2026プレナスなでしこリーグ1部は第15節までを終え、中断期間に入っています。
その中断期間企画として、日本女子サッカーリーグから「ファン・サポーターが選ぶ 2026なでしこリーグ ベストイレブン」が発表されました。
ファン・サポーターによる投票で選ばれた11人はこちらです。選手の方々、おめでとうございます。

| ポジション | 選手名 | 所属チーム |
|---|---|---|
| GK | 田谷 春海 | 静岡SSUボニータ |
| DF | 青葉 結衣 | 静岡SSUボニータ |
| DF | 彦坂 桃花 | 静岡SSUボニータ |
| DF | 服部 花音 | 静岡SSUボニータ |
| DF | 上西 可奈子 | 静岡SSUボニータ |
| MF | 高島 絢音 | 静岡SSUボニータ |
| MF | 中島 咲友菜 | 静岡SSUボニータ |
| MF | 三輪 玲奈 | 静岡SSUボニータ |
| MF | 室井 胡心 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
| FW | 横山 久美 | 静岡SSUボニータ |
| FW | 安部 美琴 | 日体大SMG横浜 |
選ばれた11人を見て、まず目を引くのが静岡SSUボニータの多さです。11人中9人が静岡の選手です。
公式企画は、ファン・サポーターからの得票数上位よりGK1人、フィールドプレーヤー10人を選ぶ方式です。したがって、自分が応援するクラブや好きな選手に票を投じることも含めて、ファン投票ならではの結果といえます。
そして静岡は、第15節終了時点で10勝2分3敗、勝点32。名古屋と勝点で並びながら、得失点差で上回って首位に立っています。45得点はリーグ最多、失点数も最少タイの10に抑えています。
静岡の選手が多く支持されることには、一定の納得感があります。
ただ、今シーズンのなでしこリーグ1部をリーグ全体で見ていると、公式ベストイレブンには選出されなかったものの、素晴らしいパフォーマンスを見せ、対戦相手にとって大きな脅威になっている選手がいます。
そこで今回は、公式のファン・サポーター投票とは少し違う視点から、第15節までの試合を見たうえで「nadefootball12.com版 ベストイレブン」を選んでみました。
当サイト選ぶ、第15節終了時点のベストイレブン
公式ベストイレブンのポジション構成に合わせ、4-4-2をイメージして11人を選びました。
※実際の登録ポジションとは異なる位置に配置している選手もいます。
| ポジション | 選手名 | 所属チーム |
|---|---|---|
| GK | 大塚 美緒 | スフィーダ世田谷FC |
| DF | 夏目 歩実 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
| DF | 秦 美結 | 伊賀FCくノ一三重 |
| DF | 彦坂 桃花 | 静岡SSUボニータ |
| DF | 上西 可奈子 | 静岡SSUボニータ |
| MF | 渕上 野乃佳 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
| MF | 安部 由希子 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
| MF | 室井 胡心 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
| MF | 中島 咲友菜 | 静岡SSUボニータ |
| FW | 横山 久美 | 静岡SSUボニータ |
| FW | 内田 美鈴 | スフィーダ世田谷FC |
他にも多くの注目選手はいますが、悩んだ末の選出です。やはり、11人に絞るのは難しいですね…。

GK 大塚 美緒|スフィーダ世田谷FC
世田谷のゴールを守る大塚美緒選手を選びました。
強みは180cmの長身と長い手足を活かしたシュートストップ。また、相手に押し込まれる展開でも落ち着いて対応できるGKです。
GKはチームの順位や失点数だけでは評価しにくいポジションです。
相手に押し込まれる時間が長い試合でも、最後のところでゴールを守り、チームが勝ち点を得る可能性を残します。
順位だけを見れば、世田谷は上位ではありません。
