ホーム2連戦となったASハリマアルビオンが、現在3位の岡山湯郷Belleを迎えた一戦。開幕節以来の勝利を目指すハリマと、上位争いに踏みとどまりたい湯郷による試合は、序盤から点が動く激しい打ち合いとなった。
試合はASハリマアルビオン 3-4 岡山湯郷Belle。ハリマが二度リードを奪いながらも、湯郷が終盤に追いつき、後半アディショナルタイムに逆転。アウェーの岡山湯郷Belleが劇的な勝ち点3を持ち帰った。
注目ポイント
- 2連敗中のASハリマアルビオンは、ホームゲームで浮上のきっかけとなる勝利を挙げることができるか。
- ここまでリーグ3位につける岡山湯郷Belleは、今節も勝ち点を積み上げ、上位争いに食い込み続けることができるか。
試合情報
| ASハリマアルビオン | 岡山湯郷Belle |
|---|---|
| 3 | 4 |
| 12分 千葉 園子 30分 正野 可菜子 58分 正野 可菜子 | 5分 岸波 美采 32分 岸波 優妃 74分 岸波 美采 90+1分 寺尾 星奈 |
| 会場 | ウインク陸上競技場(兵庫県) |
| 観客数 | 584人 |
スターティングラインナップ・登録メンバー
ASハリマアルビオン
試合前には、#14正野可菜子のリーグ通算150試合出場達成記念セレモニーが行われた。節目の一戦を勝利で飾れるかも、ハリマにとって大きな見どころとなった。
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 41 | 小暮 千晶 | |
| DF | 4 | 阪中 澪 | 61▼ |
| DF | 5 | 小島 美玖 (Cap.) | 90+3▼ |
| DF | 6 | 佐々木 美悠 | |
| DF | 2 | 児玉 耀 | |
| MF | 8 | 小池 快 | |
| MF | 14 | 正野 可菜子 | |
| MF | 17 | 唐橋 万結 | |
| FW | 9 | 川﨑 咲耶 | |
| FW | 10 | 千葉 園子 | |
| FW | 33 | 椎野 彩香 | 61▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 原田 実歩 | |
| DF | 19 | 高松 芹羽 | 90+3▲ |
| DF | 20 | 山口 歌子 | 61▲ |
| MF | 15 | 大原 和夏 | |
| MF | 18 | 阿部 文音 | |
| FW | 13 | 今蔵 綾乃 | |
| FW | 23 | 井上 麗叶 | 61▲ |
| 監督: 菅野 将晃 | |||
岡山湯郷Belle
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 34 | 三田 一紗代 (Cap.) | |
| DF | 19 | 沖田 有由 | |
| DF | 20 | 岸波 優妃 | |
| DF | 14 | 塩谷 瑠南 | |
| DF | 18 | 村上 夏奈瀬 | HT▼ |
| MF | 3 | 梶山 朋恵 | |
| MF | 2 | 森 宙舞 | 25▼ |
| MF | 30 | 松崎 こころ | |
| MF | 26 | 柏原 凪沙 | HT▼ |
| FW | 25 | 香椎 彩香 | 88▼ |
| FW | 24 | 岸波 美采 | 75▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 福元 美穂 | |
| MF | 8 | 南山 千明 | |
| MF | 10 | 中野 琴音 | HT▲ |
| MF | 17 | 新谷 楓華 | 25▲ |
| MF | 28 | 雪山 琴未 | 88▲ |
| FW | 21 | 寺尾 星奈 | HT▲ |
| FW | 23 | 国吉 花吏埜 | 75▲ |
| 監督: 和多田 充寿 | |||
試合展開
立ち上がりから動いた試合、岸波美采のPKで湯郷が先制
序盤からいきなり試合が動く。
ハリマのゴール前で混戦となり、ハリマの選手が湯郷の選手を倒したとして主審はPKを指示。これを#24岸波美采が落ち着いて決め、前半5分で岡山湯郷Belleが先制した。
