【試合レビュー】世田谷が宮崎との激闘を制す。内田美鈴が2得点、宮崎は優勝の望み絶たれる|2026なでしこリーグ1部 第21節

試合レビュー

2026プレナスなでしこリーグ1部は第21節。全22節のリーグ戦も残り2試合となった。

今シーズンをもってスフィーダ世田谷FCとしての活動に一区切りをつけ、2027シーズンから「FC東京スフィーダ」として新たなスタートを切る9位・スフィーダ世田谷FCが、5位・ヴィアマテラス宮崎をホームに迎えた。

世田谷にとっては、現在のクラブ名で戦う最後のホームゲーム。一方、わずかに逆転優勝の可能性を残す宮崎にとっては、勝点3が欠かせない一戦だった。

宮崎は直前まで宮崎県代表として国民スポーツ大会に出場し、4試合を戦って3位に入賞。10月14日の3位決定戦から中3日で、この試合を迎えており、コンディション面への影響が懸念された。

前回対戦は、両チームのハードワークが際立つ接戦となり、宮崎が先制したものの世田谷が追いついて1-1の引き分けに終わっていた。

今回の対戦では、序盤から積極的な攻撃を仕掛けた世田谷が3点を先行。宮崎も終盤に驚異的な粘りを見せて1点差まで追い上げたが、世田谷のエースストライカー・内田美鈴がこの日2点目を決め、4-2で宮崎を退けた。

世田谷がホーム最終戦を勝利で飾る一方、宮崎は今シーズンの優勝の可能性が消滅する結果となった。

この記事の要点

  • 世田谷が4得点でホーム最終戦に勝利。 サイドバックの攻撃参加と前線の連係で宮崎を押し込み、内田美鈴が2得点を記録した。
  • 宮崎は3点差から猛反撃。 土屋佑津季、板倉楓の得点で1点差まで迫ったが、直後の失点で追撃を断たれた。
  • 勝敗を分けた攻撃の迫力と決定力。世田谷は前線で起点を作って攻撃を継続。一方、国スポから中3日で臨んだ宮崎は、連戦の影響も懸念される中で敗れ、優勝の可能性が消滅した。

試合情報

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試合展開

積極的な攻撃を仕掛ける世田谷、前半終了間際にも追加点

試合序盤から積極的に攻撃を仕掛けたのは、ホームの世田谷だった。
サイドバックも高い位置を取り、攻撃に厚みを加える世田谷。その特徴を生かした攻撃から先制点が生まれる。

右サイドバックの#2根本彩夏が持ち前のスピードを生かして右サイドを突破。GKと最終ラインの間に鋭いクロスを送り込むと、ゴール前に飛び込んだ#13内田美鈴が頭で押し込み、世田谷が先制した。

宮崎も立ち上がりから積極的な姿勢を見せていたが、攻撃に人数をかける世田谷に対して次第に後手に回る場面が増え、先制点を許してしまった。

勢いに乗る世田谷は、さらに宮崎ゴールに迫る。
右サイドのスローインから#3柏原美羽がゴール前にボールを送り込むと、#9堀江美月が相手DFを身体で抑えながらダイレクトシュート。しかし、ボールはポストを直撃する。
こぼれ球に反応した内田がシュートを放つも、宮崎GK#1暁清流が素早く反応してゴールを阻止。世田谷は前線の2人を中心に、何度も決定機を作り出した。

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一方、宮崎も決して一方的に押し込まれていたわけではない。

後方から前線へ素早くボールを送り、#9土屋佑津季、#22山本さゆりらの技術と、#4永野桃子のスピードを生かして世田谷ゴールに迫る。
しかし、攻撃をシュートまでつなげる精度を欠き、得点を奪うことができない。

