【試合レビュー】静岡が悲願の初優勝!降格決定のVONDSも意地の同点弾、両者譲らぬ最終節|2026なでしこリーグ1部 第22節

試合レビュー

2026プレナスなでしこリーグ1部は、ついに最終節を迎えた。

3月に開幕した全22節のリーグ戦。首位に立つ静岡SSUボニータは、勝利すれば悲願の1部初優勝が決まる。引き分けでも得失点差で大きな優位に立つ一方、敗れれば2位・朝日インテック・ラブリッジ名古屋の結果次第で逆転優勝を許す可能性がある。

対するVONDS市原FCレディースは、前節終了時点で最下位の12位が確定し、2部降格が決まっていた。それでも、終盤戦には3連勝を記録するなど、シーズンを通した成長が結果を見せている。

両チームの前回対戦は、静岡が5-1で快勝。しかし、リーグ戦の締めくくりとなる今回は、前回とは異なる展開が待っていた。

雨の中で行われた最終節は、後半開始早々に静岡が先制するも、粘り強く守るVONDSがセットプレーから同点に追いつく。互いに最後まで強度を落とさない一戦は、1-1の引き分けに終わった。

静岡は最終勝点42で名古屋と並んだものの、得失点差で上回り、悲願のなでしこリーグ1部初優勝を達成した。

この記事の要点

  • 静岡が悲願の1部初優勝。 VONDSと1-1で引き分けたものの、名古屋を得失点差で上回り、クラブ史上初の頂点に立った。
  • 横山久美の突破から岸野早奈が先制。 静岡が攻撃の主導権を握り、後半開始早々に先制したが、VONDSの粘り強い守備に追加点を阻まれた。
  • VONDSは村上賀梨の同点弾で意地を見せる。 GK山田二千華の好守と組織的な守備、セットプレーを武器に、優勝チームから勝点1を獲得した。

試合情報

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試合展開

静岡が主導権を握るも、VONDSが粘り強く対応

序盤から主導権を握ったのは静岡だった。

後方でボールを動かしながら、#9中島咲友菜や#15岸野早奈へ縦パスを送り、前線で攻撃のスピードを上げる。#10横山久美は中盤に下がってボールを受け、攻撃の起点になるだけでなく、自らも積極的にシュートを狙った。

対するVONDSは、中盤でのボールの組み立てでは静岡に優位を許したものの、守備の強度では互角に渡り合う。最終ラインが身体を張ってシュートコースを塞ぎ、ゴール前で簡単に仕事をさせなかった。

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静岡はセットプレーから#3彦坂桃花がヘディングシュートを放つと、#9中島咲友菜も相手DFとの競り合いを制して右足でシュート。しかし、VONDSのGK#1山田二千華が好セーブで得点を許さない。

一方のVONDSは、ロングフィードを起点に#24増原遥花や#10櫻庭琴乃がサイドからの突破を狙った。しかし、静岡の#22上西可奈子や#5服部花音が粘り強く対応し、決定的な形には持ち込ませない。

前半中盤からは、静岡の前線からのプレスが効果を発揮するようになる。

VONDSは後方から短いパスをつないで前進することが難しくなり、ロングフィードを選択する場面が増加。静岡が相手陣内でボールを奪い返し、攻撃を繰り返す展開となった。

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前半終盤には、右サイドをオーバーラップした#22上西可奈子がマイナス方向へクロスを供給。#10横山久美が低い弾道のシュートで合わせたが、ここでもGK山田二千華が立ちはだかった。

押し込まれる時間が長かったVONDSだが、キャプテンの#11村上賀梨が最終ラインからドリブルで持ち上がると、静岡の守備ラインを押し下げる。守備から攻撃へ転じる可能性も見せた。

静岡が優勢に試合を進めながらも、VONDSの守備を崩し切れず、前半は0-0で終了した。

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横山久美の突破から岸野早奈が先制

後半に入ると雨脚が強まる中、VONDSがサイドへの素早い展開から攻撃を仕掛ける。

しかし、静岡は上西可奈子らが相手の突破を食い止め、クロスを簡単には許さない。相手に流れを渡さず、迎えた49分、ついに均衡を破った。

GK#21田谷春海のフリーキックをVONDSの選手がクリアすると、そのこぼれ球を#10横山久美が回収。前を向いてドリブルで持ち上がり、相手の左サイドの空いたスペースへ走り込んだ#15岸野早奈にパスを通した。
岸野はこれを右足でシュート。ボールはゴールネットを揺らし、静岡が待望の先制点を奪った。

