【試合レビュー】三輪玲奈が先制、横山久美は通算184得点目、静岡が愛媛を3-1で退け首位キープ|2026プレナスなでしこリーグ1部 第16節

試合レビュー

中断期間が明け、なでしこリーグ1部はいよいよ終盤戦に突入した。

上位争いが混戦となる中、リーグ初優勝を目指す静岡SSUボニータにとって、残り7試合は勝点の取りこぼしをできるだけ避けたい戦いとなる。その再開初戦で、ホームに愛媛FCレディースを迎えた。

前回対戦では静岡が4-0で快勝。しかし、約2か月の中断期間を挟んだ再開初戦だけに、同じ展開になるとは限らない。

この試合は、アウェーの愛媛が持ち味のハードワークで静岡に対抗。決して一方的な内容ではなかったものの、勝負どころで確実に得点を重ねた静岡が3-1で勝利した。
愛媛も最後まで運動量を落とさず攻め続け、両チームの強みがぶつかり合った好ゲームとなった。

この記事の要点

  • 愛媛の好スタートを静岡が強度と素早い切り替えで押し返し、20分に三輪玲奈が先制
  • 後半開始8分間で横山久美、岸野早奈が連続得点。横山は歴代最多得点記録を通算184得点へ伸ばす
  • 愛媛も安齋結花の投入後に攻撃が活性化。最後まで静岡を押し込み、3-1のスコア以上に競った試合となった

試合情報

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試合展開

愛媛がハードワークで主導、静岡が徐々に押し返す

序盤は愛媛が持ち前のハードワークを前面に出し、静岡と互角以上に渡り合った。

FW#20川崎和奏が前線でボールを収め、#14近藤彩優子、#19黒岩沙羽、#26桜井由衣香らがスピードを生かして両サイドから静岡陣内へ進入する。

しかし静岡も、守備陣に加えて中盤の#7高島絢音、#9中島咲友菜を中心に強度の高い守備を見せ、ボールを失ってからの素早い切り替えで徐々に押し返していく。

静岡の寄せを受けた愛媛は、次第に横方向へのパスが増え、序盤ほど縦へ進めなくなった。対する静岡は、ボールを奪うと#10横山久美へ預ける場面が増え、シュートまで持ち込めるようになる。

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三輪玲奈が個人技で突破、静岡が先制して主導権を握る

静岡が流れを引き寄せ始めた20分、先制点が生まれた。

最終ラインの#3彦坂桃花から縦パスを受けた#8三輪玲奈が、横山とのワンツーで前を向く。そのままドリブルで相手守備陣の間を突破し、最後はDFのブロックを受けながらも前進。GKまでかわして右足で流し込んだ。
彦坂の縦への判断、横山の正確なリターンパス、そして三輪の個人技が組み合わさった見事な先制点だった。

リードを奪った静岡は、ハイプレスとテンポのよいパスワークで相手陣内でプレーする時間を増やしていく。選手同士が適度な距離を保ちながら細かくポジションを変え、愛媛の守備の狙いを外していった。

愛媛は先制を許した後、少し重心が後ろになったものの、再び縦への速さを意識する。静岡の横パスを狙って奪い、黒岩のいる右サイドや最終ラインの背後へ長いボールを送り込む。
それでも彦坂、#4青葉結衣のCBコンビが相手FWを挟みながら対応し、簡単には突破を許さなかった。

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前半終盤には愛媛にも大きなチャンスが訪れた。
ゴールキックから縦に速くつなぎ、深い位置でスローインを獲得。ペナルティエリア内で#20川崎和奏がボールを収め、落としたボールを#11小島和希子がミドルシュート。静岡GK#21田谷春海がセーブすると、愛媛がこぼれ球へ詰めたが、#22上西可奈子、青葉らがゴール前からかき出した。

