【試合レビュー】名古屋の猛攻を封じたオルカ、越路萌永の決勝弾で優勝に望みをつなぐ|2026なでしこリーグ1部 第19節

試合レビュー

2026プレナスなでしこリーグ1部 第19節。台風25号等の影響で開催中止となり、10月11日に代替開催されたオルカ鴨川FCと朝日インテック・ラブリッジ名古屋の一戦。

全22節のリーグ戦も、両チームにとって残り3試合。優勝争いの行方を大きく左右する重要な対戦となった。

5位のオルカは、残り3試合に全勝すれば他チームの結果次第で逆転優勝の可能性を残していた。一方、2位の名古屋は首位・静岡SSUボニータと勝点差2ポイント。この試合に勝利すれば静岡を抜き、首位に浮上することができる。

オルカにとっては優勝の望みをつなぐために絶対に負けられない一戦。名古屋にとっても、連覇に向けて是が非でも勝点3が欲しい試合だった。

第8節の前回対戦では、名古屋が主導権を握り先制。しかし、オルカは相手陣内でパスを奪い、少ないチャンスから同点に追いついた。その後も名古屋の攻撃を耐え抜き、1-1の引き分けに持ち込んでいる。

迎えた今季2度目の対戦。リーグ屈指の堅守を誇る両チームによる一戦は、前半から息詰まる攻防が繰り広げられた。

試合が動いたのは後半開始直後。49分、コーナーキックのこぼれ球を越路萌永が左足で捉え、オルカが先制する。

その後は名古屋がボールを保持して反撃を続けたものの、オルカの守備陣が最後までゴールを許さず、1-0で試合終了。

オルカが4試合ぶりの勝利を収め、3位に浮上。前年王者を破り、逆転優勝への可能性をつないだ。

この記事の要点

  • 名古屋のボール保持に対し、オルカは前線からのプレスと粘り強い守備で対抗。
  • 49分、攻撃の組み立てから獲得したCKを越路萌永が決め、オルカが先制。
  • 名古屋は終盤に攻勢を強めるも無得点。オルカが3位に浮上し、優勝争いは残り2節へ。

試合情報

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試合展開

名古屋のボール保持に、オルカが組織的な守備で対抗

試合序盤、オルカは前線の#22北村ほのかをターゲットにしたロングボールを積極的に使った。

長身の北村にボールを収めさせ、そこに2列目、3列目の選手が関わって前進する。強靭なフィジカルを持つ#19太田凪砂も中盤での競り合いに加わり、空中戦の強さを生かして攻撃の起点をつくろうとした。

一方の名古屋は、センターバックからパスをつなぐ攻撃を展開。

後方でボールを動かしながら縦へのパスコースを探り、#5安部由希子らを経由してサイドへ展開する。#24角田菜々子らサイドバックの積極的な攻撃参加によって数的優位をつくり、クロスからゴールを狙った。

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オルカの組織的な守備、互いに譲らぬ攻防

ボールを保持する時間が長かったのは名古屋だった。しかし、オルカも相手の攻撃を受けるだけではなかった。
北村と#9齊藤彩花が前線からプレッシャーをかけ、名古屋のパスコースを制限。サイドに展開されると#14蔵田あかり、#25齊藤桃花が素早く距離を詰め、周囲の選手も連動してボールを奪いにいった。
中央に縦パスを通されても、相手が前を向く前に身体を寄せて自由を奪う。さらに2人目、3人目が守備に加わり、名古屋に前向きの攻撃を簡単には許さなかった。

特に激しかったのが、オルカの左サイドと名古屋の右サイドの攻防だった。
オルカは北村ほのか、齊藤桃花、#17越路萌永を中心に攻撃を組み立て、名古屋は#9水野亜美、#14上田真子、角田菜々子らを使って前進。互いにサイドを攻撃の起点とする場面が多く、ボールを巡る局面では激しい競り合いが続いた。

名古屋はサイドからクロスを供給し、オルカも前線の高さを生かしてゴールに迫ろうとする。
しかし、両チームとも最終ラインが集中力を保ち、決定的な場面をつくらせない。

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前半序盤に名古屋のコーナーキックが直接オルカのゴールポストを叩く場面もあったが、得点には至らなかった。

公式記録上、前半のシュート数は両チームとも0本。
しかし、決して退屈な45分ではなかった。名古屋がパスワークで前進を試みれば、オルカは複数人が連動してそれを阻む。互いの強みを消そうとする駆け引きが続き、ゴール前まで到達することさえ難しい展開だった。

