【試合レビュー】ニッパツが横浜ダービーを制し4試合ぶり勝利 日体大は先制も守備の強度で後手に回る|2026プレナスなでしこリーグ1部 第8節

試合レビュー

7節終了時点で7位のニッパツ横浜FCシーガルズが、10位の日体大SMG横浜をホームに迎えた一戦。

日体大はPKで先制したものの、ニッパツもPKで前半のうちに追いつき、後半開始直後に逆転。さらに途中出場の内田光が追加点を奪い、3-1で勝利した。

スコア以上に印象的だったのは、両チームが志向するサッカーと現実の差だった。ニッパツは後方からのビルドアップにまだ課題を残す一方で、中盤の強度と前線のスピードという従来の強みで試合を押し切った。日体大は低い位置から丁寧につなごうとしたが、ニッパツの圧力を受けて自陣で苦しむ場面が多かった。

理想を掲げることは大切だが、なでしこリーグ1部で勝点を積み上げるには、その理想を支える守備強度と判断の安定感が必要になる。この試合は、そこが勝敗を分けた。

この記事の要点

  • ニッパツは先制を許しながらも、前線からの圧力と中盤の強度で主導権を握り返した
  • 日体大は低い位置からつなぐ姿勢を見せたが、ニッパツのプレスを受けて前進が安定しなかった
  • 勝敗を分けたのは、ニッパツの球際の強さ、前線のスピード、そして日体大のビルドアップが抱えるリスクだった

試合情報

2026プレナスなでしこリーグ1部 第8節

ニッパツ横浜FCシーガルズ日体大SMG横浜
31
34分 室井 胡心
46分 岡 百々花
58分 内田 光
26分 菅原 眞名
会場ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県)
観客数896人

ニッパツ横浜FCシーガルズ

PosNo.氏名交代
GK21大久保 つくし
DF31俣野 佑果
DF17新井 純奈
DF4中居 未来 (Cap.)
DF25松尾 由帆
MF11岡 百々花
MF5吉田 凪沙
MF14田村 かのん69▼
MF7浦島 里紗88▼
FW6權野 貴子57▼
FW10室井 胡心88▼
控え
GK1田中 翠
DF2本多 実夏子88▲
MF9矢野 梨紗
MF18松本 莉緒
MF27神立 美百合69▲
MF33市野 瑛瑠奈88▲
FW32内田 光57▲
監督: 山本 絵美

日体大SMG横浜

PosNo.氏名交代
GK1福田 はな
DF3内村 心優
DF4菅原 眞名 (Cap.)
DF25中野 梨緒
DF17鈴木 温子
MF2藤澤 和心
MF29横濱 桃杏65▼
MF10本田 悠良
MF9柴原 希保
FW7髙橋 光莉80▼
FW24安部 美琴HT▼
控え
GK19林 心春
DF15大矢 さくら
DF27杉本 光羽65▲
DF32稲川 璃
MF26今野 真帆
FW11浅香 美結80▲
FW13山本 葉桜HT▲
監督: 嶋田 千秋

試合展開

日体大が先制も、ニッパツの圧力が上回る

この試合でも日体大は立ち上がりから、低い位置でボールを保持しながら前進を試みた。自陣でボールを奪っても簡単にクリアせず、近くの味方を探してつなぐ姿勢は一貫していた。

ただ、その選択はニッパツの前線からの圧力に対してリスクにもなった。ニッパツは日体大の横パスやバックパスに素早く反応し、中盤でも強く当たる。日体大は苦しい体勢からパスを出す場面が増え、低い位置でボールを失う場面も目立った。

それでも26分、日体大が先制する。#10本田悠良が中盤で前を向くと、左サイドへ展開。ペナルティエリア内へ侵入した#9柴原希保が後ろから倒され、PKを獲得した。これをキャプテンの#4菅原眞名が決め、日体大が1点を先行した。

劣勢気味の展開でも、日体大は個の技術と左サイドの推進力で得点につなげた。ただ、試合全体の流れを変えるには至らなかった。

室井胡心の同点弾でニッパツが流れを戻す

先制を許したニッパツだったが、前への圧力は弱まらなかった。遠目からのシュートも多く、決定機ばかりではなかったが、シュートで終えることで日体大を押し込み続けた。

34分、#10室井胡心がペナルティエリア内で倒され、今度はニッパツがPKを獲得。室井のキックは一度GK福田はなに止められたが、こぼれ球を自ら押し込み、1-1とした。

