2026プレナスなでしこリーグ1部第14節、オルカ鴨川FCはフクダ電子アリーナでニッパツ横浜FCシーガルズと対戦した。
第3節では、オルカが先制しながらもニッパツに逆転を許し、1-3で敗戦。今季初黒星を喫した相手との再戦だった。ニッパツのスピードある前線と、背後を狙う攻撃に苦しめられた前回対戦を踏まえれば、今節はオルカにとってリベンジの意味を持つ一戦でもあった。
前回対戦のレビュー
第3節:ニッパツ横浜FCシーガルズ 3-1 オルカ鴨川FC
試合は前半、ニッパツが主導権を握る展開となった。それでもオルカはGK米澤萌香を中心に粘り強く耐え、0-0で折り返す。すると後半開始直後、越路萌永が先制点を奪い、55分には河野有希が追加点。終盤に岡百々花のゴールで1点差に迫られたが、最後まで守り切った。
オルカは今季2度目の2連勝。勝点を25に伸ばし、上位追走に踏みとどまる大きな勝利となった。
この記事の要点
- オルカは前半に押し込まれながらも無失点で耐えた
- 後半開始直後に越路萌永、55分に河野有希が得点。GK米澤萌香を中心とした守備陣の粘りが勝利を支えた
- ニッパツは終盤に岡百々花が1点を返すも、あと一歩届かず
試合情報
試合展開
ニッパツが背後を狙い、オルカは耐える
立ち上がりから主導権を握ったのはニッパツだった。
#10室井胡心、#11岡百々花を中心とした前線は、スピードを活かしてオルカ最終ラインの背後を狙い続けた。ボールを奪われた直後の切り替えも速く、セカンドボールの回収でもニッパツが上回る時間が長かった。
オルカは押し込まれる展開が続いた。最終ラインの距離感やロングボールへの対応で不安定になる場面もあり、バックパスを選ばざるを得ない場面も多かった。

それでも、完全に崩れなかったことが大きい。
44分には、オルカDFの背後へのボール処理が乱れたところから、ニッパツが決定機を迎える。室井がボールを拾い、フリーの岡へパス。岡はコースを狙ったシュートを放ったが、GK#1米澤萌香が好セーブで防いだ。
さらに前半アディショナルタイムには、#5吉田凪沙のミドルシュートがポストを直撃。前半だけを見れば、ニッパツが先制していてもおかしくない内容だった。
それでもオルカは0-0で折り返した。これが、後半の反撃につながる大きな分岐点になった。

後半開始直後、越路萌永の先制点で流れが変わる
試合を動かしたのはオルカだった。
46分、右サイドで#24江藤里桜奈がクロスを入れると、相手DFに当たったボールがルーズになる。そこへ反応したのが、左サイドバックの#17越路萌永だった。
越路はスピードに乗って縦へ運び、左足でクロス性のボールをゴール方向へ送る。ボールはニッパツGKの手が届かない軌道を描き、そのままゴールマウスへ吸い込まれた。

前半は岡百々花とのマッチアップで粘り強く対応していた越路が、後半開始直後に攻撃でも大きな仕事を果たした。守備で耐えた選手が、攻撃で試合を動かす。オルカにとって、非常に価値のある先制点だった。
このゴールに至るまでの流れも良かった。#11河野有希、#25齊藤桃花が身体を張ってボールをつなぎ、#14蔵田あかりから江藤へ展開。右サイドで作った攻撃が、逆サイドの越路の得点につながった。
勢いに乗るオルカ、河野有希が2試合連続ゴール
先制後、オルカの出足は明らかに良くなった。
前半はニッパツの圧力を受ける時間が長かったが、得点後は前線からのプレスが効き始める。ニッパツのビルドアップに対して、オルカが高い位置で制限をかける場面が増えた。
そして55分、再びオルカがゴールを奪う。
#3月東優季乃のクリアボールを#11河野有希が拾う。この場面でニッパツの中盤が前に出ていたため、河野は比較的自由に前を向くことができた。

