【試合レビュー】ASハリマアルビオンが90分の決勝弾で後半戦白星発進 VONDS市原FCレディースは粘るも勝ち点届かず|2026プレナスなでしこリーグ1部 第12節

試合レビュー

2026プレナスなでしこリーグ1部は、ここから後半戦に入る。

第12節の最初のカードは、ASハリマアルビオンとVONDS市原FCレディースの一戦。前半戦を苦しみながら終えた両チームにとって、後半戦の入り方が重要になる試合であった。

ハリマは前節、ニッパツ横浜FCシーガルズに勝利し、その勢いで流れをつかみたい。一方のVONDSは、1部初挑戦のシーズンで苦しい戦いが続いている。

試合は、ハリマがボールを持ち、VONDSがゴール前で耐える展開となった。終盤までスコアは動かなかったが、90分に川﨑咲耶が値千金の見事なループシュートを決め、ハリマが1-0で勝利。後半戦を白星でスタートした。

この記事の要点

  • ASハリマアルビオンが90分の決勝ゴールで1-0勝利
  • VONDS市原FCレディースは守備で粘ったが、終盤に失点
  • ハリマは川﨑咲耶を前線の起点にしながら、後半戦を白星でスタート

前回対戦レビュー
2026シーズン第1節:VONDS市原FCレディース 0-2 ASハリマアルビオン

開幕戦では、ASハリマアルビオンがアウェーで2-0の勝利を収めた。
今節は立場を変え、ハリマのホームで迎える再戦であった。

試合内容のイメージです。

試合情報

2026プレナスなでしこリーグ1部 第12節

ASハリマアルビオンVONDS市原FCレディース
90分 川﨑 咲耶
日時2026年6月6日 13:00
会場兵庫県立三木総合防災公園陸上競技場
観客数341人
順位推移

スターティングラインナップ・登録メンバー

ASハリマアルビオン

PosNo.氏名交代
GK41小暮 千晶
DF4阪中 澪
DF5小島 美玖 (Cap.)
DF6佐々木 美悠
DF24村田 かえで65▼
DF2児玉 耀89▼
MF8小池 快
MF17唐橋 万結
FW9川﨑 咲耶
FW10千葉 園子
FW33椎野 彩香59▼
控え
GK1原田 実歩
DF19高松 芹羽
DF20山口 歌子89▲
MF14正野 可菜子65▲
MF18阿部 文音
MF25鷹野 あかり
FW23井上 麗叶59▲
監督: 菅野 将晃

VONDS市原FCレディース

PosNo.氏名交代
GK31佐藤 瑠美奈
DF17板倉 瑞穂
DF2小堀 菜緒
DF19小林 和音
MF24増原 遥花85▼
MF5小田川 真奈
MF9宮本 春花
MF8石井 彩千香67▼
FW10櫻庭 琴乃 (Cap.)85▼
FW28中村 円香74▼
FW7佐藤 寿音
控え
GK21大久保 佑菜
DF3多崎 真琴85▲
DF11村上 賀梨67▲
MF14齊藤 綾音
MF27木須 みそら
FW18増田 沙美亜74▲
FW20高山 杏々葉85▲
監督: 落合 恵

試合展開

序盤はVONDSも前向きに入る

立ち上がりは、VONDS市原FCレディースも積極的であった。

試合が落ち着く前の時間帯に前へ出て、シュートまで持ち込む場面を作る。前半戦で苦しんできたチームとして、受け身になりすぎず試合に入ろうとする姿勢は見えた。

ただ、時間が進むにつれて、主導権はASハリマアルビオンへ移っていく。

ハリマは最終ラインから丁寧にボールを動かし、前線へ運ぶ形を作った。特に、#33椎野彩香が中盤まで下りてボールを引き出し、そこから前進する場面が目立つ。

さらに、#9川﨑咲耶が高い位置で相手最終ラインに圧力をかけた。裏への飛び出しとポストプレーを使い分けることで、VONDS守備陣に対応を迫った。

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ハリマが押し込むが、前半は0-0

ハリマはゴールキックからの再開でも、慌てずに最終ラインから組み立てた。

VONDSのプレスは強くかかり切らず、ハリマは比較的スムーズに前進。サイドを使う攻撃、中央を使う攻撃の両方を見せながら、相手陣内でプレーする時間を増やしていった。

