2026シーズン中断期間前までの個人的ベストゲーム3選|なでしこリーグ1部

2026シーズン前半戦まとめ

2026プレナスなでしこリーグ1部は、中断期間を経て、いよいよ再開が近づいてきました。

ここまで各チームが積み上げてきた試合の中には、順位表だけでは語り切れない好ゲームがいくつもありました。

強度の高い上位対決。
試合の流れが何度も変わった乱打戦。
チームの特徴がはっきり表れた1-0の勝利。

今回は、中断期間前までに観戦した試合の中から、個人的に印象に残ったベストゲーム3試合を選びました。

選考基準は、単純な得点数や劇的な展開だけではありません。

試合全体の強度、両チームの特徴がどれだけ出ていたか、そしてリーグの流れに与えた影響も含めて選んでいます。

第3位

第14節 静岡SSUボニータ 0-1 伊賀FCくノ一三重

第3位は、第14節の静岡SSUボニータ対伊賀FCくノ一三重です。

スコアは0-1。
派手な打ち合いではありません。

それでも、この試合は伊賀FCくノ一三重というチームの強さが、非常に分かりやすく表れた一戦でした。

試合は前半9分に動きます。
伊賀の増田玲那が先制ゴールを奪い、アウェイの伊賀が早い時間帯にリードを手にしました。

ただ、この試合の本質は、先制点そのものよりも、その後の時間にありました。

静岡には、横山久美を中心とする強力な攻撃陣があります。中島咲友菜、三輪玲奈、大曽根由乃らも含め、前線から中盤にかけて個で局面を動かせる選手がそろっています。

その静岡に対して、伊賀は中盤での強度を落とさず、最終ラインも大きく崩れませんでした。

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ボールを持つ時間は静岡にもありました。
しかし、伊賀はゴール前で粘り、簡単に決定機を作らせませんでした。

奪ってから速く前へ出る。
守る時間帯では全員が身体を張る。
リードした後も、受け身になりすぎず、試合の集中を切らさない。

この試合には、伊賀の堅守速攻が凝縮されていました。

静岡にとっては、開幕から守ってきた首位の座を明け渡す痛い敗戦。
一方の伊賀にとっては、上位争いに食らいつくための大きな勝利でした。

「1点を取って守り切る」という言葉だけなら簡単です。

しかし、相手が静岡であることを考えると、その難易度は非常に高かったはずです。

だからこそ、この試合は単なる0-1ではなく、2026シーズン中断期間前までの試合の中でも強く印象に残る一戦でした。

第2位

第3節 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 4-5 愛媛FCレディース

第2位は、第3節の朝日インテック・ラブリッジ名古屋対愛媛FCレディースです。

スコアは4-5。
9ゴールが生まれた乱打戦でした。

ただし、この試合を選んだ理由は、単にゴールが多かったからではありません。

この試合は、2026シーズン序盤のリーグに大きなインパクトを残した試合だったと思います。

昨シーズン王者の名古屋に対し、愛媛は序盤から思い切りよく前へ出ました。特に目立ったのは、名古屋の低い位置でのパス回しに対する狙いです。

愛媛は前線からプレッシャーをかけ、相手のビルドアップに制限をかけました。

開始1分に黒岩沙羽が先制。
7分には近藤彩優子が追加点。
32分には深澤里沙が決め、前半だけで愛媛が3点をリードしました。

名古屋にとっては、想定外の立ち上がりだったはずです。

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それでも、昨年王者はそのまま終わりませんでした。

後半に入ると、名古屋は渕上野乃佳、永田晶子、中村友香、水野亜美のゴールで猛追します。特に終盤の反撃は迫力があり、愛媛にとっても決して楽な試合ではありませんでした。

それでも、愛媛は最後まで走り切りました。

ハードワークを続け、前へ出る姿勢を失わず、名古屋の反撃を受けながらも5-4で勝ち切りました。

この試合は、愛媛の強みを強烈に印象づけた一戦でした。

選手全員のハードワーク。
粘り強く守るだけではなく、前から奪いに行く。
そして、奪った後はゴールへ向かう。

その姿勢が、昨年王者からの大金星につながりました。

一方で、名古屋にとっても大きな転機になった試合だったように見えます。

この試合以降、名古屋は自分たちの強みを出す前に、まず相手の強みをどう消すかをより重視するようになった印象があります。ポゼッションで主導権を握るだけでなく、相手の狙いを見極めながら試合を進める方向へ、チームの戦い方が整理されていきました。

