2026プレナスなでしこリーグ1部は第14節が終了した。
後半戦に入り、各チームが前回対戦からの修正を持ち込むなか、今節も全国各地で熱い戦いが繰り広げられた。第14節最大の注目カードは、首位・静岡SSUボニータと5位・伊賀FCくノ一三重の一戦だった。
前回対戦は0-0。静岡がボールを握り、伊賀が強度の高い守備と鋭いカウンターで応戦した試合だった。再戦となった今節は、伊賀が前半9分に増田玲那のゴールで先制。その後は静岡の攻撃を最後まで封じ、1-0で勝利を収めた。
一方、朝日インテック・ラブリッジ名古屋は愛媛FCレディースに6-0で完勝。藤原愛里のハットトリックを含む6得点で勝点3を積み上げた。その結果、第14節終了時点で静岡が首位から陥落し、名古屋が首位へ浮上した。
第14節は、優勝争いの構図が大きく動いたラウンドだった。
ダッシュボード
第14節の試合結果
| 対戦カード | 結果 | 超概要コメント | リンク |
|---|---|---|---|
| 愛媛 vs 名古屋 | 0-6 | 終盤に怒涛の4得点を含む6発快勝 | 試合レビュー |
| オルカ vs ニッパツ | 2-1 | ニッパツの鋭いプレスに耐えたオルカが、後半2得点で競り勝った | 試合レビュー |
| ハリマ vs 日体大 | 1-0 | 終始攻めたハリマの勝利 | 試合レビュー |
| 宮崎 vs VONDS | 3-1 | VONDSが先制するも、前半に追いつき後半追加点で宮崎が力の差を見せた | 試合レビュー |
| 湯郷 vs 世田谷 | 2-0 | 前回対戦から見事な修正、湯郷が世田谷のプレスと攻撃陣を抑えて勝利 | 試合レビュー |
| 静岡 vs 伊賀 | 0-1 | 積極的な守備で前半序盤の得点を守った伊賀の勝利 | 試合レビュー |
第14節で見えたリーグ全体の動き
第14節最大の変化は、首位交代である。開幕節から第13節終了時点まで首位だった静岡SSUボニータが伊賀FCくノ一三重に0-1で敗れ、2位の朝日インテック・ラブリッジ名古屋は愛媛FCレディースに6-0で完勝。これにより名古屋が勝点31で首位へ浮上し、静岡は2位へ後退した。
名古屋は第3節で愛媛に4-5で敗れて以降、チームの方向性を整理しながら勝点を積み上げてきた。今節はその相手に6発完勝。内容と結果の両面で充実度を示し、優勝争いの先頭に立った。一方の静岡は、守備強度の高い伊賀を崩し切れず無得点。ボールを持つ展開でどう得点まで持ち込むかが、改めて課題となった。
3位・宮崎はVONDS市原FCレディースに逆転勝利し、首位・名古屋と勝点3差を維持。4位・オルカ、5位・伊賀、6位・湯郷もそろって勝利し、上位追走グループも崩れなかった。特に伊賀は静岡撃破、湯郷は後半戦3連勝と、それぞれ存在感を高めている。
中位グループでは、ASハリマアルビオンが日体大SMG横浜に勝利し、10位から7位へ浮上した。第11節以降は3勝1分と好調で、下位グループから一気に中位へ食い込んでいる。一方、世田谷、愛媛、ニッパツは順位を下げた。
下位グループでは、日体大が11位、VONDS市原が12位のまま。VONDS市原は宮崎から先制点を奪ったものの、開幕14連敗となった。
第14節は、名古屋の首位浮上、静岡の首位陥落、ハリマの7位浮上など、順位表が大きく動いたラウンドだった。
順位変動と順位表(第14節終了時点)
※スマートフォンでは横にスクロールしてご覧ください。
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(2) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 31 | 14 | 9 | 4 | 1 | 37 | 12 | +25 | |
| 2(1) | 静岡SSUボニータ | 29 | 14 | 9 | 2 | 3 | 40 | 10 | +30 | |