優勝へ向けて大きく前進する先制点。静岡は1点のリードを手にした。

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VONDSがセットプレーから同点に追いつく

しかし、VONDSは先制を許しても崩れなかった。

前線へのロングフィードから素早く相手陣内へ進入し、攻撃の機会をうかがう。守備では#10横山久美にゴール前まで持ち込まれても、最後まで身体を張って追加点を許さない。

静岡はセットプレーから#3彦坂桃花がこの日3本目のヘディングシュートを放つなど、引き続きゴールに迫ったが、GK#1山田二千華がここでも好守を見せた。

攻撃機会こそ限られていたVONDSだが、守備で耐えながら反撃の機会を待っていた。
そして76分、セットプレーから試合を振り出しに戻す。

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左サイドで得たフリーキック。途中出場の#28中村円香が静岡の守備ラインとGKの間へボールを送り込むと、ゴール前に走り込んだ#11村上賀梨が頭で合わせる。
背後へ流すようなヘディングシュートがゴールに吸い込まれ、VONDSが1-1の同点に追いついた。

すでに2部降格が決まっているVONDSが、優勝目前の静岡に意地を見せる同点ゴールだった。

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緊迫の攻防を経て、静岡が悲願の初優勝

同時刻に行われていた他会場の試合では、2位・朝日インテック・ラブリッジ名古屋が岡山湯郷Belleを相手にリードを広げていた。

名古屋が勝利すれば勝点42。静岡は引き分けでも勝点42となり、得失点差で優勝できる状況だったが、逆にVONDSにもう1点を許せば優勝を逃す可能性がある。
優勝を待ちわびる雰囲気から、一転して緊張感の高まる終盤戦となった。

静岡は#10横山久美が持ち前のフィジカルと高いテクニックで驚異的なボールキープ力を発揮。相手のプレッシャーを受けても簡単にはボールを失わず、自らシュートを放って攻撃を完結させた。

対するVONDSもサイド攻撃からクロスを送り込み、静岡の守備陣に最後まで圧力をかけ続けた。

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互いに譲らない攻防が続いたが、追加点は生まれず、試合は1-1で終了。
同時に、静岡SSUボニータのなでしこリーグ1部初優勝が決まった。

最終成績は12勝6分4敗、勝点42。名古屋と勝点で並びながらも、得失点差で上回り、22試合のリーグ戦の頂点に立った。

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総括

静岡SSUボニータが、クラブ史上初のなでしこリーグ1部優勝を達成した。

一方で、この最終節を語るうえで欠かせないのが、すでに降格が決定していたVONDS市原FCレディースの健闘だ。

優勝を目前にした静岡が攻撃の主導権を握りながらも、VONDSは粘り強い守備とセットプレーで対抗。前回対戦の大敗から大きく成長した姿を示した。

優勝チームと降格チーム。シーズンを通じた成績には大きな差があったものの、この90分間では両者の強みがぶつかり合った。

リーグ最終節にふさわしい、見応えのある一戦だった。

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静岡SSUボニータ

悲願のなでしこリーグ1部初優勝を成し遂げた静岡SSUボニータ。

最終節は引き分けに終わったものの、試合全体では攻撃の主導権を握り、幾度となく相手ゴールへ迫った。
シュート数はVONDSの4本に対して静岡は15本。複数得点を挙げてもおかしくない内容だったが、相手守備陣の粘り強さとGK山田二千華の好守に阻まれた。

この試合で改めて存在感を示したのが、横山久美だった。
相手の厳しいマークを受けながらも、強靭なフィジカルとテクニックを生かしてボールを保持。広い視野と判断力で味方を使い、攻撃の起点となった。
49分の先制点でも、自ら前方へボールを運んで相手守備陣を引きつけ、岸野早奈のゴールをお膳立てした。
横山の優れた個人技術と判断力が、静岡の組織的な攻撃を支え、決定機の創出につながっていた。

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守備面でも、静岡の強さが光った。
VONDSには櫻庭琴乃という優れたアタッカーがおり、増原遥花らを生かしたサイド攻撃にも鋭さがある。しかし、静岡は上西可奈子や服部花音を中心に突破を食い止め、相手に決定機を多く作らせなかった。
また、彦坂桃花は守備に加えてセットプレーでも存在感を発揮。精度の高いヘディングシュートを繰り返し放ち、攻撃面でもチームに貢献した。

今シーズンの静岡を象徴しているのは、攻撃力だけでなく、守備の安定感も備えていたことだろう。
リーグ最多の53得点に加え、失点はリーグ最少の16。得失点差は+37に達した。

終盤のリーグ戦3試合はすべて引き分けとなり、優勝への道のりは決して平坦ではなかった。それでも、勝点を着実に積み重ね、最後はシーズンを通じて築いた得失点差が優勝を決定づけた。

