【試合レビュー】静岡SSUボニータがオルカ鴨川FCとの接戦を制す 岸野早奈の決勝点で無敗キープ|2026プレナスなでしこリーグ1部 第6節

試合レビュー

圧倒的な攻撃力で首位を走る静岡SSUボニータと、堅守を武器に上位進出を狙うオルカ鴨川FCが激突した第6節。大量得点も期待された静岡だったが、オルカは粘り強い守備と切り替えの速さで応戦し、試合は最後まで緊張感のある1点差ゲームとなった。勝敗を分けたのは、静岡の完成度と一瞬の崩し。善戦したオルカにも、次節へつながる手応えが残る一戦だった。

注目ポイント

  • 首位の静岡SSUボニータは、堅守を誇るオルカ鴨川FCを相手に、今節も勝ち切って連勝を伸ばせるか。
  • 上位に食い込みたいオルカ鴨川FCにとっては、超攻撃的な静岡SSUボニータを相手に、最少失点でしのぎながら勝点を積み上げたることができるか

試合情報

静岡SSUボニータオルカ鴨川FC
10
23分 岸野 早奈
会場磐田スポーツ交流の里ゆめりあ球技場(静岡県)
観客数639人

スターティングラインナップ・登録メンバー

静岡SSUボニータ

PosNo.氏名交代
GK21田谷 春海
DF3彦坂 桃花
DF4青葉 結衣
DF5服部 花音
DF22上西 可奈子
MF6万力 安純
MF7高島 絢音
MF8三輪 玲奈
MF11大曽根 由乃
MF15岸野 早奈76▼
FW10横山 久美 (Cap.)
控え
GK1水口 茉優
DF2白井 未来
DF17櫻田 彩乃
MF14渡邉 琉那76▲
MF19曽我 来未
MF23山本 香月
FW16藤田 桃加
監督: 本田 美登里

オルカ鴨川FC

先発メンバーは前節と同じ。#11河野有希が今季初のメンバー入り。

PosNo.氏名交代
GK1米澤 萌香
DF23安東 美那
DF4松尾 菜月
DF3月東 優季乃
DF29中西 茉里奈
MF24江藤 里桜奈55▼
MF5浅野 綾花 (Cap.)
MF25齊藤 桃花
MF14蔵田 あかり
FW22北村 ほのか79▼
FW19太田 凪砂83▼
控え
GK26力丸 里保
DF2吉田 紫穂
DF6浦部 美月
DF17越路 萌永
MF7並木 千夏83▲
FW11河野 有希55▲
FW27今田 紗良79▲
監督: 石田 学

試合展開

立ち上がりは静岡ペース、しかしオルカも狙いを持って応戦

圧倒的な攻撃力を持つ静岡が一方的に押し込み、オルカは耐えながらカウンターを狙う――試合前はそのような展開を予想していた。しかし、実際のピッチではオルカも明確な狙いを持って対抗し、試合は見応えのある攻防となった。

やはり序盤の主導権は静岡が握る。#10横山久美を中心に前線が鋭くプレスをかけ、最終ラインまでコンパクトな陣形を維持。攻撃に転じれば、各選手が一気にスピードを上げてゴールへ迫った。

対するオルカは、FW#19太田凪砂がボランチの位置まで下がって守備の枚数と強度を補完。ボールを奪うと少ないタッチで前進し、スピードのある#14蔵田あかり、#24江藤里桜奈の両サイドを広く使う。前線では高さと強さを持つ#19太田、#22北村ほのかが起点となり、それに合わせて最終ラインも押し上げ、攻撃の厚みとセカンドボール回収率を高めようとしていた。

米澤の好守で耐えるオルカ、静岡は23分に先制

互いに強度の高い守備を見せ、見ている側も思わず力が入るような攻防が続く。19分には、オルカが自陣で後ろ向きに運んだ場面で静岡が素早くプレスバック。こぼれ球を#10横山が収め、そのまま左足で強烈なシュートを放ったが、これはオルカGK#1米澤萌香がスーパーセーブ。失点の危機をしのいだ。

それでも先制したのは静岡だった。23分、#10横山久美の鋭いスルーパスに上西可奈子が反応して#22右サイドを突破。マイナス方向への折り返しに#15岸野早奈が左足でワンタッチで合わせ、静岡が均衡を破った。岸野はこれで2試合連続ゴールとなった。

オルカは前半途中から修正、押し返す時間も作る

追う展開となったオルカは、中盤のプレス強度を高めて高い位置でボールを奪う回数を増やしていく。最終ラインではリスクを避け、タッチライン際や前線へとシンプルに蹴り出す選択も増えた。静岡の前線からの圧力に対し、無理につなぎすぎない判断は現実的だった。

もっとも、静岡の圧力はやはり脅威で、オルカの武器である両サイドが低い位置を取らされる時間も長い。そのため、攻撃時の厚みが不足する場面も少なくなかった。

それでも前半終盤、オルカはチャンスを作る。#29中西茉里奈のクロスから#19太田凪砂がヘディングでゴールを狙う場面もあった。しかし、静岡GK#21田谷春海が落ち着いて対応。前半は静岡の1点リードで終了した。