それでも、個人のパフォーマンスという観点ではベストイレブンに入れたい選手です。
DF 夏目 歩実|朝日インテック・ラブリッジ名古屋
豊富な運動量を生かした上下動と、積極的な攻撃参加が印象に残ります。
名古屋は後方から丁寧にボールをつなぎながら、サイドバックも高い位置を取って攻撃に厚みを加えます。
夏目選手は左サイドを上下動し、攻撃時には幅を作りながら前進。ボールを失えば素早く守備へ戻ります。
攻撃と守備の両面で、現在優勝争いを続ける名古屋の左サイドを支えている選手です。
DF 秦 美結|伊賀FCくノ一三重
センターバックには伊賀FCくノ一三重の秦美結選手を選びました。
伊賀は最終ラインを高く設定し、前線から連動して相手へプレッシャーをかけます。
そのためセンターバックには、対人守備だけでなく、最終ラインの背後に生まれる広いスペースへの対応も求められます。
秦選手は相手FWへ強く寄せながら、背後へのボールにも対応。伊賀の積極的で堅い守備を後方から支えており、上位チームとの試合でも守備の中心として存在感を見せています。
第15節までを通した安定感を評価して、今回のベストイレブンに選びました。
DF 彦坂 桃花|静岡SSUボニータ
静岡からは、最終ラインの中心を担う彦坂桃花選手です。
2026シーズンの静岡は、リーグ最多の45得点という攻撃力が目立ちます。
一方で、第15節終了時点の失点は10。
現在首位に立つ背景には、攻撃陣だけでなく守備の安定もあります。
彦坂選手は身体を張った守備や相手FWへの対応に加えて、セットプレーでも存在感を見せます。
攻守両面から静岡を支えているセンターバックです。
DF 上西 可奈子|静岡SSUボニータ
もう一人、静岡の守備陣から上西可奈子選手です。
右サイドでの守備対応だけでなく、オーバーラップやドリブル突破で高い位置へ出て攻撃に関われることが大きな魅力です。
静岡には横山久美選手、中島咲友菜選手らゴールに直結する選手がいます。
その攻撃を支えるためには、後方をしっかり固めて、さらにサイドを押し上げて幅を作る選手も必要です。
攻撃力のあるチームだからこそ、サイドで攻守のバランスを取れる上西選手の存在は重要です。
MF 渕上 野乃佳|朝日インテック・ラブリッジ名古屋
中盤には朝日インテック・ラブリッジ名古屋から渕上野乃佳選手です。
豊富な運動量で広い範囲に関わり、守備だけでなく、自らボールを前へ運べることが魅力です。
名古屋は丁寧にボールを動かしますが、横方向へのパスだけでは相手の守備は崩せません。
そこで渕上選手がドリブルや前への動きで縦方向の変化を加えます。
さらに守備では低い位置まで戻り、ボールを奪えばそのまま自ら前へ出ていく推進力も持ち合わせています。
攻撃と守備の間をつなぎながら、名古屋に前へ進む力を加えている選手です。
MF 安部 由希子|朝日インテック・ラブリッジ名古屋
渕上選手とともに、名古屋の中盤から安部由希子選手を選びました。
得点やドリブルで目立つタイプではありません。
しかし、相手に簡単に前を向かせない守備、危険なスペースを埋めるポジショニング、ボールを持ったときの展開など、中盤で試合を整える能力に長けています。
特に印象に残るのが、上位チームとの対戦です。
第10節の静岡戦では、中盤で強度高く相手へ対応。名古屋が首位を争う静岡に3-0で勝利する土台を作っています。
第13節の伊賀戦でも先発し、先制点につながる場面では安部選手のクロスから渕上選手がペナルティーエリアへ飛び込んでPKを獲得しています。
現在、静岡と同じ勝点32で優勝争いを続ける名古屋。
その中盤を支える存在として選びました。
MF 室井 胡心|ニッパツ横浜FCシーガルズ
ニッパツ横浜FCシーガルズからは室井胡心選手です。室井選手は公式のファン・サポーター投票でも選ばれています。
最大の武器はスピード。
相手最終ラインの背後にスペースがあれば一気に加速し、DFより先にボールへ到達します。
室井選手が背後を狙い続けることで、相手DFは簡単に最終ラインを押し上げられません。
自らゴールへ向かうだけでなく、相手守備を後方へ引っ張り、周囲の選手がプレーするスペースを生み出せることも大きな強みです。
15試合で7得点。さらに圧倒的なスピードを武器に、個人の怖さという意味ではリーグでも屈指の選手だと感じています。
MF 中島 咲友菜|静岡SSUボニータ
静岡の攻撃陣から中島咲友菜選手を選びました。
