2026プレナスなでしこリーグ1部は第19節。全22節のリーグ戦は、終盤の重要な局面を迎えている。
前節は上位5チームのうち4チームが敗れ、ニッパツ横浜FCシーガルズやVONDS市原FCレディースの連勝がリーグの勢力図に変化をもたらした。
そして今節、首位・静岡SSUボニータが重要な上位直接対決を制した。
4位・ヴィアマテラス宮崎に先制を許しながらも、後半に中島咲友菜と彦坂桃花が得点。2-1の逆転勝利で勝点39に伸ばし、首位を維持した。
さらに、ニッパツ横浜FCシーガルズは日体大SMG横浜との横浜ダービーを制し、連勝を5に伸ばした。上位進出を狙う中で、リーグ終盤戦における存在感を高めている。
伊賀FCくノ一三重も岡山湯郷Belleに4-1で逆転勝利。連敗を2で止め、数学上の優勝の可能性を残した。
一方、3連勝中だったVONDS市原FCレディースはスフィーダ世田谷FCに0-1で敗戦。愛媛FCレディースはASハリマアルビオンを3-0で下して2連勝を飾り、1部残留を確定させた。
なお、台風25号の影響で開催中止となったオルカ鴨川FCと朝日インテック・ラブリッジ名古屋の試合は、10月11日に延期されている。
9月26日・27日は5試合のみの開催となったが、優勝争い、上位進出、残留争いのそれぞれで重要な結果が生まれた。
リーグ全体の動きと各試合を振り返る。
ダッシュボード
※第19節のオルカ鴨川FC対朝日インテック・ラブリッジ名古屋は10月11日に延期されています。
第19節の試合結果
| 対戦カード | 結果 | 超概要コメント | リンク |
|---|---|---|---|
| 日体大 vs ニッパツ | 1-2 | ニッパツが前半に2点を先行。日体大の反撃を振り切り5連勝。 | 試合レビュー |
| VONDS vs 世田谷 | 0-1 | 田口茉亜紗が82分に決勝点。世田谷がVONDSの連勝を止めた。 | 試合レビュー |
| ハリマ vs 愛媛 | 0-3 | 近藤彩優子が2得点。愛媛が完封勝利で1部残留を確定。 | 試合レビュー |
| 宮崎 vs 静岡 | 1-2 | 宮崎が先制するも、静岡が後半に2得点を奪って逆転勝利。 | 試合レビュー |
| 湯郷 vs 伊賀 | 1-4 | 湯郷が先制も、伊賀が4得点で逆転。連敗を2で止めた。 | 試合レビュー |
| オルカ vs 名古屋 | 延期 | 10月11日12時、ワタレイスタジアムで開催予定。 | ― |
第19節で見えたリーグ全体の動き
前節、上位5チームのうち4チームが敗れ、リーグの勢力図に変化が見え始めた第18節。
第19節では、上位勢の立て直しに明暗が分かれた。
首位・静岡は宮崎に先制されながらも逆転勝利。前節のニッパツ戦での敗戦から立て直し、優勝に向けて重要な勝点3を積み上げた。
一方、宮崎は前節の5失点大敗から守備と攻撃の組み立てを修正。首位・静岡を苦しめたものの、逆転を許して2連敗となった。
伊賀も湯郷に先制を許したものの、4得点で逆転勝利。連敗を2で止め、上位争いに踏みとどまった。
そして、好調を維持しているのがニッパツ。日体大を下して5連勝を達成し、5位・伊賀との勝点差を2まで縮めた。
対照的に、開幕14連敗から3連勝を飾っていたVONDSは世田谷に敗れ、連勝がストップ。
愛媛はハリマを3-0で下して2連勝を飾り、1部残留を確定させた。
この結果、静岡は勝点39で首位を維持。2位・名古屋との差を4ポイントに広げた。ただし、名古屋と3位・オルカは直接対決が延期されたため、いずれも静岡より1試合少ない。
4位・宮崎と5位・伊賀は勝点32で並び、6位・ニッパツも勝点30まで接近した。
前節は上位勢の相次ぐ敗戦が目立ったが、今節は静岡と伊賀が立て直し、ニッパツが連勝を継続。その一方で宮崎は連敗し、VONDSの快進撃も一度止まった。