両チームが攻め合う展開の中、前半終了間際に再び世田谷がゴールを奪う。

自陣からのクリアボールを拾った#16北川心子がドリブルで前進。宮崎の守備陣をスピードで振り切ると、そのままゴールに流し込んだ。
宮崎にとっては、前半の終了が迫る中で許した痛恨の追加点。世田谷が2-0とリードして前半を折り返した。

世田谷が3点目、宮崎は前線への配球を増やして反撃

後半、2点を追う宮崎は前線へのロングフィードを増やし、より直接的な攻撃を仕掛ける。

後方から素早くボールを送り、前線の選手が相手DFと競り合いながらゴールに迫る。選手交代も使い、徐々に攻撃の圧力を高めていった。

しかし、宮崎の攻撃をしのいだ世田谷は、#9堀江美月と#13内田美鈴を起点に前進。前線でボールを収める2人の存在が、世田谷の攻撃を支えていた。

そして、コーナーキックから3点目が生まれる。
#15篠原沙耶がゴール前へボールを送り込むと、マークを振り切った#20石浦和歌が頭で合わせてゴール。世田谷が3-0と大きくリードを広げた。

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このまま試合が決まるかと思われたが、宮崎は諦めなかった。

ボールを奪うとすぐに前線へ送り、相手守備陣にプレッシャーをかけ続ける。
72分、#22山本さゆりが前線へ送ったロングフィードを、世田谷の#3柏原美羽が処理しようとしたところに#9土屋佑津季が猛然とプレス。
ペナルティエリア内でボールを奪い切ると、左足で冷静にゴールへ流し込んだ。

宮崎のエースストライカーが反撃ののろしを上げ、スコアは3-1となった。

宮崎が1点差に迫るも、内田美鈴が勝負を決める

土屋の得点で息を吹き返した宮崎は、中盤での球際でも世田谷を押し返し始める。

途中出場の選手たちも攻撃を活性化させた。
#11板倉楓が左サイドをスピードに乗ったドリブルで突破し、#17小澤寛は積極的にシュートを放つ。
前線へのロングフィードを繰り返し、相手陣内でボールを奪い直して再び攻撃する。宮崎は最後まで得点を目指す姿勢を崩さなかった。

そして84分、ついに1点差へと詰め寄る。

途中出場の#6松井彩乃が中盤のルーズボールをダイレクトで#17小澤寛につなぐと、小澤は右サイドの#22山本さゆりへ展開。
山本がゴール前に走り込む#24井之脇朱音を狙ってアーリークロスを送る。
世田谷の#7渡邊那奈が頭で触れてクリアを試みるも、ボールはペナルティエリア内へ。そこに左サイドから走り込んだ#11板倉楓が、右足のダイレクトボレーをゴールに突き刺した。

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3点差から2点を返し、スコアは3-2。
宮崎の勢いは増し、同点に追いつく可能性も感じられる展開となった。

しかし、その直後だった。

板倉のゴールからわずか1分後、世田谷の#13内田美鈴が宮崎ゴールへ右足のシュートを突き刺し、この日2点目を記録。
宮崎が反撃に勢いをつけた直後に、世田谷が再び2点差へと突き放した。

試合はそのまま4-2で終了。

世田谷がホーム最終戦を4得点の勝利で飾り、宮崎は追い上げ及ばず、今シーズンの優勝の可能性が消滅した。

総括

世田谷が3点を先行しながらも、宮崎が終盤に2点を返す激しい展開となった一戦。
勝敗を分けたのは、世田谷の積極的な攻撃参加と、前線でのボールの収まり、そして決定機を仕留める力だった。
一方の宮崎は、3点差から1点差に迫る反撃を見せたものの、失点を重ねた序盤の劣勢が最後まで響いた。

ただし、宮崎の戦いを評価するうえでは、試合前のコンディションも考慮する必要がある。

世田谷が前節から2週間の間隔を空けてこの試合を迎えた一方、宮崎は宮崎県代表として国民スポーツ大会に出場。10月11日から14日までの4試合を戦い、3位を獲得した。