一方で、VONDSもゴール前では粘った。

押し込まれる時間は長くなったが、最後の局面で身体を張り、決定的なシュートを簡単には打たせない。GK#31佐藤瑠美奈も含めて、ゴール前の集中力は保たれていた。

前半終盤には、ハリマの#8小池快がゴール前でGKと1対1に近い形を迎える。しかし、シュートはうまくミートせず、枠を外れた。

ハリマが押し込みながらも、前半は0-0で折り返した。

VONDSは中盤の守備で後手に回る

ハリマが主導権を握った要因のひとつは、VONDSの中盤守備が整理し切れなかった点にある。

VONDSは最終ラインを高めに設定し、前から奪いに行く意識も見せていた。ただ、実際にはボールホルダーへ強く出る場面と、遅らせながらブロックを整える場面の判断が曖昧になる時間があった。

その結果、ハリマの最終ラインや中盤に対して十分な圧力をかけ切れず、ビルドアップの起点を消し切れなかった。特に、#33椎野彩香が中盤まで下りてボールを受ける場面や、#8小池快が高い位置へ顔を出す場面では、VONDSの中盤が誰を見るのか、どこで前へ出るのかが定まり切らない印象であった。

もちろん、ゴール前では粘り強く対応できていた。しかし、そこに至る前の段階でハリマに前進を許したことで、VONDSは自陣深くで守る時間が長くなった。結果として、試合全体の重心を押し上げることが難しくなった。

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後半も構図は変わらず ハリマが攻め、VONDSが耐える

後半に入っても、試合の大きな構図は変わらなかった。

ハリマがボールを持ち、ピッチを広く使いながらVONDS守備陣を揺さぶる。#10千葉園子や#33椎野彩香は前線に張り続けるだけでなく、中盤まで下りて攻撃をつないだ。その分、#9川﨑咲耶が前線に残り、相手最終ラインにプレッシャーをかける形が続いた。

VONDSは、押し込まれながらもゴール前で耐える展開であった。

#10櫻庭琴乃を起点にカウンターを狙い、途中出場の#11村上賀梨も前線で力強さを見せる。村上がドリブルで持ち上がってシュートまで持ち込む場面は、VONDSにとって大きなチャンスであった。

ただ、全体としては守備に回る時間が長く、攻撃の人数をかけ切るところまでは難しい試合であった。

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90分、川﨑咲耶が試合を決める

0-0のまま迎えた90分、ついに試合が動いた。

VONDSのゴールキックに対して、川﨑咲耶が競り勝つ。そこから、途中出場の#23井上麗叶が相手を背負いながら、前線へ走る川﨑へパスを通した。

川﨑はペナルティエリア外からGKの位置をよく見て、ループシュートを選択。VONDSのGK佐藤の対応も決して悪くなかったが、川﨑の判断と技術が上回った。ボールはゴールネットを揺らした。

終盤まで粘っていたVONDSにとっては痛すぎる失点。ハリマにとっては、我慢の時間を乗り越えてつかんだ大きな先制点であった。

失点後、VONDSはセットプレーにGKも上げて同点を狙った。
しかし、ハリマは最後まで集中を切らさない。ボールサイドを締め、中央を固め、危険なエリアで自由を与えない守備で対応した。

試合はそのまま1-0で終了。ASハリマアルビオンが、後半戦の初戦を白星で飾った。

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総括

ロースコアの試合であったが、内容としてはハリマが主導権を握った時間が長い一戦であった。

ハリマは、川﨑咲耶を前線に残すことで、VONDSの最終ラインを押し下げた。そのうえで、千葉園子や椎野彩香が広く動き、攻撃のつなぎ役として機能。小池快も高い位置に顔を出し、ゴール前へ入っていく場面を作った。

一方のVONDSは、守備で粘る時間が長くなった。ゴール前で身体を張り、GK佐藤瑠美奈を中心に何度もピンチをしのいだ点は評価できる。

ただ、公式記録上のシュート数は2本だったことが示すように、攻撃へ出る回数が限られたことで、どうしても受け身の時間が長くなった。90分間守り切るには、もう少し前で時間を作ること、カウンターをシュートまで完結させることが必要だったように感じる。

