2025年8月17日、フクダ電子アリーナで2025/26 SOMPO WEリーグ 第2節、ジェフユナイテッド市原・千葉レディース対RB大宮アルディージャWOMENが行われた。
ジェフ千葉レディースにとっては、ホーム開幕戦となる一戦。新加入のGK田中桃子選手、MF木村彩那選手、FW北沢明未選手が先発に名を連ね、北沢選手はWEリーグ初出場でのスタメンとなった。
試合は開始早々に大宮が先制。前半は高いインテンシティと両サイドを使った攻撃で大宮が主導権を握り、千葉は押し込まれる時間が続いた。それでも後半、千葉は右サイドからの攻撃を起点に北沢選手が同点ゴールを記録。試合は1-1の引き分けに終わった。
WEリーグの試合を現地で観戦するのは今回が初めてだったが、両チームが最後まで勝ち点3を目指す、見ごたえのある一戦だった。
今回はジェフ千葉レディース目線で試合を振り返る。
注目ポイント
- 北沢明未選手がWEリーグ初出場初ゴール
- なでしこリーグ1部・日体大SMG横浜から加入した北沢明未選手は、WEリーグ初出場ながら先発出場。前線で身体を張り、ポストプレーやプレスバックでも存在感を示した。
- 66分には、右サイドからの攻撃に反応し、こぼれ球を押し込んで同点ゴール。WEリーグ初出場初ゴールという大きな結果を残した。
- 大宮の高いインテンシティとサイド攻撃
- RB大宮アルディージャWOMENは、立ち上がりから強度の高いプレーを見せた。特に両サイドを広く使い、縦に速い攻撃で千葉の守備陣を押し込んだ。
- 前半だけで多くのシュートを放ち、内容面では大宮が優勢。守備でもプレスのタイミングが整理されており、千葉の横パスやバックパスを狙う意図が見えた。
- 千葉は課題を残しながらも勝ち点1
- カルメレ・トレス監督体制の千葉は、守備の連係やビルドアップの出口に課題を残した。一方で、後半は前線への縦パスやサイドの推進力を活かし、同点に追いついた点は収穫だった。
- 内容的には苦しい時間帯が長かったが、ホーム開幕戦で敗れなかったことは前向きに捉えたい。
試合情報
| 会場 | フクダ電子アリーナ(ジェフ千葉レディースホームスタジアム) |
| 観客数 | 1,470名 |
| 得点者 | 1分 髙橋美紀(RB大宮アルディージャWOMEN) 66分 北沢明未(ジェフユナイテッド市原・千葉レディース) |
フォーメーション・スターティングラインナップ
ジェフ千葉レディース

千葉は新加入のGK田中桃子選手、MF木村彩那選手、FW北沢明未選手が先発。北沢選手はWEリーグ初出場となった。
今シーズンからチームを率いるのはカルメレ・トレス監督。就任発表から開幕までの準備期間は決して長くなく、新監督の戦術がどこまでチームに浸透しているかが注目された。

RB大宮アルディージャWOMEN

大宮は新加入のGK福田史織選手、DF浜田芽来選手らが先発。浜田選手はFW登録ながら、この日はサイドバックとして出場した。
大宮は立ち上がりから前への推進力と強度を見せ、特にサイド攻撃で千葉を押し込んでいった。
キックオフ前

入場時に2025/26シーズンのWEリーグオフィシャルガイドブックと、ジェフ千葉レディースオフィシャルマガジンである「United ELLA 2025/26」をいただいた。来場者特典だそうだ。






試合展開

7/13に行われたジェフ千葉レディースとの練習試合では45 分x3本で合計5-0と圧勝した大宮。あくまでも練習試合だが、トレス監督就任後の1か月間で千葉がどこまでチーム力を高めて来たか楽しみ。