| 3(3) | ヴィアマテラス宮崎 | 28 | 14 | 8 | 4 | 2 | 28 | 15 | +13 | |
| 4(4) | オルカ鴨川FC | 25 | 14 | 7 | 4 | 3 | 19 | 10 | +9 | |
| 5(5) | 伊賀FCくノ一三重 | 25 | 14 | 7 | 4 | 3 | 17 | 11 | +6 | |
| 6(6) | 岡山湯郷Belle | 23 | 14 | 7 | 2 | 5 | 21 | 21 | 0 | |
| 7(10) | ASハリマアルビオン | 16 | 14 | 4 | 4 | 6 | 15 | 16 | -1 | |
| 8(7) | スフィーダ世田谷FC | 16 | 14 | 4 | 4 | 6 | 22 | 24 | -2 | |
| 9(8) | 愛媛FCレディース | 16 | 14 | 4 | 4 | 6 | 15 | 27 | -12 | |
| 10(9) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 15 | 14 | 4 | 3 | 7 | 23 | 27 | -4 | |
| 11(11) | 日体大SMG横浜 | 10 | 14 | 3 | 1 | 10 | 13 | 44 | -31 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 0 | 14 | 0 | 0 | 14 | 6 | 39 | -33 |
得点ランキング(第14節終了時点)
| 順位 | 得点数 (今節得点) | 氏名 | チーム名 |
|---|---|---|---|
| 1 | 11 | 内田 美鈴 | スフィーダ世田谷FC |
| 1 | 11 | 横山 久美 | 静岡SSUボニータ |
| 3 | 9(+3) | 藤原 愛里 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
| 4 | 8 | 堀江 美月 | スフィーダ世田谷FC |
| 4 | 8(+1) | 土屋 佑津季 | ヴィアマテラス宮崎 |
| 6 | 7(+1) | 岡 百々花 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
| 6 | 7 | 三輪 玲奈 | 静岡SSUボニータ |
| 6 | 7 | 千葉 園子 | ASハリマアルビオン |
| 9 | 6 | 室井 胡心 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
| 9 | 6 | 中島 咲友菜 | 静岡SSUボニータ |
各対戦カード振り返り
名古屋が愛媛に6発完勝、首位へ浮上
名古屋が藤原愛里のハットトリックを含む6得点で愛媛に完勝し、首位へ浮上した。第3節では愛媛の前線からのプレスとハードワークに苦しみ4-5で敗れたが、再戦では長短のパスを使い分け、セカンドボールへの反応でも上回った。
セットプレー、サイド攻撃、交代選手の得点と攻撃の形も多彩で、前回対戦からの修正力とチームの完成度を示す勝利だった。
オルカが苦しい前半を耐え、ニッパツにリベンジ
オルカが前半の苦しい時間を耐え、後半の2得点でニッパツに競り勝った。前半はニッパツが室井胡心、岡百々花を中心に背後を狙い、オルカを押し込んだが、GK米澤萌香の好守もあり無失点で折り返した。
後半開始直後に越路萌永が先制し、河野有希が追加点。終盤に1点を返されたものの、前回対戦で敗れた相手にリベンジを果たし、4位を維持した。
ハリマが日体大との直接対決を制し、7位浮上
ハリマが前線の強度と背後への狙いを生かし、日体大との直接対決を1-0で制した。前半から相手最終ラインに圧力をかけ続け、後半には千葉園子のボール奪取から川﨑咲耶を経由し、正野可菜子が決勝点を奪った。