静岡が1-0で前半を折り返したものの、この時点では愛媛にも十分に同点、逆転の可能性を感じさせる内容だった。

後半開始8分で2得点、静岡が一気に突き放す

後半も愛媛はサイドと最終ラインの背後を積極的に狙う。

しかし、相手に流れが渡り切る前に突き放せるのが、今季の静岡の強さでもある。
49分、相手のクリアボールを#22上西可奈子が巧みなトラップで収めると、相手のチャージを受けながらも振り切ってドリブルで前進。相手DFの意識が上西へ向いたところで、ゴール前へマイナスのパスを送る。
待っていた横山がワンタッチで仕留め、2-0。

上西の力強い仕掛けと横山の決定力がかみ合った得点だった。横山は第15節で樹立したなでしこリーグ歴代最多得点記録を、さらに通算184得点へ伸ばした。

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2点を追う愛媛は前へ出る必要が生まれたが、その状況でも静岡の攻勢は止まらない。

53分、ハイプレスから相手陣内でプレーを続けてコーナーキックを獲得。横山のキックを相手DFがクリアしたものの、こぼれ球を#15岸野早奈が拾い、右足で押し込んだ。

後半開始からわずか8分間で2得点。
スコアは3-0となり、静岡が一気に勝利へ近づいた。

安齋結花の投入で愛媛が反撃、最後まで静岡を追い詰める

それでも愛媛は試合を終わらせなかった。

途中出場の#29安齋結花が、最終ラインの背後への動き、細かなタッチのドリブル、振りの小さいシュートに加え、中盤まで下りてボールを受ける動きも見せる。攻撃の起点にもフィニッシャーにもなることで、愛媛の縦への推進力を取り戻していった。

安齋の投入後は、愛媛が静岡ゴールへ迫り、シュートで攻撃を終える場面が増える。

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74分、その安齋が左サイドからドリブルで持ち上がり、ペナルティエリア内へ進入して左足を振り抜く。シュートは相手DFに当たってコースが変わり、ゴールへ入った。

公式記録はオウンゴール。しかし、ビハインドの状況で投入され、前線を活性化させた安齋の積極的な仕掛けが生んだ1点だった。

さらに得点を求める愛媛は、勇気を持って最終ラインを押し上げ、攻撃に人数をかける。試合終盤も静岡ゴールへ迫ったが、追加点は生まれなかった。

試合は静岡SSUボニータ3-1愛媛FCレディースで終了した。

総括

スコアだけを見れば静岡の快勝に映るが、決して一方的な試合ではなかった。

公式記録のシュート数も静岡12本、愛媛10本。3-0となった後も愛媛は運動量と強度を落とさず、自分たちの狙いを失わないまま静岡ゴールへ向かい続けた。

それでも静岡は、愛媛が勢いを持って入った序盤を耐え、流れを引き寄せた時間帯に先制。さらに後半開始直後、愛媛が反撃へ出ようとしたタイミングで立て続けに2点を奪った。

90分を通して圧倒したというよりも、試合の重要な時間帯を確実にものにしたことが3-1という結果につながった。

リーグ初優勝を狙う静岡が、個人能力と組織力、そして勝負どころでの強さを示した一戦だった。

静岡SSUボニータ

印象的だったのは、ボールを失った直後の切り替えの速さだった。
スピードのある愛媛の選手たちに対しても素早く自陣へ戻り、守備の人数をそろえる。相手に簡単なカウンターを許さなかったことが、試合を安定させる大きな要因になった。

CBの青葉結衣、彦坂桃花は高さだけでなくスピードもあり、相手FWとの競り合いや最終ラインの背後への対応でも安定感を見せた。
この2人が後方を支えているからこそ、チーム全体が高い位置を取りやすい。さらにこの試合でも、最終ラインから前線や中盤へ積極的に縦パスを差し込み、守備の安定がそのまま攻撃のスタート地点になっていた。

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愛媛に押し込まれた終盤も、簡単には十分な体勢でシュートを打たせない。個々の守備能力だけでなく、周囲との連係の高さも感じさせた。