早い時間に追いつきたいハリマは、サイドを広く使いながら縦に速く攻める。失点後も受け身にならず、前線からの圧力と球際の強度を保ちながら攻勢を強めた。
12分、ハリマはコーナーキックの流れからゴール前でこぼれ球を拾うと、最後は#10千葉園子が押し込んで同点。千葉は2試合連続ゴールとなり、試合を1-1に戻した。
ハリマが主導権を握る展開、正野可菜子の一撃で逆転
同点後は、運動量のハリマ、ビルドアップの湯郷という構図がはっきりした。
ハリマは湯郷の最終ラインに対しても厳しくプレスをかけ、相手のビルドアップを前進させない。湯郷が後方から丁寧につなごうとする場面でも、ハリマは前から人数をかけて圧力をかけ、試合の流れを自分たちの方へ引き寄せていった。
30分、ハリマが逆転に成功する。右サイドで#10千葉園子から#33椎野彩香へとつなぎ、最後は#14正野可菜子。左足で放ったシュートがゴールネットを揺らし、ハリマが2-1とリードを奪った。150試合出場達成の節目を迎えた正野が、メモリアルゲームで大きな仕事を果たした。
湯郷もすぐに反撃、岸波優妃のゴールで前半は2-2
ホームのハリマがこのまま勢いに乗るかと思われたが、湯郷もすぐに試合を振り出しに戻す。
32分、右サイドからのクロスに対してハリマGK#41小暮千晶が飛び出す。しかしボールには触れず、中央に入っていた#20岸波優妃のもとへ。岸波優妃がワンタッチで合わせ、湯郷が2-2に追いついた。
同点となった後も、流れとしてはハリマが優勢だった。運動量と球際の強度で湯郷を上回り、相手のビルドアップを明確に潰すためのハイプレスを継続。湯郷に自由な前進を許さず、前半は2-2で終了した。
後半序盤にハリマが勝ち越し、正野可菜子が鮮やかなループシュート
前半はやや押し込まれる時間が長かった湯郷だが、後半に入ると積極性が増した。球際への寄せも厳しくなり、ハリマの推進力に対抗する姿勢を見せる。
それでも、ボールを握って主導権を取ったのはハリマだった。58分、ハリマが再び勝ち越す。最終ラインの#6佐々木美悠から始まったワンタッチパスの連続が、フィニッシュまでつながった。#6佐々木、#4阪中澪、#8小池快、#9川﨑咲耶、#10千葉園子、そして最後は#14正野可菜子。正野がワンタッチでループ気味に合わせると、ボールはGKの頭上を越えて湯郷ゴールへ吸い込まれた。
ハリマの鮮やかな連係がホームスタジアムを沸かせる。正野はこの日2ゴール目。記念試合にふさわしい存在感を示した。
湯郷が再び追いつく、岸波美采がこの日2点目
前半からハイペースで飛ばしていたハリマは、61分に最終ラインと前線を同時に入れ替える。#4阪中澪に代えて#20山口歌子、#33椎野彩香に代えて#23井上麗叶を投入し、運動量と強度の維持を図った。
しかし、湯郷も粘る。74分、湯郷が再び同点に追いつく。映像ではプレーの一部が見切れていたが、公式記録上は右サイドのスローインを起点に、湯郷がサイドから中央へボールを運んで仕留めた形だった。#24岸波美采はこの日2得点。早い時間のPKに続き、終盤の重要な時間帯でも結果を残した。
後半AT、湯郷・寺尾星奈が劇的な逆転弾
再び同点となり、試合は完全に打ち合いの様相を呈した。
後半終盤には、湯郷のカウンターから#23国吉花吏埜が自陣からドリブルで一気に駆け上がる場面があった。これを追うハリマ#9川﨑咲耶とのスピード勝負は見応えがあり、両者の走力と執念がぶつかる場面だった。
その流れから湯郷はコーナーキックを獲得。そして後半アディショナルタイム、湯郷がついに試合をひっくり返す。
90+1分、湯郷は左サイドから#10中野琴音がボールを運び、中央へクロス。#21寺尾星奈のヘディングシュートはクロスバーに当たったが、その跳ね返りに自ら反応し、右足で押し込んだ。
土壇場で湯郷が3-4と逆転。試合はそのまま終了し、アウェーの岡山湯郷Belleが今季3勝目を挙げた。
総括
内容面では、ハリマが主導権を握る時間が長かった試合だった。湯郷は終始楽な試合ではなかった。それでも最終的に湯郷が勝利したのは、今季ここまで湯郷がリーグ上位に位置しているだけの理由があった。
ASハリマアルビオン
立ち上がりにPKで失点しながらも、攻める姿勢を崩さず、前線からのプレスと球際の強度で湯郷のビルドアップを苦しめた。特に前半は、どちらが上位チームかわからないほど、ハリマの運動量と前向きな守備が目立っていた。
