第15節。台風の影響で開催が危ぶまれたラウンドだったが、スフィーダ世田谷FC vs ニッパツ横浜FCシーガルズを除く5試合が開催された。中断期間前最後の一戦ということもあり、優勝争い、上位追走、中位争い、下位からの巻き返しにおいて、それぞれ大きな意味を持つ試合が並んだ。
最大の注目カードは、伊賀FCくノ一三重とヴィアマテラス宮崎の上位対決だった。試合は伊賀が90分を通して宮崎を押し込み、シュート15本を放ったものの、最後までゴールを奪えず0-0。宮崎は苦しい内容ながらも無失点で耐え、勝点1を持ち帰った。
一方で、首位争いは大きく動いた。前節首位に立った朝日インテック・ラブリッジ名古屋は、最下位のVONDS市原FCレディースと0-0の引き分け。VONDSはなでしこリーグ1部で初の勝点1を獲得した。静岡SSUボニータはASハリマアルビオンに5-0で快勝し、首位へ返り咲き。横山久美はなでしこリーグ通算183得点目を決め、歴代最多得点記録を更新した。
第15節は、静岡の首位返り咲き、VONDSの初勝点、そして伊賀と宮崎の上位対決スコアレスが大きなトピックとなったラウンドだった。
ダッシュボード
第15節の試合結果
| 対戦カード | 結果 | 超概要コメント | リンク |
|---|---|---|---|
| 伊賀 vs 宮崎 | 0-0 | 伊賀が押し込み続けるも、宮崎は無失点で耐える | 試合レビュー |
| 日体大 vs オルカ | 0-1 | オルカが勝利、攻守両面で安定 | 試合レビュー |
| 名古屋 vs VONDS | 0-0 | 決めきれなかった名古屋、VONDSは粘り強く守り切って初の勝点 | 試合レビュー |
| ハリマ vs 静岡 | 0-5 | 静岡が5発快勝、横山久美はなでしこリーグ歴代最多得点記録を更新 | 試合レビュー |
| 愛媛 vs 湯郷 | 2-1 | 前半に2得点の愛媛、湯郷の猛追を振り切って勝利 | 試合レビュー |
第15節で見えたリーグ全体の動き
第15節は、首位争いと下位グループの状況が大きく動いたラウンドだった。
最大の変化は、静岡の首位返り咲きである。前節首位に立った名古屋はVONDSと0-0で引き分け、勝点32にとどまった。一方の静岡はハリマに5-0で快勝し、名古屋と勝点で並びながら得失点差で上回り、首位へ戻った。
3位・宮崎は伊賀と0-0で引き分け、勝点29。苦しい内容ながら敗戦を避け、優勝争いに踏みとどまった。4位・オルカは日体大に勝利して勝点28とし、宮崎との差を1に縮めた。5位・伊賀は宮崎を押し込みながらも勝点1にとどまったが、上位対決3連戦を1勝1分1敗で終え、内容面では存在感を示した。
中位グループでは、愛媛が湯郷に勝利して7位へ浮上。湯郷は6位を維持したものの、後半戦の連勝は3でストップした。ハリマは静岡に敗れて9位へ後退。試合のなかった世田谷とニッパツは、それぞれ8位、10位となっている。
下位グループでは、VONDSが大きな一歩を刻んだ。首位だった名古屋を相手に無失点で耐え、なでしこリーグ1部で初の勝点1を獲得。順位は12位のままだが、中断期間前に確かな手応えを得る引き分けとなった。
第15節は、静岡の首位返り咲き、名古屋の足踏み、VONDSの初勝点、伊賀と宮崎の上位対決スコアレスと、中断期間前に多くの論点を残したラウンドだった。
順位変動と順位表(第15節終了時点)
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(2) | 静岡SSUボニータ | 32 | 15 | 10 | 2 | 3 | 45 | 10 | +35 | |
| 2(1) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 32 | 15 | 9 | 5 | 1 | 37 | 12 | +25 | |
| 3(3) | ヴィアマテラス宮崎 | 29 | 15 | 8 | 5 | 2 | 28 | 15 | +13 | |
| 4(4) | オルカ鴨川FC | 28 | 15 | 8 | 4 | 3 | 20 | 10 | +10 | |
| 5(5) | 伊賀FCくノ一三重 | 26 | 15 | 7 | 4 | 3 | 17 | 11 | +6 | |
| 6(6) | 岡山湯郷Belle | 23 | 15 | 7 | 2 | 6 | 22 | 23 | -1 | |
| 7(9) | 愛媛FCレディース | 19 | 15 | 5 | 4 | 6 | 17 | 28 | -11 | |