ASハリマアルビオン

ハリマにとっては、勝ち切ったことに大きな意味がある試合であった。

内容面では、後方からのビルドアップに落ち着きがあった。VONDSのプレスが強くかかり切らなかったこともあるが、最終ラインから中盤、前線へとスムーズにボールを運べていた。

攻撃では、川﨑咲耶の存在が大きかった。

高い位置に残ることで相手の最終ラインを下げさせ、裏への警戒を与え続けた。さらに、後半はポストプレーでも存在感を発揮。最後のループシュートは、試合を決めるにふさわしい見事な一撃であった。

守備面でも、VONDSのカウンターに対して大きく崩れる場面は多くなかった。ボールサイドを締め、逆サイドはある程度割り切りながら、中央を固める対応は機能していた。

前節に続く勝利で、チームとしても流れをつかみたいところである。今節のように試合をコントロールする時間を増やしながら、決定機をより確実に仕留められるか。ここが順位浮上へのポイントになる。

VONDS市原FCレディース

VONDSにとっては、悔しい敗戦であった。
終盤まで0-0で進められたことを考えれば、勝ち点1が見えた試合でもあった。ゴール前で身体を張る守備、GK佐藤瑠美奈の対応、最後まで集中を切らさなかった姿勢は、前向きに捉えられる部分である。

一方で、ゴール前の粘りと中盤の守備を分けて考える必要がある。
VONDSは自陣ペナルティエリア付近では集中を保ち、最後の局面で身体を張ることができていた。一方で、中盤ではハリマのボール保持に対して圧力をかけ切れず、相手の前進を許す場面が多かった。

チャレンジするのか、遅らせてブロックを整えるのか。その判断が曖昧になると、ハリマの選手に前を向く時間を与えてしまう。今節も、そこからサイド展開や前線への縦パスにつながり、VONDSが押し込まれる要因になっていた。
ゴール前で耐える守備に加えて、中盤で相手の攻撃を減速させる守備の整理が必要になる。

攻撃面においては、櫻庭琴乃の技術、増原遥花のドリブル、村上賀梨の力強い持ち上がりなど、可能性を感じさせる場面はあった。ただ、それをチーム全体の押し上げや継続的な攻撃につなげるところまでは難しかった印象である。

結果として勝ち点には届かなかったが、守備の粘りは見えた試合であった。次に必要なのは、耐えるだけでなく、相手を押し返す時間をどう作るか。後半戦で勝ち点をつかむためには、攻撃へ移る局面の質がより重要になる。

また、櫻庭が後半途中に担架でピッチを退いた場面も気がかりだ。VONDSの攻撃を牽引する存在であり、精神的にも大きな役割を担う選手だけに、状態が心配される。

順位表

第12節を終えて、ASハリマアルビオンは1つ順位を上げて10位に浮上。VONDS市原FCレディースは12位のままとなっている。

順位推移
順位
(前節)
チーム名勝点試合数得点失点得失点過去5試合
1(1)静岡SSUボニータ2612822359+26
2(3)朝日インテック・ラブリッジ名古屋25127412911+18
3(2)ヴィアマテラス宮崎24127322312+11
4(4)伊賀FCくノ一三重2212642159+6
5(5)オルカ鴨川FC1912543158+7
6(7)岡山湯郷Belle17125251721-4
7(8)愛媛FCレディース16124441419-5
8(9)スフィーダ世田谷FC151243520200
9(6)ニッパツ横浜FCシーガルズ14124262023-3
10(11)ASハリマアルビオン12123361214-2
11(10)日体大SMG横浜10123181338-25
12(12)VONDS市原FCレディース0120012534-29

次節に向けて

次節、ASハリマアルビオンはスフィーダ世田谷FCとのアウェー戦。第2節では小池快のゴールで先制に成功したが、試合終盤に内田美鈴に同点ゴールを許し1-1引き分けだった。90分を通して守備強度を保ち、リーグ屈指の決定力と得点力を持つ相手を抑えられるか。

VONDS市原FCレディースは岡山湯郷Belleをホームに迎える。第2節では試合開始早々に失点し、相手のビルドアップに苦しみ0-3完敗。今節のように守備意識を高めて試合に入る姿勢は必要で、少ないチャンスをものにする準備をして臨みたい。

リソース

フルマッチLIVE配信

第12節全試合ハイライト動画

第12節の全試合終了待ち

公式記録

日程・結果

なでしこリーグ公式ガイドブック