互いに相手の強みを封じようとした前半は、0-0で終了した。

北村と太田の連係から生まれたオルカの先制点

後半開始直後、オルカが見事な攻撃の組み立てからチャンスをつくる。

自陣からのゴールキックを#22北村ほのかが胸で収め、セカンドボールを拾った#8金子ゆいがドリブルで前進。
北村は左サイドへ開いて相手DFを引きつけ、その動きによって生まれたスペースに#19太田凪砂が走り込む。

金子からボールを受けた北村は#25齊藤桃花に戻し、齊藤桃花がワンタッチで太田へ浮き球のパスを送った。
太田は胸でボールを収めて前を向き、ゴール前へ走り込んだ#14蔵田あかりにラストパスを送る。
これに名古屋DFの#25河合野乃子が冷静に対応し、シュートには至らなかったものの、オルカはコーナーキックを獲得した。

この一連の攻撃には、前線の高さだけに依存しないオルカの狙いが表れていた。
北村が相手DFを引きつけ、太田が空いたスペースへ走る。さらに齊藤桃花がワンタッチでパスを送り、相手の最終ラインを動かした。
それまで堅く守られていた名古屋の守備を、選手同士の動きと連係によって崩した場面だった。

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そして49分、このコーナーキックから試合が動く。

#5浅野綾花がゴール前へ送ったボールは、名古屋の守備陣がクリア。しかし、そのこぼれ球に#17越路萌永が反応した。

ゴール前の密集から少し離れた位置にいた越路が、ボールに合わせて走り込み、得意の左足を振り抜く。
シュートは相手選手に当たって軌道を変え、クロスバーの下を叩いてゴールへ。
越路萌永の一撃で、オルカが貴重な先制点を奪った。

前半から名古屋のサイド攻撃に粘り強く対応し、攻撃でもボールの出口となっていた越路が、大きな仕事を果たした。

名古屋の攻勢を耐え抜いたオルカ

先制を許した名古屋は、徐々にゴール方向へのパスを増やし、攻撃の圧力を高めていく。
70分には#11藤原愛里と#20増永朱里を投入。前線の選手を入れ替え、縦へのスピードと攻撃の選択肢を増やして反撃を狙った。

一方のオルカも、リードを守るだけではなかった。
名古屋が後方から攻撃を組み立てようとする場面では、#14蔵田あかりを中心に鋭いプレッシャーをかけた。
特に後半は、名古屋DFの#17堀内意に対する蔵田のプレスが効果的だった。
前半にはパスとドリブルでボールを前に運んでいた堀内に対し、後半は蔵田がスピードを生かして素早く距離を詰めた。名古屋の前進を制限するとともに、高い位置でボールを奪ってカウンターにつなげる場面も生まれた。
オルカはボールを奪うと、相手最終ラインの背後を狙って素早く前進。名古屋に一方的に押し込まれることを避けようとした。

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しかし、75分を過ぎると名古屋が再び主導権を握る。

残り時間はオルカ陣内でのプレーが続き、名古屋はサイドから何度もクロスを供給した。
それでもオルカの守備陣は崩れなかった。
#2吉田紫穂、#5浅野綾花らがゴール前で身体を張り、#22北村ほのかや#19太田凪砂も高さと強さを生かして相手の攻撃を跳ね返す。

名古屋はゴール前へボールを運び続けたものの、最後の局面でオルカの守備に阻まれ、決定的なシュートにはつなげられない。

互いの意地がぶつかった一戦は、そのまま1-0で終了。
オルカが名古屋の反撃を耐え抜き、4試合ぶりの勝利を収めた。

総括

公式記録上、両チームのシュート数は前半0本、後半2本の合計2本ずつ。
数字だけを見れば、互角の試合だったようにも映る。しかし、試合を通じてボールを保持し、オルカ陣内でプレーする時間が長かったのは名古屋だった。

それでも、名古屋はゴールを奪えなかった。

大きな要因は、オルカが守備の局面で粘り強く対応し、名古屋の攻撃をシュートに至る前の段階で止め続けたことにある。
前線からのプレスでパスコースを制限し、中央への縦パスには素早く身体を寄せる。サイドからクロスを入れられても、ゴール前の選手が競り勝って跳ね返した。