中盤では中島咲友菜が豊富な運動量で攻守に関与。愛媛に押し込まれた序盤を乗り切り、静岡が流れを取り戻すうえで大きな役割を担った。

愛媛FCレディース

試合への入り方は良かった。
90分を通して、強みであるハードワークと前線のスピードを生かそうとする意図がはっきりしており、実際に静岡を押し込む時間帯もつくった。

ただし、序盤の勢いが落ち着き始めたところで先制を許す。前半のうちに持ち直したものの、後半開始直後に立て続けに2失点したことで、一気に難しい状況へ追い込まれた。

一方で評価したいのは、3点差になってからも運動量が落ちなかったことだ。
これまでの試合では、時間の経過とともにハードワークを維持できなくなる場面も見られたが、この試合では最後まで走り切った。個人能力、組織力ともに高い静岡に対し、自分たちの強みをぶつけ続け、終盤は互角以上に渡り合った。

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近藤、黒岩、桜井ら攻撃の中心となる選手が静岡の守備に抑えられると、前進する手段が限られる時間帯もあった。そこで違いをつくったのが安齋だった。
安齋がこの試合で見せたようなプレーを継続して発揮できれば、愛媛の攻撃には新たな選択肢が加わる。

持ち味のハードワークと組み合わせることで、上位陣を相手にしてもより長い時間、拮抗した展開へ持ち込める可能性を感じさせた。

順位表

第16節を終え、静岡SSUボニータは勝点35で首位をキープした。愛媛FCレディースは勝点19のまま、7位から9位へ順位を落としている。

順位
(前節)
チーム名勝点試合数得点失点得失点過去5試合
1(1)静岡SSUボニータ351611234811+37
2(2)朝日インテック・ラブリッジ名古屋32169523715+22
3(4)オルカ鴨川FC31169432511+14
4(3)ヴィアマテラス宮崎29168532918+11
5(5)伊賀FCくノ一三重29168531912+7
6(6)岡山湯郷Belle23167272328-5
7(8)ニッパツ横浜FCシーガルズ21166372927+2
8(10)ASハリマアルビオン19165471822-4
9(7)愛媛FCレディース19165471831-13
10(9)スフィーダ世田谷FC16164482329-6
11(11)日体大SMG横浜101631121447-33
12(12)VONDS市原FCレディース4161114840-32

次節に向けて

次節、静岡SSUボニータは9月13日、オルカ鴨川FCとのアウェー戦に臨む。
前回対戦は拮抗した展開となったものの、前半に先制した静岡がその1点を守り切り、1-0で勝利した。
第16節終了時点で、首位・静岡の勝点は35。オルカは岡山湯郷Belleに5-1で勝利して勝点31として3位に浮上。勝点差は4となった。

残り6試合で迎える上位直接対決。
逆転優勝を狙うオルカにとっては、静岡との勝点差を縮めるためにも落とせない一戦となる。一方の静岡にとっても、直接対決で勝点差を広げることができれば、リーグ初優勝へ大きく前進する。

シーズン終盤の優勝争いを左右する重要な一戦になりそうだ。

9位となった愛媛FCレディースは9月12日、12位のVONDS市原FCレディースをホームに迎える。
前回対戦では、愛媛が2点を先行。VONDSの反撃を1点に抑えて2-1で勝利している。

しかし今回のVONDSは、前回対戦時とは状況が少し違う。
第16節で日体大SMG横浜を2-1で破り、なでしこリーグ1部での初勝利を挙げた。待望の白星を手にしたことで、チームの雰囲気や自信も高まっていることが予想される。

愛媛としては相手の順位にかかわらず、静岡戦で見せたハードワークをもう一度90分間継続したい。
そのうえで、優勢な時間帯にしっかり得点へ結びつけられるか。混戦となっている中位グループから抜け出すためにも、重要なホームゲームとなる。

リソース

チーム紹介

愛媛FCレディース
愛媛FCレディースの2026シーズン成績やスタッツ、ハイプレスとハードワークを軸としたチームの特徴を紹介。小松 里弥、黒岩沙羽、近藤彩優子、川崎和奏ら注目選手や試合レビューもまとめています。
静岡SSUボニータ
静岡SSUボニータの2026シーズン成績やスタッツ、横山久美を軸とした攻撃力と守備の安定を紹介。中島咲友菜、上西可奈子、彦坂桃花ら注目選手や試合レビューもまとめています。

第16節 振り返り

Coming soon…

第16節 個人的ベストイレブン

Coming soon…

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