2026プレナスなでしこリーグ1部は第21節。全22節のリーグ戦は、最終節を残すのみとなった。
最大の注目カードとなった首位・静岡SSUボニータと2位・朝日インテック・ラブリッジ名古屋の直接対決は、0-0の引き分け。優勝の行方は最終節へ持ち越された。
また、今節は上位争いだけでなく、残留争いでも重要な結果が生まれた。
それぞれの目標に向けて戦った12チーム。第21節の全6試合と、最終節を前にしたリーグの動きを振り返る。
ダッシュボード
第21節の試合結果
| 対戦カード | 結果 | 超概要コメント | リンク |
|---|---|---|---|
| 静岡 vs 名古屋 | 0-0 | 首位攻防戦は両チームの堅守が光るスコアレスドロー。 | 試合レビュー |
| VONDS vs 伊賀 | 1-1 | 両チームが勝点3を逃し、それぞれの目標が潰える。 | 試合レビュー |
| 世田谷 vs 宮崎 | 4-2 | 世田谷が4得点で勝利。宮崎は反撃も及ばず。 | 試合レビュー |
| 日体大 vs 湯郷 | 2-1 | 日体大が89分からの連続ゴールで劇的な逆転勝利。 | 試合レビュー |
| オルカ vs ハリマ | 1-0 | オルカが先制点を守り切り、逆転優勝の可能性をつなぐ。 | 試合レビュー |
| ニッパツ vs 愛媛 | 3-3 | 室井胡心が前半で3得点も、愛媛が追いつき引き分け。 | 試合レビュー |
第21節で見えたリーグ全体の動き
優勝争いは5チームから3チームへ
首位・静岡と2位・名古屋の直接対決が引き分けに終わり、両チームの勝点差は2のまま。静岡は勝点41で首位を守り、名古屋が勝点39で追う。
一方、延期されていた第19節の名古屋戦に続き、ハリマ戦にも勝利したオルカは、2連勝で勝点39に到達。3位につけ、最終節まで逆転優勝の可能性をつないだ。
対照的に、第20節で勝利していた宮崎は世田谷に敗戦。伊賀もVONDSとの引き分けに終わり、優勝の可能性が消滅した。
これで優勝争いは静岡、名古屋、オルカの3チームに絞られた。
最終節は静岡が勝てば初優勝。名古屋とオルカは、それぞれ勝利を目指すとともに、静岡の結果を待つ立場となった。

日体大が11位を確保、VONDSは2部降格が決定
残留争いでは、日体大が湯郷に逆転勝利して勝点16に到達。最終節の結果を待たずに11位を確定させた。
一方、最下位・VONDSは伊賀と引き分け、勝点12。日体大との勝点差は4となり、1シーズンでの2部降格が決まった。
日体大は2年連続で、なでしこリーグ2部2位のチームとの入替戦に臨む。
順位変動と順位表(第21節終了時点)
第20節終了直後は5位だったオルカだが、10月11日に行われた第19節延期分の名古屋戦を1-0で制し、第21節を前に3位へ浮上していた。
第21節では、そのオルカが3位を維持。伊賀が宮崎を抜いて4位に上がり、宮崎は5位へ後退した。
また、世田谷が宮崎に勝利したことで、愛媛を抜いて8位へ浮上している。
過去5試合:勝利 引き分け 敗戦
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(1) | 静岡SSUボニータ | 41 | 21 | 12 | 5 | 4 | 51 | 14 | +37 | |
| 2(2) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 39 | 21 | 11 | 6 | 4 | 42 | 20 | +22 | |
| 3(3) | オルカ鴨川FC | 39 | 21 | 11 | 6 | 4 | 29 | 15 | +14 | |
