2026プレナスなでしこリーグ1部は後半戦に入り、第12節を迎えた。
第11節終了時点で4位の伊賀FCくノ一三重は、5位のオルカ鴨川FCをホームに迎えた。上位戦線に踏みとどまるためにも、互いに勝ち点3が欲しい直接対決である。
雨の影響もある難しいコンディションの中、試合は0-0のスコアレスドローに終わった。
前半は伊賀がボールを握り、サイドを使いながらオルカを押し込む展開。対するオルカは、前半のシュート数が0本に終わりながらも、守備の集中を切らさず無失点で耐えた。
後半はオルカが前への圧力を強め、ショートカウンターから決定機を作る。決定機はあったが、伊賀GK小野未織の好守もあり、最後までゴールは生まれなかった。
この記事の要点
- 前半は伊賀が主導権を握り、渡邊凜や増田玲那を起点にサイドから前進した
- オルカは前半シュート0本から後半に修正し、齊藤桃花、江藤里桜奈らが決定機を作った
- 両チームとも守備の集中力が高く、4位・5位直接対決は勝ち点1を分け合う結果となった

詳しい内容は以下をご覧ください。
試合情報
2026プレナスなでしこリーグ1部 第12節
| 伊賀FCくノ一三重 | オルカ鴨川FC |
|---|---|
| 0 | 0 |
| 日時 | 2026年06月07日 13:00 |
| 会場 | 上野運動公園競技場(三重県) |
| 観客数 | 492人 |
スターティングラインナップ・登録メンバー
伊賀FCくノ一三重
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 16 | 小野 未織 | |
| DF | 18 | 井上 歩香 | |
| DF | 26 | 清 悠香 | |
| DF | 3 | 秦 美結 | |
| MF | 14 | 増田 玲那 | |
| MF | 6 | 常田 麻友 (Cap.) | |
| MF | 7 | 渡邊 凜 | |
| MF | 8 | 島野 美央 | 87▼ |
| MF | 24 | 唐沢 芽依 | 63▼ |
| FW | 10 | 平田 ひなの | |
| FW | 11 | 児野 楓香 | 74▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 井上 加菜美 | |
| DF | 13 | 髙山 菜々香 | |
| DF | 17 | 松久保 葵子 | |
| MF | 15 | 竹島 加奈子 | 87▲ |
| MF | 9 | 桂 亜依 | 74▲ |
| MF | 25 | 上田 彩葉 | |
| FW | 22 | 松田 吏真 | 63▲ |
| 監督: 永井 良明 | |||
オルカ鴨川FC
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 1 | 米澤 萌香 | |
| DF | 23 | 安東 美那 | |
| DF | 4 | 松尾 菜月 | |
| DF | 3 | 月東 優季乃 | |
| DF | 17 | 越路 萌永 | |
| MF | 25 | 齊藤 桃花 | 84▼ |
| MF | 5 | 浅野 綾花 | |
| MF | 8 | 金子 ゆい (Cap.) | |
| MF | 14 | 蔵田 あかり | |
| FW | 11 | 河野 有希 | 65▼ |
| FW | 24 | 江藤 里桜奈 | |
| 控え | |||
| GK | 26 | 力丸 里保 | |
| DF | 2 | 吉田 紫穂 | |
| DF | 29 | 中西 茉里奈 | |
| MF | 7 | 並木 千夏 | |
| MF | 13 | 浅坂 真桜 | 84▲ |
| FW | 10 | アルマ デービス | |
| FW | 19 | 太田 凪砂 | 65▲ |
| 監督: 石田 学 | |||
試合展開
前半:伊賀が主導権を握るも、オルカ守備陣が耐える
立ち上がりから主導権を握ったのは伊賀だった。
後方から丁寧にボールを動かし、右サイドの#7渡邊凜が積極的に高い位置を取る。#11児野楓香、#234唐沢芽依が前線で起点となり、#10平田ひなのが背後を狙う。ゆったりとしたビルドアップから、縦パスやサイドチェンジで一気にテンポを上げる伊賀らしい攻撃が見られた。
オルカは前線からのプレスがはまり切らず、ボールを持たれる時間が長くなった。それでも、中盤と最終ラインの強度は落ちなかった。
