【試合レビュー】ニッパツが宮崎を追い詰めるも、90+1分に痛恨被弾。ヴィアマテラス宮崎が土壇場で勝点1を拾う|2026なでしこリーグ1部 第13節

試合レビュー

2026プレナスなでしこリーグ1部は第13節を迎えた。
ホームのニッパツ横浜FCシーガルズは、第10節の愛媛FCレディース戦、第11節のASハリマアルビオン戦、第12節の岡山湯郷Belle戦と3連敗中。中位から下位との差が詰まりつつあるなか、4試合ぶりの勝利が欲しい一戦だった。

対するヴィアマテラス宮崎は、前節の朝日インテック・ラブリッジ名古屋戦に0-2で敗れ、3位に後退。首位・静岡SSUボニータ、2位・名古屋を追走するためにも、アウェイで確実に勝ち点3を持ち帰りたい状況である。

第2節の前回対戦では、宮崎が3-1で勝利した。しかし今節は、ニッパツが前線からのプレスと背後への鋭いアクションで宮崎を苦しめる展開となった。

ニッパツが押し込み、宮崎が耐える。
そして最後は、宮崎がセットプレーで追いつく。
ニッパツにとっては勝利が目前でこぼれ落ちた試合であり、宮崎にとっては薄氷の勝点1を持ち帰った試合となった。

この記事の要点

  • ニッパツは前線からのプレスと背後への抜け出しで宮崎のビルドアップを制限した
  • 前半だけで2得点したニッパツが2-1で前半を折り返した
  • 宮崎は流れの中で苦しみながらも、2得点はいずれもセットプレーから記録
  • 90+1分、宮崎が土壇場で追いついた

試合情報

2026プレナスなでしこリーグ1部 第13節

ニッパツ横浜FCシーガルズヴィアマテラス宮崎
8分 岡 百々花
45+1分 岡 百々花
10分 松田 遥奈
90+1分 小牧 明日香
日時2026年06月14日 13:00
会場ニッパツ三ツ沢球技場(神奈川県)
観客数690人
順位推移

スターティングラインナップ・登録メンバー

ニッパツ横浜FCシーガルズ

PosNo.氏名交代
GK21大久保 つくし
DF25松尾 由帆
DF31俣野 佑果
DF4中居 未来 (Cap.)
DF18松本 莉緒
MF11岡 百々花90+2▼
MF5吉田 凪沙
MF14田村 かのん
MF7浦島 里紗
FW6權野 貴子57▼
FW10室井 胡心
控え
GK19松井 里央
DF17新井 純奈
DF23金成 瑠那90+2▲
MF20村岡 由梨
MF22加田 菜
MF27神立 美百合
FW13村上 真生57▲
監督: 山本 絵美

ヴィアマテラス宮崎

PosNo.氏名交代
GK50後藤 優香
DF6松井 彩乃62▼
DF21坂本 理保 (Cap.)
DF16松田 遥奈
DF5島田 優依菜
MF24井之脇 朱音HT▼
MF10鈴木 妃花70▼
MF18中野 里乃
MF4永野 桃子
FW22山本 さゆり82▼
FW9土屋 佑津季82▼
控え
GK1暁 清流
DF3國生 乃愛70▲
DF33小牧 明日香62▲
MF14島田 綾子82▲
FW7有馬 りこHT▲
FW8嘉数 飛鳥82▲
監督: 佐藤 考範

試合展開

ニッパツが立ち上がりから宮崎のビルドアップを襲う

試合は早い時間に動いた。

8分、宮崎が後方からつなごうとした場面で、ニッパツの前線が一気に圧力をかける。GK#50後藤優香への戻しに対して#10室井胡心が反応し、相手のミスを誘発。こぼれ球を#11岡百々花が押し込み、ニッパツが先制に成功した。

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ニッパツにとっては、まさに狙い通りの形だった。

この日のニッパツは、宮崎の最終ラインに対して前線から強く圧力をかけた。岡、室井、#6權野貴子がファーストプレスを担い、サイドとボランチも連動して宮崎のパスコースを制限する。宮崎がボールを下げればさらに前へ出て、横パスには次の選手が寄せる。

宮崎は本来、後方からボールを動かしながら相手を引き出し、サイドや前線の動きで前進するチームである。しかし、この日はニッパツの圧力を受け、バックパスと横パスが増えた。前進の出口を見つけられず、苦しい体勢でロングボールを蹴らされる場面も目立った。