首位・静岡が優勝に向けて重要な勝点3を積み上げる一方、その背後では各チームの勢いに差が生まれ始めている。
残り3節。さらに未消化の上位直接対決も残されており、優勝争いから中位の順位争い、残留争いまで、予断を許さない終盤戦が続く。
順位変動と順位表(第19節終了時点)
第19節は5試合のみの開催となり、順位表の変動は限定的だった。
上位8チームの順位は変わらず、首位・静岡が勝点39まで伸ばした。
一方、ニッパツは勝点30に到達し、5位・伊賀との差を2ポイントに縮めた。
中位では、世田谷がVONDSを破って勝点22とし、10位から9位に浮上。愛媛に敗れたハリマは9位から10位へ後退した。
11位・日体大と12位・VONDSはともに敗戦。勝点差3のまま、残り3試合を迎える。
| 順位 (前節) | チーム名 | 勝点 | 試合数 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 | 過去5試合 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1(1) | 静岡SSUボニータ | 39 | 19 | 12 | 3 | 4 | 51 | 14 | +37 | |
| 2(2) | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 | 35 | 18 | 10 | 5 | 3 | 39 | 18 | +21 | |
| 3(3) | オルカ鴨川FC | 32 | 18 | 9 | 5 | 4 | 26 | 14 | +12 | |
| 4(4) | ヴィアマテラス宮崎 | 32 | 19 | 9 | 5 | 5 | 33 | 26 | +7 | |
| 5(5) | 伊賀FCくノ一三重 | 32 | 19 | 9 | 5 | 5 | 25 | 18 | +7 | |
| 6(6) | ニッパツ横浜FCシーガルズ | 30 | 19 | 9 | 3 | 7 | 34 | 28 | +6 | |
| 7(7) | 岡山湯郷Belle | 27 | 19 | 8 | 3 | 8 | 29 | 33 | -4 | |
| 8(8) | 愛媛FCレディース | 25 | 19 | 7 | 4 | 8 | 24 | 35 | -11 | |
| 9(10) | スフィーダ世田谷FC | 22 | 19 | 6 | 4 | 9 | 28 | 32 | -4 | |
| 10(9) | ASハリマアルビオン | 20 | 19 | 5 | 5 | 9 | 19 | 27 | -8 | |
| 11(11) | 日体大SMG横浜 | 13 | 19 | 4 | 1 | 14 | 19 | 53 | -34 | |
| 12(12) | VONDS市原FCレディース | 10 | 19 | 3 | 1 | 15 | 12 | 41 | -29 |
※第19節のオルカ対名古屋は未消化。両チームは18試合、その他の10チームは19試合を消化しています。
得点ランキング(第19節終了時点)
| 順位 | 得点数 (今節得点) | 氏名 | チーム名 |
|---|---|---|---|
| 1 | 14 | 横山 久美 | 静岡SSUボニータ |
| 2 | 13 | 内田 美鈴 | スフィーダ世田谷FC |
| 3 | 10(+1) | 室井 胡心 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
| 3 | 10 | 土屋 佑津季 | ヴィアマテラス宮崎 |
| 5 | 9 | 堀江 美月 | スフィーダ世田谷FC |
| 5 | 9(+1) | 中島 咲友菜 | 静岡SSUボニータ |
| 5 | 9 | 藤原 愛里 | 朝日インテック・ラブリッジ名古屋 |
| 8 | 8 | 岡 百々花 | ニッパツ横浜FCシーガルズ |