河野はドリブルで前進し、右サイドの江藤へ預けて中央へ走り込む。江藤が相手DFを引きつけたことで河野のマークが外れると、再び河野へパス。最後は右足ワンタッチでゴール右隅へ流し込んだ。
河野にとっては2試合連続ゴール。江藤との連係から、少ない手数で相手ゴールへ迫るオルカらしい追加点だった。
試合終盤にニッパツが反撃するも、オルカがしのぎ切る
2点を追うニッパツは、選手交代で前線の攻撃力を高める。
途中出場の#22加田菜が、ゴールから離れたGK#1米澤萌香をかわしてシュートを狙ったが、#3月東優季乃がゴール前でカバーしてクリア。さらに、オルカの後方からのつなぎでトラップが乱れたところを#11岡百々花に奪われ、GK米澤と1対1になる場面もあったが、シュートは枠を外れた。

オルカは#22北村ほのか、#5浅野綾花を投入し、前線の強度と中盤の運動量を維持しようとした。北村は高さとハードワークで前線の基準点となり、浅野は中盤で守備と攻撃のつなぎ役を担った。
87分、ニッパツがついに1点を返す。ゴール前のこぼれ球に岡百々花が反応し、左足でゴール。前節のヴィアマテラス宮崎戦でも2得点を挙げた岡が、今節も得点力を見せた。
終盤はニッパツがフィールドプレーヤーをオルカ陣内に押し上げ、同点を狙って攻勢を強める。オルカも相手のビルドアップミスを拾った#7並木千夏が無人のゴールを狙う場面を作ったが、シュートはわずかに枠の外へ外れた。