開始早々に大宮が先制
試合は開始わずか1分で動いた。
大宮は左サイドのスローインを起点に攻撃を展開。FW齊藤夕眞選手がワンタッチでMF仲田歩夢選手へつなぐと、仲田選手が左サイド深い位置からクロスを送る。
千葉はこのボールを処理しきれず、こぼれ球が大宮の髙橋美紀選手のもとへ。髙橋選手は右足を振り抜き、シュートをゴール左へ突き刺した。
ホーム開幕戦の立ち上がりとしては、千葉にとって非常に痛い失点だった。
前半は大宮が主導権を握る
先制後、大宮は高い走力と強度を武器に試合を優勢に進めた。
両サイドの選手がワイドに張り、特に左サイドを中心に千葉の守備を揺さぶる。千葉は押し込まれる時間が長くなり、最終ラインも低くなった。バイタルエリアに入られた際の寄せも遅れ、苦しい守備対応が続いた。
18分頃には、大宮の杉澤海星選手がミドルシュート。これは千葉GK田中桃子選手が横っ飛びでセーブし、追加点を許さなかった。
千葉も20分頃、増田咲良選手が右サイドで球際を制して前進。北沢選手、小川由姫選手も絡み、最後は増田選手がヘディングで合わせたが、ボールはゴール上へ外れた。
28分頃には、小川選手が右サイドで個人技から2人をかわして突破。ペナルティエリア内へ侵入し、グラウンダーのクロスを送ったが、木村彩那選手にはわずかに合わなかった。
北沢明未選手は前線で起点に
千葉の前線では、北沢明未選手のプレーが目を引いた。
なでしこリーグ1部からの加入で、WEリーグ初出場ながら、フィジカルを活かして楔のパスを受け、身体を張ってボールを収めていた。チャンス自体は多くなかったが、劣勢のチーム状況の中で前線の起点になろうとする姿勢は十分に伝わった。
また、守備時のプレスバックも怠らず、攻守両面で献身性を見せていた。
千葉はビルドアップに苦しむ
前半の千葉は、ボールを持っても前進の出口を見つけるのに苦労した。
大宮はプレスをかけるタイミングが整理されており、千葉が自陣で横パスやバックパスを選んだ瞬間を狙っていた。千葉は低い位置から丁寧につなごうとする意図は見えたが、相手の圧力を受けると前進できず、ボールを失う場面もあった。
41分頃には、千葉のGKと守備陣の連係が乱れ、大宮がゴール前でボールを奪いかける場面もあった。シュートまでは至らなかったが、千葉にとっては危ないシーンだった。
前半は全体として、大宮がインテンシティ、スピード、サイド攻撃で千葉を上回った。千葉は田中桃子選手のセーブや井上千里選手の身体を張ったブロックもあり、何とか1失点で前半を終えた印象だった。
千葉は縦への意識を強める


後半開始時点で、両チームに選手交代はなかった。
千葉はハーフタイムを挟んで、縦への意識を強めたように見えた。前半のように後方で横パスを重ねるよりも、前線の北沢選手に当てる形や、サイドのスペースを使う形を増やしていった。
ただし、前線の選手が縦パスを要求するタイミングと、後方の選手がパスを出すタイミングにはまだズレがあった。トレス監督も縦パスを促すようなジェスチャーを見せていたが、チーム全体としてはまだ整理途上という印象だった。
52分頃には、DF石田菜々海選手が最終ラインからドリブルで持ち上がったところでボールを奪われ、大宮FW井上綾香選手にペナルティエリア内へ持ち込まれる。シュートはゴール左に外れ、千葉は失点を免れた。
右サイドから千葉が同点に追いつく
56分、千葉は右サイドから好機を作る。
小川由姫選手のスルーパスに増田咲良選手が抜け出し、マイナスのパスをペナルティエリア内の木村彩那選手へ送る。木村選手はフリーに見えたが、大宮DF髙橋美紀選手が懸命に戻ってブロック。千葉はコーナーキックを獲得した。
58分、千葉は木村彩那選手に代えて小林ひなた選手を投入。流れを変えようとする。