名古屋はパスをつなぎ、サイドを攻略して前進することはできた。しかし、その先で待ち構えるオルカの守備を崩し切れなかった。

一方のオルカは、少ない攻撃機会の中で前線の高さを生かしながら、後半開始直後には複数の選手が連係して名古屋の守備を動かした。

その攻撃から獲得したコーナーキックを、越路が決勝点につなげた。
セットプレーからの得点ではあったが、決して偶然だけで生まれた勝利ではない。
相手の攻撃の起点を制限する守備、競り合いでの強さ、前線の動きによって生み出したスペース、そして少ないチャンスを生かした決定力。
それらが結びついた結果だった。

優勝争いに残るために勝利が必要だったオルカが、前年王者を相手に自分たちの強みを発揮し、貴重な勝点3を手にした。

オルカ鴨川FC

勝利から遠ざかっていた直近の試合と比べ、立ち上がりから縦への意識が明確だった。

名古屋のボール保持に対して無理にパスをつなぎ返そうとせず、高さと強さを生かして前進する。
相手が得意とする戦いに付き合うのではなく、自分たちが優位に立てる局面をつくろうとしていた。

特に印象的だったのが、北村ほのかと太田凪砂の存在である。

中盤でプレーした太田は、ハイボールの競り合いで強さを発揮。守備では相手の攻撃を跳ね返し、攻撃では前線へのパスよって味方の前進を支えた。また、自らも相手ゴールに向かって走り込み、得点を狙った。

北村も空中戦で存在感を示した。
頭で競り合うだけでなく、胸でボールを収めて次のプレーにつなげられることが大きい。長身を生かしたポストプレーによって、味方が攻撃に参加する時間とスペースを生み出した。

決勝点の起点となった攻撃でも、北村が相手DFを引きつけ、太田がその背後のスペースを使っている。
2人の強さと連係は、オルカにとって大きな武器となった。

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守備陣の奮闘も見逃せない。

特に吉田紫穂と浅野綾花は、名古屋のパスやクロスに繰り返し対応。押し込まれる時間が長いなかでも集中力を切らさず、ゴール前での競り合いに勝ち続けた。

さらに、前線では蔵田あかりが鋭いプレスを継続。
名古屋のビルドアップにプレッシャーをかけ、後方から自由にボールを運ばせない。守備から攻撃へ切り替える場面でも、そのスピードが生かされていた。

そして、決勝点を挙げた越路萌永である。
得意の左足から放ったシュートは見事だったが、この試合での貢献は得点だけではない。
名古屋の右サイドを担う角田菜々子、上田真子、仁木愛実、途中出場の増永朱里らに対して粘り強く対応し、攻撃では味方のサポートにも積極的に加わった。
守備の強度を落とすことなく、攻撃にも関わり続ける運動量が目立った。

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なでしこリーグ2年目の越路にとって、今シーズンは存在感を大きく高める一年となっている。
昨シーズンは出場機会が安定しなかったものの、今シーズンは多くの試合に出場。サイドバックながらここまで3得点を記録。手元で集計した公式記録上のシュート数も3本であり、数字の上ではすべてのシュートを得点につなげている。
もちろん、シュートを打つ機会自体は多くない。しかし、限られた攻撃参加の機会で結果を残すその決定力は特筆に値する。なでしこリーグ2年目の今シーズン、攻守両面で存在感を大きく高めている。

今回の勝利でオルカは3位に浮上し、逆転優勝への可能性を残した。
残り2試合も、ただ相手の攻撃を耐えるのではなく、自分たちの強みである高さ、強さ、縦への速さを発揮したい。

この試合で見せたような、守備の強度と攻撃への積極性を両立する戦いが求められる。

朝日インテック・ラブリッジ名古屋

名古屋は長い時間ボールを保持し、後方からパスをつないで攻撃を組み立てた。
サイドバックが積極的に攻撃参加し、ゴール前へクロスを送る場面も繰り返しつくっている。

それでも、ゴールは遠かった。

圧力をかけながらシュート数が伸びず、無得点に終わった第15節のVONDS市原FCレディース戦を思い起こさせる内容だった。

この試合で浮き彫りになったのは、ボールを前進させることと、相手の守備を崩すことの違いだった。

名古屋は中盤からサイドへ展開し、攻撃の形をつくることはできていた。しかし、オルカは中央を堅く守り、サイドからボールを入れられてもゴール前で跳ね返した。
その結果、ボールを保持する時間の長さが、決定機の数には結びつかなかった。

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対照的だったのがオルカの攻撃である。

オルカも本来は後方からパスをつないで攻撃を組み立てられるチームだが、この試合では北村ほのかと太田凪砂をターゲットにしたロングボールを積極的に使った。
名古屋の強みであるパスワークに付き合うのではなく、自分たちが優位に立てる空中戦やフィジカルの競り合いへ持ち込もうとしていた。

