2026プレナスなでしこリーグ1部は、第12節から後半戦に入った。
前半戦を8位で終えた愛媛FCレディースは、ホームに日体大SMG横浜を迎えた。愛媛は直近2試合でニッパツ横浜FCシーガルズに勝利し、スフィーダ世田谷FCとは引き分け。中位以上の相手から勝ち点を積み上げ、一定の手応えを得た状態で後半戦初戦に臨んだ。
一方の日体大SMG横浜は、前半戦を10位で折り返した。今節ではASハリマアルビオンが勝利したため、この試合に敗れると降格圏内の11位に後退する状況だった。守備の立て直しを図りながら、勝ち点を持ち帰りたい一戦であった。
試合は、愛媛がボールを握り、日体大SMG横浜が自陣で構える展開となった。愛媛は21分に桜井由衣香のゴールで先制。その後も主導権を握り続けたが、追加点を奪うまでには至らなかった。
それでも、守備では日体大SMG横浜に大きな流れを渡さず、1-0で試合終了。愛媛が後半戦の初戦を白星で飾った。
この記事の要点
- 愛媛FCレディースが桜井由衣香の決勝点で1-0勝利
- 愛媛は15本のシュートを放つも、追加点を奪えず決定力に課題
- 日体大SMG横浜は守備重視にシフトしたが、攻撃の迫力を欠いた
前回対戦のレビュー
日体大SMG横浜 2-2 愛媛FCレディース
開幕節の対戦では、愛媛が押し込む時間を作りながらも、日体大SMG横浜が粘り強く食い下がり、2-2の引き分けに終わった。
愛媛としては、前回対戦で勝ち切れなかった相手に対して、ホームで勝ち点3を取り切れるかが焦点となった。

試合情報
2026プレナスなでしこリーグ1部 第12節
| 愛媛FCレディース | 日体大SMG横浜 |
|---|---|
| 1 | 0 |
| 21分 桜井 由衣香 |
| 日時 | 2026年06月07日 13:00 |
| 会場 | 愛媛県総合運動公園球技場 |
| 観客数 | 237人 |
スターティングラインナップ・登録メンバー
愛媛FCレディース
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 21 | 小松 里弥 | |
| DF | 16 | 野口 珠里 | |
| DF | 24 | 前田 花依 | |
| DF | 4 | 毛利 美佑 | |
| DF | 2 | 松村 菜美 | 90+4▼ |
| MF | 19 | 黒岩 沙羽 | |
| MF | 15 | 榎谷 岬 | |
| MF | 32 | 平塚 万貴 | |
| MF | 26 | 桜井 由衣香 (Cap.) | 90+2▼ |
| FW | 20 | 川崎 和奏 | 71▼ |
| FW | 8 | 深澤 里沙 | HT▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 藤田 萌歌 | |
| DF | 3 | 大八木 朱音 | |
| DF | 13 | 丸山 ちさと | 90+4▲ |
| MF | 6 | 兵頭 來良 | 90+2▲ |
| MF | 11 | 小島 和希子 | |
| MF | 14 | 近藤 彩優子 | HT▲ |
| FW | 9 | 谷口 清夏 | 71▲ |
| 監督: 長谷川 歩 | |||
日体大SMG横浜
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 19 | 林 心春 | |
| DF | 32 | 稲川 璃 | |
| DF | 23 | 笠井 寧々 | |
| DF | 3 | 内村 心優 (Cap.) | |
| DF | 25 | 中野 梨緒 | |
| MF | 20 | 枚田 乙愛 | 61▼ |
| MF | 29 | 横濱 桃杏 | |
| MF | 26 | 今野 真帆 | |
| MF | 9 | 柴原 希保 | |
| FW | 27 | 杉本 光羽 | |
| FW | 18 | 中村 柚仁 | HT▼ |
| 控え | |||
| DF | 2 | 藤澤 和心 | 61▲ |
| MF | 31 | 山田 仁菜 | |
| FW | 16 | 鬼頭 こはな | HT▲ |
| 監督: 嶋田 千秋 | |||
試合展開
愛媛がボールを握り、日体大SMG横浜は守備重視で入る
立ち上がりから試合の主導権を握ったのは愛媛だった。
日体大SMG横浜は、前半戦で目立った大量失点を繰り返さないため、最終ラインを低めに設定。自陣に人数をそろえ、ビルドアップも無理に低い位置からつなぐのではなく、前方へ蹴り出してリスクを抑える戦い方を選択した。