後半序盤はオルカが前進、互角の攻防に持ち込む

後半立ち上がりは、オルカが前へ出る時間帯となった。静岡陣内でプレーする場面が増え、中盤では激しい奪い合いが続く。両チームとも一歩も譲らず、球際の勝負が試合の緊張感をさらに高めた。

ただ、サイドや前線での個の能力、崩しの完成度という点では、静岡がやはり一歩上回っていた。オルカが前に出た時間帯をしのぐと、静岡はカウンターを起点に再び流れを引き戻し、徐々に支配を強めていく。

それでもオルカの守備は最後までよく整理されていた。ボールを狭い局面へ追い込み、最終ラインでは#4松尾菜月、#3月東優季乃が勇気を持って相手にチャレンジ。周囲の選手も体を張ってブロックし、決定的な場面を簡単には作らせなかった。

交代で勝負に出たオルカ、最後は静岡がゲームを締める

同点に追いつきたいオルカは、今季初めてメンバー入りした#11河野有希を投入。サイドのスピードと推進力の強化を図る。さらに、#22北村ほのかに代えて#27今田紗良、#19太田凪砂に代えて#7並木千夏を送り込み、前線の強度を高めた。何としても1点を奪うという意思がはっきりと伝わる交代策だった。

しかし、押し込まれても押し返せるのが今季の静岡の強さでもある。終盤は再び主導権を握り、85分過ぎからは効果的に時間を使いながら試合をコントロール。オルカも前へ急いだが、最後まで同点ゴールには届かなかった。

試合は1-0で終了。ホームの静岡SSUボニータが勝利し、連勝と無敗を維持した。

総括

静岡SSUボニータ

この日は横山久美にゴールこそ生まれなかったものの、やはりボールを持てば相手にとって極めて大きな脅威となる。テクニック、スピード、フィジカル、判断力、そして視野の広さを高い水準で兼ね備えており、リーグ屈指の存在であることをあらためて印象づけた。

さらに、仮に横山をある程度抑えたとしても、周囲の選手たちも基礎能力が高く、ハードワークを厭わない。守備力の高い相手に対しても勝ち切れる点は、今季の静岡の強みだろう。

また、今季は守備の安定感も増している。開幕節の失点以降はクリーンシートを重ねており、補強選手も含めてチーム全体が機能している印象だ。もっとも、「攻撃は最大の防御」という面もあり、厳しい守備局面そのものはそこまで多くない。真の守備力については、今後さらに難しい試合で見極めていきたい。

オルカ鴨川FC

オルカは最強クラスの相手に対して善戦した。中盤から前線にかけての個の質や崩しの完成度では静岡に分があったものの、守備組織は最後まで集中を切らさず、失点場面以外で大きく崩れた印象は薄い。

むしろ、防戦一方にならず勇気を持って応戦できた点は評価したい。静岡の強力な攻撃陣を相手に、粘り強く試合を壊さず進めたことは、オルカの現在地を示す内容だった。

課題を挙げるなら決定力だろう。ただし、昨季と比べればシュート意識や得点の匂いは明らかに増しており、補強と積み上げが少しずつ形になっているようにも見える。ルーキーの#19太田凪砂、#29中西茉里奈が首位チーム相手にも臆せず戦えていたことも、今後に向けた明るい材料と言える。

順位表

第6節を終了時点で、静岡SSUボニータは首位を維持。オルカ鴨川FCは6位へと順位を落とした。

順位チーム名勝点試合数勝分負得点失点得失点
1静岡SSUボニータ16651022121
2ヴィアマテラス宮崎1464201477
3岡山湯郷Belle1163211091
4朝日インテック・ラブリッジ名古屋962311192
5伊賀FCくノ一三重96231761
6オルカ鴨川FC86222853
7愛媛FCレディース86222913-4
8ニッパツ横浜FCシーガルズ76213911-2
9日体大SMG横浜76213920-11
10ASハリマアルビオン5612379-2
11スフィーダ世田谷FC461141215-3
12VONDS市原FCレディース06006316-13

次節、静岡SSUボニータはニッパツ横浜FCシーガルズとのアウェー戦へ。オルカ鴨川FCはホームでVONDS市原FCレディースを迎え、初の房総ダービーに臨む。

静岡には無敗継続へ向けた勝利を、オルカには気持ちを切り替え、ホームで迎える房総ダービーで勝点3をつかんでほしいところだ。

リソース

チーム紹介

静岡SSUボニータ
静岡SSUボニータの2026シーズン成績やスタッツ、横山久美を軸とした攻撃力と守備の安定を紹介。中島咲友菜、上西可奈子、彦坂桃花ら注目選手や試合レビューもまとめています。
オルカ鴨川FC
オルカ鴨川FCの2026シーズン成績やスタッツ、堅守を軸としたチームの特徴を紹介。米澤萌香、越路萌永、浅野綾花ら注目選手の特徴や、なでしこリーグ1部の試合レビュー記事もまとめています。

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