名古屋としては、こうした相手の狙いを十分に抑え切れなかったことも痛かった。
ただし、名古屋のボール保持そのものが問題だったわけではない。

後方から丁寧にパスをつなぐことは、相手の守備を動かし、前線で優位な状況をつくるための重要な手段である。
課題は、相手が中央を封じ、クロスにも対応してきたときに、別の形でゴールへ迫れるかどうかだろう。

今シーズンの6連勝中には、パスワークだけでなく、縦への素早い展開や柔軟なプレー選択も見せていた。
中断明けから試合を重ねる中でも、そうした攻撃の改善がうかがえる場面はあった。
だからこそ、この試合ではオルカの粘り強い守備に対し、もう一段階変化を加えた攻撃を見せたかった。

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次節は首位・静岡SSUボニータとの直接対決。
優勝争いの行方を左右する大一番を迎える。

パスをつなぐことを目的にするのではなく、相手の守備を動かし、ゴールを奪うためにどう使うか。
前年王者の名古屋にとって、持ち味であるパスワークと多彩な攻撃の選択肢を、改めて発揮したい一戦となる。

順位表

第20節までの結果と、今回の第19節延期試合の結果を反映した最新の順位表では、オルカ鴨川FCは5位から3位に浮上。朝日インテック・ラブリッジ名古屋は2位を維持した。

残り2節となり、優勝争いはさらに緊迫した展開を迎えている。

順位
(前節)
チーム名勝点試合数勝分負得点失点得失点過去5試合
1(1)静岡SSUボニータ402012445114+37
2(2)朝日インテック・ラブリッジ名古屋382011544220+22
3(3)オルカ鴨川FC362010642815+13
4(4)ヴィアマテラス宮崎352010553626+10
5(5)伊賀FCくノ一三重352010552819+9
6(6)ニッパツ横浜FCシーガルズ31209473428+6
7(7)岡山湯郷Belle28208483034-4
8(8)愛媛FCレディース25207492438-14
9(9)スフィーダ世田谷FC23206592933-4
10(10)ASハリマアルビオン202055102030-10
11(11)日体大SMG横浜132041152056-36
12(12)VONDS市原FCレディース112032151342-29

過去5試合:勝利 引き分け 敗戦

次節に向けて

オルカ鴨川FC

次節、オルカ鴨川FCは再びホームでの一戦。ASハリマアルビオンを迎える。
第10節の前回対戦では、拮抗した展開の中、後半に蔵田あかりが決勝点を挙げて1-0で勝利した。

オルカはこの試合に勝利しなければ、優勝の可能性がなくなる。
とはいえ、勝利を意識するあまり、攻撃が単調になってしまっては相手の守備を崩しにくい。
名古屋戦で見せたように、前線の高さと強さを生かしながら、相手の守備の状況に応じて素早く縦へボールを運びたい。

守備では強度を保ち、攻撃では相手が嫌がるプレーを選び続ける。
今節の勝利を一度きりのものにせず、自分たちの強みを発揮する戦いを再現し、ホーム最終戦でも勝点3をつかみ取りたい。

朝日インテック・ラブリッジ名古屋

朝日インテック・ラブリッジ名古屋は、首位・静岡SSUボニータとのアウェー戦に臨む。

第10節の前回対戦では、静岡の攻撃の中心である横山久美を抑え、セットプレーからの2得点を含む3得点を記録。3-0で勝利し、静岡にシーズン初黒星をつけた。

今回の直接対決で静岡が勝利すれば、最終節を待たずにリーグ優勝が決まる。
名古屋にとっては、前年王者としての意地を見せたい一戦だ。

静岡の攻撃は横山久美を中心に組み立てられ、そこから多彩な攻撃が展開される。横山へのボール供給をどう制限するかは、大きなポイントとなるだろう。
また、静岡の両サイドバックは積極的に攻撃へ参加する。名古屋としては、その背後のスペースを突くロングボールや素早い縦への展開も、攻撃の有効な選択肢になり得る。

ただボールを保持するだけでは、勝利にはつながらない。
相手の守備の隙を見極め、パスワークと縦への速さを使い分けながら、ゴールへ迫りたい。

前年王者の目の前で、静岡に優勝を決めさせるわけにはいかない。
名古屋が連覇への可能性を残すためにも、持てる力のすべてを発揮したい大一番となる。

リソース

チーム紹介

オルカ鴨川FC
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