ただし、守備の人数はそろっていても、愛媛のボールホルダーに対する寄せは十分ではなかった。特に中盤でプレッシャーがかからず、愛媛は余裕を持ってボールを動かすことができた。
愛媛は、#19黒岩沙羽と#26桜井由衣香を軸にサイドから前進。前線の#20川崎和奏、#8深澤里沙もフィニッシュに絡み、序盤から日体大SMG横浜のゴールに迫った。

21分、桜井由衣香が先制点
愛媛の先制点は21分だった。
中央で#32平塚万貴がボールを動かし、左サイドの#2松村菜美へ展開。そこから左前方の桜井由衣香につながると、桜井が左足でダイレクト気味にゴール方向へボールを入れる。これを日体大ゴールキーパーが痛恨のキャッチミス。桜井のボールはそのままゴールネットを揺らした。
雨の影響もあり、GKにとって処理の難しいボールだったことは確かだろう。ただし、得点の本質はその前段階にある。日体大SMG横浜は中盤で愛媛の前進を止め切れず、左サイドで桜井に時間とスペースを与えてしまった。
桜井のキック精度も見事だったが、日体大SMG横浜にとっては、サイドにボールが入る前に防ぎたかった失点だった。
日体大SMG横浜は武器を生かし切れず
失点後も、日体大SMG横浜の基本的な戦い方は大きく変わらなかった。
ラインを低めに保ち、まずは追加点を許さないことを優先する。ただ、ボールを奪った後の攻撃は単発になりやすかった。
#9 柴原希保には、縦パス1本から背後を取れるスピードがある。しかし、この試合では左サイドでの起用となり、愛媛の#19黒岩沙羽とのマッチアップに多くのエネルギーを使う形になった。日体大SMG横浜にとって大きな武器となり得るスピードを、相手ゴールへ向かう形で十分に使えなかったことは痛かった。
愛媛はその後もボールを握り、サイドから日体大SMG横浜を押し込んだ。前半は1-0のまま終了し、内容面では愛媛が優勢だった。

日体大SMG横浜は前進を試みるも、流れは変わらず
後半開始直後、日体大SMG横浜は前に出る姿勢を見せた。前半よりもセカンドボールへの反応を早め、愛媛陣内へ入る場面も作った。
しかし、その時間は長く続かなかった。
愛媛が再びボール保持の時間を増やすと、日体大SMG横浜は自陣で受ける展開に戻っていく。愛媛は中央とサイドを使い分けながら追加点を狙い、何度もゴール前へ迫った。
それでも、最後の質が足りなかった。シュートまで持ち込む場面は多く、ポストに嫌われる場面もあったが、2点目を奪うことはできなかった。

追加点を奪えない愛媛、それでも試合はコントロール
愛媛にとって、1-0のまま試合が進む展開は決して安全ではなかった。1本のカウンター、1つのセットプレーで同点に追いつかれる可能性が残るからである。
ただ、この日の愛媛は守備面で大きく崩れなかった。日体大SMG横浜の攻撃に厚みが出る前に中盤で回収し、相手に継続的な攻撃を許さない。
試合は1-0で終了。主導権を握り続けた愛媛FCレディースが、後半戦初戦を白星で飾った。
総括
雨を多く含んだ難しいコンディションの中で、愛媛FCレディースは勝ち点3を取り切った。
ただし、内容を考えれば、1得点で終わったことには物足りなさも残る。シュート数は15本。押し込む時間も長く、追加点を奪うチャンスは十分にあった。
一方の日体大SMG横浜は、守備重視の戦い方で失点数を最小限に抑えた。しかし、攻撃面ではゴールの気配を作り出せず、先制された後に試合を動かす力を示すことができなかった。
愛媛FCレディース
愛媛は序盤にゴールを奪い、その後も試合の主導権を握り続けた。
黒岩沙羽と桜井由衣香を中心としたサイド攻撃は迫力があり、平塚万貴、榎谷岬も中盤でボールを動かしながら攻撃を支えた。相手のプレスが強くなかったこともあり、ビルドアップは比較的スムーズだった。
課題は、やはり決定力である。
15本のシュートを放ちながら、得点は1点のみ。しかも試合内容を考えれば、早い時間帯に追加点を奪って試合を決め切りたかった。
引いて守る相手を崩すのは簡単ではない。それでも、上位を追いかけるためには、押し込んだ時間帯で確実にゴールを奪う力が必要になる。
もうひとつ気になったのは、試合のテンポである。
愛媛は強度の高い相手と対戦した時、運動量と縦への意識で互角以上の時間を作ることがある。一方で、この試合のように余裕を持ってボールを持てる展開では、やや遅攻気味になり、選手同士の連動やゴール前への迫力が薄れる時間帯もあった。
