2026プレナスなでしこリーグ1部は第12節を迎え、シーズン後半戦に入った。
第11節終了時点で2位のヴィアマテラス宮崎が、3位の朝日インテック・ラブリッジ名古屋をホームに迎えた上位直接対決である。
両チームの勝ち点差はわずか2。首位追走のために勝ち点を積み上げたい宮崎と、勝てば順位を入れ替えられる名古屋。後半戦の初戦から、優勝争いの行方を左右する重要なカードとなった。
試合は、名古屋が運動量、切り替え、セカンドボールへの反応で宮崎を上回った。
36分に水野亜美が先制点を奪うと、88分には藤原愛里が追加点。宮崎も終盤に圧力を強めたが、名古屋の守備を最後まで崩し切れなかった。
ヴィアマテラス宮崎 0-2 朝日インテック・ラブリッジ名古屋。
上位直接対決を制した名古屋が2位に浮上し、宮崎は3位に後退した。
この記事の要点
- 名古屋が宮崎のビルドアップとサイド攻撃を制限し、0-2で上位対決を制した。
- 36分、水野亜美が先制。88分には藤原愛里が追加点を奪い、名古屋が試合を決定づけた。
- 宮崎は終盤に押し込む時間を作ったが、名古屋の守備組織と切り替えの速さを崩し切れなかった。

試合情報
2026プレナスなでしこリーグ1部 第12節
| ヴィアマテラス宮崎 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
|---|---|
| 0 | 2 |
| 36分 水野 亜美 88分 藤原 愛里 |
| 日時 | 2026年06月07日 13:00 |
| 会場 | いちご宮崎新富サッカー場 |
| 観客数 | 1,067人 |
スターティングラインナップ・登録メンバー
ヴィアマテラス宮崎
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 50 | 後藤 優香 | |
| DF | 33 | 小牧 明日香 | |
| DF | 16 | 松田 遥奈 | |
| DF | 21 | 坂本 理保 (Cap.) | |
| DF | 4 | 永野 桃子 | |
| MF | 22 | 山本 さゆり | |
| MF | 18 | 中野 里乃 | |
| MF | 13 | 川添 ゆず | HT▼ |
| MF | 8 | 嘉数 飛鳥 | HT▼ |
| FW | 17 | 小澤 寛 | 63▼ |
| FW | 9 | 土屋 佑津季 | 77▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 暁 清流 | |
| DF | 3 | 國生 乃愛 | HT▲ |
| MF | 6 | 松井 彩乃 | |
| MF | 14 | 島田 綾子 | 63▲ |
| FW | 7 | 有馬 りこ | 77▲ |
| FW | 24 | 井之脇 朱音 | |
| FW | 30 | 富沢 藍那 | HT▲ |
| 監督: 佐藤 考範 | |||
朝日インテック・ラブリッジ名古屋
| Pos | No. | 氏名 | 交代 |
|---|---|---|---|
| GK | 16 | 流川 桐佳 | |
| DF | 24 | 角田 菜々子 | 81▼ |
| DF | 10 | 橘 麗衣 (Cap.) | |
| DF | 17 | 堀内 意 | |
| DF | 2 | 夏目 歩実 | |
| MF | 14 | 上田 真子 | 71▼ |
| MF | 5 | 安部 由希子 | |
| MF | 21 | 大場 柚季 | 58▼ |
| MF | 8 | 渕上 野乃佳 | |
| FW | 9 | 水野 亜美 | 71▼ |
| FW | 28 | 永田 晶子 | 58▼ |
| 控え | |||
| GK | 1 | 横山 野ノ香 | |
| DF | 25 | 河合 野乃子 | 81▲ |
| MF | 4 | 逸見 桃子 | 58▲ |
| MF | 11 | 藤原 愛里 | 58▲ |
| MF | 15 | 中村 友香 | 71▲ |
| MF | 20 | 増永 朱里 | 71▲ |
| MF | 22 | 川添 凛音 | |
| 監督: 磯村 健 | |||
試合展開
序盤は宮崎、名古屋GK流川桐佳が流れを渡さない
立ち上がりはホームの宮崎が勢いを持って入った。
開始早々、クリアボールが#9土屋佑津季のもとへ入り、名古屋GK#16流川桐佳と1対1に近い形を作る。角度はやや厳しかったが、宮崎にとっては先制の可能性を感じさせる場面だった。
しかし、ここで流川が冷静に対応。名古屋は序盤のピンチをしのいだことで、試合に落ち着きを取り戻していく。
宮崎は山本さゆりへのロングフィード、永野桃子のミドルシュートなどで名古屋ゴールに迫ったが、名古屋は5分を過ぎたあたりから徐々に押し返した。