| 4(5) | 伊賀FCくノ一三重 | 36 | 21 | 10 | 6 | 5 | 29 | 20 | +9 | |
| 5(4) | ヴィアマテラス宮崎 | 35 | 21 | 10 | 5 | 6 | 38 | 30 | +8 | |
| 6(6) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 32 | 21 | 9 | 5 | 7 | 38 | 32 | +6 | |
| 7(7) | 岡山湯郷Belle | 28 | 21 | 8 | 4 | 9 | 31 | 36 | -5 | |
| 8(9) | スフィーダ世田谷FC | 26 | 21 | 7 | 5 | 9 | 33 | 35 | -2 | |
| 9(8) | 愛媛FCレディース | 26 | 21 | 7 | 5 | 9 | 27 | 41 | -14 | |
| 10(10) | ASハリマアルビオン | 20 | 21 | 5 | 5 | 11 | 20 | 31 | -11 | |
| 11(11) | 日体大SMG横浜 | 16 | 21 | 5 | 1 | 15 | 22 | 57 | -35 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 12 | 21 | 3 | 3 | 15 | 14 | 43 | -29 |
得点ランキング(第21節終了時点)
スフィーダ世田谷FCの内田美鈴が2得点を挙げ、今季15得点で得点ランキング首位に浮上。
ニッパツ横浜FCシーガルズの室井胡心はハットトリックを達成し、13得点で3位へ順位を上げた。
各対戦カード振り返り
静岡と名古屋の首位攻防戦はドロー。優勝決定は最終節へ
首位・静岡が勝利すれば初優勝、2位・名古屋が勝利すれば首位逆転。優勝争いを大きく左右する直接対決は、最後まで緊張感の途切れない一戦となった。
立ち上がりは静岡が積極的に仕掛けた。横山久美、中島咲友菜、三輪玲奈らが前線から連動してプレスをかけ、名古屋のビルドアップに圧力を加える。
横山は試合開始早々にクロスバーを直撃するシュートを放ち、名古屋ゴールを脅かした。
しかし、名古屋も徐々に中盤での攻防を制し、ボールを前進させ始める。安部由希子が配球の起点となり、上田真子らのサイド攻撃で静岡の守備を揺さぶった。
後半は名古屋が押し込む時間を増やし、藤原愛里や永田晶子らを投入して勝ち越しを狙う。静岡は攻撃の機会が限られるなかでも集中力を維持し、GK田谷春海を中心に失点を防いだ。
終盤には名古屋が決定的な場面を迎えるも、静岡の守備を破ることはできず、0-0で試合終了。
互いの攻撃の特徴を警戒しながら、相手の強みを封じる守備が際立った90分だった。
静岡は勝点41で首位を維持。名古屋も勝点39で2位につけ、優勝争いは最終節へ持ち越された。
VONDSは2部降格、伊賀は優勝の可能性消滅。引き分けで双方の目標が潰える
VONDSは最下位脱出のため、伊賀は逆転優勝の可能性を最終節まで残すため、ともに勝利が求められた一戦だった。
先制したのは伊賀。18分、増田玲那のコーナーキックに秦美結が力強いヘディングで合わせた。
しかし、VONDSも中盤での競り合いから押し返していく。42分には木須みそらのコーナーキックがオウンゴールを誘い、1-1の同点に追いついた。
後半は伊賀が選手交代で攻撃の推進力を高める。渡邊凜や米澤心花らを投入し、サイドからVONDSの守備を崩そうと試みた。伊賀は国民スポーツ大会の連戦を終えたばかりだったが、鋭く力強く戦った。
対するVONDSは守備の中央を引き締め、櫻庭琴乃や増原遥花を起点としたカウンターで応戦。最後まで互いに勝ち越しを狙ったが、追加点は生まれなかった。