宮崎はセットプレーで即座に同点

ただ、宮崎も簡単には崩れない。

10分、右サイドの直接FKから#6松井彩乃がボールを入れると、#21坂本理保が頭でつなぎ、最後は#16松田遥奈が押し込む。ニッパツの先制からわずか2分後、宮崎がセットプレーで試合を振り出しに戻した。

流れの中では苦しんでいた宮崎だったが、セットプレーでは明確に強さを見せた。相手のプレスを受けない局面で高さと強度を生かし、少ないチャンスを得点につなげる。上位に位置するチームらしいしたたかさだった。

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ニッパツが押し込み、岡百々花が2点目

同点後も、試合の主導権を握ったのはニッパツだった。

ニッパツはシンプルに背後を狙い続けた。無理に低い位置から細かくつなぐのではなく、前線のスピードを生かして宮崎の最終ラインを下げさせる。岡と室井が裏抜けを繰り返し、權野も前線で身体を張る。こぼれ球に対しても、中盤が高い位置で反応した。

宮崎はラインを高く保ちきれず、セカンドボールの回収でも後手に回った。ボールを握って落ち着かせたい場面でも、ニッパツのプレスを受けて判断が遅れ、前進が途切れる。

そして前半アディショナルタイム、ニッパツが再び宮崎を崩す。

左に開いた室井にボールが渡り、折り返しを岡が左足で仕留めた。岡はこの日2点目。ニッパツが2-1と勝ち越して前半を終えた。

前半の内容だけを見れば、ニッパツが宮崎の強みを消し、自分たちの狙いを明確に表現した45分だった。

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後半もニッパツが圧力を継続

後半に入っても、ニッパツのプレスは大きく落ちなかった。

宮崎の最終ラインに対して距離を詰め、前向きに持たせない。中央へのパスコースを消しながら、外に誘導して奪いにいく。宮崎が低い位置からつなごうとすれば、ニッパツの選手が素早く寄せてボールを引っかける。

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宮崎は前半途中から、ゴールキックや後方からの前進でロングボールを使う場面が増えた。ただし、前線で収まる回数は多くない。中盤を飛ばす形になったことで、宮崎らしいテンポのある前進は影を潜めた。

それでも、宮崎は完全に受け身にはならなかった。前半に比べるとコーナーキックを獲得する回数が増え、少しずつニッパツ陣内でプレーする時間を作っていく。

宮崎守備陣が3失点目を拒む

ニッパツは追加点を狙い続けた。

シュート数は13本。宮崎の5本を大きく上回った。押し込む時間も長く、試合を決定づける3点目に近づいた場面もあった。

しかし、宮崎の守備陣も粘った。身体を張り、コースを消し、簡単な形ではシュートを打たせない。GK後藤も要所で対応し、3失点目を許さなかった。

この粘りが、最後の同点弾につながった。

山本さゆりに決定機、そして90+1分に小牧明日香の同点弾

宮崎は苦しい時間の中でも、数少ないチャンスを作った。

#9土屋佑津季がプレスバックでボールを奪うと、#10中野里乃、#22山本さゆりへとつながり、山本が鋭いカットインからシュートを放つ。これはクロスバーに阻まれたが、宮崎が流れの中でニッパツ守備陣を崩した数少ない場面だった。

そして迎えた後半アディショナルタイム。

90+1分、宮崎が右コーナーキックを獲得する。#3國生乃愛のキックに対し、中央で#33小牧明日香が頭で合わせて同点。ニッパツがほぼ手中に収めていた勝利を、宮崎がセットプレー一発で引き戻した。

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試合はそのまま2-2で終了。
ニッパツは勝ち切れず、宮崎は土壇場で勝ち点1を拾った。

総括

内容面で優勢だったのはニッパツだった。

攻守の切り替え、前線からのプレス、背後を狙う意識、セカンドボールへの反応。いずれもニッパツが宮崎を上回る時間が長かった。宮崎のビルドアップを制限し、普段のリズムを奪った点では、非常に完成度の高いゲームプランだったと言える。
一方で、勝ち切るためには3点目を決める決定力が必要だった。

宮崎にとっては、苦しい内容の中で勝点1を持ち帰った試合だった。

ビルドアップを封じられ、シュート数も5本に抑えられた。普段のように相手を押し込み続ける展開にはできず、攻撃の怖さも限定的だった。それでも、セットプレーという別の手段で2得点を奪い、最後まで走り切って追いついた。