| 8 | 8 | 三輪 玲奈 | 静岡SSUボニータ |
| 8 | 8 | 千葉 園子 | ASハリマアルビオン |
各対戦カード振り返り
※第19節のオルカ対名古屋は未消化。両チームは18試合、その他の10チームは19試合を消化しています。
伊賀と宮崎は勝点32、得失点差+7で並んでいますが、総得点で宮崎が上回るため、宮崎が4位、伊賀が5位となっています。
ニッパツが横浜ダービーを制し、5連勝を達成
5連勝を目指すニッパツが、前半から高い守備強度と攻守の切り替えの速さを発揮した。
7分、吉田凪沙の縦パスから浦島里紗が右サイドの岡百々花へ展開。岡のグラウンダーのクロスに權野貴子が飛び込み、ニッパツが先制した。
その後もニッパツは前線からのプレスとセカンドボールの回収によって主導権を維持。日体大のスローインから始まったプレーでボールを奪うと、複数の選手による素早いパス交換から室井胡心が追加点を決めた。
しかし、後半は日体大が反撃。
中盤の球際で強く寄せるようになると、安積和季が巧みなドリブルからゴールを奪い、1点差に迫った。
その後も日体大が攻撃を仕掛けたが、ニッパツが逃げ切って2-1で勝利。5連勝で勝点30に到達した。
前半のニッパツが見せた組織的な連動と、後半に日体大が見せた守備の修正。両チームの特徴が表れた横浜ダービーだった。
世田谷がVONDSの連勝を止める、田口茉亜紗が決勝点
中断明け3連勝と勢いに乗るVONDSだったが、今節は世田谷の攻撃を最後まで防ぎ切ることができなかった。
世田谷は堀江美月を前線の起点とし、内田美鈴や北川心子がその周囲からゴールを狙った。さらに根本彩夏、篠原沙耶らも攻撃に参加し、中央とサイドを使い分けながら決定機を作った。
VONDSも櫻庭琴乃を中心に反撃。後半には両サイドを高い位置まで押し上げ、攻撃の圧力を強めた。
しかし、82分に試合が動く。
世田谷のコーナーキックから北川が放ったシュートはVONDSの選手がブロックしたものの、こぼれ球を田口茉亜紗が押し込み、先制点を奪った。
VONDSも終盤には増田沙美亜がポスト直撃のシュートを放ったが、同点には追いつけず。0-1で敗れ、連勝は3で止まった。
世田谷は勝点22に伸ばして9位へ浮上。VONDSも守備の安定感は見せたものの、チャンスを得点につなげる精度に課題を残した。
愛媛が攻守でハリマを上回り、3得点で1部残留を決定
前節、伊賀を3-2で破った愛媛が、今節も積極的な守備と速い攻撃を発揮した。
愛媛は立ち上がりからハリマのビルドアップにプレスをかけ、高い位置でボールを奪う。攻撃では中央への縦パスとサイドへの展開を使い分け、ハリマを自陣へ押し込んだ。
先制点は左サイドから生まれた。
桜井由衣香のクロスに近藤彩優子が頭で合わせ、愛媛がリードを奪う。
後半も愛媛は攻撃の手を緩めず、再び桜井のクロスを起点に安齋結花が追加点。さらにハリマの横パスを奪った平塚万貴から近藤彩優子につなぎ、ミドルシュートで3点目を決めた。
ハリマは選手交代によって反撃を試みたものの、得点には至らなかった。
愛媛は3-0で完封勝利。2連勝で勝点25に伸ばし、なでしこリーグ1部残留を確定させた。
一方のハリマは10位へ後退。第16節の宮崎戦で見せたような積極的な守備と、奪った後の速い攻撃を取り戻せるかが重要になる。
静岡が後半に修正、中島・彦坂の得点で逆転勝利
優勝争いに向けて重要な上位直接対決は、前半と後半で主導権が大きく入れ替わる試合となった。
前半の宮崎は、これまでの低い位置からのビルドアップに固執せず、積極的に前線へボールを送った。
坂本理保を中盤に配置して横山久美へのパスコースを制限。ボールを奪えば土屋佑津季、小澤寛、永野桃子らが積極的に前へ走った。
21分には、宮崎の高い位置からの守備を起点に小澤寛が先制点を奪った。
しかし後半、静岡が修正する。