攻撃面でも、千葉園子の2試合連続ゴール、正野可菜子の2得点と、チームとして良い形は作れていた。58分の勝ち越しゴールは、後方からのつなぎ、テンポの良いパス交換、最後のループシュートまで含めて非常に見応えがあった。
それだけに、3得点を挙げながら勝ち切れなかったことは痛い。多くのチャンスを作りながら追加点を奪い切れず、逆に湯郷には限られた好機を確実に得点へつなげられた。
湯郷の決定力を称えるべき試合であると同時に、ハリマとしては、試合を優勢に進めた時間帯でどれだけ突き放せるか、終盤の守備強度をどれだけ保てるかが今後の課題となる。
岡山湯郷Belle
前半だけを見れば、ハリマのプレスと運動量に苦しみ、得意とするビルドアップを十分に出せない時間が長かった。後方から丁寧につなごうとしても、ハリマの圧力を受け、思うように前進できない場面が目立った。
それでも、湯郷は崩れなかった。前半のうちに2-2へ戻し、後半もリードを許しながら74分に同点。そして後半アディショナルタイムに寺尾星奈が逆転弾を決めた。
今季ここまで3勝2分1敗。得点力で圧倒しているわけでも、守備が特別に堅いわけでもない。それでも敗戦はわずか1つにとどめている。前節のオルカ鴨川FC戦でも後半アディショナルタイムに同点ゴールを挙げ、アウェーで貴重な勝ち点1を持ち帰った。今節も終盤に試合を動かし、今度は勝ち点3をつかみ取った。
シーズン序盤に機能していたビルドアップは、相手チームから対策されつつある。それでも、試合ごとに整理と修正を重ねながら勝ち点を拾えている点は、湯郷の強みと言える。内容で苦しむ試合でも結果を持ち帰れる粘り強さは、上位争いを続けていくうえで大きな武器になるはずだ。
順位表
第6節終了時点で、ASハリマアルビオンは10位。一方の岡山湯郷Belleは3位につけている。。
| 順位 | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 静岡SSUボニータ | 16 | 6 | 5 | 1 | 0 | 22 | 1 | 21 |
| 2 | ヴィアマテラス宮崎 | 14 | 6 | 4 | 2 | 0 | 14 | 7 | 7 |
| 3 | 岡山湯郷Belle | 11 | 6 | 3 | 2 | 1 | 10 | 9 | 1 |
| 4 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 9 | 6 | 2 | 3 | 1 | 11 | 9 | 2 |
| 5 | 伊賀FCくノ一三重 | 9 | 6 | 2 | 3 | 1 | 7 | 6 | 1 |
| 6 | オルカ鴨川FC | 8 | 6 | 2 | 2 | 2 | 8 | 5 | 3 |
| 7 | 愛媛FCレディース | 8 | 6 | 2 | 2 | 2 | 9 | 13 | -4 |
| 8 | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 7 | 6 | 2 | 1 | 3 | 9 | 11 | -2 |
| 9 | 日体大SMG横浜 | 7 | 6 | 2 | 1 | 3 | 9 | 20 | -11 |
| 10 | ASハリマアルビオン | 5 | 6 | 1 | 2 | 3 | 7 | 9 | -2 |
| 11 | スフィーダ世田谷FC | 4 | 6 | 1 | 1 | 4 | 12 | 15 | -3 |
| 12 | VONDS市原FCレディース | 0 | 6 | 0 | 0 | 6 | 3 | 16 | -13 |
次節、ASハリマアルビオンは朝日インテック・ラブリッジ名古屋とのアウェー戦に臨む。今節、内容面では前向きな材料が多かっただけに、次こそ勝ち点につなげたい。
岡山湯郷Belleは、ホームに2位のヴィアマテラス宮崎を迎える。上位直接対決となるだけに、ここで勝ち点を積み上げられれば、リーグ序盤の主役の一角として存在感はさらに高まる。
ハリマには浮上のきっかけとなる1勝を、湯郷にはリーグをさらに面白くする上位対決での好ゲームを期待したい。
リソース
フルマッチLIVE配信(Youtube)
第6節全試合ハイライト動画
公式記録


