【試合レビュー】伊賀FCくノ一三重が劇的逆転で今季初勝利 松田吏真のAT弾でスフィーダ世田谷FCを下す|2026プレナスなでしこリーグ1部 第5節

試合レビュー

今季初勝利を目指す伊賀FCくノ一三重と、今度こそ勝ち切りたいスフィーダ世田谷FCが激突した一戦は、最後まで勝敗の行方が分からない熱戦となった。世田谷が先制しながらも、伊賀はPKで追いつくと、後半アディショナルタイムに松田吏真が決勝ゴール。ホームの伊賀が劇的な形で今季初白星を手にした。

注目ポイント

  • 今シーズンまだ勝ちのない伊賀FCくノ一三重は、ホームで初勝利を挙げることができるか
  • 前節、後半アディショナルタイムに逆転ゴールを許したスフィーダ世田谷FCは、今節こそ勝ち切れるか

試合情報

伊賀FCくノ一三重スフィーダ世田谷FC
21
71分 桂 亜依
90+4分 松田 吏真
67分 堀江 美月
会場上野運動公園競技場(三重県)
観客数468人

スターティングラインナップ・登録メンバー

伊賀FCくノ一三重

スピードあふれるプレーでサイドを切り裂く渡邊凜は、今節は登録メンバー外となった。

PosNo.氏名交代
GK16小野 未織
DF17松久保 葵子78▼
DF3秦 美結
DF26清 悠香85▼
MF14増田 玲那
MF6常田 麻友 (Cap.)
MF8島野 美央
MF24唐沢 芽依78▼
FW22松田 吏真
FW11児野 楓香61▼
FW10平田 ひなの
控え
GK21合田 朱里
DF5常田 菜那78▲
DF13髙山 菜々香85▲
DF18井上 歩香
MF9桂 亜依61▲
MF23米澤 心花
MF25上田 彩葉78▲
監督: 永井 良明

スフィーダ世田谷FC

PosNo.氏名交代
GK1大塚 美緒
DF2根本 彩夏
DF6黒川 愛奈
DF7渡邊 那奈
DF15篠原 沙耶
MF23荒川 結乃花HT▼
MF3柏原 美羽 (Cap.)
MF10田口 茉亜紗
MF16北川 心子
FW9堀江 美月77▼
FW13内田 美鈴90▼
控え
GK21石川 愛紘
DF4小泉 柚紀
DF5宇内 彩来77▲
MF8加藤 沙彩HT▲
MF18佐藤 李那90▲
MF20石浦 和歌
FW11粟田 桃子
監督: 濱田 堯

試合展開

立ち上がりは伊賀が主導権 縦に速い攻撃で世田谷を押し込む

序盤から主導権を握ったのはホームの伊賀だった。ゴールキックからサイドへ配球し、低い位置からもテンポよく前進。サイドを起点にした縦に速い攻撃で、世田谷を押し込んでいく。

19分には#11児野楓香のクロスから、ファーサイドで#10平田ひなのがヘディングシュート。ほかにも惜しい場面をつくったが、先制点には至らない。終盤は世田谷もやや圧力を強めたものの、前半は0-0で折り返した。

後半は世田谷が押し返すも、流れを決定打につなげ切れず

後半立ち上がりは世田谷が前への圧力を強め、伊賀を押し込む時間帯をつくる。ただ、その勢いは長く続かず、伊賀もカウンターから応戦。サイド攻撃やセットプレーからシュートまで持ち込むが、最後の精度が合わず、ゴールは遠いままだった。

67分、世田谷が先制 篠原のクロスを堀江が仕留める

すると67分、試合が動く。伊賀の攻勢をしのいだ世田谷が前進すると、#13内田美鈴から左サイドの#15篠原沙耶へ展開。篠原のアーリークロスに、中央へ入った#9堀江美月が頭で合わせ、世田谷が先制に成功した。

内容面では伊賀が押していた時間も長かっただけに、この失点はホームチームにとって苦しいものとなった

71分、伊賀がPKで追いつく 途中出場の桂が冷静に成功

追いつきたい伊賀は、得意の縦に速い攻撃でさらに圧力を強める。すると71分、ペナルティーキックを獲得。世田谷のペナルティエリア内での混戦のなか、主審は伊賀のPKを宣告した。映像からは反則の細部までは読み取りにくかったが、伊賀にとっては同点へつながる大きな判定となった。これを途中出場の#9桂亜依が決め、1-1の同点に追いついた。