| 8(10) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 18 | 15 | 5 | 3 | 7 | 26 | 27 | -1 | |
| 9(8) | スフィーダ世田谷FC | 16 | 15 | 4 | 4 | 7 | 22 | 27 | -5 | |
| 10(7) | ASハリマアルビオン | 16 | 15 | 4 | 4 | 7 | 15 | 21 | -6 | |
| 11(11) | 日体大SMG横浜 | 10 | 15 | 3 | 1 | 11 | 13 | 45 | -32 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 1 | 15 | 0 | 1 | 14 | 6 | 39 | -33 |
得点ランキング(第15節終了時点)
| 順位 | 得点数 (今節得点) | 氏名 | チーム名 |
|---|---|---|---|
| 1 | 12(+1) | 横山 久美 | 静岡SSUボニータ |
| 2 | 11 | 内田 美鈴 | スフィーダ世田谷FC |
| 3 | 9 | 藤原 愛里 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
| 4 | 8 | 堀江 美月 | スフィーダ世田谷FC |
| 4 | 8(+2) | 中島 咲友菜 | 静岡SSUボニータ |
| 4 | 8 | 土屋 佑津季 | ヴィアマテラス宮崎 |
| 7 | 7 | 岡 百々花 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
| 7 | 7 | 三輪 玲奈 | 静岡SSUボニータ |
| 7 | 7 | 千葉 園子 | ASハリマアルビオン |
| 10 | 6 | 室井 胡心 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
各対戦カード振り返り
伊賀が押し込み続けるも、宮崎は無失点で耐える
第15節最大の注目カードとなった伊賀FCくノ一三重とヴィアマテラス宮崎の一戦は、0-0の引き分けに終わった。伊賀は前線からのプレスとサイド攻撃で宮崎を押し込み、シュート15本を放ったが、最後までゴールを奪えなかった。宮崎は攻撃面で苦しみながらも、GK暁清流を中心に粘り強く守り、勝点1を持ち帰った。
オルカが日体大を下し、今季初の3連勝
オルカ鴨川FCは、日体大SMG横浜に1-0で勝利した。前線からの守備とセカンドボール回収で主導権を握り、後半に浅野綾花が決勝点を記録。追加点を奪えなかった点には課題を残したが、日体大に大きな流れを渡さず勝ち切った。オルカはこれで今季初の3連勝となり、上位追走の位置を維持している。
VONDSが名古屋相手に耐え抜き、初の勝点1
朝日インテック・ラブリッジ名古屋とVONDS市原FCレディースの一戦は、0-0のスコアレスドローとなった。名古屋はボールを握って攻め込んだが、雨の影響が残るピッチもあり、最後の精度を欠いた。VONDSは低い位置で粘り強く守り、最後までゴールを割らせなかった。首位チーム相手の無失点で、なでしこリーグ1部初の勝点1を獲得した。
静岡が5発快勝、横山久美は歴代最多得点記録を更新
静岡SSUボニータは、ASハリマアルビオンに5-0で快勝した。前節の敗戦から立て直した静岡は、横山久美を起点に攻撃を展開し、中島咲友菜らが得点を重ねた。横山はこの試合でなでしこリーグ通算183得点目を記録し、歴代最多得点記録を更新。チームとしても首位へ返り咲く大きな勝利となった。
愛媛が近藤彩優子の2得点で湯郷を振り切る
愛媛FCレディースは、岡山湯郷Belleに2-1で勝利した。愛媛は前線からの圧力と球際の強度を前面に出し、近藤彩優子が前半に2得点。湯郷も後半に交代策で流れを変え、南山千明のゴールで1点差に迫ったが、反撃は届かなかった。愛媛は連敗を止め、7位へ浮上した。
中断期間前に発表された選手の去就
また、第15節は中断期間前のラウンドであると同時に、選手の去就にも大きな動きがあった。
岡山湯郷Belleでは南山千明、山下沙耶香が第15節をもって現役を引退。三田一紗代はINAC神戸レオネッサへ期限付き移籍することとなった。
さらに、オルカ鴨川FCの松尾菜月、静岡SSUボニータの万力安純がINAC神戸レオネッサへ完全移籍。静岡では大曽根由乃の期限付き移籍期間終了も発表されている。
リーグ戦は中断期間に入るが、各チームの戦力構成はここから少しずつ変化していく。中断明けの第16節以降は、順位争いだけでなく、こうした選手の入れ替わりがチームに与える影響にも注目したい。
第15節 個人的ベストイレブン


