【第16節振り返り】中断明けから上位争いが動く オルカ3位浮上、VONDSは待望の1部初勝利|2026プレナスなでしこリーグ1部

節別ふりかえり

約2か月の中断期間を経て、2026プレナスなでしこリーグ1部が再開した。

第15節までに積み上げたものを維持したチーム、新たな戦力を加えたチーム、主力の移籍を受けて再構築を迫られたチーム。選手の加入・退団が相次いだ中断期間を挟み、第16節は各チームの現在地を改めて確認するラウンドとなった。

首位・静岡SSUボニータは愛媛FCレディースを3-1で下し、首位をキープ。一方、2位の朝日インテック・ラブリッジ名古屋はニッパツ横浜FCシーガルズに0-3、3位のヴィアマテラス宮崎はASハリマアルビオンに1-3で敗れた。

その間に順位を上げたのがオルカ鴨川FCである。岡山湯郷Belleを5-1で下し、4位から3位へ浮上。次節には首位・静岡との直接対決を迎える。

そして下位では、VONDS市原FCレディースが日体大SMG横浜を2-1で破り、ついになでしこリーグ1部初勝利を挙げた。

中断明け初戦から、優勝争いにも残留争いにも動きが生まれた第16節を振り返る。

ダッシュボード

第16節の試合結果

対戦カード結果超概要コメントリンク
ニッパツ vs 名古屋3-0ニッパツがハイプレスと縦への速さを発揮し、名古屋を3発で撃破。試合レビュー
静岡 vs 愛媛3-1運動量で粘る愛媛を、迫力ある攻撃の静岡が勝負どころで3得点試合レビュー
世田谷 vs 伊賀1-2内田美鈴のスーパーゴールも、伊賀が運動量と強度で上回り逆転勝利。試合レビュー
宮崎 vs ハリマ1-3宮崎は開始6分の退場で数的不利となり、ハリマが前半3得点で逆転。試合レビュー
VONDS vs 日体大2-1VONDSが前半の2得点を守り切り、待望のなでしこリーグ1部初勝利。試合レビュー
湯郷 vs オルカ1-5大幅再編の湯郷に対し、オルカが連動した守備から主導権を握って5得点。試合レビュー

第16節で見えたリーグ全体の動き

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第16節を終えて、首位は静岡が守った。

静岡は愛媛に勝利して勝点35。一方、2位・名古屋がニッパツに敗れたため、その差は3ポイントへ広がった。

さらに大きく動いたのが3位以下である。

4位だったオルカが湯郷に5-1で勝利して勝点31とし、宮崎を抜いて3位へ浮上。名古屋との差もわずか1ポイントとなった。

宮崎はハリマに敗れて4位へ後退し、伊賀は世田谷に勝利。宮崎と伊賀は勝点29で並んだ。
第15節終了時点では3位・宮崎を勝点1ポイント差でオルカが追っていたが、第16節で両者の順位が入れ替わった。さらに伊賀も勝点29まで伸ばし、2位・名古屋から5位・伊賀までが勝点3の中にひしめいている。

中位でも動きがあった。ニッパツは名古屋を破って8位から7位へ、ハリマは宮崎を下して10位から8位へ浮上。一方、愛媛は7位から9位、世田谷は9位から10位へ後退した。

そして12位・VONDSは初勝利で勝点4。11位・日体大との勝点差を6まで縮めた。依然として厳しい状況ではあるが、残留争いにも小さくない変化が生まれている。

第16節は、首位・静岡が勝点3を積み上げた一方、名古屋と宮崎がそろって敗れ、追走するオルカと伊賀が勝利した。中断期間明け初戦から、上位争いの形が組み替わったラウンドだった。

順位変動と順位表(第16節終了時点)

2026プレナスなでしこリーグ1部 順位推移

順位
(前節)
チーム名勝点試合数得点失点得失点過去5試合
1(1)静岡SSUボニータ351611234811+37
2(2)朝日インテック・ラブリッジ名古屋32169523715+22
3(4)オルカ鴨川FC31169432511+14
4(3)ヴィアマテラス宮崎29168532918+11
5(5)伊賀FCくノ一三重29168531912+7
6(6)岡山湯郷Belle23167272328-5
7(8)ニッパツ横浜FCシーガルズ21166372927+2
8(10)ASハリマアルビオン19165471822-4
9(7)愛媛FCレディース19165471831-13
10(9)スフィーダ世田谷FC16164482329-6
11(11)日体大SMG横浜101631121447-33
12(12)VONDS市原FCレディース4161114840-32

得点ランキング(第16節終了時点)