1-1の引き分けにより、VONDSは12位が確定し、2部降格が決定。伊賀も残り1試合で首位・静岡に勝点で及ばないことが確定し、優勝の可能性が消滅した。
同じ勝点1でも、両チームにとっては大きな意味を持つ結果となった。
世田谷が4得点で宮崎を撃破。宮崎は逆転優勝の望みが潰える
前節、監督交代後の初戦で3-0の勝利を収めた宮崎。しかし、今節は世田谷の攻撃力に屈する結果となった。
世田谷は立ち上がりからサイドバックも積極的に攻め上がり、前線と連動した攻撃を展開。根本彩夏の右サイドからのクロスを内田美鈴がヘディングで合わせ、先制した。
その後も世田谷は攻撃の手を緩めず、3点のリードを奪う。
宮崎も終盤に反撃。土屋佑津季と板倉楓の得点で1点差まで追い上げたが、世田谷の内田がこの日2点目を決め、再び突き放した。
宮崎は国民スポーツ大会から中3日という厳しい日程で臨み、後半には粘り強さを見せたものの、序盤からの失点が響いた。
世田谷は4-2でホーム最終戦を勝利で飾り、8位へ浮上。内田は今季15得点に伸ばした。
一方、宮崎は勝点35のまま5位へ後退し、優勝争いから脱落した。
日体大が89分からの連続ゴールで逆転。11位が確定
自動降格を回避したい日体大が、劇的な逆転勝利を収めた。
試合序盤、日体大は前線から積極的にプレスをかけ、湯郷のパスワークを制限しようと試みた。
しかし先制したのは湯郷。9分、香椎彩香から縦パスを受けた国吉花吏埜が左サイドを突破。中央への折り返しを西郡茉優が決めた。
しかし日体大は失点後も攻撃の姿勢を崩さず、ロングボールとセカンドボールの回収から湯郷を押し込んでいく。
それでも湯郷の守備を破れないまま、試合は終盤へ。
そして89分、途中出場の佐藤実玖が同点ゴール。さらに90+1分には、同じく途中出場の山本葉桜が逆転ゴールを決めた。
終了間際のわずかな時間で、試合の流れと残留争いの状況が一変した。
日体大は2-1で勝利し、勝点16に到達。最終節を残して11位を確定させ、2部への自動降格を回避した。
一方、湯郷は先制点を奪いながらも、日体大の圧力に苦しみ、勝点を積み上げることができなかった。
オルカがハリマを完封。逆転優勝の可能性をつなぐ
10月11日の名古屋戦に続く勝利を狙うオルカが、ハリマを1-0で下した。
試合が動いたのは開始7分。
北村ほのかのロングスローから太田凪砂が頭でボールをそらすと、ゴール前に入り込んだ吉田紫穂がワンタッチで流し込み、オルカが先制した。
早い時間帯にリードを奪ったオルカだったが、その後はハリマも積極的に反撃。高い位置からのプレスでオルカのビルドアップを制限し、縦に速い攻撃からゴールに迫った。
オルカは追加点を奪えなかったものの、組織的な守備で中央のスペースを管理。GK力丸里保も好セーブを見せ、ハリマの攻撃を封じた。
ハリマは決定機を作りながらも、最後までゴールを奪えず。
オルカは1-0で逃げ切り、名古屋戦から2試合連続の完封勝利を収めた。
勝点39で3位を維持し、首位・静岡と2ポイント差で最終節を迎える。
室井胡心が前半だけで3得点。それでも愛媛が追いつく
中断明けから5連勝を記録し、前節まで6試合無敗を続けていたニッパツ。しかし今節は、前半だけで3得点を奪いながら勝ち切れなかった。
主役となったのは、ニッパツの室井胡心だった。
開始3分、自陣からスピードに乗ったドリブルで左サイドを突破し、先制ゴール。続く5分には、相手GKへのプレスから追加点を奪った。
愛媛も川崎和奏が1点を返したが、室井は前半のうちに3点目を決め、ハットトリックを達成した。
それでも愛媛は攻撃の姿勢を崩さなかった。
