【試合レビュー】塩谷瑠南が100試合出場を自ら祝う2ゴール。岡山湯郷Belle、高い決定力でVONDS市原FCレディースを下す|2026プレナスなでしこリーグ1部 第13節

試合レビュー

2026プレナスなでしこリーグ1部は第13節。

今季から1部の舞台に挑むVONDS市原FCレディースは、開幕から苦しい戦いが続いている。ここまで勝ち点を奪えず、ホームで迎えた岡山湯郷Belle戦は、何としても初の勝ち点、そして初勝利につなげたい一戦だった。

一方の岡山湯郷Belleは、前節のニッパツ横浜FCシーガルズ戦に4-1で勝利。上位グループを追うためにも、下位相手に勝ち点3を積み上げたい試合である。

前回対戦のレビュー
第2節:岡山湯郷Belle 3-0 VONDS市原FCレディース

VONDS市原FCレディースもボールを持つ時間は作ったが、決定機を得点に結びつけることができず無得点。対する湯郷は、国吉花吏埜、寺尾星奈、再び国吉が得点を奪い、ホームで勝ち切った。

結果は、岡山湯郷Belleが2-0で勝利。

VONDSがボールを持つ時間を作りながらも決定機を仕留めきれなかったのに対し、湯郷は塩谷瑠南の2ゴールで着実に得点を重ねた。少ないチャンスをものにする力、そして最後の局面で体を張る守備の差が、スコアに表れた一戦だった。

この記事の要点

  • 岡山湯郷Belleは塩谷瑠南が2ゴール。通算100試合出場の節目を自ら祝った
  • VONDS市原FCレディースはシュート7本を放つも、湯郷GK上野理佐の好守もあり無得点
  • 試合を分けたのは、ゴール前の決定力と守備強度の差

試合情報

2026プレナスなでしこリーグ1部 第13節

VONDS市原FCレディース岡山湯郷Belle
14分 塩谷 瑠南
74分 塩谷 瑠南
日時2026年06月13日 13:00
会場ゼットエーオリプリスタジアム
観客数146人
順位推移

スターティングラインナップ・登録メンバー

VONDS市原FCレディース

PosNo.氏名交代
GK31佐藤 瑠美奈
DF2小堀 菜緒
DF11村上 賀梨 (Cap.)77▼
DF19小林 和音
MF24増原 遥花85▼
MF9宮本 春花85▼
MF5小田川 真奈
MF8石井 彩千香62▼
MF7佐藤 寿音
MF10櫻庭 琴乃
FW28中村 円香HT▼
控え
GK21大久保 佑菜
DF17板倉 瑞穂77▲
MF14齊藤 綾音
MF27木須 みそら62▲
FW16吉川 はなの85▲
FW18増田 沙美亜HT▲
FW20高山 杏々葉85▲
監督: 落合 恵

岡山湯郷Belle

PosNo.氏名交代
GK31上野 理佐
DF19沖田 有由
DF4今野 瞳 (Cap.)
DF20岸波 優妃75▼
DF10中野 琴音
MF24岸波 美采90+3▼
MF2森 宙舞54▼
MF17新谷 楓華
MF22片山 真鞠HT▼
FW25香椎 彩香
FW14塩谷 瑠南
控え
GK34三田 一紗代
MF15山本 早織
MF30松崎 こころ90+3▲
MF23国吉 花吏埜HT▲
FW9栫井 美和子54▲
FW21寺尾 星奈75▲
監督: 和多田 充寿

試合展開

湯郷が中盤の強度で流れを引き寄せる

立ち上がりは、ホームのVONDS市原FCレディースがボールを保持し、サイドを使いながら前進を試みた。湯郷は無理にボールを持ち続けるのではなく、奪った後の切り替えとカウンターを狙う入り方だった。

ただ、時間の経過とともに湯郷が試合の流れを引き寄せていく。

特に目立ったのは、中盤でのセカンドボールへの反応と、相手のターゲットに対する寄せの速さである。VONDS市原FCレディースが前線にボールを入れようとした場面でも、湯郷は球際で簡単に自由を与えなかった。

そして14分、湯郷が先制する。

右コーナーキックの流れから一度はVONDS市原FCレディースがクリアしたが、湯郷がセカンドボールを回収。右サイドから#25香椎彩香が再びクロスを入れると、中央に飛び込んだ塩谷瑠南がヘディングで合わせた。

