敵地・宮崎で昨シーズンの王者に初の敗北を喫したオルカ、宮崎はここから調子を上げて連覇を狙えるか|2025プレナスなでしこリーグ1部・第4節 オルカ鴨川FC x ヴィアマテラス宮崎

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要約

序盤は互いに高いラインで攻め合うも、ヴィアマテラス宮崎がサイドを起点に試合を支配。
後半70分、ヴィアマテラス宮崎は#11板倉の突破から#13川添ゆずが先制し、終了間際にも#7有馬りこが追加点。
オルカ鴨川FCは守備で粘るも攻撃が噛み合わず、0-2で敗戦した。

注目ポイント

  • オルカ鴨川FCは3戦連続の0-0。シーズン初得点・初勝利なるか。
  • 昨シーズン王者のヴィアマテラス宮崎は開幕3連敗中。シーズン初勝利なるか。

試合情報

  • 会場:いちご宮崎新富サッカー場(ヴィアマテラス宮崎ホームスタジアム)
  • 観客数:1,088名

フォーメーション・スターティングラインナップ

オルカ鴨川FCは前節からスタメンを3人入れ替え。

  • センターバック #4松尾菜月選手 → #18松本はな選手
    • オルカ鉄壁の守備を担う#4松尾菜月選手がベンチ外。今シーズンWEリーグのちふれASエルフェン埼玉からレンタル移籍中の長身CB#18松本はな選手を起用。
  • 左サイドバック #24谷口愛奈選手 → #17越路萌永選手
  • 左サイドハーフ #10ALMA DAVIS選手 → #11河野有希選手
  • 今期マイナビ仙台レディースから加入したMF#13浅坂真桜選手がなでしこリーグ初ベンチメンバー入り

試合展開

前半

序盤はお互いににライン高く前へ前への意識が強いが、サイドに数的優位を作るヴィアマテラス宮崎が徐々にペースを握る。

2024シーズンの覇者であるヴィアマテラス宮崎は今シーズン開幕から3連敗中。この日のヴィアマテラスは守備時に両SHが自陣深くまで下がって5バックのような形になるが、積極的に縦への飛び出しも行い、両ウイングの#11板倉楓選手と#10寺田妃花選手を活かしピッチを広く使ってオルカを攻める。対するオルカは最終ラインからのビルドアップを試みるがショートパスの球離れが悪くカットされる。では最終ラインから最前線にロングボールを送るも呼吸が合わず。

前半26分、ヴィアマテラス宮崎#4小澤選手が#10寺田選手に鋭いボールが入ると、この日初先発のオルカ#18松本はな選手が少し遅れて後ろからチャージをしてしまい、イエローカードを提示される。

このフリーキックをオルカ守備陣がペナルティエリア内で間接フリーキックの判定。ヴィアマテラス宮崎のキャプテン#6松井彩乃選手が壁に当てて#13川添ゆず選手がグラウンダーシュートを放つも壁に当たる。セカンドボールを拾ったヴィアマテラス宮崎はさらにゴール前にセンタリングを上げて#29今蔵綾乃選手が合わせるもオルカGK#16大原もも選手がセーブ。オルカはゴール前の混戦を守り切った。

31分、オルカのが鋭い攻撃を見せる。右SB#14菅原選手が縦に鋭いパス。これを#9齊藤彩花選手→#23安東選手と繋がる。中盤まで下がって守備に貢献していた#8新田選手がペナルティエリア付近に走りこんでおり、#23安東選手は#8新田選手にパス。新田選手はペナルティエリア内に侵入しワンタッチで相手DFを一人交わすが二人目に引っかかってしまいシュートならず。

33分、オルカは#9齊藤彩花選手、#8新田選手、#11河野選手が前線で連動したプレスを仕掛け、ヴィアマテラス#25池田玲奈選手が苦し紛れのドリブル。それを#5浅野選手がカットしてオルカが左サイドでチャンスを作る。#5浅野選手・#17越路選手・#11河野選手が絡んで相手ゴールに迫るもヴィアマテラス宮崎がしっかりとゴール前に人数を揃えておりシュートには至らず。

40分にヴィアマテラス宮崎はDFから縦のボールを送られた#11板倉選手が一気に加速してペナルティエリア内に侵入。これをオルカDF#3月東選手が走り合って板倉選手を自由にさせない。板倉選手は中に走りこんできていた#16福丸選手にグラウンダーのクロスを送るも合わず、逆にオルカは左サイド深くまで戻っていた#11河野選手が猛然とドリブルで相手を躱して駆け上がるもヴィアマテラス#13川添選手が足を伸ばしてタッチラインにクリア。

41分、オルカ#14菅原選手がフリーになった約30mの距離から直接ゴールを狙うが、ゴールマウス上方に外れる。

44分、ヴィアマテラス宮崎のペナルティエリア内でオルカ#11河野選手とヴィアマテラス#17小澤選手が接触。両チームの医療スタッフがピッチに入り、2人の状態確認のためにしばし試合が止まるが、2人とも立ち上がりプレー続行。

ATにヴィアマテラス宮崎がコーナーキックから波状攻撃を仕掛けるもゴール前を固めたオルカ選手陣と、GK#16大原選手のナイスセーブもあってゴールを割ることができずに前半終了。