横山が低い位置まで下がって相手を引きつけると、その外側を上西可奈子らが使って攻撃を展開。51分には上西のクロスに中島咲友菜が合わせ、同点に追いついた。
さらに時間の経過とともに静岡が宮崎を押し込み、87分にはコーナーキックの流れから彦坂桃花が決勝点。
前半の宮崎が見せた強度と縦への速さ。それに対して静岡が後半に見せた修正力と底力。
上位対決らしい攻防を制した静岡が、勝点39に伸ばして首位を守った。
伊賀が4得点の逆転勝利、縦への推進力で湯郷を圧倒
前節、宮崎に5-1で快勝した湯郷が、今節も先制する。
11分、香椎彩香の直接フリーキックがゴールネットを揺らし、ホームの湯郷がリードを奪った。
しかし、そこから試合の主導権を握ったのは伊賀だった。
伊賀は最終ラインから積極的に縦パスを送り、平田ひなのを起点に前進。唐沢芽依や増田玲那らがサイドから攻撃に加わり、湯郷を自陣へ押し込んだ。
26分には橋沼真帆がミドルシュートを決めて同点。前半アディショナルタイムには増田玲那のコーナーキックから上田彩葉が逆転ゴールを奪った。
後半も伊賀は攻撃の手を緩めず、途中出場の松田吏真がコーナーキックから追加点。84分には平田ひなのがボレーシュートを決め、4-1とした。
印象的だったのは、前線へボールを送った後の、伊賀の押し上げの速さである。
最終ラインから前方へパスを出すだけでなく、選手全体が連動して前進し、セカンドボールを回収。相手陣内で攻撃を継続した。
伊賀は4-1の逆転勝利で連敗を2で止め、勝点32に到達。上位争いに踏みとどまり、数字の上でも優勝の可能性を残した。
一方の湯郷は、前節の宮崎戦で機能した前線からのプレスを十分に発揮できず、試合ごとの守備対応に課題を残した。
次節の注目カード
岡山湯郷Belle vs 静岡SSUボニータ
第20節の注目カードは、7位・岡山湯郷Belleと首位・静岡SSUボニータの一戦である。
前回対戦となった第9節では、静岡が4-0で勝利した。
当時の湯郷は、コンパクトな守備とパスワークを使った前進によって静岡を苦しめる時間を作った。しかし、静岡はセットプレーから得点を重ね、最終的には4得点の快勝を収めている。
そして迎える今季2度目の対戦は、前回とは異なる状況にある。
首位・静岡は勝点39。2位・名古屋との勝点差は4だが、名古屋には未消化試合があるため、まだ安心できる差ではない。
それでも、静岡は残り3試合をすべて勝利すれば、他チームの結果に左右されず優勝を決められる位置にいる。
対する湯郷は、約2か月の中断期間に多くの選手が入れ替わり、チームの再構築を進めている。
第16節にはオルカに1-5で敗れ、第17節はハリマと0-0。第18節には宮崎を5-1で破ったものの、第19節は伊賀に1-4で敗戦した。
大きく異なる結果が続いているが、勝利した宮崎戦では、前線からの積極的な守備と素早い攻撃が機能していた。
次節も、どの位置でボールを奪い、そこからどのように静岡ゴールへ向かうかが重要になる。

静岡は第19節の宮崎戦で、前半に相手の守備へ苦しみながらも、後半の修正によって逆転勝利を収めている。
湯郷が静岡を苦しめるためには、試合の入り方だけでなく、90分間を通して守備の強度とコンパクトさを維持することが求められる。
静岡が優勝へ大きく前進するのか。
それとも、チーム再構築を進める湯郷が首位の歩みを止めるのか。
残り3試合となったリーグ戦の行方を左右する一戦に注目したい。
第19節 個人的ベストイレブン

第19節全試合ハイライト動画
チーム紹介
- 静岡SSUボニータ
- 朝日インテック・ラブリッジ名古屋
- オルカ鴨川FC
- ヴィアマテラス宮崎
- 伊賀FCくノ一三重
- 岡山湯郷Belle
- ニッパツ横浜FCシーガルズ
- ASハリマアルビオン
- 愛媛FCレディース
- スフィーダ世田谷FC
- 日体大SMG横浜
- VONDS市原FCレディース