そして66分、ついに千葉が同点に追いつく。
右サイドで粘った小川由姫選手が、増田咲良選手へスルーパス。増田選手はペナルティエリア内へクロスを送る。山口千尋選手のシュートは相手DFにブロックされたが、こぼれ球に北沢明未選手が反応。これを押し込み、千葉が1-1に追いついた。
北沢選手にとっては、WEリーグ初出場での初ゴール。劣勢の時間帯が長かった千葉にとって、大きな同点弾だった。
大宮は交代策で再び攻勢へ
同点に追いつかれた大宮は、67分に3枚替えを実施する。
浜田芽来選手、齊藤夕眞選手、井上綾香選手を下げ、落合依和選手、西尾葉音選手、平井杏幸選手を投入。さらに72分には仲田歩夢選手に代えて田中聖愛選手を送り込んだ。

特に田中聖愛選手の投入は大きかった。縦への突破力があり、千葉の守備陣は対応に苦しんだ。スピードを警戒して強く寄せきれず、ズルズルと後退させられる場面もあった。
千葉は同点ゴールで一度勢いを取り戻したが、田中選手の推進力によって、再び大宮に流れを引き戻された印象だった。
終盤は大宮が攻め、千葉が耐える展開に
81分、千葉は井上千里選手に代えて鈴木菫選手、山口千尋選手に代えて根津里莉日選手を投入した。

終盤も大宮が攻め立て、千葉が守る展開が続いた。千葉にもカウンターに転じられる場面はあったが、運動量が落ちていたこともあり、決定機までは持ち込めなかった。
後半アディショナルタイム5分を経て、試合は1-1で終了。ジェフ千葉レディースのホーム開幕戦は、勝ち点1を分け合う結果となった。

総括
両チームとも最後まで勝ち越しゴールを目指し、クリーンで見ごたえのある試合だった。現地で観戦できてよかったと感じる一戦だった。
ジェフ千葉レディース
千葉は、内容面では大宮に押し込まれる時間が長かった。特に前半は、大宮のインテンシティとサイド攻撃に対応しきれず、よく1失点で耐えたという印象が強い。
一方で、後半は修正も見られた。後方から丁寧につなぐ形にこだわりすぎるのではなく、北沢明未選手に当てて中盤を押し上げる形や、小川由姫選手、増田咲良選手を経由してサイドのスペースを使う形が増えた。
北沢選手がWEリーグ初出場初ゴールを記録したことは大きな収穫。小川選手の攻守にわたる働き、田中桃子選手のセーブ、井上千里選手の身体を張った守備も印象に残った。
ただし、守備の連係やビルドアップ時の共通認識には課題が残る。低い位置からつなぐ際に、大宮のプレスを受けたときの逃げ道が十分に整理されていないように見えた。
カルメレ・トレス監督体制はまだ始まったばかり。苦しい内容ながらも勝ち点1を得たことを前向きに捉えつつ、今後どのようにチームを整備していくか注目したい。

RB大宮アルディージャWOMEN
大宮は、勝ち切れなかったことが悔やまれる内容だった。
前半からインテンシティが高く、運動量も豊富。両サイドを大きく使いながら、縦に速く、シュート意識も高い攻撃を展開した。特に大島暖菜選手、仲田歩夢選手、途中出場の田中聖愛選手は、千葉にとって常に脅威だった。
守備面でも、プレスのかけどころが整理されており、千葉の横パスやバックパスを狙う意図がはっきりしていた。内容面では大宮が優勢だっただけに、追加点を奪えなかったことが勝ち点3を逃した要因になった。
それでも、攻撃の迫力と運動量は十分に感じられた。今後、上位チームや強豪相手にどのような試合を見せるのか楽しみなチームである。

リソース
ダイジェスト(Youtube)
公式記録