試合レビュー
ASハリマアルビオン 1-0 日体大SMG横浜
開始5分に江藤里桜奈のなでしこリーグ初得点で先制したが、愛媛も16分に毛利美佑が同点弾。
互いに主導権を奪い合う展開となった中、65分に河野有希が決勝点を奪った。
オルカはビルドアップ時のリスク管理や終盤の試合運びに課題を残したものの、上位追走に必要な勝点3を取り切ったことは大きい。
宮崎が先制許すも逆転、優勝争いに踏みとどまる
VONDS市原FCレディースが開始早々に先制したが、ヴィアマテラス宮崎が前半終了間際の同点弾から流れを引き戻し、後半に2得点を加えて逆転勝利を収めた。
宮崎は低い位置からのビルドアップにこだわりすぎず、縦に速い攻撃とサイドの背後を使ってVONDSを押し下げた。直近2試合で勝利がなかった中で、優勝争いに踏みとどまる重要な勝点3となった。
湯郷が前回大敗から修正、世田谷を完封
湯郷が前回対戦の0-5大敗から大きく修正し、世田谷を2-0で下した。最終ラインからのビルドアップに固執せず、縦への意識を強めて世田谷のプレスを回避。
試合レビュー
岡山湯郷Belle 2-0 スフィーダ世田谷FC
守備では岸波優妃、森宙舞、GK上野理佐を中心に、内田美鈴や堀江美月を擁する世田谷の攻撃を封じた。今野瞳、沖田有由の得点で勝ち切り、後半戦3連勝を飾った。
伊賀が増田玲那の一撃を守り切り、静岡を撃破
伊賀が増田玲那の一撃を守り切り、首位・静岡を1-0で撃破した。前半9分に先制した伊賀は、その後も中盤の寄せとサイドの運動量を切らさず、横山久美や中島咲友菜を擁する静岡の攻撃を封じた。
試合レビュー
静岡SSUボニータ 0-1 伊賀FCくノ一三重
静岡はボールを持つ時間を作ったものの、伊賀の守備強度を崩し切れず無得点。伊賀にとっては上位争いに踏みとどまる大きな勝利となり、静岡は首位から陥落した。
次節の注目カード
伊賀FCくノ一三重 vs ヴィアマテラス宮崎
第15節最大の注目カードには、5位・伊賀FCくノ一三重と3位・ヴィアマテラス宮崎の一戦を挙げたい。
前回対戦となった第4節は、互いの運動量と強度がぶつかり合う好ゲームとなった。伊賀が先制し、宮崎が追いつき、そして宮崎が勝ち越す。それでも伊賀が粘って2-2に追いついたが、試合終盤に永野桃子が決勝点を奪い、宮崎が3-2で競り勝った。
伊賀にとっては、シーズン後半戦の大きな山場となる上位対決3連戦の最終戦である。第13節の名古屋戦は落としたものの、第14節では首位だった静岡SSUボニータに1-0で完封勝利。守備の強度、球際の粘り、サイドの運動量を武器に、再び上位争いの中で存在感を高めている。
宮崎戦でも、まずは前線からのプレスで相手のビルドアップを制限したい。宮崎に自由な前進を許さず、奪った後は強みであるサイドアタックへ素早くつなげることができるか。高い強度を誇る守備陣と、惜しまず走り続けるハードワークを90分間維持できれば、中断期間前最後の一戦を勝利で飾る可能性は十分にある。

対する宮崎は、ここ数試合、ビルドアップを狙われて失点、あるいは危険な局面を迎える場面が見られる。ただし、運動量と強度はリーグ屈指であり、前からの圧力、サイドの推進力、ゴール前へ入っていく迫力は依然として大きな武器である。
宮崎が主導権を握るためには、低い位置から丁寧につなぐことに加えて、縦に長いボールや速い展開も織り交ぜたい。相手のプレスを外し、前向きな状態でサイドや前線にボールを届けることができれば、持ち味の攻撃力はより生きてくる。
第14節終了時点で、宮崎は首位・名古屋と勝点3差の3位。まだ優勝争いから離されたわけではない。隙の少ない伊賀を攻略し、中断期間前に勝点3を積み上げられるか。
伊賀にとっては上位争いに踏みとどまるための一戦、宮崎にとっては優勝争いの中心へ再び近づくための一戦となる。

