2026プレナスなでしこリーグ1部は最終節。10位が確定しているASハリマアルビオンが、ホームに6位のニッパツ横浜FCシーガルズを迎えた。
ハリマは4連敗中。一方のニッパツは、第15節から5連勝を記録したものの、直近2試合は引き分けに終わっている。両チームともに、勝利でリーグ戦を締めくくりたい一戦となった。
前回対戦の第11節では、ニッパツのビルドアップの乱れとセットプレーから得点を奪ったハリマが2-0で勝利している。
今回の対戦は、互いの守備が機能する拮抗した展開から、前半アディショナルタイムにニッパツが先制。後半もニッパツが勢いを持って入ったが、自陣でのボール処理の乱れをハリマが見逃さず、同点に追いついた。
その後はハリマが攻勢を強めたものの、ニッパツも粘り強く対応。互いに勝ち越しを許さず、2026シーズンのリーグ最終戦は1-1の引き分けに終わった。
この記事の要点
- ニッパツは前線からのプレスと素早い攻撃で対抗。前半45+1分に田村かのんのミドルシュートで先制
- ハリマは今蔵綾乃と正野可菜子の連動したプレスから、58分に川﨑咲耶が同点ゴール。その後は攻勢を強める
- ハリマは攻撃の連係に手応え。ニッパツは5連勝後の3試合を引き分けたものの、中断明け8戦無敗でシーズンを終える
試合情報
試合展開
ハリマが開始早々にゴールを脅かすも、互いの守備が機能する拮抗した前半
試合開始早々、ハリマがゴールネットを揺らす。しかし、判定はオフサイドだった。
右サイドの高い位置で#14正野可菜子からパスを受けた#10千葉園子が#9川﨑咲耶に預けると、川﨑からのパスを受けた#4阪中澪がダイレクトでクロス。ゴール前に入り込んだ#13今蔵綾乃がヘディングで合わせた。
惜しくもオフサイドの判定となったが、ニッパツの守備陣の背後を突いた連係から、ハリマが立ち上がりに好機を作った。
その後は、互いの守備が機能する拮抗した展開となる。
ハリマは後方からパスをつないで前進しようとするものの、ニッパツの鋭いプレスを警戒し、ロングボールも織り交ぜながら攻撃を組み立てる。
一方のニッパツは、#11岡百々花のスピードを生かして最終ラインの背後を狙う。ハリマのクリアミスを拾った#7浦島里紗がクロスバーを直撃するシュートを放つなど、速い攻撃からゴールに迫った。
ただし、両チームとも中盤と最終ラインの守備は堅く、簡単には相手を崩せない。互いに相手の強みを警戒しながら、守備のバランスを崩さない試合運びが続いた。
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45+1分、こぼれ球への素早い反応から田村かのんが先制
互いに好機を作りながらも得点には至らず、スコアレスのまま迎えた前半アディショナルタイム。ニッパツが試合を動かす。
#15渋谷巴菜が左サイドからゴール前へロングフィード。ハリマ#6佐々木美悠がヘディングでクリアするものの、そのボールが#5小島美玖に当たり、ニッパツがこぼれ球を回収する。
#6權野貴子から#11岡百々花へとつなぎ、岡はペナルティエリア手前に走り込んだ#14田村かのんへパス。
田村がワンタッチで右足を振り抜くと、鮮やかなミドルシュートがゴールネットを揺らした。
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ハリマのクリアによって一度は攻撃が途切れかけたが、ニッパツはこぼれ球への反応が速く、權野、岡、田村が連動。相手の守備が整う前にシュートまで持ち込んだ。
拮抗した前半だったが、最後の局面で素早く攻撃を完結させたニッパツが1点をリードして折り返した。
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ニッパツが後半の主導権を握るも、ハリマの連動したプレスが同点ゴールを生む
後半は、ニッパツが積極的に仕掛ける。
中盤でのボール奪取から、スピードに乗って相手を振り切った#11岡百々花が立て続けにミドルシュートを放つ。
ニッパツは最終ラインを押し上げ、中盤の選手間の距離をコンパクトに保つことで、ハリマのパスコースを制限。パスの出しどころを探す相手に対し、球際の強い守備からボールを奪い返す場面を増やしていく。
ボールを奪った後も素早く前へ運び、ハリマに守備を整える時間を与えない。
前半から見せていたニッパツの守備強度が、後半序盤には攻撃の勢いにもつながっていた。
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しかし、ニッパツが流れをつかみかけた58分、ハリマに同点ゴールが生まれる。
ハリマは左サイドからのクロスに#10千葉園子が飛び込むものの、シュートは枠を捉えられず、ニッパツのゴールキックで再開となる。
ハリマの選手がペナルティエリア付近に残るなか、ニッパツはGK#29宜野座令愛から短いパスをつないで攻撃を始めようとする。
宜野座からパスを受けた#36長江伊吹に対し、ハリマ#13今蔵綾乃が鋭くプレス。
長江は今蔵からボールを遠ざけようとしたものの、ボールタッチが大きくなり、前方へ流れてしまう。長江がボールを蹴り出そうとしたところに#14正野可菜子がスライディングで入り、クリアをブロック。
こぼれ球を回収した今蔵がゴール方向へ運び、相手DFと競り合いながら#9川﨑咲耶へつなぐ。
川﨑は右足を振り抜き、シュートをゴールに突き刺した。