左サイドからのドリブルだけでなく、最終ラインの背後を狙う動きが非常に印象に残ります。
横山久美選手が中盤へ下りてボールを受け、その先のスペースへ中島選手が動く。2026シーズンの静岡で何度も見られる攻撃です。
第11節のVONDS市原FCレディース戦ではハットトリック。
第15節のASハリマアルビオン戦でも2得点を記録し、第15節終了時点で8得点を挙げています。
スピードを生かした裏への抜け出しだけでなく、ドリブルやフィニッシュ、ボールを失った後の守備への切り替えまで含めて、静岡の左サイドにおいて大きな存在感があります。
FW 横山 久美|静岡SSUボニータ
FWの一人目は横山久美選手です。
ここは迷いませんでした。自らの攻撃力に加えて周囲を活かせる、リーグ屈指のFWです。
第15節ではなでしこリーグ通算183得点目を決め、歴代最多得点記録を更新しています。
また、現時点で12得点を挙げており、得点ランキング首位に立っています。
ただし、今シーズンの横山選手を評価したい理由は得点数だけではありません。
最前線に立ち続けるのではなく、中盤へ下りてボールを受け、相手を引きつけてから三輪選手や中島選手の背後への動きを狙って精度の高いパスを供給します。
セットプレーでも直接ゴールを狙えるだけでなく、味方の得点も生み出します。
自分で決めるだけでなく、周囲の選手も生かすことができる。
現在首位に立つ静岡。その攻撃は、横山選手を中心に複数の選手が連動しています。横山選手の存在がチーム全体の攻撃力を引き上げています。
FW 内田 美鈴|スフィーダ世田谷FC
もう一人のFWには、スフィーダ世田谷FCの内田美鈴選手を選びました。
第15節終了時点で11得点。
横山久美選手の12得点に次ぐ、得点ランキング2位につけています。
そして、この11得点には大きな価値があると感じています。
世田谷は現在9位。優勝争いをしているチームではありません。
その中で11得点を挙げ、リーグの得点ランキング上位にいることは、FW個人として高く評価したいポイントです。
内田選手はゴール前で待つだけのストライカーでもありません。
相手DFを背負ってボールを収め、中盤まで下りて攻撃の起点になることもできます。
そしてゴール前へ入れば、自ら得点する。
世田谷は中断期間時点で22得点。
そのうち内田選手が11得点、堀江美月選手が8得点を挙げています。2人だけで19得点を生み出しており、内田選手は世田谷の攻撃に欠かせない存在です。そして第15節終了時点で、決定率はリーグトップの47.8%を誇ります。
現在のチーム順位とは切り離して、一人のFWとして見たときに、得点力・決定率・推進力・献身性の総合値が高く、なでしこリーグを代表するストライカーの一人です。
自分で選んでも、静岡の選手が一番多くなった
となりました。
公式の「ファン・サポーターが選ぶベストイレブン」は、11人中9人が静岡SSUボニータ。
さすがに多いな、というのが結果を最初に見たときの印象です。
ところが、リーグ全体の試合を見ながら自分なりに11人を選んでみても、静岡から4人を選出。最も多くなりました。
それだけ、今シーズンの静岡が高いパフォーマンスを見せているということなのでしょう。
第15節終了時点で静岡は10勝2分3敗、勝ち点32。名古屋と勝ち点で並びながら、得失点差で首位に立っています。
45得点はリーグ最多で、失点も10に抑えています。
今回選んだ4人は、DF、MF、FWに分かれています。
特定の選手だけが突出しているのではなく、各ポジションに試合へ影響を与える選手がいることが、現在の静岡の強さにつながっていると感じます。
それでも、一強のリーグではない
一方で、順位表だけでは見えてこない活躍を見せている選手もいます。
そして今回の11人から外れた中にも、最後まで迷う選手が何人もいます。
これが、なでしこリーグ1部を全チーム横断で見る面白さだと思っています。
静岡は強い。
実際に自分でベストイレブンを選んでも、静岡の選手が最も多くなります。
しかし、静岡一強のリーグというわけではありません。
中断期間が明ければ、残りは7節。
今回名前を挙げた選手たちが、優勝争い、順位争い、残留争いの中でどのようなプレーを見せるのか。
そしてシーズン終了時には、また違う11人を選びたくなっているのか。
残り7節も楽しみに追いかけていきます。