リーグ戦の優勝争いが続く中での連戦に加え、10月初旬には佐藤考範監督が退任。チームにとっては、心身のコンディションを整えることが難しい時期だったと考えられる。

また、世田谷の4-3-3と宮崎の3-4-3というフォーメーションの組み合わせも、試合展開に影響した可能性がある。

世田谷はサイドバックが積極的に攻撃参加することで、宮崎のウイングバックを守備に押し下げた。さらに、内田美鈴と堀江美月が前線でボールを収めることで、後方の選手が攻撃に加わる時間を作り出していた。
こうした攻撃の組み立てが、世田谷が主導権を握る一因になったと考えられる。

スフィーダ世田谷FC

世田谷は序盤から積極的に前進し、チーム全体で攻撃に人数をかけた。

この試合でも印象的だったのは、サイドバックも高い位置まで進出する攻撃参加と、前線の内田美鈴、堀江美月を起点とする攻撃だ。

相手に警戒される存在でありながら、内田と堀江は中盤でもボールを収め、身体の強さと技術を生かして味方の攻め上がりを引き出し、自らも相手ゴールに迫った。
この2人が前線でボールを失わず、攻撃を継続できることは、世田谷にとって大きな強みとなっている。

その中でも、内田の存在感は際立っていた。
先制点では右サイドからのクロスに鋭く反応し、終盤には宮崎の追い上げを断ち切る追加点を記録。
この試合で2得点を挙げ、今シーズンの得点数は15に到達した。

チームが21試合で記録した33得点のうち、およそ半分を内田が決めたことになる。
前線での起点作りだけでなく、ゴール前での動き出しと決定力を兼ね備えたエースの活躍が、世田谷の勝利に直結した。

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一方、守備面には課題も見えた。
後半は宮崎が前線へのロングフィードを増やしたことで、世田谷の守備陣が対応を迫られる場面が増加。
ボール処理を狙われての失点や、サイドからのクロスに対応しきれなかった場面など、相手の攻撃が勢いを増した際の守備には改善の余地が残った。

それでも、3点を先行していたことに加え、1点差に詰め寄られた直後に内田が追加点を奪ったことが大きかった。

攻撃の強みを生かし、最後は自分たちの得点力で勝負を決めた世田谷。
「スフィーダ世田谷FC」として戦う最後のホームゲームを、力強い勝利で飾った。

ヴィアマテラス宮崎

宮崎にとっては、心身のコンディションを整えることが難しい状況で迎えた試合だった。
世田谷の攻撃に対して最初の一歩が遅れ、前線でボールを収める内田美鈴と堀江美月への対応でも後手に回った。

攻撃面では、能力の高い選手たちが素早く前進しようとしたものの、最後のパスやフィニッシュの精度が上がらず、得点を奪えない時間が続いた。

監督交代後の宮崎がベースとする、ロングフィードを使って素早く相手陣内へ進み、前線での競り合いやセカンドボールの回収からゴールを狙う戦い方は、攻守の切り替えと豊富な運動量を必要とする。
連戦による疲労がどこまで影響したかは断定できないが、コンディション面で世田谷との違いがあった可能性は少なくない。

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それでも、3点差をつけられてからの反撃には、2024シーズンのリーグ覇者らしい底力が感じられた。

土屋佑津季が相手のボール処理に強烈なプレッシャーをかけて1点を返すと、途中出場の選手たちが攻撃を活性化させた。
特に終盤は、中盤での球際でも世田谷を押し返し、前線への配球から繰り返し得点を狙った。
その積極性が実を結び、84分には板倉のボレーシュートで1点差に迫った。