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同点ゴールを生んだのは、今蔵と正野が連動して仕掛けた前線からのプレスだった。
一人目の今蔵がボール保持者に圧力をかけ、二人目の正野がクリアをブロックする。複数の選手が連動して相手のミスを誘発し、そのままゴールにつなげた形である。
ニッパツにとっては、相手選手が高い位置に残る状況で短いパスを選択したことが失点につながった。プレスを回避して前進する狙いが、逆にハリマへ決定機を与える結果となってしまった。
同点後はハリマが攻勢。ニッパツも粘り強く守り切る
川﨑の同点ゴールを境に、試合の流れはハリマへ傾き始める。
ニッパツは前線から強くプレスをかける場面が減り、ハリマが比較的余裕を持ってボールを動かせるようになった。
ボランチの#8小池快も高い位置まで上がって後方からのパスを引き出し、ニッパツの中盤と最終ラインの間に入り込むことで、守備陣に対応の判断を迫る。
さらに、ハリマはロングボールのこぼれ球を拾う場面を増やし、攻撃を一度で終わらせずに二次攻撃へつなげていく。
ニッパツも中盤までボールを運ぶことができれば、前線の選手のスピードを生かして相手陣内へ前進できる。
しかし、ハリマの守備陣も踏ん張り、ニッパツは最後のパスやシュートの精度を欠いて勝ち越し点を奪えない。
終盤は、ハリマが再び攻勢を強める。
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84分には#13今蔵綾乃に代わって#11南條里緒を投入。南條は右サイドから積極的にドリブルで仕掛け、ニッパツの守備陣に揺さぶりをかける。
その南條のドリブル突破から獲得したコーナーキックの流れから、#10千葉園子が中央でボールをキープし、#8小池快が左足でボレーシュート。GKがカバーしにくい位置へ飛んだボールを、ニッパツの守備陣が身体を張ってブロックした。
ハリマは川﨑や千葉を起点とした攻撃に加え、小池の前線への飛び出しや南條のドリブルなど、複数の形から勝ち越しを狙う。
一方のニッパツも、中盤と最終ラインが最後まで集中力を切らさず、相手のシュートやクロスに粘り強く対応した。
互いに勝点3を目指して攻め合ったものの、最後まで勝ち越し点は生まれず。
2026シーズンのリーグ最終戦は、1-1の引き分けに終わった。
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総括
前半は互いの守備が機能する拮抗した展開だったが、後半は主導権が大きく動いた。
ニッパツは前線からのプレスと素早い攻撃で流れをつかみかけたものの、ハリマは連動した守備で同点に追いつき、その後は攻勢を強めた。
両チームとも自分たちの強みを発揮する時間を作りながら、それを勝利に結びつけることはできなかった。ハリマは4連敗を止め、ニッパツは中断明け8戦無敗でリーグ戦を終えた。
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ASハリマアルビオン
4連敗で迎えた最終節。前半終了間際に先制を許し、後半序盤もニッパツのプレスに苦しんだものの、連動した守備から同点ゴールを奪い、その後は勝ち越しを狙って相手を押し込む時間を作った。
その攻撃で中心的な役割を果たしていたのが、#9川﨑咲耶である。
川﨑は同点ゴールを決めただけでなく、中盤に下りてボールを収めるポストプレー、味方の攻撃の起点となるパス、相手守備陣の背後を狙う動き出しなど、多彩なプレーで攻撃をけん引した。
距離がある位置からも積極的にシュートを狙い、ニッパツの守備陣にとって常に警戒を必要とする存在だった。
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そして、川﨑とともに攻撃の推進力を生み出していたのが、#13今蔵綾乃である。
切れ味鋭いドリブルと積極的なシュートに加え、ボールを失った後のプレスバックも献身的。低い位置まで下りて攻撃の組み立てに参加するなど、攻守両面で存在感を発揮した。
同点ゴールの場面も、今蔵の鋭いプレスが起点となっている。
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今シーズンのハリマは、序盤から千葉園子と川﨑咲耶が攻撃をけん引してきた。
ただし、得点源であり攻撃の起点でもある両選手は、対戦相手からの警戒も強い。千葉や川﨑が中盤に下りた際に、空いた前線のスペースを誰が使うのかが重要となる。
その点で、終盤戦に存在感を増した今蔵の役割は大きい。
千葉や川﨑が相手DFを引き付けながら攻撃を組み立て、今蔵が空いたスペースへ走り込むことで、相手の最終ラインに新たな対応を迫ることができていた。
さらに、三冨りりかの先発復帰や南條里緒の途中出場など、攻撃陣の選択肢が増えていることも好材料である。
今シーズンは思うように勝点を積み重ねられず、最終順位は10位。それでも、最終節では複数の選手が連動してゴールに迫る形を見せ、得点の可能性を感じさせた。
2027シーズンから、クラブは「AS兵庫レディース」へ名称を変更することが発表されている。また、今シーズン限りで菅野将晃監督が退任する。
ASハリマアルビオンの名で戦う最後の皇后杯では、終盤戦に見せた攻撃の連係をさらに磨き、勝利につなげたい。
