF | 8 | 石井 彩千香 | 90▼ |
| MF | 9 | 宮本 春花 | 85▼ |
| MF | 10 | 櫻庭 琴乃 | |
| MF | 24 | 増原 遥花 | |
| FW | 18 | 増田 沙美亜 | |
| FW | 28 | 中村 円香 | 85▼ |
| 控え | |||
| GK | 31 | 佐藤 瑠美奈 | |
| DF | 22 | 鈴木 菜々海 | 90▲ |
| DF | 25 | 安達 優菜 | |
| MF | 6 | 菅野 瑞 | |
| MF | 14 | 齊藤 綾音 | 85▲ |
| MF | 27 | 木須 みそら | 90▲ |
| FW | 20 | 高山 杏々葉 | 85▲ |
| 監督: 落合 恵 | |||
試合展開
市原は狙いを持った前線守備で主導権を握る
この日も日体大は、志向するビルドアップを試みた。前節までと同様、GKとDFの間、そしてDF間でパスをつなぎ、自陣深い位置でもクリアではなく狭い局面でのパス交換を選ぶ場面が多い。そうした傾向があるだけに、市原としては、これまで日体大に勝利したチームと同様に、前線から強くプレスをかけて攻める方針が明確だった。
なでしこリーグ1部初勝利を目指す市原は、#10櫻庭琴乃、#9宮本春花、#18増田沙美亜を中心に前線と中盤から積極的にシュートを放つ。とくに櫻庭は相手最終ラインへのプレスでも存在感を示し、再三にわたって日体大にプレッシャーをかけた。
ただ、押し込む時間帯はありながらも、選手間の距離感やサポートの出方にはやや課題があり、あと一歩の局面で攻撃を完結させ切れない。
30分過ぎから日体大が盛り返す
前半30分を過ぎたあたりから、市原のプレス強度がやや落ち、日体大がボールを持てる時間が増えていく。相手の圧力が弱まれば、日体大はビルドアップをベースに前進し、市原陣内へ進んでシュートまで持ち込む場面を増やした。
一方で、市原については中盤守備のあり方が気になった。パスコースを切りながら相手を遅らせる守備自体は意図として理解できるが、相手への寄せが弱くなった場面では簡単に前を向かれ、攻撃の組み立てを許してしまう。開幕節から見えている課題だけに、今節でも同様の傾向が見られた点は気になるところである。
前半は市原が勢いを見せながらもゴールを奪えず、0-0で折り返した。
日体大が先制、市原もセットプレーで追いつく
後半に入っても、市原の中盤守備にはやや緩さが残り、日体大はドリブルやサイドチェンジを交えて前進する。すると49分、左サイドを起点に攻め込むと、#25中野梨緒から#27杉本光羽の折り返しを#16鬼頭こはなが押し込み、日体大が先制した。
追う展開となった市原だが、やはり中盤でのサポート不足が見られ、単独突破に頼る場面が少なくない。日体大守備陣はそこに人数をかけ、ボールを回収していく。
それでも62分、市原は#11村上賀梨の左CKから#28中村円香がヘディングで流し込み、1-1の同点に追いつく。劣勢に傾きかけた流れを引き戻す大きな同点弾だった。
終盤は日体大がサイド攻撃で上回る
その後は一進一退の時間帯となったが、次第に市原の強度が落ち、日体大が再びボールを動かしながらサイドを中心に押し込むようになる。とくに右サイドの#9柴原希保は、前半以上に前を向いてプレーする回数が増え、スピードを生かした仕掛けで存在感を高めた。
市原もミドルシュートや#10櫻庭のドリブル突破、日体大最終ラインのコントロールミスなどからチャンスを作ったが、シュートの精度を欠いて勝ち越しには至らない。
すると85分、日体大が勝ち越しに成功する。#9柴原希保の突破からのクロスに、#24安部美琴がワンタッチで合わせてネットを揺らした。
さらに後半アディショナルタイムには、68分から投入されていた#13山本葉桜が90+1分、90+3分と連続得点。日体大が終盤に一気に突き放し、4-1で勝点3を手にした。
総括
日体大SMG横浜:勝利の一方で、後方の課題はなお残る
日体大は4得点で快勝したものの、ビルドアップ、とくにGKからDFへの配球や、自陣深い位置での判断にはなお改善の余地があるように映った。今季ここまで何度もピンチの起点になっている課題であり、この試合でも相手のプレスに対して危うさを見せる場面はあった。
もちろん、自分たちの目指すスタイルを貫く姿勢自体は尊重されるべきである。ただし、相手がより高い強度を90分間維持できていたなら、この点差にはならなかった可能性もある。快勝ではあるが、内容面では手放しで楽観視できる勝利ではなかった。
VONDS市原FCレディース:見えている課題をどう整理するか
市原はこれで開幕から5連敗となり、苦しい立ち上がりが続く。公式記録上もこの試合はシュート13本、CK11本を記録しており、チャンス自体は少なくなかった。
それだけに、攻撃時のサポート不足と中盤守備の整理は、より大きなテーマとして浮かび上がる。
選手個々の力は決して低くなく、試合の入りや前線からの圧力には可能性を感じさせる。一方で、組織としての完成度、特に距離感や連動性では相手に上回られている印象が強い。2部優勝時からメンバーや体制が大きく変化している難しさはあるにせよ、開幕から見えている課題の修正を急ぎたいところである。
交代策と終盤の失点は引き続き焦点に
また、市原については交代のタイミングもひとつの論点になりそうだ。80分以降に運動量が落ちる傾向は今節でも見られ、結果的に終盤の連続失点につながった。日体大に対しては前線からの鋭いプレスが有効だっただけに、その強度をどう保つか、あるいは交代でどう補うかは今後の鍵になる。
終盤に入ってからの交代が多い現状では、流れを変えるメッセージがピッチに十分伝わりにくい印象も残る。試合の中でどの時間帯に手を打つかは、今後あらためて見直したいポイントである。
順位表
Coming Soon…
次節
日体大SMG横浜はアウェーで強豪のヴィアマテラス宮崎と対戦。VONDS市原FCレディースはホームに愛媛FCレディースを迎えての一戦に臨む。
日体大には、勝利の中で見えた課題の修正が求められる。一方の市原には、内容面で見せた積極性を初勝利につなげられるかが問われる次節になりそうだ。
リソース
フルマッチLIVE配信(Youtube)
第5節全試合ハイライト動画
Coming soon…
公式記録