名古屋が宮崎の前進を封じ、試合の主導権を握る
名古屋が優れていたのは、ボールを失った直後の切り替えだった。
宮崎がビルドアップから得意とするサイド攻撃に入る前に、名古屋は素早く寄せて前進の出口を消す。宮崎は局面の強さでは対抗できていたが、名古屋の立ち位置と選手間の距離が良く、前を向くまでに時間がかかった。
名古屋は左サイドを中心に攻撃を組み立てる。#2夏目歩実、#8渕上野乃佳、#28永田晶子が連動し、#5安部由希子も的確にボールを動かしながら宮崎の守備を揺さぶった。
特に印象的だったのは、宮崎の最終ライン背後を狙う動きである。名古屋は単にボールを保持するだけではなく、前線への浮き球、サイドからのクロス、裏へのランニングを組み合わせ、宮崎にラインを上げづらくさせた。

36分、水野亜美が先制 名古屋が崩し切る
試合が動いたのは36分だった。
安部由希子が左サイドへ浮き球のパスを送ると、永田晶子が反応。宮崎守備陣の背後を取り、ペナルティエリア内へ進入する。
永田は相手を引きつけて中央へラストパス。最後は#9水野亜美がワンタッチで押し込んだ。
名古屋にとっては、狙い続けていた背後へのランニングと、ゴール前での冷静な判断が結実した先制点だった。
宮崎にとっては、耐えていた時間帯での失点。名古屋の攻撃に対して後手を踏まされる場面が続いていただけに、流れの中でも重い失点となった。

前半終盤も名古屋が優勢、宮崎は土屋佑津季の推進力で反撃
前半終盤、宮崎は同点を狙って前に出る。しかし、その分だけ中盤にスペースが生まれた。
名古屋はそのスペースを見逃さず、安部由希子がボールを受けて前進。宮崎守備陣を引き出しながら、味方に時間と選択肢を与えた。
一方の宮崎も、前半終了間際に土屋佑津季がドリブルで持ち上がり、一気にゴールへ迫る場面を作った。だが、名古屋の戻りは速く、最後のところで攻撃を跳ね返す。
前半は宮崎0-1名古屋。名古屋が内容面でも優位に進めて折り返した。

増永朱里の投入で名古屋の前線に時間が生まれる
後半、宮崎は#3國生乃愛と#30富沢藍那を投入。ビルドアップの精度を高めつつ出口を増やし、前への圧力を高めようとした。
名古屋もハーフタイムに#20増永朱里を投入する。これが後半の試合運びに大きく効いた。
増永は前線でボールを収め、ドリブルでもポストプレーでも時間を作った。宮崎が前に出ようとしたタイミングで、名古屋は増永を起点に押し返すことができた。
さらに#5安部由希子は後半も攻守に存在感を発揮する。守備ではスペースを消し、攻撃では味方が前を向ける位置に立つ。上がった後のプレスバックも速く、宮崎の前進を何度も制限した。