ニッパツ横浜FCシーガルズ
先制点を奪い、後半序盤にも前線のスピードと中盤の守備強度を生かして主導権を握ったニッパツ。
しかし、相手のプレスを受けた自陣でのボール処理から失点。前回対戦でもハリマにビルドアップの乱れを突かれており、同じ相手に再び同様の形から失点を許したことは悔やまれる。
一方で、同点に追いつかれた後、ハリマの攻勢を受けながらも勝ち越しを許さなかった守備は評価できる。
特に終盤は中盤と最終ラインが粘り強く対応し、相手のシュートやクロスを身体を張って防いだ。
攻撃面で惜しまれたのは、#11岡百々花の交代後、前線のスピードを十分に生かせる場面が減ったことである。
岡は前半から相手の最終ラインの背後へ走り込み、パスの受け手として攻撃の起点になっていた。後半序盤には中盤でのボール奪取から鋭い加速で相手を振り切り、積極的にシュートを放った。相手の守備陣が対応する前に一気にゴールへ迫る攻撃は、ニッパツの大きな武器である。
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室井胡心と岡百々花が同時にピッチに立つことで、少ない手数で相手の最終ラインの背後を攻略できる。両選手のスピードは相手に大きな脅威を与え、守備陣を押し下げる効果も持っている。
しかし、この試合では岡の交代後、そうした速攻を継続的に繰り出すことが難しくなったように見受けられた。
相手のプレスを回避して前進することに加え、前線の選手が入れ替わっても攻撃の鋭さを維持できるか。来シーズンのニッパツがさらに上位を目指すうえで、一つの課題となりそうだ。
それでも、シーズン後半の巻き返しは見事だった。
第15節から第19節まで5連勝を記録。その相手には、今シーズンの優勝チームである静岡SSUボニータや、2位の朝日インテック・ラブリッジ名古屋も含まれている。
連勝中に際立っていたのは、シンプルかつ縦に速い攻撃だった。
最終ラインからの長いボールで一気に前進し、中盤の選手が高さと球際の強さを生かしてセカンドボールを回収。そこから再び前線の選手を走らせることで、相手に守備を立て直す時間を与えなかった。
相手に押し込まれる展開であっても、ロングボール一本で一気にゴール前へ迫れることが最大の強みだった。
一方で、この戦い方は前線の選手のスピードや運動量に依存する部分も大きい。
第20節以降は3試合連続の引き分け。無敗を維持したものの、試合の主導権を握り続けることはできず、勝ち切れない試合が続いた。
それでも、リーグ中断前には10位に沈んでいたチームが、最終的には6位まで順位を上げた。中断明けの8試合を5勝3分の無敗で終えたことは、戦い方を立て直した成果といえる。
リーグ屈指の前線のスピードは、皇后杯で上位カテゴリーのチームと対戦する際にも大きな武器となるはずだ。
その強みを試合を通して発揮し、いかに勝利につなげるか。ニッパツの皇后杯での戦いに注目したい。
順位表
ASハリマアルビオンは勝点21の10位、ニッパツ横浜FCシーガルズは勝点33の6位で2026シーズンを終えた。
過去5試合:勝利 引き分け 敗戦
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(1) | 静岡SSUボニータ | 42 | 22 | 12 | 6 | 4 | 53 | 16 | +37 | |
| 2(2) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 42 | 22 | 12 | 6 | 4 | 46 | 20 | +26 | |
| 3(3) | オルカ鴨川FC | 40 | 22 | 11 | 7 | 4 | 33 | 19 | +14 | |
| 4(4) | 伊賀FCくノ一三重 | 39 | 22 | 11 | 6 | 5 | 30 | 20 | +10 | |
| 5(5) | ヴィアマテラス宮崎 | 36 | 22 | 10 | 6 | 6 | 42 | 34 | +8 | |
| 6(6) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 33 | 22 | 9 | 6 | 7 | 39 | 33 | +6 | |
| 7(8) | スフィーダ世田谷FC | 29 | 22 | 8 | 5 | 9 | 34 | 35 | -1 | |
| 8(7) | 岡山湯郷Belle | 28 | 22 | 8 | 4 | 10 | 31 | 40 | -9 | |
| 9(9) | 愛媛FCレディース | 26 | 22 | 7 | 5 | 10 | 27 | 42 | -15 | |
| 10(10) | ASハリマアルビオン | 21 | 22 | 5 | 6 | 11 | 20 | 31 | -11 | |
| 11(11) | 日体大SMG横浜 | 16 | 22 | 5 | 1 | 16 | 22 | 58 | -36 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 13 | 22 | 3 | 4 | 15 | 15 | 44 | -29 |
リソース
チーム紹介


第22節 振り返り

第22節 個人的ベストイレブン

フルマッチLIVE配信
第22節全試合ハイライト
公式記録