最後までニッパツが攻め続けたが、オルカが粘り切った。試合は2-1で終了。オルカが、第3節の敗戦の借りを返す勝利を収めた。
総括
前半はニッパツ、後半の立ち上がりはオルカ。試合の流れははっきりと揺れ動いた。
ニッパツは前線のスピードと圧力でオルカを押し込み、決定機も作った。一方のオルカは、苦しい前半を無失点で耐え、後半に少ないチャンスを確実に得点へ結びつけた。
勝敗を分けたのは、前半を0-0で終えたオルカの我慢と、後半開始直後に流れを変えた決定力だった。
オルカ鴨川FC
オルカにとっては、内容面でも結果面でも大きな勝利だった。
前半は押し込まれ、ラインも低く、バックパスも多くなった。ロングボールへの対応や後方でのボール処理に不安定さも見えた。それでも守備陣は最後のところで崩れず、GK米澤萌香が決定機を防いだ。
この試合で最も大きかったのは、苦しい前半を無失点で終えたことだ。ニッパツの前線はスピードがあり、背後へのアクションも鋭い。そこで先に失点していれば、試合はまったく違う展開になっていた可能性が高い。
後半に入ると、越路萌永の先制点で流れが変わった。越路は前半、岡百々花とのマッチアップで踏ん張り、後半には攻撃参加から先制点を奪った。守備で耐え、攻撃で試合を動かした点で、この試合における存在感は非常に大きかった。
河野有希と江藤里桜奈の連係も見逃せない。2点目は、河野が前を向き、江藤に預けて中央へ入り直し、最後に決め切るという流れだった。少ない手数で相手ゴールへ迫るオルカの良さが出た場面である。
また、太田凪砂を中盤で起用したことも、ニッパツの中盤の高さや強度に対抗するうえで意味があった。金子ゆいも身体を張り、前線では江藤と河野がプレスと攻撃の両面でチームを引っ張った。
シーズン序盤に比べて、オルカは苦しい時間帯を受け止めながら勝ち切れるチームになっている。今季2度目の2連勝で勝点を25まで伸ばし、上位グループを追走する位置を守った。
ニッパツ横浜FCシーガルズ
ニッパツにとっては、前半の内容が良かっただけに悔しい敗戦となった。
室井胡心、岡百々花を中心とした前線のスピードは、リーグの中でも大きな武器である。実際、前半はオルカの最終ラインを何度も下げさせ、セカンドボールの回収でも優位に立った。決定機も作れており、先制点を奪っていても不思議ではない展開だった。
ただし、その時間帯に得点を奪えなかったことが試合を難しくした。ニッパツの強みは、前線のスピードと背後への裏抜けにある。相手が対応に苦しんでいる時間帯に先制できれば、試合をより有利に進められたはずだ。
後半は、失点後にビルドアップの精度が落ち、相手を十分に揺さぶれないまま縦へ入れる場面が増えた。オルカの前線からのプレスも効き始め、ボールの出しどころを狙われる場面もあった。
ニッパツは今季、前線の強みを活かすだけでなく、後方からのビルドアップにも取り組んでいる。ただ、相手に対策された中でどのように前進するか、そして良い時間帯にどう得点へ結びつけるかは、引き続き課題として残った。
それでも、終盤に岡百々花が1点を返したように、前線の破壊力は十分にある。対策されてなお点を取れる選手がいることは大きな強みだ。だからこそ、守備陣が踏ん張り切ること、そして優勢な時間帯をスコアに変えることが求められる。
これでニッパツは第10節以降、5試合勝ちなしとなった。中断期間まで残り1試合。内容の良さを勝点につなげるためにも、ビルドアップの質とゴール前の決定力を高めたい。
順位表
第14節終了時点で、オルカ鴨川FCは勝点25。伊賀FCくノ一三重と勝点で並びながら、得失点差で上回り4位につけている。
ニッパツ横浜FCシーガルズは勝点15で10位。中位グループとの差は大きくないが、直近の勝利から遠ざかっているだけに、次節で流れを変えたい。
過去5試合:勝利 引き分け 敗戦
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(2) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 31 | 14 | 9 | 4 | 1 | 37 | 12 | +25 | |
| 2(1) | 静岡SSUボニータ | 29 | 14 | 9 | 2 | 3 | 40 | 10 | +30 | |
| 3(3) | ヴィアマテラス宮崎 | 28 | 14 | 8 | 4 | 2 | 28 | 15 | +13 | |
| 4(4) | オルカ鴨川FC | 25 | 14 | 7 | 4 | 3 | 19 | 10 | +9 | |
| 5(5) | 伊賀FCくノ一三重 | 25 | 14 | 7 | 4 | 3 | 17 | 11 | +6 | |
| 6(6) | 岡山湯郷Belle | 23 | 14 | 7 | 2 | 5 | 21 | 21 | 0 | |
| 7(10) | ASハリマアルビオン | 16 | 14 | 4 | 4 | 6 | 15 | 16 | -1 | |
| 8(7) | スフィーダ世田谷FC | 16 | 14 | 4 | 4 | 6 | 22 | 24 | -2 | |
| 9(8) | 愛媛FCレディース | 16 | 14 | 4 | 4 | 6 | 15 | 27 | -12 | |
| 10(9) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 15 | 14 | 4 | 3 | 7 | 23 | 27 | -4 | |
| 11(11) | 日体大SMG横浜 | 10 | 14 | 3 | 1 | 10 | 13 | 44 | -31 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 0 | 14 | 0 | 0 | 14 | 6 | 39 | -33 |
次節に向けて
次節、4位のオルカ鴨川FCは、アウェイで日体大SMG横浜と対戦する。
前回対戦では、オルカがホームで4-0の快勝を収めている。上位を追走するためには、ここで勝点を取りこぼしたくない。今節のように守備で崩れず、チャンスを確実に仕留められるかが鍵になる。
前回対戦のレビュー
第4節:オルカ鴨川FC 4-0 日体大SMG横浜
一方、10位のニッパツ横浜FCシーガルズは、アウェイでスフィーダ世田谷FCと対戦する。勝点差の近い相手との一戦であり、順位を押し上げるためにも重要な試合になる。
前線の爆発力を、今度こそ勝点3につなげたい。
リソース
フルマッチLIVE配信
第14節全試合ハイライト動画
公式記録