宮崎は富沢藍那と國生乃愛で打開を図る
宮崎は苦しい展開の中でも、後半に入って攻撃の形を作り始めた。
富沢藍那はスピードとフィジカルを生かして前線で起点になり、國生乃愛は精度の高いパスで名古屋の守備ラインの間を狙った。
前半は名古屋の守備に出口をふさがれていた宮崎だったが、後半は局面を打開するプレーが増えた。名古屋ゴール前に迫る時間帯もあり、同点への可能性は残されていた。
ただし、名古屋の守備は崩れなかった。
#2夏目歩実は富沢の突破に対して強度を落とさず対応し、#10橘麗衣を中心とした最終ラインも冷静にスペースを埋める。宮崎が押し込んでも、最後のシュートコースを簡単には与えなかった。

88分、藤原愛里が追加点 名古屋が試合を決定づける
終盤、宮崎はリスクを負って前に出る。
#50後藤優香のビッグセーブもあり、宮崎は追加点を許さずに粘っていた。だが、前がかりになったことで、背後にはスペースが生まれる。
88分、名古屋は左サイドから攻撃を仕掛ける。夏目歩実のクロスが入り、宮崎守備陣がクリアし切れなかったところを、最後は#11藤原愛里が右足で押し込んだ。
宮崎にとっては、同点を狙って前に出た時間帯での痛恨の2失点目。名古屋にとっては、試合を決定づける大きな追加点だった。
その後、宮崎はGK後藤優香も高い位置を取りながら攻撃の組み立てに加わる。富沢藍那が強烈なシュートを放つ場面もあったが、名古屋GK流川桐佳が最後までゴールを許さなかった。
試合はそのまま終了。朝日インテック・ラブリッジ名古屋がヴィアマテラス宮崎を0-2で下した。