前半のシュート数はオルカ鴨川FCが1本、ヴィアマテラス宮崎が3本。

後半

ハーフタイムの選手交代、オルカ鴨川FCはなし。ヴィアマテラス宮崎はFW#16福丸智子OUT、#24山岸夢歩IN。

後半もヴィアマテラス宮崎がボールを保持して試合が進む。53分、ヴィアマテラス#10宮崎が左サイドから突破を図るがこれをオルカ#18松本が対人の強さを見て阻止。松本はスピードがないものの当たり負けしない。

57分にヴィアマテラス宮崎は右サイドからのスローインから#10寺田がシュート。これをオルカ#14ス側が体を投げ出して阻止、#18松本がクリア。このクリアボールをヴィアマテラス#20中野がダイレクトボレー。これを胸トラップした#11板倉がシュートを放つも枠を捉えることができない。

58分にオルカ鴨川FCが選手交代。#23安藤美奈を下げて#20上田麻莉が入る。上田はFWにポジションを取り、右FWだった新田選手が一列下がってSHに移る。

64分にヴィアマテラス宮崎は左サイドからフリーキックのチャンスを#6松井選手が直接ゴールを狙う。これをオルカGK#18大原選手がパンチング。こぼれ球をヴィアマテラスの選手が押し込もうとするがミートできず、最後は大原選手がキャッチング。オルカの劣勢は続くが何とか凌ぐ。

65分にヴィアマテラス宮崎が選手交代。#17小澤選手OUT、#7有馬りこ選手IN。

66分から68分にかけてオルカの右サイドで#20上田選手とヴィアマテラス#2大矢選手が激しいマッチアップ。お互い1枚ずつ警告を受ける。

70分、ヴィアマテラスGK#1暁静流選手のフィードをオルカCBが対応しようと前に出たが#5浅野選手・#8新田選手とポジションが被った上にクリアできず。このボールをヴィアマテラス#11板倉選手がワンタッチで山岸選手に送るがオルカ#17越路選手がカット。こぼれ球を拾った#11板倉選手が左サイドにオルカ#14菅原選手と#8新田選手を釣りだして角度のないところからゴールに向かってドリブル突破。板倉選手のドリブルはゴールラインを割ったように見えたがプレーオン。一瞬プレーが切れたと判断したオルカ守備陣たちは対応が遅れ、フリーになっていた#13川添ゆず選手にマイナスのパスが通る。川添選手は落ち着いてダイレクトでグラウンダーシュートを放つ。これがゴール左隅に決まってヴィアマテラス宮崎が先制点を挙げる。

オルカの選手たちは板倉選手のドリブルがゴールラインを割っていたとアピールするも主審の判定は変わらず。この日手を焼いていた#11板倉選手のドリブルにやられてしまった形となった。

72分にオルカが選手交代。#8新田琴瑞選手OUT、#10アルマ・デービス選手IN。#10アルマ選手がFWに入ると思ったが左SHに入る。河野選手は右SHにポジションを移す。

77分にヴィアマテラス宮崎は2枚替え。SBとMFをフレッシュな選手に変えて中盤の支配力を維持する狙いか。さらに83分にFW#11板倉選手に代わって#30富沢選手がIN。

AT、ヴィアマテラス宮崎#29今蔵選手のクロスをオルカGK大原選手がパンチング。ルーズボールを拾ったヴィアマテラス#7有馬りこ選手が左足で落ち着いてシュートを放ちゴールを沈めて0-2で勝負あり。

その後もヴィアマテラス宮崎は#29今蔵選手、#24山岸選手が鋭いシュートを放つもオルカGK#16大原選手が防ぎ、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

総括

オルカ鴨川FC

開幕3戦連続得点ゼロで引き分けが続いた後、この日も無得点でついに黒星を喫する。攻撃面では#11河野有希選手のドリブルくらいしか効果的な策が見えず。相手のプレッシャーが厳しかったのはあるが、先制されて追う立場になってもリスクをとった攻撃は見られず。

1失点目を振り返ると、CBに危機察知能力とポジショニングが優れる#4松尾菜月選手がいれば、ヴィアマテラス宮崎のゴールキックに対しての対応だったり、#13川添選手に対して体を寄せることができていたかもしれない。

コンディションが悪いのか監督の指示なのか、#9齊藤彩花選手は前節スフィーダ世田谷戦の時とは変わってボールへの関与が少なかった。また、交代策も適切だったのか。アルマが入った左サイドを使う意図も見られなかった。交代枠も3枚残したままであり、采配に疑問が残る。

この試合では3人にイエローカードが出され、いろいろと難しい試合となった。見受けられた改善点といえば左サイドの守備だが、終始押し込まれる展開が続いたのでSBの攻撃参加回数が極端に少なかった影響もある。攻守ともに、早急にテコ入れが必要なように思える。

ヴィアマテラス宮崎

2024シーズンの王者として臨んだ今シーズンだが開幕ダッシュに失敗し3連敗。しかし今節は運動量豊富に強度の高いプレーを見せ、なでしこリーグでは多い1,000人を超える観客が入ったホームゲームで今シーズン初勝利を飾った。#11板倉楓選手のドリブル突破は終始オルカ鴨川FCを苦しめた。途中交代の#7有馬りこ選手がゴールを決め、采配が的中した。ここから連勝して上位浮上なるか。

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