3点を先行されながらも諦めずにゴールを目指し続けた姿勢には感銘を受けた。
しかし、反撃の直後に4点目を許したことで、逆転への望みは断たれた。

国スポの連戦がなければ、あるいは違った展開になっていたかもしれない。しかし、厳しい日程も含めてリーグ戦であり、この一戦の結果を受け止めなければならない。

勝利には届かなかったものの、苦しい状況で最後まで攻撃を続けた宮崎の選手たちの健闘が強く印象に残った。

順位表

第21節を終えて、スフィーダ世田谷FCは8位に浮上。ヴィアマテラス宮崎は勝点35の5位となった。

過去5試合:勝利 引き分け 敗戦

順位
(前節)
チーム名勝点試合数勝分負得点失点得失点過去5試合
1(1)静岡SSUボニータ412112545114+37
2(2)朝日インテック・ラブリッジ名古屋392111644220+22
3(3)オルカ鴨川FC392111642915+14
4(5)伊賀FCくノ一三重362110652920+9
5(4)ヴィアマテラス宮崎352110563830+8
6(6)ニッパツ横浜FCシーガルズ32219573832+6
7(7)岡山湯郷Belle28218493136-5
8(9)スフィーダ世田谷FC26217593335-2
9(8)愛媛FCレディース26217592741-14
10(10)ASハリマアルビオン202155112031-11
11(11)日体大SMG横浜162151152257-35
12(12)VONDS市原FCレディース122133151443-29

次節に向けて

スフィーダ世田谷FC

最終節、世田谷は9位・愛媛FCレディースとのアウェー戦に臨む。
前回対戦では、愛媛に主導権を握られる時間が長かったものの、守備陣が粘りを見せて0-0のスコアレスドローに終わっている。

スフィーダ世田谷FCの名称で戦う最後のリーグ戦。注目したいのは、エース・内田美鈴の得点王争いだ。

今節の2得点によってシーズン15得点に到達した内田。最終節でも得点を重ね、個人タイトルを獲得できるかが見どころとなる。

今回の宮崎戦で見せたように、チーム全体が積極的に前進し、内田美鈴と堀江美月を中心に攻撃を組み立てられれば、再び得点機会を作り出せるはずだ。

最後のリーグ戦を勝利で締めくくり、クラブに個人タイトルをもたらすことができるか。

ヴィアマテラス宮崎

宮崎は最終節、ホームに3位・オルカ鴨川FCを迎える。
前回対戦では、宮崎が球際の強さと攻守の切り替えでオルカを上回り、小澤寛の2得点によって2-0で快勝している。

宮崎自身の優勝の可能性はなくなったが、オルカはまだ逆転優勝の可能性を残している。
オルカにとっては、勝利が欠かせない一戦。通常よりも攻撃に人数をかけ、積極的に前進する展開も考えられる。

宮崎としては、前回対戦と同様にまず球際の強度で上回り、ロングフィードを使った縦に速い攻撃を仕掛けたい。
特に、オルカが攻撃参加によって最終ラインを高く設定する場面では、その背後にスペースが生まれる可能性がある。

土屋佑津季や小澤寛らの動き出しを生かし、オルカのセンターバックの背後を狙っていくことが有効になるだろう。

国スポを含めた連戦から時間が経過し、どこまでコンディションを回復できるかも重要となる。

ホームで迎える今シーズン最終戦。2024シーズンの覇者としての意地を見せ、勝利で締めくくることができるか。

リソース

チーム紹介

スフィーダ世田谷FC
スフィーダ世田谷FCの2026シーズン成績やスタッツ、内田美鈴と堀江美月を軸とした攻撃、守備面の修正を紹介。大塚美緒、篠原沙耶、渡邊那奈、内田美鈴、堀江美月ら注目選手や試合レビューもまとめています。
ヴィアマテラス宮崎
ヴィアマテラス宮崎の2026シーズン成績やスタッツ、強度と推進力を生かした攻撃、ビルドアップ面の変化を紹介。永野桃子、土屋佑津季、小澤寛、山本さゆり、後藤優香ら注目選手や試合レビューもまとめています。

第21節 振り返り

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