総括
宮崎が個の強度で大きく劣っていたわけではない。むしろ、局面の球際や一人ひとりの出力では、宮崎らしさが出る場面もあった。
それでも試合全体を支配したのは名古屋だった。
理由は、宮崎の強みを出させない準備と、それを90分間やり切る実行力にある。
名古屋は宮崎のビルドアップに対して、前線からプレスをかけ続けた。サイド攻撃に入る前の段階で制限をかけ、宮崎が得意とする形を作る回数を減らした。
攻撃では、背後へのランニング、サイドの連動、セカンドボールへの反応が徹底されていた。先制点も追加点も、名古屋が狙い続けた形から生まれたゴールだった。
宮崎も後半は押し返したが、名古屋の守備組織は最後まで崩れなかった。チャンスの数を増やし切れず、1点が遠い試合となった。
ヴィアマテラス宮崎
宮崎にとっては、ビルドアップの出口を対策された試合だった。
前を向ければ一気にゴールへ迫る迫力がある。土屋佑津季、山本さゆり、富沢藍那らが前進できた場面では、名古屋にとっても脅威になっていた。
しかし、その手前で名古屋に制限をかけられた。サイドに入る前、前線がボールを受ける前、宮崎がテンポを上げる前に名古屋の守備が寄せてくる。結果として、宮崎は攻撃の回数を増やし切れなかった。
後半に國生乃愛と富沢藍那が入ってからは、前半とは違う打開策も見えた。特に富沢の推進力は、停滞した試合を動かす可能性を感じさせた。
一方で、上位争いを続けるためには、相手に対策された時の前進方法を増やしたい。スフィーダ世田谷戦に続き、リスクを負って宮崎の強みを消しにくる相手に対して、どう主導権を取り返すかが後半戦のテーマになりそうだ。
首位・静岡SSUボニータが同節で敗れたため、宮崎にとっては勝てば首位浮上の可能性もあった一戦だった。だからこそ、この敗戦は順位以上に重い。
ただし、宮崎の強度や個々の能力が失われたわけではない。次節以降、どれだけ早く立て直せるかが問われる。
朝日インテック・ラブリッジ名古屋
名古屋は、後半戦の優勝争いに向けて大きな勝利を手にした。
宮崎の運動量と強度に走り負けず、球際でも最後まで戦い続けた。さらに、守備の狙いが明確で、攻撃にも再現性があった。
シーズン序盤は、後ろ向きのパスが多くなる時間帯もあったが、この試合の名古屋は前進するためのビルドアップが整理されていた。無理に急がず、しかし前に出るタイミングは逃さない。ボールを保持するだけではなく、相手の背後を狙い続けた点も良かった。
安部由希子は攻守両面で非常に効いていた。守備ではスペースを消し、攻撃では味方に選択肢を与える位置を取り続けた。目立つプレーだけでなく、チーム全体のリズムを整える働きが大きかった。
永田晶子は豊富な運動量で背後への動きを繰り返し、水野亜美の先制点を引き出した。ゴールこそなかったが、名古屋の攻撃に奥行きを与えた存在だった。
増永朱里も後半から流れを支えた。前線でボールを収め、宮崎が前に出る時間帯でも名古屋に攻撃の時間を作った。終盤の追加点につながる流れでも、前線で粘れる選手の価値を示した。
そして藤原愛里は、終盤の大事な時間帯で追加点を奪った。途中出場の選手が結果を出したことも、名古屋の選手層の厚さを感じさせる。
名古屋はこの勝利で宮崎を上回り、2位に浮上した。首位を追ううえで、内容と結果の両方を手にした大きな一戦だった。
順位表
第12節の直接対決を終えて、朝日インテック・ラブリッジ名古屋は2位に浮上。ヴィアマテラス宮崎は3位に後退した。
首位・静岡SSUボニータが同節で敗れたこともあり、上位争いはさらに混戦になっている。
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(1) | 静岡SSUボニータ | 26 | 12 | 8 | 2 | 2 | 35 | 9 | +26 | |
| 2(3) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 25 | 12 | 7 | 4 | 1 | 29 | 11 | +18 | |
| 3(2) | ヴィアマテラス宮崎 | 24 | 12 | 7 | 3 | 2 | 23 | 12 | +11 | |
| 4(4) | 伊賀FCくノ一三重 | 22 | 12 | 6 | 4 | 2 | 15 | 9 | +6 | |
| 5(5) | オルカ鴨川FC | 19 | 12 | 5 | 4 | 3 | 15 | 8 | +7 | |
| 6(7) | 岡山湯郷Belle | 17 | 12 | 5 | 2 | 5 | 17 | 21 | -4 | |
| 7(8) | 愛媛FCレディース | 16 | 12 | 4 | 4 | 4 | 14 | 19 | -5 | |
| 8(9) | スフィーダ世田谷FC | 15 | 12 | 4 | 3 | 5 | 20 | 20 | 0 | |
| 9(6) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 14 | 12 | 4 | 2 | 6 | 20 | 23 | -3 | |
| 10(11) | ASハリマアルビオン | 12 | 12 | 3 | 3 | 6 | 12 | 14 | -2 | |
| 11(10) | 日体大SMG横浜 | 10 | 12 | 3 | 1 | 8 | 13 | 38 | -25 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 0 | 12 | 0 | 0 | 12 | 5 | 34 | -29 |
次節に向けて
次節、ヴィアマテラス宮崎はアウェーでニッパツ横浜FCシーガルズと対戦する。
宮崎にとっては、連敗を避けるだけでなく、優勝争いに踏みとどまるためにも重要な一戦となる。名古屋戦で見えたビルドアップの課題に対し、どのような修正を見せるかに注目したい。
前回対戦のレビュー
第2節:ヴィアマテラス宮崎 3-1 ニッパツ横浜FCシーガルズ
朝日インテック・ラブリッジ名古屋は、ホームで伊賀FCくノ一三重と対戦する。
宮崎に続く上位勢との対戦であり、ここを勝ち切ることができれば、名古屋の優勝争いにおける存在感はさらに大きくなる。宮崎戦で見せた強度と再現性を、次節も継続できるかがポイントになる。
前回対戦のレビュー
第2節:伊賀FCくノ一三重 1-1 朝日インテック・ラブリッジ名古屋
リソース
フルマッチLIVE配信
第12節全試合ハイライト動画
公式記録