湯郷にとっては、試合の流れを自分たちに引き寄せ始めた時間帯での先制点だった。

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VONDS市原FCレディースは保持するが、怖さを出し切れない

早い時間帯で追う展開となったVONDS市原FCレディースは、その後もボールを持つ時間を作った。

ただし、ボール保持がそのまま決定機には直結しなかった。後方から丁寧に前進しようとする意図は見えたが、フィニッシュの手前でテンポが落ちる場面が多い。

湯郷は相手最終ラインへのプレスも鋭かった。VONDS市原FCレディースのビルドアップに対して、出どころへ圧力をかけ、縦パスを狙える状態を作らせない。湯郷自身も今季ここまで、相手のプレスに苦しむ試合があったが、この試合では逆に相手の前進を制限する側に回った。

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前半は、VONDS市原FCレディースがボールを持つ時間を作りながらも、湯郷が先制点を守り、0-1で折り返した。

上野理佐の好判断が湯郷を救う

後半も、VONDS市原FCレディースがボールを握る時間は長かった。

その中で、同点に迫る大きなチャンスも作る。#10櫻庭琴乃の浮き球のパスから#24増原遥花へつながり、さらにペナルティエリア内へ走り込んだ#9宮本春花にボールが入る。

しかし、ここで湯郷GK#31上野理佐が素晴らしい対応を見せた。

迷わず前に出て宮本との距離を詰め、シュートコースを消す。VONDS市原FCレディースにとっては決定的な場面だったが、湯郷の守護神がリードを守った。

このセーブは、試合の流れを大きく変えた場面だった。VONDS市原FCレディースがここで追いついていれば、試合は一気に分からなくなっていた。だが、湯郷は最後の局面で崩れなかった。

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塩谷瑠南が再びヘディングで仕留める

試合が膠着する中、次のゴールを奪ったのも湯郷だった。

74分、湯郷は右サイドから前進。香椎彩香から#9栫井美和子へつなぎ、右サイドからクロスが入る。中央で待っていたのは、またしても塩谷瑠南だった。

VONDS市原FCレディースはゴール前に人数を揃えていたが、塩谷へのプレッシャーは十分ではなかった。落下点に入った塩谷が頭で合わせ、湯郷が2点目を奪う。

1点目も2点目も、塩谷がゴール前で相手より先に動き、クロスに合わせた形だった。派手な崩しではなくても、クロスが上がる前の準備、入るタイミング、最後に決め切る力が際立っていた。

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VONDS市原FCレディースは反撃するも、上野を破れず

2点を追うVONDS市原FCレディースは、攻撃的な選手を投入し、まずは1点を狙いにいった。

終盤に#7は佐藤寿音に大きなチャンスが訪れる。中盤で味方が残したルーズボールが左サイドへ流れ、佐藤がペナルティアーク付近から左足を振り抜いた。

スピード、コースともに良いシュートだったが、ここもGK上野理佐がビッグセーブ。VONDS市原FCレディースは最後までゴールを目指したが、湯郷の守備を破ることはできなかった。

試合は0-2で終了。

VONDS市原FCレディースはシュート7本を放ちながら無得点。岡山湯郷Belleはシュート4本で2得点。数字の上でも、決定力の差が明確に表れた試合だった。

総括

この試合を分けたのは、前線の決定力と、守備の最後の強度だった。

VONDS市原FCレディースは、ボールを保持する時間を作り、チャンスも生み出した。とくに後半は、湯郷を押し込む時間も長く、ゴールに迫る場面もあった。

しかし、決定機を決め切れなかった。

一方の湯郷は、シュート数こそ少なかったが、塩谷瑠南が2度のチャンスを逃さなかった。さらに、GK上野理佐を中心に、最後の局面で体を張り続けた。

内容面では湯郷にも課題はある。ボールを保持して主導権を握り続けた試合ではなく、VONDS市原FCレディースに押し込まれる時間もあった。前進の連動性や、受けに回った時間帯の試合運びには改善の余地がある。

それでも、勝負どころで得点を奪い、失点を防ぎ切った。

それが、この日の岡山湯郷Belleの勝因だった。

VONDS市原FCレディース

VONDS市原FCレディースにとっては、またしても結果が遠い試合となった。

ただ、内容がまったく伴わなかったわけではない。シュート数では湯郷を上回り、後半には明確な決定機も作った。相手キーパーの好守がなければ、得点が生まれていてもおかしくない場面はあった。