なお、反則の詳細までは公式記録に記載がないため、ここは映像だけで断定せず、PK獲得の事実にとどめておきたい。

終盤は互いに勝ち越しを狙う展開 最後に伊賀が勝負を決める

同点後は両チームとも交代カードを切り、勝ち越し点を目指す。世田谷は両サイドバックの攻撃参加を増やし、ボランチもリスクを負って前へ出るなど、やや優勢に試合を進めた。一方の伊賀も、押し込まれながら粘り強く跳ね返し、鋭いカウンターで対抗した。

そして後半アディショナルタイム4分、伊賀がついに試合をひっくり返す。右サイドのスローインから#5常田菜那、#10平田ひなのとつないで中央へ運ぶと、最後は#22松田吏真が右足を振り抜く。相手DFも身体を投げ出してブロックに入ったが届かず、シュートはゴール左へ吸い込まれた。

ホームの伊賀FCくノ一三重が、土壇場で今シーズン初勝利をつかんだ。

総括

今季ここまで勝利のなかった伊賀FCくノ一三重が、ついに勝点3を手にした。押し込まれる時間帯はありながらも、試合全体では縦への速さ、球際の強さ、切り替えの速さ、そしてハードワークといった持ち味をしっかり発揮した勝利だった。

先制を許したあとも試合を切らさず、PKで追いつき、最後まで勝ち越しを狙い続けた姿勢は高く評価できる。内容と結果の両面で、今後につながる一戦になったと言えそうだ。

スフィーダ世田谷FCは、前節に続いて後半アディショナルタイムに決勝点を許した。終盤は自分たちの時間帯もつくっており、勝点を持ち帰れても不思議ではない内容だっただけに、悔しさの残る敗戦である。

試合運びそのものは決して悪くなかった。だからこそ、終盤の失点によって勝点がこぼれ落ちた印象は強い。

伊賀FCくノ一三重

基本的には、縦に速くシンプルな攻撃が持ち味のチームである。ただし、それだけではなく、低い位置からのビルドアップも局面によって使い分けられる。この試合でも、相手のプレスを受けながらボールと人を動かし、前進できていた場面は少なくなかった。相手に応じて戦い方を変えられる点は、大きな強みと言ってよいだろう。

そのうえで感じたのは、後半に見せたようなシュート意識を今後さらに強めてもよいのではないか、という点である。きれいに崩し切る形を狙っていることは伝わるが、遠目からでも足を振ってくる印象を相手に与えられれば、守備側の構え方にも変化を生みやすいと感じた。

スフィーダ世田谷FC

前線では#9堀江美月の存在感が際立った。ハイボールの競り合い、ポストプレーの収まり、そして得点力。いずれの面でも頼もしさがあり、この試合でも結果を残した。#13内田美鈴との2トップは、相手にとって引き続き大きな脅威である。

一方で気になったのは、守備へ移る際の前線と中盤の連動である。中盤がディレイ気味になった場面で、前線からのプレスバックや制限が十分にかからず、相手に前進の余裕を与える場面が見られた。ここがより噛み合ってくると、試合終盤の押し返しにも一段と安定感が出てきそうだ。

順位表

第5節を終えて、伊賀FCくノ一三重は8位、スフィーダ世田谷FCは11位となっている。

順位チーム名勝点試合数得点失点得失点
1静岡SSUボニータ13541021120
2ヴィアマテラス宮崎1153201055
3オルカ鴨川FC85221844
4岡山湯郷Belle85221660
5ニッパツ横浜FCシーガルズ7521289-1
6日体大SMG横浜75212716-9
7朝日インテック・ラブリッジ名古屋65131871
8伊賀FCくノ一三重65131550
9ASハリマアルビオン5512245-1
10愛媛FCレディース55122712-5
11スフィーダ世田谷FC451131012-2
12VONDS市原FCレディース05005214-12

次節、伊賀FCくノ一三重は再びホームでニッパツ横浜FCシーガルズと対戦する。スフィーダ世田谷FCはホームで朝日インテック・ラブリッジ名古屋を迎える。

伊賀はこの初勝利を浮上のきっかけにしたい。世田谷としては、内容を勝点3につなげるためにも、試合終了の笛が鳴るまで集中力を保ち切れるかが次節の大きなポイントになりそうだ。

リソース

フルマッチLIVE配信(Youtube)

第5節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果
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