2026プレナスなでしこリーグ1部は、第11節を終えてシーズン前半戦を終了した。
首位・静岡SSUボニータは、VONDS市原FCレディースを5-1で下し、前節の敗戦から立て直した。2位・ヴィアマテラス宮崎も、オルカ鴨川FCに2-0で勝利。首位との勝点差2を維持し、後半戦へ向かうことになった。
3位の朝日インテック・ラブリッジ名古屋は、岡山湯郷Belleを2-0で破って3連勝。伊賀FCくノ一三重も日体大SMG横浜に3-0で快勝し、5位から4位へと浮上。上位陣はそろって勝点3を積み上げた。
一方で、中位から下位にかけては明暗が分かれた。ASハリマアルビオンはニッパツ横浜FCシーガルズに2-0で勝利し、開幕節以来となる今季2勝目を挙げた。スフィーダ世田谷FCと愛媛FCレディースの直接対決は0-0。愛媛が主導権を握りながらも決め切れず、世田谷がGK大塚美緒を中心に無失点で勝点1をつかんだ。
第11節の試合結果
| 対戦カード | 結果 | 超概要コメント | リンク |
|---|---|---|---|
| VONDS vs 静岡 | 1-5 | 静岡が首位の攻撃力を発揮 | 試合レビュー |
| 日体大 vs 伊賀 | 0-3 | 伊賀が攻守に安定し快勝 | 試合レビュー |
| 名古屋 vs 湯郷 | 2-0 | 名古屋が3連勝で前半戦終了 | 試合レビュー |
| オルカ vs 宮崎 | 0-2 | 宮崎が小澤寛2発で勝利 | 試合レビュー |
| ニッパツ vs ハリマ | 0-2 | ハリマが前半戦最後に白星 | 試合レビュー |
| 世田谷 vs 愛媛 | 0-0 | 愛媛優勢も世田谷が耐える | 試合レビュー |
第11節で見えたリーグの現在地
第11節は、前半戦の最終節らしく、上位陣の勝負強さと中位・下位チームの課題がはっきり表れた節だった。
上位4チームがいずれも勝点3を積み上げたことで、前半戦終了時点の上位構図は大きく変わらなかった。
一方で、中位・下位では「良い時間帯を結果につなげる難しさ」が目立った。ニッパツ横浜FCシーガルズは序盤の決定機を生かせず、ASハリマアルビオンに0-2で敗戦。愛媛FCレディースはスフィーダ世田谷FCを押し込みながらも決め切れず、0-0に終わった。
その中で、ハリマの勝利は大きい。後半に千葉園子、井上麗叶が得点し、開幕節以来となる今季2勝目を挙げた。苦しい前半戦の最後に、後半戦へつながる勝点3を手にした。
第11節で見えたのは、上位チームの「試合を決める力」と、中位・下位チームの「勝点に変える力」の差である。後半戦は、この差をどのチームが縮められるかが、順位争いの焦点になる。
各対戦カード振り返り
VONDS市原FCレディース 1-5 静岡SSUボニータ
静岡が、首位チームらしい修正力と攻撃力を見せた試合だった。
VONDS市原は先制されたものの、そこで受け身に回らず、すぐに同点に追いついた。しかし、静岡はそこからVONDSを圧倒した。中島咲友菜が前半だけで3得点を挙げ、試合の流れを一気に引き寄せた。
静岡にとっては、前節の名古屋戦で今季初黒星を喫した直後の一戦だった。悪い流れを引きずる可能性もあったが、攻撃陣がしっかり反発したことは大きい。万力安純、横山久美も得点し、5得点で勝利した。
一方のVONDS市原は、先制されながらもすぐに同点に追いついたこと自体は収穫だった。しかし、得点後に試合を落ち着かせることができず、静岡の攻撃を受け続ける展開になった。前半戦を未勝利で終えることになったが、後半戦に向けては守備の安定が課題になる。
詳しい試合レビュー:

日体大SMG横浜 0-3 伊賀FCくノ一三重
伊賀が、前半のうちに主導権を握り切った試合だった。
立ち上がりは日体大がロングボールと前線のスピードを生かして攻勢を見せた。しかし、時間の経過とともに伊賀が中盤で上回り始める。セカンドボールを回収し、サイドを使って前進することで、日体大を押し込んだ。
20分に渡邊凜が先制点を挙げると、前半終了間際には唐沢芽依が追加点。後半も伊賀は試合を大きく崩さず、終盤に秦美結が3点目を決めた。
伊賀にとっては、今季最多となる3得点での快勝である。守備でも無失点に抑え、3連勝で前半戦を終えた点は大きい。上位争いに踏みとどまるだけでなく、後半戦へ向けてチーム状態の良さを示した。
日体大は、入りの時間帯には可能性を見せたが、伊賀の強度と中盤の運動量に対して徐々に後手に回った。守備の安定と、押し込まれた時間帯にどう前進するかが引き続き課題である。
詳しい試合レビュー:

朝日インテック・ラブリッジ名古屋 2-0 岡山湯郷Belle
名古屋が、セットプレーの精度と試合運びで勝ち切った。
前節、首位・静岡に3-0で勝利した名古屋は、前半戦の最終戦でも勢いを維持した。35分に橘麗衣が先制し、87分には安部由希子が追加点。2-0で岡山湯郷Belleを下し、3連勝で前半戦を終えた。
名古屋は序盤戦こそ勝ち切れない試合もあったが、シーズンが進むにつれてチームとしての完成度を高めている。特に、保持しながら相手を押し込むだけでなく、セットプレーで得点を奪える点は大きな武器になっている。
湯郷も粘り強く戦ったが、最後はセットプレーの差が結果に直結した。ビルドアップを得意とするチーム同士の対戦でありながら、勝敗を分けたのはゴール前の精度だった。
詳しい試合レビュー:

オルカ鴨川FC 0-2 ヴィアマテラス宮崎
宮崎が、強度と運動量でオルカを上回った。
オルカはホームで上位の宮崎を迎えたが、試合全体を通じて宮崎の圧力を受ける時間が長くなった。宮崎は前線からの強度、切り替えの速さ、球際の強さで優位に立ち、40分に小澤寛が先制。57分にも小澤が追加点を挙げ、2-0で勝利した。
オルカは守備で粘る時間を作ったものの、攻撃の回数を増やすことができなかった。ボールを奪ったあとに前進する場面が限られ、宮崎の圧力を押し返し切れなかった。
宮崎にとっては、首位・静岡との勝点差2を維持する重要な勝利だった。前半戦を2位で折り返し、後半戦の優勝争いに向けて十分な位置につけている。
オルカにとっては、上位チームと渡り合うために必要なプレースピード、攻撃への移行、押し込まれた後の前進という課題が見えた試合だった。
詳しい試合レビュー:

ニッパツ横浜FCシーガルズ 0-2 ASハリマアルビオン
ハリマにとって、前半戦の最後に大きな意味を持つ勝利だった。
試合序盤は、ニッパツが前への勢いを見せた。ホームで勝利し、上位進出への足場を固めたい一戦だったが、決定機を生かし切れなかった。
ハリマは、その時間帯を無失点で耐えると、徐々に押し返した。後半57分、千葉園子が先制点を奪う。さらに68分、井上麗叶が追加点を決め、2-0とした。
ニッパツは前半攻めていた時間帯に得点を奪えなかったことに加え、後半はビルドアップのミスから失点。縦への推進力と保持の安定感を両立できず、前半戦最終節を黒星で終えた。
一方のハリマは、開幕節以来となる勝利を手にした。内容面でも、守備の粘り、前線の献身性、セットプレーの決定力が出た試合だった。後半戦へ向けて、チームにとって大きな勝点3である。
詳しい試合レビュー:

スフィーダ世田谷FC 0-0 愛媛FCレディース
スコアは0-0だったが、内容面では愛媛が優勢に進めた試合だった。
愛媛はビルドアップとセカンドボール回収で主導権を握り、世田谷を押し込んだ。右サイドからの前進、中央でのつなぎ直し、背後へのボールを織り交ぜながら、何度もゴール前に迫った。
しかし、ラストパス、クロス、シュートの精度があと一歩足りなかった。チャンスを作りながらもゴールを奪えず、勝点3には届かなかった。
世田谷は攻撃の時間が限られたが、GK大塚美緒を中心に粘り強く守った。序盤の決定機を防いだ大塚のセーブは、この試合の流れを大きく左右した。押し込まれる時間が長かった中で、無失点で終えたことには価値がある。
愛媛にとっては、内容を結果につなげ切れなかった試合。世田谷にとっては、苦しい展開から勝点1を得た試合だった。
詳しい試合レビュー:

順位変動と順位表(第11節終了時点)
上位4チームがすべて勝利したため、首位争いの構図は大きく変わらなかった。静岡が首位を維持し、宮崎が勝点差2で追走。名古屋と伊賀も勝点3を積み上げ、上位争いに踏みとどまった。
一方で、5位オルカは宮崎に敗れ、4位から5位へと順位を落とし、上位4チームとの差が広がった。中位ではニッパツと湯郷がともに敗戦し、勝点14で並んだまま。愛媛と世田谷は直接対決で引き分け、順位差を大きく動かすことはできなかった。
下位では、ハリマの勝利が大きい。勝点を9に伸ばし、10位の日体大との勝点差を1に縮めた。VONDS市原は11連敗で前半戦を終え、後半戦での巻き返しが急務となる。
過去5試合:勝利 引き分け 敗戦
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(1) | 静岡SSUボニータ | 26 | 11 | 7 | 2 | 1 | 34 | 7 | +27 | |
| 2(2) | ヴィアマテラス宮崎 | 24 | 11 | 7 | 3 | 1 | 23 | 10 | +13 | |
| 3(3) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 22 | 11 | 6 | 4 | 1 | 27 | 11 | +16 | |
| 4(5) | 伊賀FCくノ一三重 | 21 | 11 | 6 | 3 | 2 | 15 | 9 | +6 | |
| 5(4) | オルカ鴨川FC | 18 | 11 | 5 | 3 | 3 | 15 | 8 | +7 | |
| 6(6) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 14 | 11 | 4 | 2 | 5 | 19 | 19 | 0 | |
| 7(7) | 岡山湯郷Belle | 14 | 11 | 4 | 2 | 5 | 13 | 20 | -7 | |
| 8(8) | 愛媛FCレディース | 13 | 11 | 3 | 4 | 4 | 13 | 19 | -6 | |
| 9(9) | スフィーダ世田谷FC | 12 | 11 | 3 | 3 | 5 | 18 | 19 | -1 | |
| 10(10) | 日体大SMG横浜 | 10 | 10 | 3 | 1 | 7 | 13 | 37 | -24 | |
| 11(11) | ASハリマアルビオン | 9 | 11 | 2 | 3 | 6 | 11 | 14 | -3 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 0 | 11 | 0 | 0 | 11 | 5 | 33 | -28 |
得点ランキング(第11節終了時点)
静岡SSUボニータの横山久美がPKによる1得点で、スフィーダ世田谷FCの内田美鈴と並んで9得点で1位タイとなった。
また、今節ハットトリックを決めた静岡SSUボニータの中島咲友菜が、一気に5位にランクインした。
| 順位 | 得点数 (今節得点) | 氏名 | チーム名 |
|---|---|---|---|
| 1 | 9 | 内田 美鈴 | スフィーダ世田谷FC |
| 1 | 9(1) | 横山 久美 | 静岡SSUボニータ |
| 3 | 7 | 堀江 美月 | スフィーダ世田谷FC |
| 3 | 7 | 土屋 佑津季 | ヴィアマテラス宮崎 |
| 5 | 6(3) | 中島 咲友菜 | 静岡SSUボニータ |
| 6 | 5 | 室井 胡心 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
| 6 | 5 | 三輪 玲奈 | 静岡SSUボニータ |
| 6 | 5(1) | 橘 麗衣 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
| 6 | 5(1) | 千葉 園子 | ASハリマアルビオン |
| 10 | 4 | 蔵田 あかり | オルカ鴨川FC |
| 10 | 4 | 山本 葉桜 | 日体大SMG横浜 |
| 10 | 4 | 岡 百々花 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
| 10 | 4 | 藤原 愛里 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
| 10 | 4 | 上田 真子 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
| 10 | 4 | 国吉 花吏埜 | 岡山湯郷Belle |
| 10 | 4 | 安部 美琴 | 日体大SMG横浜 |
個人的ベストイレブン

次節の注目カード
シーズン後半初戦のうち、とくに注目している対戦カードは以下の2つ。
ヴィアマテラス宮崎 vs 朝日インテック・ラブリッジ名古屋
第12節最大の注目カードは、2位・宮崎と3位・名古屋の直接対決である。
宮崎は第11節でオルカに2-0で勝利し、首位・静岡を勝点差2で追っている。一方の名古屋は、静岡戦、湯郷戦と連勝し、3連勝で前半戦を終えた。シーズン序盤の停滞から完全に立て直しつつある。
宮崎にとっては、首位追走のために落とせない一戦。名古屋にとっては、ここで勝てば優勝争いにさらに強く絡むことができる。強度、運動量、セットプレー、試合管理。前半戦で見えた両チームの強みがぶつかる重要な試合になる。
静岡SSUボニータ vs スフィーダ世田谷FC
首位・静岡は、ホームでスフィーダ世田谷FCと対戦する。
開幕節では、静岡が世田谷を6-1で下している。第11節で世田谷は愛媛に押し込まれながらも無失点で勝点1を得たが、首位・静岡を相手に同じように耐えられるかが焦点になる。
静岡にとっては、首位を維持するために勝点3が求められる試合。世田谷にとっては、前半戦の成長を測る一戦になる。