サイドからの積極的な仕掛けと、複数の選手が連動するパスワークでニッパツを押し込み、後半に同点へ追いついた。
終盤にはニッパツが勝ち越しを狙って攻勢を強めたが、愛媛が粘り強く守り切り、3-3で終了。
ニッパツは室井が今季13得点に伸ばしたものの、勝利には届かず。7試合無敗を維持しながらも、2試合連続の引き分けとなった。
一方、愛媛は2点差を追いつき、チーム全体のハードワークと攻撃の連係を示した。
最終節の注目カード
2026プレナスなでしこリーグ1部は、10月25日(日)13:00に最終節の全6試合が行われる予定だ。
優勝の可能性を残すのは、静岡、名古屋、オルカの3チーム。
静岡は勝利すれば初優勝が決まる。名古屋とオルカは、ともに勝点39で追う立場だ。
その行方を左右する3試合に注目したい。
静岡SSUボニータ vs VONDS市原FCレディース
首位・静岡が、2部降格の決まった最下位・VONDSをホームに迎える。
静岡は勝点41で首位。勝利すれば、他会場の結果を待たずに悲願のなでしこリーグ1部初優勝が決まる。
引き分けの場合も勝点42となり、名古屋とオルカに勝点で並ばれる可能性はあるものの、得失点差で大きくリードしている。
ただし、VONDSを軽視することはできない。
開幕14連敗と苦しんだものの、中断明けには3連勝。第20節ではニッパツを終了間際までリードし、今節も伊賀と引き分けている。
2部降格が決まったとはいえ、シーズン終盤に見せている組織的な守備と前線からの圧力、そしてセットプレーは首位・静岡にとっても警戒すべきものとなる。
静岡が自力で優勝を決めるのか。それとも、VONDSが最後に意地を見せ、優勝争いの行方を変えるのか。
岡山湯郷Belle vs 朝日インテック・ラブリッジ名古屋
2位・名古屋は勝点39。首位・静岡との差は2ポイント。
逆転優勝のためには、まず湯郷に勝利し、静岡が勝点を取りこぼす必要がある。
名古屋は静岡との直接対決で0-0に終わり、得点を奪えなかった。今節も組織的な守備とボール保持を見せたが、最終節では勝点3が強く求められる。
対する湯郷は、前節に静岡と1-1で引き分け、首位の優勝争いに影響を与えた。
夏の移籍期間を経てチームを再構築するなか、持ち味のパスワークに縦への速さを加えた攻撃で、上位チームを苦しめる場面が増えている。
名古屋が勝利して静岡にプレッシャーをかけるのか。
それとも、湯郷が再び優勝候補から勝点を奪うのか。
ヴィアマテラス宮崎 vs オルカ鴨川FC
3位・オルカにとって、逆転優勝への望みをかけた最終戦となる。
オルカは第19節延期分の名古屋戦、第21節のハリマ戦をともに1-0で制し、2試合連続の完封勝利。
首位・静岡とは勝点2ポイント差。逆転優勝へ向けて、まず宮崎に勝利することが必要になる。
一方、宮崎は前節に愛媛を3-0で下したものの、今節は世田谷に2-4で敗れ、優勝の可能性が消滅した。
監督交代後のチームづくりが進むなか、ホーム最終戦でどのような戦いを見せるかが注目される。
オルカは宮崎の前線のスピードを警戒しながら、名古屋戦とハリマ戦で発揮した堅守を維持できるか。
宮崎にとってはホームで勝利を収めてシーズンを締めくくるための一戦。
オルカにとっては、逆転優勝の可能性を最後までつなぐための一戦となる。
第21節 個人的ベストイレブン

第21節全試合ハイライト動画
チーム紹介
- 静岡SSUボニータ
- 朝日インテック・ラブリッジ名古屋
- オルカ鴨川FC
- ヴィアマテラス宮崎
- 伊賀FCくノ一三重
- 岡山湯郷Belle
- ニッパツ横浜FCシーガルズ
- ASハリマアルビオン
- 愛媛FCレディース
- スフィーダ世田谷FC
- 日体大SMG横浜
- VONDS市原FCレディース