順位得点数
(今節得点)
氏名チーム名
113(+1)横山 久美静岡SSUボニータ
212(+1)内田 美鈴スフィーダ世田谷FC
39(+2)室井 胡心ニッパツ横浜FCシーガルズ
39藤原 愛里朝日インテック・ラブリッジ名古屋
39(+1)土屋 佑津季ヴィアマテラス宮崎
68堀江 美月スフィーダ世田谷FC
68(+1)三輪 玲奈静岡SSUボニータ
68中島 咲友菜静岡SSUボニータ
68(+1)千葉 園子ASハリマアルビオン
107岡 百々花ニッパツ横浜FCシーガルズ

各対戦カード振り返り

ニッパツが名古屋を3発撃破、縦への速さが再び武器に

ニッパツ横浜FCシーガルズが、2位・朝日インテック・ラブリッジ名古屋を3-0で下した。

名古屋がボールを保持するのに対し、ニッパツは前線からのプレスと奪った後の速い攻撃を徹底。吉田凪沙がセットプレーから先制すると、岡百々花のスピードを起点に室井胡心が2得点を奪い、前半だけで3点差をつけた。

名古屋も後半は藤原愛里を投入して押し返したが、ニッパツは守るだけに回らず、最後まで前線から圧力をかけ続けた。中断期間に加入した長江伊吹も最終ラインで安定した対応を見せ、2試合連続のクリーンシートに貢献している。

一方の名古屋は、第15節のVONDS戦に続いて2試合連続無得点。ボールを保持して敵陣まで運ぶことはできても、そこからゴールへ向かう縦への変化が少なく、ニッパツの強度を崩し切れなかった。

静岡は勝負どころを逃さず、首位をキープ

首位・静岡SSUボニータは、愛媛FCレディースに3-1で勝利した。

序盤は愛媛が持ち味のハードワークとサイドからの速い攻撃で主導権を握った。それでも静岡は守備の強度と切り替えの速さで徐々に押し返し、20分に三輪玲奈が先制する。

後半開始直後には横山久美、岸野早奈が立て続けに得点。横山はなでしこリーグ歴代最多得点記録を184まで伸ばした。愛媛も途中出場の安齋結花を中心に最後まで攻め続けたが、静岡が重要な時間帯で確実に得点を重ねた。

90分を通して一方的に圧倒したというより、相手に流れが傾きかけたところで試合を動かす。優勝を争う静岡の勝負強さが表れた一戦だった。

伊賀が世田谷に逆転勝利、終盤まで落ちなかった強度

スフィーダ世田谷FCは47分、内田美鈴が鮮やかなバイシクルシュートを決めて先制した。しかし伊賀FCくノ一三重はわずか3分後、渡邊凜のクロスに唐沢芽依が頭で合わせて同点。72分には増田玲那のコーナーキックから島野美央がヘディングで決め、2-1と逆転した。

勝敗を分けたのは、時間が進んでも落ちなかった伊賀の運動量と守備強度だった。セカンドボールの回収で徐々に優位に立ち、同点に追いついた50分以降、世田谷に公式記録上シュートを許さなかった。

中断期間にキャプテンだった常田麻友が移籍した伊賀だが、新キャプテンの秦美結を中心に守備の強度は維持されている。新加入の橋沼真帆も同点ゴールにつながる攻撃に関与しており、選手が入れ替わった中でも伊賀らしさを保った再開初戦となった。

開始6分の退場で一変、ハリマが宮崎に逆転勝利

ヴィアマテラス宮崎は開始3分、土屋佑津季が先制。土屋にとっては、なでしこリーグ通算50得点となるゴールだった。

しかし、そのわずか3分後に松田遥奈が退場。10人となったことで試合の構図は一変した。

数的優位となったASハリマアルビオンは、単純に中央へ人数を集めるのではなく、ピッチを幅広く使って宮崎を左右へ動かした。千葉園子、唐橋万結、小池快が得点し、前半のうちに3-1と逆転する。

宮崎は後半、最終ラインの人数を減らして攻撃的な配置へ変更。一人少ないことを感じさせない時間も作ったが、前半についた2点差を覆すことはできなかった。

宮崎にとっては退場という大きなアクシデントがあった試合であり、単純にチーム状態の悪化と結びつけることはできない。それでも優勝争いでは痛い敗戦となった。

VONDSがついに1部初勝利

第16節で最も大きな節目を迎えたのは、VONDS市原FCレディースだった。

開幕14連敗から、第15節では名古屋を相手に0-0で初勝点。そして中断明け初戦、日体大SMG横浜を2-1で破り、なでしこリーグ1部で待望の初勝利を挙げた。

前半のVONDSは高い最終ラインと前線からのプレスで日体大のビルドアップを制限。ボールを奪えば中村円香を起点に前進し、両WBも高い位置を取って人数をかけた。そこで得たセットプレーから櫻庭琴乃、小林和音が得点し、前半で2点をリードした。