2022年に2部優勝を果たし、2023年から1部に参戦。11位、7位、3位と順位を上げ、ついに2026年、頂点へ到達した。

静岡SSUボニータ|年間最終順位の推移
2023〜2026 プレナスなでしこリーグ1部
1位 3位 5位 7位 9位 11位 11位 7位 3位 1位 初優勝 2023 2024 2025 2026

次に待つのは、なでしこリーグ王者として臨む皇后杯。
リーグ屈指の得点力と堅固な守備を備えた静岡が、全国の強豪を相手にどこまで戦えるのか、注目したい。

VONDS市原FCレディース

なでしこリーグ1部初挑戦となったシーズンを、最下位で終えることになったVONDS市原FCレディース。
しかし、最終節で見せた戦いぶりは、シーズン序盤の苦しい時期とは異なるものだった。

静岡にボールを保持され、守備に回る時間は長かった。それでも、最終ラインは集中力を切らさず、身体を張ってシュートを防いだ。
終盤戦で強みの一つとなっていたセットプレーも、この試合で結果につながった。限られた攻撃機会を生かし、リーグ屈指の堅守を誇る静岡から得点を奪っている。
前回対戦で5失点を喫した相手に、今回は1失点。攻撃力の高い静岡を相手に、最後まで競り合う試合を展開したことには大きな意味がある。

その粘り強い守備を最後尾で支えたのが、GK山田二千華だ。
静岡の攻撃陣から繰り出されるシュートに対し、好セーブを連発。特に横山久美や彦坂桃花の決定機を阻み続けた。
後半に先制を許した後も追加点を与えず、同点ゴールにつながる反撃の可能性を残した。

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そして、この試合で最も印象に残ったのが、キャプテンの村上賀梨だった。
対人守備の強さを備えたセンターバックでありながら、ボールを持った際には自ら前進する積極性も見せた。
最終ラインからのドリブルで静岡の守備陣を押し下げ、押し込まれるチームの陣地回復に貢献。守備では横山久美らを相手に身体を張り、最後までチームを牽引した。

その村上が、76分にセットプレーから同点ゴールを決めた。
守備で耐え、機を見て前進し、自ら得点まで奪う。村上のプレーには、シーズンを通じて成長したVONDSの姿が凝縮されていた。

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攻撃面でも変化が見られた。
シーズン中盤までは櫻庭琴乃の個人能力に依存する場面も目立っていたが、終盤戦では周囲の選手が積極的に動き、チーム全体で前進する形が増えている。
櫻庭の存在が相手守備陣の警戒を集めることで、他の選手たちが仕掛けるスペースも生まれる。加えて、最終ラインからの持ち上がりやセットプレーなど、攻撃の選択肢は確実に増えてきた。

リーグ戦最終成績は3勝4分15敗、勝点13。1部残留という目標は果たせなかった。
それでも、終盤戦には3連勝を記録し、最終節では新王者・静岡と引き分けた。

前回対戦からの変化は、VONDSがこの1年間で積み重ねてきた成長を示している。

次に待つのは皇后杯。
リーグ戦の終盤でつかんだ手応えを、どのような戦いにつなげていくのか注目したい。

順位表

過去5試合:勝利 引き分け 敗戦

順位
(前節)
チーム名勝点試合数勝分負得点失点得失点過去5試合
1(1)静岡SSUボニータ422212645316+37
2(2)朝日インテック・ラブリッジ名古屋422212644620+26
3(3)オルカ鴨川FC402211743319+14
4(4)伊賀FCくノ一三重392211653020+10
5(5)ヴィアマテラス宮崎362210664234+8
6(6)ニッパツ横浜FCシーガルズ33229673933+6
7(8)スフィーダ世田谷FC29228593435-1
8(7)岡山湯郷Belle282284103140-9
9(9)愛媛FCレディース262275102742-15
10(10)ASハリマアルビオン212256112031-11
11(11)日体大SMG横浜162251162258-36
12(12)VONDS市原FCレディース132234151544-29

リソース

チーム紹介

静岡SSUボニータ
静岡SSUボニータの2026シーズン成績やスタッツ、横山久美を軸とした攻撃力と守備の安定を紹介。中島咲友菜、上西可奈子、彦坂桃花ら注目選手や試合レビューもまとめています。
VONDS市原FCレディース
2026年からなでしこリーグ1部へ初挑戦するVONDS市原FCレディース。2部優勝から大幅な選手入れ替えを経たチームの歩み、戦い方、成績推移、櫻庭琴乃・佐藤寿音・村上賀梨ら注目選手の紹介、後半戦の展望を考察します。

第22節 振り返り

Coming soon…

第22節 個人的ベストイレブン

Coming soon…

フルマッチLIVE配信

第22節全試合ハイライト

公式記録

日程・結果

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