特に左サイドバックの#17越路萌永は、伊賀の右サイドからの仕掛けに対して粘り強く対応した。渡邊がスピードに乗りかける場面でも、簡単には振り切られず、クロスやフィニッシュの精度を制限した。
中央では#4松尾菜月と#3月東優季乃が大きく崩れず、#5浅野綾花もセカンドボールへの対応で踏ん張った。GK#1米澤萌香を含め、オルカは押し込まれながらも守備の破綻を起こさなかった。

一方で、攻撃面では苦しい前半だった。
#14蔵田あかりは左サイドで警戒を受け、得意の縦突破からチャンスを作る場面は限られた。#11河野有希、#24江藤里桜奈も前線で奮闘したが、チーム全体として押し上げる時間を作れず、前半のオルカはシュート0本に終わった。
それでもスコアは0-0。
伊賀が押し込み、オルカが耐える。前半はその構図がはっきりした45分だった。
後半:オルカが前への圧力を強め、試合の流れを引き戻す
後半に入ると、オルカの立ち位置と出足が改善された。
きっかけになったのは越路の前進だった。左サイドで相手を一枚剥がし、前線の江藤へ良い形でボールを届ける。これにより、オルカは伊賀陣内でプレーする時間を少しずつ増やしていった。
前半は後手に回ったプレスも、後半は出足が良くなった。伊賀のビルドアップの出口を制限し、中盤でボールを回収する回数が増える。そこから#25齊藤桃花や蔵田が関わり、ショートカウンターにつなげる場面が出てきた。
蔵田は左サイドでの縦突破こそ封じられる時間が長かったが、中央寄りの守備やボール保持でチームを助けた。得点に直結するプレーだけでなく、相手の攻撃を遅らせる守備面での貢献も大きかった。

ただし、伊賀も簡単には流れを渡さない。
#14増田玲那が低い位置から左足で鋭いボールを前線へ供給し、局面を一気に変える。GKとDFの間に落ちる嫌なクロスに渡邊が詰める場面もあったが、ここでも越路がコースを切り、オルカは最後のところで守り切った。
64分:オルカ最大級のチャンスは齊藤桃花の右足
オルカが最もゴールに近づいた場面のひとつは64分だった。
きっかけは蔵田の猛烈なプレスである。伊賀が外へ逃がしたボールに対し、越路が素早く反応してインターセプト。そのまま一気に伊賀陣内へ持ち運び、クロスを入れる。
こぼれ球を拾った齊藤桃花が、ペナルティアーク付近から右足を振り抜いた。
狙いは悪くなかった。だが、シュートはわずかに枠の右へ外れる。
前半はなかなか前を向けなかったオルカにとって、後半の修正が形になった場面だっただけに、惜しいチャンスだった。

交代後もオルカが決定機 小野未織が伊賀を救う
65分、オルカは河野有希に代えて#19太田凪砂を投入した。
河野は前線でハードワークを続け、スピードを生かして相手の背後を狙っていた。一方、太田の投入後は前線の収まり方が変わり、蔵田がより自由に動ける時間も増えた。
その後、太田のループ気味のパスから江藤が抜け出し、GKと1対1に近い決定機を迎える。
しかし、ここは伊賀GK小野未織が好セーブ。前半から試合を優位に進めながらも、後半に押し返された伊賀にとって、非常に大きなプレーだった。
終盤は伊賀も増田のクロスを中心にゴール前へ迫るが、オルカ守備陣は最後まで集中を切らさない。互いに一歩も譲らないまま、試合は0-0で終了した。
総括
4位・伊賀FCくノ一三重と5位・オルカ鴨川FCの直接対決は、勝ち点1を分け合う結果となった。
ゴールこそ生まれなかったが、内容の薄いスコアレスドローではない。むしろ、両チームの守備強度、切り替え、リスク管理が高いレベルでぶつかった試合だった。
両チームに共通した課題は、最後の局面での決定力である。
伊賀は前半に押し込んだ時間帯で先制したかった。オルカは後半に作った決定機を仕留めたかった。上位を追ううえで、こうした拮抗した試合を勝ち切れるかどうかが、今後の順位争いを左右する。
伊賀FCくノ一三重
伊賀は、前半の試合運びにチームの強みがよく出ていた。
後方から落ち着いてボールを動かし、一本の縦パスやサイドチェンジでテンポを上げる。渡邊凜が右サイドで推進力を見せ、増田玲那・秦美結は低い位置から精度の高いボールを供給した。
秦美結、清悠香を中心とした守備陣も、オルカのカウンターに対して大きく崩れなかった。中央でスピードアップされそうな場面でも、素早くコースを限定し、体を当てて攻撃を遅らせる対応ができていた。
課題は、優勢だった前半にゴールを奪えなかったことだ。
押し込んでいる時間に先制できれば、試合展開は大きく変わっていたはずである。次節以降は名古屋、静岡、宮崎と上位対決が続く。内容を勝ち点3につなげるためには、前半の主導権を得点に変える精度が求められる。