相手の順位や状態に関係なく、一定の強度とテンポを保てるか。後半戦で順位を上げていくためには、そこが重要になる。
日体大SMG横浜
日体大SMG横浜は、第10節から継続して守備面では現実的な選択をした。
前半戦では、低い位置からのビルドアップを狙われ、大量失点につながる試合が複数あった。その反省を踏まえ、この試合でも無理に後方からつなぐ場面を減らし、前方へボールを送ることでリスクを抑えた。
その結果、失点は1に抑えた。
ただし、その代償として攻撃力を失った印象も強い。ボールを奪っても前線の選手が孤立し、2列目以降のサポートが遅れる。前線に個の力はあるが、チームとしてゴールへ向かう形は限られていた。
守備でも、人数はそろっているものの、ボールホルダーへの寄せや球際の強度は十分ではなかった。最終ラインとGKが耐える時間は多かったが、前線と中盤で相手の前進を止める力が足りないように見受けられた。
さらに、この試合の日体大SMG横浜はリザーブが3名のみだった。交代枠を十分に使えない状況では、試合展開に応じて流れを変えることも難しい。
守備重視へのシフトは、失点を減らすという意味では一定の効果がある。ただし、先制された時にどう追いつくのか。勝ち点3が必要な試合で、どうゴールを奪いにいくのか。
後半戦の日体大SMG横浜にとって、その答えを見つけることが大きな課題になる。
順位表
今節の勝利により、愛媛FCレディースは順位をひとつ上げて7位となった。
一方の日体大SMG横浜は、ASハリマアルビオンに勝ち点で上回られ、11位に後退。降格圏内に順位を落とすことになった。
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(1) | 静岡SSUボニータ | 26 | 12 | 8 | 2 | 2 | 35 | 9 | +26 | |
| 2(3) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 25 | 12 | 7 | 4 | 1 | 29 | 11 | +18 | |
| 3(2) | ヴィアマテラス宮崎 | 24 | 12 | 7 | 3 | 2 | 23 | 12 | +11 | |
| 4(4) | 伊賀FCくノ一三重 | 22 | 12 | 6 | 4 | 2 | 15 | 9 | +6 | |
| 5(5) | オルカ鴨川FC | 19 | 12 | 5 | 4 | 3 | 15 | 8 | +7 | |
| 6(7) | 岡山湯郷Belle | 17 | 12 | 5 | 2 | 5 | 17 | 21 | -4 | |
| 7(8) | 愛媛FCレディース | 16 | 12 | 4 | 4 | 4 | 14 | 19 | -5 | |
| 8(9) | スフィーダ世田谷FC | 15 | 12 | 4 | 3 | 5 | 20 | 20 | 0 | |
| 9(6) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 14 | 12 | 4 | 2 | 6 | 20 | 23 | -3 | |
| 10(11) | ASハリマアルビオン | 12 | 12 | 3 | 3 | 6 | 12 | 14 | -2 | |
| 11(10) | 日体大SMG横浜 | 10 | 12 | 3 | 1 | 8 | 13 | 38 | -25 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 0 | 12 | 0 | 0 | 12 | 5 | 34 | -29 |
次節に向けて
愛媛FCレディースは、次節でオルカ鴨川FCとのアウェー戦に臨む。
前回対戦では、愛媛が0-2で敗れている。後半戦で上位グループに近づくためにも、ここで勝ち点を積み上げたい。
前回対戦のレビュー
2026シーズン第2節:愛媛FCレディース 0-2 オルカ鴨川FC
日体大SMG横浜は、ホームに首位・静岡SSUボニータを迎える。
前回対戦では0-9で大敗している。守備の立て直しを進める中で、どこまで粘り強く戦えるか。前半戦からの積み上げが問われる一戦になる。
前回対戦のレビュー
2026シーズン第2節:静岡SSUボニータ 9-0 日体大SMG横浜
リソース
フルマッチLIVE配信
第12節全試合ハイライト動画
公式記録
https://match.nadeshikoleague.jp/2026/nadeshiko1/match_report/m70.pdf