愛媛の勝利、名古屋の修正。

両チームにとって意味の大きい試合だったからこそ、この4-5の乱打戦は、前半戦を語るうえで外せない一戦です。

第1位

第8節 静岡SSUボニータ 1-0 ヴィアマテラス宮崎

第1位は、第8節の静岡SSUボニータ対ヴィアマテラス宮崎です。

これは、個人的には中断期間前までのベストゲームにふさわしい試合でした。

第7節終了時点で、静岡と宮崎はともに5勝2分けの勝点17。
首位の静岡と、僅差で追う宮崎による直接対決でした。

順位表の上でも重要な試合でしたが、それ以上に、ピッチ上の強度が素晴らしかったです。

静岡は、横山久美を中心に攻撃の厚みを作り、とてもシュート意識の高いチームです。
宮崎は、スピードと推進力をベースにビルドアップを加え、背後を狙いながら一気にゴールへ迫る力があります。

その両チームが、真正面からぶつかりました。

試合は21分、横山久美が自ら獲得したPKを決め、静岡が先制します。

結果的に、この1点が決勝点になりました。

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しかし、この試合の魅力は、1点が入った場面だけではありません。

球際の強度。
攻守の切り替え。
サイドでの攻防。
ボールを奪った後のスピード。
ゴール前での集中力。

どの局面を切り取っても、なでしこリーグ1部の上位対決らしい緊張感がありました。

静岡が押し込む時間もあれば、宮崎が一気に前へ出る時間もある。
どちらか一方が完全に支配した試合ではなく、互いの強みがぶつかり続けた90分間でした。

宮崎は敗れたものの、内容面では十分に上位を争う力を示していました。スピードを生かした攻撃、前向きに奪った後の迫力、そして最後まで追い続ける姿勢は、静岡にとっても簡単な試合ではなかったはずです。

一方の静岡は、1点を奪った後も強度を保ち、最後まで集中して守り切りました。

さらに、横山久美にとっては、なでしこリーグ通算200試合出場を達成した試合でもありました。その節目の試合で決勝点を挙げたことも、この試合の印象をより強くしています。

順位、強度、選手の存在感、試合全体の緊張感。

そのすべてを含めて、2026シーズン中断期間前までの個人的ベストゲーム1位に選びました。

3選以外にも印象に残った試合は多い

今回の3試合以外にも、印象に残った試合はありました。

たとえば、静岡に今季初黒星をつけた名古屋の勝利、上位争いの中で勝点を分け合った試合、あるいは苦しい状況のチームが粘りを見せた試合など、候補に入れたい試合は少なくありません。

ただ、今回は「試合の質」「衝撃度」「戦術的な濃さ」「リーグの流れへの影響」を総合して、上記の3試合を選びました。

派手な試合だけがベストゲームではありません。

1-0の試合にも、0-0の試合にも、チームの色や選手の集中力が詰まっています。

全試合を追いかけていると、スコアだけでは見えない面白さが少しずつ見えてきます。

中断明けの後半戦へ

中断期間が明けると、2026プレナスなでしこリーグ1部はいよいよ終盤戦へ向かいます。

優勝争い、上位争い、中位の順位争い、そして下位チームの巻き返し。

前半戦で見えた各チームの特徴が、後半戦でどのように変化していくのか。
一度対戦した相手に対して、どのような修正を見せるのか。
中断期間を経て、どの選手が新たに存在感を高めるのか。

その答えは、これからの試合の中にあります。

今回選んだ3試合は、2026シーズン中断期間前までの面白さを象徴する試合でした。

そして同時に、後半戦をより楽しむための入口にもなると思います。

中断明けのなでしこリーグ1部も、引き続き1試合ずつ追いかけていきます。