オルカ鴨川FC
オルカにとっては、前半と後半で評価が分かれる試合だった。
前半は伊賀に押し込まれ、シュート0本。蔵田あかりの左サイド突破は警戒され、チーム全体として攻撃の出口を作れなかった。
それでも、守備は崩れなかった。
押し込まれても最後のラインで粘った。前半を0-0で折り返せたことが、後半の反撃を可能にした。
後半は、越路の前進が大きな武器になった。守備では渡邊凜への対応で粘り、攻撃ではインターセプトから齊藤桃花の決定機を演出した。目立つ得点やアシストはないが、この試合のオルカにおける重要人物のひとりだった。
また、蔵田が徹底的に警戒される中で、チームとして別の攻撃パターンをどう作るかも今後のテーマになる。蔵田の個の突破に頼るだけでなく、越路の持ち上がり、江藤の抜け出し、太田の投入後の変化などを、より再現性のある形にしたい。後半の内容には前向きな材料も多かった試合だった。
順位表
第12節を終えて、伊賀FCくノ一三重は4位、オルカ鴨川FCは5位を維持している。
直接対決で勝ち点差を大きく動かすことはできなかったが、両チームにとって上位戦線に踏みとどまるための勝ち点1となった。
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(1) | 静岡SSUボニータ | 26 | 12 | 8 | 2 | 2 | 35 | 9 | +26 | |
| 2(3) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 25 | 12 | 7 | 4 | 1 | 29 | 11 | +18 | |
| 3(2) | ヴィアマテラス宮崎 | 24 | 12 | 7 | 3 | 2 | 23 | 12 | +11 | |
| 4(4) | 伊賀FCくノ一三重 | 22 | 12 | 6 | 4 | 2 | 15 | 9 | +6 | |
| 5(5) | オルカ鴨川FC | 19 | 12 | 5 | 4 | 3 | 15 | 8 | +7 | |
| 6(7) | 岡山湯郷Belle | 17 | 12 | 5 | 2 | 5 | 17 | 21 | -4 | |
| 7(8) | 愛媛FCレディース | 16 | 12 | 4 | 4 | 4 | 14 | 19 | -5 | |
| 8(9) | スフィーダ世田谷FC | 15 | 12 | 4 | 3 | 5 | 20 | 20 | 0 | |
| 9(6) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 14 | 12 | 4 | 2 | 6 | 20 | 23 | -3 | |
| 10(11) | ASハリマアルビオン | 12 | 12 | 3 | 3 | 6 | 12 | 14 | -2 | |
| 11(10) | 日体大SMG横浜 | 10 | 12 | 3 | 1 | 8 | 13 | 38 | -25 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 0 | 12 | 0 | 0 | 12 | 5 | 34 | -29 |
次節に向けて
伊賀FCくノ一三重は、次節から朝日インテック・ラブリッジ名古屋、静岡SSUボニータ、ヴィアマテラス宮崎との上位対決が続く。
特に次節の名古屋は、第10節で静岡SSUボニータを破り、今節もヴィアマテラス宮崎に勝利している。シーズン序盤の停滞から一気に調子を上げている相手だけに、伊賀にとっては大きな試金石となる。
前回対戦は、第2節の伊賀FCくノ一三重 1-1 朝日インテック・ラブリッジ名古屋。ホームで勝ち点1にとどまった相手から、今度は勝ち点3を奪えるかが注目される。
一方のオルカ鴨川FCは、ホームに愛媛FCレディースを迎える。
前回対戦では、愛媛FCレディース 0-2 オルカ鴨川FC。上田麻莉と蔵田あかりのゴールで勝利している。ただし、今節の愛媛は日体大SMG横浜に1-0で勝利しており、簡単な相手ではない。
オルカとしては、伊賀戦の後半に見せた前への圧力を、試合開始から出せるかがポイントになる。上位戦線に食い込むためにも、ホームで勝ち点3を取りたい一戦である。
前回対戦レビュー
第2節:愛媛FCレディース 0-2 オルカ鴨川FC
リソース
フルマッチLIVE配信
第12節全試合ハイライト動画
第12節の全試合終了待ち
公式記録