決定機を作れる場面は増えている。だからこそ、次に必要なのは「惜しかった」で終わらせないことだ。ボール保持をゴール前の迫力につなげること。中盤の守備強度を90分間保つこと。そして、少ないチャンスを結果に変えること。
初の勝ち点へ向けて、内容の前進を結果に変える段階に入っている。

一方で、気になったのはチーム全体のイメージがどこまで共通化されているのか、という点である。

ボールを保持する時間は作れている。しかし、どこで縦に差し込むのか、誰が背後を狙うのか、攻撃の選手が下りたときにゴール前の厚みをどう補うのか。そのあたりの連動は、まだ整理し切れていないように見えた。

シーズン開幕前には多くの選手が入れ替わり、監督やコーチ陣も交代した。なでしこリーグ1部という強度の高い舞台に挑みながら、新しい体制で戦い方を築いていく難しさは相当に大きいはずである。第13節を迎えた時点でも、チームはまだ自分たちの形を模索している途中なのだろう。

岡山湯郷Belle

岡山湯郷Belleは、塩谷瑠南の2試合連続の2ゴールで、2連勝を飾った。

塩谷はこの試合でリーグ通算100試合出場を達成。その節目の試合で、自ら2得点を決めて勝利に導いた。公式記録上ではシュート2本で2得点。まさにFWとしての仕事を果たした試合だった。

また、GK上野理佐の存在も大きかった。VONDS市原FCレディースに決定機を作られた場面で、前に出る判断、シュートコースの消し方、反応の鋭さが光った。チームとしてクリーンシートを達成できたのは、上野の好守と守備陣の集中力があってこそである。

ただし、湯郷としては手放しで喜べる内容ではない。VONDS市原FCレディースにボールを持たれる時間は長く、守備に回る場面も多かった。上位を追うためには、奪った後の前進、保持した時間帯の主導権の握り方をさらに高めたい。

それでも、勝ち切る力を示したことは大きい。前節に続く勝利で、上位グループを追う流れをつないだ。

順位表

第13節終了時点で、VONDS市原FCレディースは開幕13連敗。勝ち点0のまま12位に沈んでいる。

岡山湯郷Belleは勝ち点を20に伸ばし、6位を維持した。

湯郷は上位との差を詰めるために、ここからの直接対決が重要になる。VONDS市原FCレディースは、まず勝ち点1、そして初勝利へ向けて、次節以降も粘り強く戦い続けたい。

順位推移
順位
(前節)
チーム名勝点試合数得点失点得失点過去5試合
1(1)静岡SSUボニータ2913922409+31
2(2)朝日インテック・ラブリッジ名古屋28138413112+19
3(3)ヴィアマテラス宮崎25137422514+11
4(5)オルカ鴨川FC2213643179+8
5(4)伊賀FCくノ一三重22136431611+5
6(6)岡山湯郷Belle20136251921-2
7(8)スフィーダ世田谷FC161344522220
8(7)愛媛FCレディース16134451521-6
9(9)ニッパツ横浜FCシーガルズ15134362225-3
10(10)ASハリマアルビオン13133461416-2
11(11)日体大SMG横浜10133191343-30
12(12)VONDS市原FCレディース0130013536-31

次節に向けて

次節、VONDS市原FCレディースはアウェイでヴィアマテラス宮崎と対戦する。

前回対戦では1-3で敗れたものの、VONDS市原FCレディースにとっては、なでしこリーグ1部で初ゴールを挙げた相手でもある。

宮崎はビルドアップの質と運動量、攻守の切り替えに強みを持つチームだ。VONDS市原FCレディースとしては、守備の時間が長くなることも想定される。だからこそ、少ないチャンスをどれだけ確実にシュートまで持ち込めるかが重要になる。

岡山湯郷Belleは、ホームにスフィーダ世田谷FCを迎える。

前回対戦では、世田谷の前線からのプレスに苦しみ、0-5で敗れた。湯郷にとっては、前期の大敗をどう修正するかが問われる一戦である。

今回のVONDS市原FCレディース戦では勝利を収めたものの、ボール保持で主導権を握り切れなかった時間もあった。世田谷の強度ある守備を相手に、どれだけ落ち着いて前進できるか。

上位を追うためにも、重要なリベンジマッチとなる。

リソース

フルマッチLIVE配信

第13節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

なでしこリーグ公式ガイドブック