後半は運動量が落ちて日体大に押し込まれたものの、村上賀梨を中心とする守備陣が身体を張って1点差を守り切った。

前節の「初勝点」から、今節は「初勝利」。順位は12位のままで残留への道のりは厳しい。それでも、シーズン序盤と比べて守備から攻撃へ転じる狙いが明確になり、それを初めて勝点3という結果につなげたことは大きな一歩である。

オルカが5発快勝、4位から3位へ浮上

オルカ鴨川FCは、岡山湯郷Belleを5-1で下した。

中断期間中、オルカは最終ラインの中心だった松尾菜月がINAC神戸レオネッサへ完全移籍し、アルマ・デービスも大和シルフィードへ期限付き移籍。一方の湯郷は10人がチームを離れ、4人が加入する大幅な再編を経験している。

再開初戦では、その完成度の差が試合内容に表れた。

オルカは選手間の距離をコンパクトに保ち、前線から中盤、最終ラインまでが連動して湯郷のビルドアップを制限。奪った後は空いたスペースへ素早く前進した。

故障から復帰した齊藤彩花が2得点を挙げ、中西茉里奈、越路萌永もゴール。今季最多となる5得点を奪った。

主力の移籍はありながらも既存のチーム構造を維持したオルカと、大幅な再構築の途中にある湯郷。中断期間をどう過ごしたかという違いも感じさせる一戦だった。

中断期間の移籍が映した各チームの現在地

約2か月の中断期間では、リーグ全体で多くの選手が動いた。

その影響は、第16節でも一様ではなかった。

ニッパツでは、ちふれASエルフェン埼玉から加入した長江伊吹が最終ラインに入り、名古屋を無失点に抑える勝利に貢献。伊賀では常田麻友が移籍した一方、新加入の橋沼真帆がプレーし、新キャプテンの秦美結を中心に従来の高い守備強度を維持している。

オルカも松尾菜月という最終ラインの主力を失ったが、中断前からの守備の連動性を保ち、湯郷に5-1で快勝した。

対照的だったのが湯郷である。10人が離れ4人が加入する大幅な再編となり、攻守の距離感や役割分担にはまだ整理途上の部分が見えた。

名古屋ではキャプテンだった橘麗衣がAC長野パルセイロ・レディースへ移籍。静岡も万力安純、水口茉優らがWEリーグへ移っている。

もちろん、第16節の結果をすべて移籍だけで説明することはできない。ただ、中断期間を経て既存の形をどこまで維持できたか、新しい選手をどれだけ組み込めたかは、残り6試合を戦ううえで重要な要素になりそうだ。

次節の注目カード

第17節最大の注目カードには、3位・オルカ鴨川FCと首位・静岡SSUボニータによる一戦を挙げたい。

両チームの勝点差は4。オルカが勝てば1ポイント差まで接近し、静岡が勝てば7ポイント差へ広がる。
残り6試合となった優勝争いにおいて、大きな意味を持つ直接対決になる。

前回対戦の第6節では、当時無敗だった静岡に互角に渡り合う時間を作ったオルカだったが、静岡が先制し、オルカは得点を奪えず、1-0で静岡が接戦を制した。

静岡の守備陣も堅く、オルカと並んでここまでリーグ最少失点タイ。ここまでの成績だけ見ると静岡が優位なように見える。

オルカにとっては、2023シーズン以来2度目のリーグ優勝を目指すうえで、勝点を得たい大一番である。
守備の要が抜けた影響を最小限に抑えながら、静岡最大の得点源であり攻撃の起点でもある横山久美に楽な状態で前を向かせないことが重要になる。突破力のある三輪玲奈、中島咲友菜への警戒も欠かせない。守備ブロックをコンパクトに保ち、奪った後は静岡の守備が整う前に少ない手数でゴールへ迫りたい。

イメージです

対する静岡にとっては、クラブ初のリーグ優勝へ向けて、リーグ屈指の守備強度を持つオルカを再び攻略できるかが問われる。
リーグ最多48得点を挙げる攻撃力は大きな武器で、横山を起点に三輪、中島らが背後へ出ていく形には再現性がある。一方で、相手の守備ブロックに横山への経路を遮断された試合では、攻撃が停滞する時間帯もあった。オルカに守備を整えられる前に先手を取り、試合を優位に進められるかがポイントになりそうだ。

第16節 個人的ベストイレブン

【第16節 個人的ベストイレブン】中断明け初戦に躍動した選手たち|2026プレナスなでしこリーグ1部
2026プレナスなでしこリーグ1部 第16節の全6試合から、個人的ベストイレブン11人と追加選出6人を選出。室井胡心、齊藤彩花、横山久美ら、中断明け初戦で存在感を示した17選手のプレーと選出理由を紹介します。

第16節全試合ハイライト動画

チーム紹介