後半戦は、どのチームも相手を研究してくる。宮崎といえども、これまでの形だけで押し切れる試合ばかりではない。

ニッパツ横浜FCシーガルズ

ニッパツは、今季取り組んできたビルドアップで相手に狙われる試合も少なくなかった。だが、この試合では無理に後方からつなぐのではなく、前線のスピードと背後へのアクションを生かす形を徹底した。

シンプルに縦へ運び、前線が裏を狙う。こぼれ球には中盤が前向きに反応する。相手のビルドアップには前から圧力をかけ、ボールの出口を消す。

この狙いは、宮崎相手にかなり機能していた。

特に岡百々花は、先制点と勝ち越し点の2得点。前線からの守備でも存在感を示し、ニッパツのゲームプランを結果に結びつけた。室井胡心も相手GKへのプレス、背後への動き、チャンスメイクで重要な役割を果たした。

それだけに、勝ち点3を逃したことは重い。

上位相手にここまで試合を支配できたことは大きな収穫である。ただ、4試合未勝利という結果だけを見れば、順位表の下からのプレッシャーも強まっている。内容を勝利に変えるためには、決定力と終盤のゲームマネジメントが問われる。

ヴィアマテラス宮崎

宮崎にとっては、薄氷の勝ち点1だった。

ニッパツのプレスを受け、ビルドアップは大きく制限された。ボールを保持しても前進の出口を見つけられず、バックパスと横パスが増える。前線へのロングボールも収まりきらず、普段のような連続攻撃にはつながらなかった。

公式記録上のシュート数は5本。宮崎の攻撃力を考えれば、かなり抑え込まれた試合である。

それでも、2得点はいずれもセットプレーから生まれた。10分の松田遥奈の同点弾、90+1分の小牧明日香の同点弾。流れの中で苦しんでも、別のルートでゴールを奪える点は宮崎の強みである。

特に終了間際の得点は、チームとして最後まで諦めずに走り切った結果だった。

ただし、優勝争いを考えれば勝ち点1では物足りない。首位・静岡、2位・名古屋が勝利したことで、上位との差は広がった。宮崎が再び勢いを取り戻すためには、ハイプレスを受けたときの前進方法、背後を使うタイミング、セカンドボールの回収力を立て直す必要がある。

順位表

ヴィアマテラス宮崎は勝ち点1を加え、3位を維持した。ただし、首位の静岡SSUボニータ、2位の朝日インテック・ラブリッジ名古屋がそろって勝利したため、上位との差は広がった。

ニッパツ横浜FCシーガルズは9位のまま。勝ち点15で、10位ASハリマアルビオンとの差は2。上位相手に内容のある試合を見せた一方で、4試合未勝利という現実も残った。

順位推移
順位
(前節)
チーム名勝点試合数得点失点得失点過去5試合
1(1)静岡SSUボニータ2913922409+31
2(2)朝日インテック・ラブリッジ名古屋28138413112+19
3(3)ヴィアマテラス宮崎25137422514+11
4(5)オルカ鴨川FC2213643179+8
5(4)伊賀FCくノ一三重22136431611+5
6(6)岡山湯郷Belle20136251921-2
7(8)スフィーダ世田谷FC161344522220
8(7)愛媛FCレディース16134451521-6
9(9)ニッパツ横浜FCシーガルズ15134362225-3
10(10)ASハリマアルビオン13133461416-2
11(11)日体大SMG横浜10133191343-30
12(12)VONDS市原FCレディース0130013536-31

次節に向けて

次節、ニッパツ横浜FCシーガルズはフクダ電子アリーナで。オルカ鴨川FCと対戦する。前回対戦では、ニッパツがホームで3-1の逆転勝利を収めている。停滞ムードを断ち切るためにも、今節の内容を勝利につなげたい一戦である。

ヴィアマテラス宮崎は、ホームにVONDS市原FCレディースを迎える。優勝争いに踏みとどまるためには、勝ち点3が求められる試合である。苦しんだ第13節を修正し、ホームで強い宮崎を取り戻せるかが注目される。

リソース

フルマッチLIVE配信

第13節全試合ハイライト動画

公式記録

日程・結果

なでしこリーグ公式ガイドブック