きれいな崩しではなかったかもしれない。しかし、相手に圧力をかけ、ゴール前に入り、こぼれ球に反応する。ニッパツらしい同点弾だった。

岡百々花の逆転弾、内田光の追加点で試合を決める

後半開始直後の46分、ニッパツが逆転する。岡百々花が相手DFの背後へ抜け出し、ゴールネットを揺らした。
そして58分、ニッパツが3点目を奪う。投入されたばかりの内田光が、味方のシュートのこぼれ球を押し込み、3-1とした。

この得点も、ニッパツがゴール前の反応で上回った場面だった。シュートを打つ、こぼれ球に詰める、相手より先に触る。シンプルだが、試合を決めるには十分だった。

日体大は追う立場になっても、中盤でニッパツの前進を止めきれなかった。ボールホルダーに強く当たって奪い切るよりも、コースを切って遅らせる対応が多く、ニッパツの推進力を止めるには足りなかった。

その後も日体大は交代カードで流れを変えようとしたが、反撃は実らず。試合は3-1で終了し、ニッパツが勝ち点3を手にした。

総括

ニッパツは、勝つべき相手にしっかり勝った。一方の日体大は、自身たちの現在地を客観的に見つめなおす必要を感じてもおかしくない一戦だったように思える。

ニッパツ横浜FCシーガルズ

ニッパツは、日体大のビルドアップに圧力をかけ、中盤の強度で優位に立った。前線のスピードを活かして相手の背後を突き、3得点を奪い切った点は大きい。

課題は、やはり今季から志向しているビルドアップの整理である。後方からつなぐ形を続けるなら、どこで相手を引きつけ、どこから前進するのかをより明確にしたい。

今のニッパツの武器は、前線のスピードと中盤の強度だ。その武器を活かすためのビルドアップにできるかが、岡山湯郷Belleのように中位から上に行けるかのポイントになると感じた。

日体大SMG横浜

日体大は、先制点の場面に良さが出た。本田悠良が前を向き、左サイドから柴原希保が仕掛ける形には可能性があった。

ただ、90分を通して見ると、ビルドアップと守備の両面で課題が大きい。低い位置からつなぐなら、相手のプレスをどう外すのか、失った後に誰が止めるのかを整理しなければならない。

スタイル自体を否定する必要はない。しかし、今の完成度でこの戦い方を続けるのはかなり難しい。優秀な選手たちが多数所属しているにも関わらず既視感のある失点と敗戦が続いている。まずは中盤と最終ラインの守備を立て直し、現在リーグワーストの失点数を改善することが最優先だろう。
理想のサッカーを続けるためにも、現実的に勝点を拾う土台を作る必要がある。

順位表

第8節を終えて、ニッパツ横浜FCシーガルズは7位を維持、日体大SMG横浜も10位を維持となった。

順位チーム名勝点試合数得点失点得失点
1静岡SSUボニータ208620253+22
2ヴィアマテラス宮崎178521179+8
3岡山湯郷Belle14842213130
4朝日インテック・ラブリッジ名古屋1383411411+3
5オルカ鴨川FC128332136+7
6伊賀FCくノ一三重12833298+1
7ニッパツ横浜FCシーガルズ11832314140
8スフィーダ世田谷FC10831417170
9愛媛FCレディース982331015-5
10日体大SMG横浜782151226-14
11ASハリマアルビオン68134912-3
12VONDS市原FCレディース08008322-19

次節に向けて

次節、ニッパツ横浜FCシーガルズはアウェーでVONDS市原FCレディースと対戦する。今節に続き、下位チーム相手に勝ち点を積み上げられるかが注目される。

日体大SMG横浜はホームで朝日インテック・ラブリッジ名古屋と対戦する。上位相手に対して、低い位置からつなぐスタイルをどこまで貫けるのか。そして守備面でどのような修正を見せるのか。今後の残留争いを考えても、重要な一戦になりそうだ。

リソース

フルマッチLIVE配信

第8節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

なでしこリーグ公式ガイドブック

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